第5節
2023.12.9土
セレッソ大阪ヤンマーレディース
脇阪 麗奈 (27')
小山 史乃観 (34')
矢形 海優 (37')
3
HOME
FULL TIME
3
ヤンマースタジアム長居
3-0
0-3
ノジマステラ神奈川相模原
南野 亜里沙 (49')
浜田 芽来 (53')
笹井 一愛 (84')
ヤンマースタジアム長居
1,779人
放送
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■鳥居塚伸人監督
「選手は一生懸命90分戦ってくれました。このゲームを勝ちに持っていけなかった自分の反省が多くあると思います。課題と向き合って、次に勝利できるように頑張っていきたいと思います」
Q:前半に3点を取れた一方、後半に3失点して追いつかれた。サッカーの怖さを改めて感じたが、今日の収穫と、後半の入りを含めた課題をどう振り返りますか?
「試合の入りに関しては、『ファーストチャンスをモノにできるチームになろう』と。『ファーストチャンスをモノにすれば、勢いが付くし、勝てるチームになっていく』という話をしました。前半、最初は相手の(ボールの)動かし方に戸惑う場面もありましたが、途中から安定して、点を取れてからは自信を持ってやれたと思います。前半に関しては問題なかったと思いますが、細かい部分でロストしてピンチを迎えたので、そこは修正しようとハーフタイムに確認しました。あとは、ハーフタイムで『3-0なので、入りの10分はポイントになる。入りを大切にしよう』と話はしていたのですが、失点が後半の4分、8分と10分以内に2失点してしまった。全てをチームの経験にするしかないと思って、またいい経験をしたと思って、プラスに考えて、次に向かいたいと思います」
Q:今日の後半に見られた不安定な部分を解消していくために必要なことは?
「日々のトレーニングの甘さが出たと思います。その部分を改善していかないと、プロリーグで勝ち続けることはそう甘くないと、選手たちも感じたと思う。後半アディショナルタイムに失点して負けた経験を生かしたとは思いますが、今回はリードした試合の運び方を経験したと。そこはまたプラスになったと選手たちには伝えました。今日の経験を次につなげられるチームにしていきたいです」
Q:一歩、一歩、成長していくことが大事?
「そうですね。結果は悔しいですが、勝ちゲームを追い付かれたことをネガティブに取るのか、ポジティブに取るのか。ウチは1年目なので、どんなことでも成長する材料にしていくことが大事。これも一つの経験として、今後のリーグ戦で生きてくると信じています。選手にもそのように伝えて、これからのトレーニングに励んでいきたいです」
選手コメント
■脇阪麗奈選手
Q:勝利を逃した試合になったが、どう振り返りますか?
「本当に勝ちたかったです。ただ、これが自分たちの甘さだと痛感する試合になりました」
Q:「甘さ」というのは、リード時の試合運びや1対1の部分ですか?
「そうですね。3-0で折り返して、スコア的には余裕もあった中で、雰囲気的にはフワついた感じはなかったのですが。一人一人の球際で、後半の入りから負けていた。自分もプレーで見せることができなかったのは、自分の実力不足だと思います」
Q:試合前、相手の川島選手との「デュエル勝負になる」と話していた中で、先制点は川島選手からボールを奪ってゴールまでつなげました。
「そこで見せたつもりでしたが、まだまだ付いてきてもらえていないので、自分の力不足かなと思います。(得点については)その前から中盤で取れていたので、あの場面ではわざとFWに開かせて、GKに前にパスを出させて、自分で取ってゴールしました。ハマりましたね(笑)」
Q:確かにゴールの直前にも、ボール奪取からロングシュートを狙う場面がありました。前半はボール奪取がすごかったですね。
「前半は悪くなかったので、自分がもっとやらないと、という思いはありました。これが私たちのやりたいサッカーだ、ということは、あの得点で表現できたと思いますが…」
Q:後半はN相模原も選手と形を変えて攻撃的に出てきました。
「戦い方を変えてきて、得点への気持ちが出ていました。相手もこれまで悪い試合はしていなかった中で、得点が取れていなかったのですが、それが入ったので、勢いに乗られたと思います。ただ、本当に勝ちたかったです。でもこれが今の自分たちの力です」
■小山史乃観選手
Q:サッカーの怖さが出てしまった試合にもなったが、どう振り返りますか?
「前半いい流れで終えた分、(監督からも)『後半の入りが大事』と言われていた中で、連続失点したことは、自分からしたら、経験(不足)の一言では片づけたくない。プロとして、勝たないといけない試合。日頃から厳しくやっていかないといけないと感じました」
Q:後半は相手もメンバーや形も変えてきた中で、少し対応が遅れた?
「前半はマンツーマン気味に自分に来ていたので、あまりチャンスメイクができなかったのですが、後半は相手も形を変えてきた中で、逆に自分は中に入るポジションを取れるようになったのですが、もう少し(百濃)実結香を生かさないと怖くない。そこのコンビネーションは増やしていかないといけないと思いました」
Q:前半は右サイドでの作りが多かった一方、右からのクロスに逆サイドから飛び込んで、2試合連続となるヘディングシュートも決めたが?
「チャンスは右サイドからが多かった分、スプリントしてゴール前に入っていけば、何かあるなと試合中から思っていました。あの場面はギアを上げて入っていったので、得点の感覚を出せたことは良かったです」
■矢形海優選手
Q:勝利を逃した試合になったが、どう振り返りますか?
「前半は自分たちがやりたいサッカーができました。先制点を取った場面では、麗奈がいい守備からゴールまでつなげたプレーでチームを勢い付けてくれたので、感謝しています。前半を3-0で折り返して、ハーフタイムにはトリさん(鳥居塚監督)からも『後半の立ち上がりが大事』と言われていた中で、すぐ2失点して崩れていったというか、自分たちのサッカーができなかったことは反省点。まだまだ(チームとしての)経験値が足りないという結果になりました」
Q:個人としては1得点1アシスト。それ以外にも素晴らしいプレーが多かったが?
「これまで4試合で2得点とゴールが足りなかったので、今節に向けて1週(多く)空いた期間で、みんなでシュートを打って、ゴールを取っていこう、という練習はしてきたので、結果を残せたことは良かったです。自分自身、貪欲にゴールを狙っていく意識はありました」
Q:筒井選手のFKにうまくヒールで合わせましたね。すごくテクニカルなシュートでした。
「そうですね(笑)。梨香があそこに立ったら、中に合わせるよりシュート、というイメージがありました。GKのこぼれ球を狙って入ったのですが、いいところに(クロスが)来たので、ヒールっぽく合わせたら、うまく入りました(笑)。良かったです」
Q:前半は、再三右サイドの背後を取るシーンがあったが、狙いとしていた?
「そうですね。相手のディフェンスラインが食い付いてくるので、その裏を突くことはチームとしても目指していました。自分も味方がボールを奪った瞬間は背後を意識していました。ただ、ラストパスやクロスの質が足りず、味方に合わなかったので、そこは練習から合わせていきたいです」
■高和芹夏選手
Q:前半で3点という素晴らしい結果を残した一方、追いつかれた試合をどう振り返りますか?
「せっかく3点リードで折り返したのに、後半の立ち上がりに連続で失点したことはもったいなかったし、反省点です。前半の内容を考えれば、勝点3を取らないといけない試合でした。悔しい試合になりました」
Q:やはり今日の課題は、リード時の後半の入りですか?
「そうですね。集中力や球際、準備の部分が足りなかったと感じます」
Q:自身の得点こそなかったですが、2点目の起点になったり、試合前にも「自分が出ている時間帯で点を取りたい」と話していました。今季初の3得点については?
「今まで複数得点を取れていなくて、3点を取れたことは、一つの成長だと思います。練習の積み重ねが出たと思うので、そこはポジティブに考えて今後につなげたいです」
■筒井梨香選手
Q:今日の試合をどう振り返りますか?
「勝たないといけない試合でした。勝ち切れず、悔しいの一言です」
Q:3点差を追い付かれる試合は、そうないとは思いますが、そこが甘さや隙につながった?
「若さが出てしまったのか…。勝っているけど、試合はまた45分ある中で、油断というか、隙を与えてしまった。それが目に見えて出てしまった。そこを締め切れなかった自分の指示不足でもあるし、カバーし切れなかったことは自分の課題です」
Q:リード時の試合運びは今後に生かすしかないですが、3点を取れたことについては?
「3点取れたことは良かったです。ただ、まだまだなチームなので。でも、もっともっと成長できるということも感じました。もっと自分や(脇阪)麗奈が引っ張って、このチームを勝たせていきたい。自分たちももっと頑張ります」
Q:綺麗に決まったFKからのアシストについては?
「あわよくば、そのまま抜けて入ったらいいな、という感じで蹴りました(笑)」
前半は3得点と躍動も、後半は試合運びと守備に課題を残し、追いつかれてドローに
今季2勝目を挙げた前節のちふれASエルフェン埼玉戦から約2週間の準備期間を経て、ホームに戻り、ノジマステラ神奈川相模原との2023-24 WEリーグ第5節に挑んだセレッソ大阪ヤンマーレディース。先発は前節と同じ11人。ベンチには、前節メンバー外だった荻久保優里と和田麻希が入った。
立ち上がりの5分、C大阪は自陣でのバックパスを奪われてヒヤリとしたが、相手のシュートが枠を外れて事なきを得た。序盤はN相模原のパスワークに対して後手に回る場面もあったC大阪だが、矢形海優が背後を狙う動きを繰り返すなど徐々にペースを掴む。前半、C大阪は右サイドが攻撃の起点となる。25分には、右サイドバックの藤原のどかを起点に脇阪麗奈、矢形、高和芹夏、矢形とワンタッチ、ツータッチでつないで最後は矢形のスルーパスに百濃実結香が裏に抜けて決定機を迎えかけた。主導権を引き寄せると27分、C大阪が先制に成功する。相手GKから近い距離でDFにパスが出たところを脇阪が猛然と詰めてボール奪取。そのまま持ち込み、自らシュートを決めた。今節まで守備デュエル回数リーグ1位、N相模原・川島との「球際のバトルが勝負を分ける」と試合前に話していた脇阪だが、この場面では見事に果敢なプレスでゴールを呼び込んだ。
「麗奈がチームを勢い付けた」(矢形)C大阪は、ここからエンジン全開に。31分、相手CBのサイドチェンジを小山史乃観がカットすると、矢形がドリブルで持ち運び、左足でのループシュートを狙う。ここはポストを直撃したが、34分に追加点。相手のパスを高和がカット、右サイドの背後を矢形が取ると、カットインから左足でのクロスに逆サイドから小山が飛び込み頭で合わせ、ネットを揺らした。勢いは止まらず37分、さらに追加点。田中智子が獲得したFKから、筒井梨香のシュート性のクロスに矢形がヒールで合わせた。先制点から10分間で3得点。「アグレッシブさを発揮し、ゴール前のクオリティーを上げる」(脇阪)という、今節に向けて取り組んできたことをそのまま発揮した前半となった。
後半も安定して試合を運びたいC大阪だったが、後半はN相模原の猛反撃に遭う。開始から2人選手を入れ替え、後ろを3枚に、両ウィングバックが高い位置を取るなど形も変えてきたN相模原に対し、C大阪はサイドの攻防で後手に回ると49分、53分に連続失点。「入りの10分はポイントになる。入りを大切にしよう」とハーフタイムに鳥居塚伸人監督から送り出されていたC大阪イレブンだったが、この時間帯をしのぐことができなかった。2失点目の後、すぐさま栗本悠加と白垣うのを投入、再び流れを引き寄せにかかった鳥居塚監督。それでも一度、火が付いたN相模原の攻撃は止まらずサイドから何度もフィニッシュまで持っていかれる。ただし、60分を過ぎたあたりからはC大阪もシュートで終わる場面を作り始め、落ち着きを取り戻す。後半の立ち上がりに比べるとN相模原の攻撃も弱まり、C大阪が1点リードのまま試合は終盤へ突入。ただし、84分、途中出場のN相模原・笹井一愛にマークを外され、前を向かれると、強烈なミドルシュートを叩き込まれた。
追いつかれたC大阪だが、後半アディショナルタイム、自陣でのFKのピンチを防ぐと、カウンターを発動。栗本がドリブルで運び、後ろからは矢形も走り込むなど数的優位のチャンスを作ったが、栗本のシュートはGKに止められ、勝ち越しとはならず。躍動した前半から一転、後半は守備での甘さが顔を覗かせ3失点。リーグ戦における初の連勝を逃し、勝点1に留まる結果に終わった。「本当に勝ちたかった。ただ、これが自分たちの甘さだと痛感する試合になった」と脇阪。鳥居塚監督も、「日々のトレーニングの甘さが出た。その部分を改善していかないと、プロリーグで勝ち続けることはできない。今回はリードした試合の運び方を経験した。今日の経験を次につなげられるチームにしていきたい」と自戒も込めつつ、今後の糧とすることを誓った。