2023-24 WEリーグ第11節

2024.3.20

セレッソ大阪ヤンマーレディース

0

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FULL TIME

2

0-1

0-1

サンフレッチェ広島レジーナ

柳瀬 楓菜 (18')

古賀 花野 (64')

ヨドコウ桜スタジアム

1,516

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

サイド攻撃に対応できず2失点。攻守につながりを欠き、リーグ前半戦は11位で折り返す
 
敵地で粘り強い戦いを見せて勝点1を掴んだ日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦から中3日。ホームに戻ったセレッソ大阪ヤンマーレディースは、リーグ前半戦ラストとなるサンフレッチェ広島レジーナとのWEリーグ第11節に臨んだ。先発は前節から2人変更。ザーラ ムズダリファと牧口優花がWEリーグ初先発を飾った。セレッソ大阪ヤンマーガールズU-18所属の牧口は、先発としてのWEリーグ最年少記録を更新する16歳8ヶ月4日でのWEのピッチとなった。
 
リーグ再開後、初勝利を目指して挑んだセレッソだが、試合開始からS広島Rのサイドを広く使った攻撃に押し込まれる展開が続く。特に相手のストロングである左サイド、中嶋淑乃に再三突破を許すと、18分、このサイドをワンツーで崩されて失点。苦しい立ち上がりとなる。その後もS広島Rにボールを回されるセレッソは、取りどころが定まらず、コンパクトさを欠いて陣形が間延び。主導権を奪い返せない。攻撃に転じた際も、相手の素早い寄せの前にマイボールの時間が短く、フィニッシュまで持ち込めない。期待のザーラは何度か起点となって攻撃の流れを作るも、シュートには至らず。攻守につながりを欠いた前半は、0-1で終了した。
 
後半開始から鳥居塚伸人監督は中西ふうに代えて、AFC U-20女子アジアカップ帰りの白垣うのを投入。白垣が右のセンターバックに入り、浅山が右のサイドバックに移った。「負けていて、押されていたので、この流れを切りたいと、ゴールを目指して入りました」(白垣)との言葉通り、前半はやられていた右サイドの立て直しを図りつつ、後半の立ち上がりはセレッソが攻勢に出る。62分には、ザーラに代わり、こちらもAFC U-20女子アジアカップ帰りの米田博美が入り、浅山が前線に上がった。選手を入れ替え、何とかこじ開けたいセレッソだったが、次の得点もS広島Rに入る。中盤でボールを奪われ、自陣右サイドに展開されると、再び中嶋の突破とクロスから失点。「相手はクロスからの得点が多いことは(スカウティングで)あったが、2失点ともクロスから。理解していることをピッチで表現することができていない」と鳥居塚監督。前半と同様、相手のストロングに屈する形となった。
 
77分には、この試合がWEリーグデビューとなった牧口に代わり、和田麻希が入る。システムも3バックに変え、ウィングバックも含めて攻撃の枚数を増やしたセレッソは、左ウィングバックに入った百濃実結香の突破や、脇阪麗奈も上手く絡んでチャンスを作る。この時間帯は再三、CKも獲得し、86分には、分厚い攻撃の中から松本奈己がシュートを放ったが、クロスバーを越えた。押し込んだ終盤、何とか反撃の1点を奪いたいセレッソだったが、最後までゴールは遠く、0-2で試合は終了。「選手たちは一生懸命戦ってくれたと思います。その戦ってくれた中で、結果がこういう形になったのは、現状の力の差が出たのかなと思います」と鳥居塚監督は試合を総括。前々節の三菱重工浦和レッズレディース戦に続き、ホームで完敗を喫したセレッソは、リーグ戦の折り返し時点で順位も11位に下げた。もっとも、今季の目標である5位との勝点差は『3』。十分に巻き返しは可能だ。まずは中断明けの初勝利を目指し、再び中3日で迎える次節のアルビレックス新潟レディース戦に挑む。

監督コメント

■鳥居塚伸人監督
「選手たちは一生懸命戦ってくれたと思います。その戦ってくれた中で、結果がこういう形になったのは、現状の力の差が出たのかなと思います。技術のところより、連戦のハードな戦いの中で、どれだけ気持ちを出せたのか、というところでは課題もかなり出たゲームになりました。ウチはチャレンジャーなので、そういう部分をしっかり修正して、次節に臨みたいです」
 
Q:序盤から広島のサイド攻撃を受ける回数も多く、入りから押し込まれる展開になったが、どういうところに問題があったと考えますか?
「相手は幅を使ってくるし、距離感は広くなるというところで、正しいポジションを取ることが重要になるゲームだと(臨んだ)。チームとしてはコンパクトにサッカーをやらないといけない、というところでスタートしたんですけど、一人一人が『正しいポジションはどこなんだろう』と掴み切れず。相手はクロスからの得点が多いというところはあったのですが、今回は2失点ともクロスから。理解していることをピッチで表現することが、まだまだできていない。そこは繰り返しやっていくしかない。そこを修正することと、戦う気持ちだけはピッチで出せるようにして、次節に臨みたいです」
 
Q:牧口優花選手を先発で起用されたが、起用の理由と今日のパフォーマンスについて
「ストロングとしては、サイズもありますし、左足の技術も高い。今日は途中交代させましたが、パフォーマンスは非常に良かったと思います。ただ、ビハインドで攻撃に行かないといけないところで、やむなく外しただけ。同点であれば90分行けたのかなと思います。今後さらに成長してくれると期待しています」
 
Q:後半途中から後ろを3枚にして攻勢に出た時間帯もあったが?
「3枚にして、後ろを5枚にするというイメージより、攻撃に枚数を割くイメージでした。3枚も中断期間に取り入れてはいましたが、正直、完成度はまだまだ。4枚から3枚に変えたことでの選手の理解力も、もう一つギアを上げていかないと、ただシステムを変えてサッカーをした、というだけになる。システムを変えたことによって、何がメリットなのか、デメリットなのか。それを今後、理解させながらこのリーグを戦っていくことが必要だと思います」

選手コメント

■ザーラ ムズダリファ選手
Q:WEリーグ初スタメンとなりました。試合前の心境は?
「正直なところ、やはり緊張していました。ただ、試合に臨む気持ちは高まっていたので、試合が始まると緊張は忘れていました。」
 
Q:今日は難しいゲームになってしまいました。試合を振り返っての率直な感想は?
「個人的な意見になりますが、今日の試合が簡単ではなかったのは確かです。ただ、だからといって難しい試合ではなかったとも思っています。例えば、前節の東京NB戦のほうがもっと難しかったはずです。その試合で私たちはいいゲームができました。今日の試合については、“Not our day”(私たちの日じゃなかった)という印象です」
 
Q:その原因については、どう考えていますか?
「私は今、素晴らしいチームでプレーしていて、チームメイトたちもみんなが素晴らしい選手たちです。だからこそ、今日うまくいかなかった原因について、断定することはできません。強いて挙げるのであれば、一人一人の中で自信を失うようなことが起こったり、強い気持ちを持つことに対して、うまくいかないことがあったのかもしれません」
 
Q:今日でリーグ戦の半分が終わりました。ザーラ選手のゴールを待っているファンも多いと思いますが、今後に向けた抱負をお願いします。
「しばらく勝てない時期が続いていますが、リーグ後半戦は『すべて勝つ』ことを目標に、そこに貢献していきたいです。私を応援してくださる皆さんや、私の家族、そして私自身も、ゴールを取りたいと強く思っています。ただ、順番としてはまずチームの勝利です。チームがより良いパフォーマンスを発揮する。自分もそこに貢献する。それができれば、自分のゴールもついてくると思っています。1日1日、向上していけるようにやっていきます」
 
 
■牧口優花選手
Q:WEリーグデビューとなったが、感想は?
「緊張もあったのですが、素直に嬉しかったです」
 
Q:実際にWEリーグで戦った収穫、課題などは?
「ヤンマーガールズU-18とは違って、スピードも速いですし、技術も高いので、準備の面で劣っていると感じました」
 
Q:チーム全体としても難しい入りになったが、その中でも、自分の良さをどう出そうと思ってプレーしていた?
「自分の特長はロングキックなので、背後にシンプルに蹴ってつなごうと思ったのですが、相手の寄せも早く、なかなか自分の思うようにプレーできなかったという印象です」
 
Q:今後、どうチームの力になっていきたい?
「今日は攻撃参加がほとんどできなかったので、もっともっと運動量を増やして、守備は無失点で、攻撃に絡めるようにしたいです」
 
Q:WEリーグの最年少スタメン記録を塗り替えました。知っていた?
「知らなかったです(笑)。嬉しいですが、内容があまりだったので、最年少ゴールとかで、チームに貢献できたらと思います」
 
Q:スタジアムの雰囲気はどう感じましたか?
「サポーターの皆さんの応援も凄く熱く、盛り上げてくれて、凄く楽しい中でやらせてもらえたので、次は勝ちを届けられるように頑張りたいです」
 
 
■浅山茉緩選手
Q:前節から中3日での一戦でしたが、今節へ向けての準備は?
「試合間隔は短かったですが、練習ではメリハリを付けてやって、相手の特長であるクロス対応も練習ではやっていたのですが、クロスから2失点したということは、練習の強度が足りなかったのかなと思いました」
 
Q:劣勢の時間が長い試合でしたが。どう打開していくことが必要だったと考えますか?
「練習の中では、もっとパスをつないだり、その力はあると思いますが、試合になると、個人個人が慌ててしまったり、前に急ぎ過ぎて失ったり、もっと自信を持ってプレーすることが必要かなと感じました」
 
Q:後半途中からはFWでもプレーされたが、CBと2つのポジションでプレーしたことについて
「監督から、試合前に『最初はCBで行くけど、もしかしたら前で起用するかも知れない』と言われていたので、色んなことを想定しながらプレーしていました」
 
 
■白垣うの選手
Q:AFC U-20女子アジアカップ帰りでしたが、コンディションは?
「いつも通りでした。特に問題なかったです」
 
Q:後半開始からの出場となったが、入る前に意識したことは?
「負けていて、しかも押されていたので、この流れを切りたいとゴールを目指して入りました」
 
Q:特に自陣右サイドはやられていただけに、盛り返すイメージがありましたか?
「中嶋選手のところを止めたらいけるかな、とは思ったのですが、後半もそこからもう1点やられたので、悔しいです」
 
Q:久々のWEリーグでしたが、切り替えはできましたか?
「(WEリーグは)強度も高いですが、技術が高い。頭を使ってプレーしないといけない、パスの質など細かいところが大切だと改めて思いました」
 
 
■米田博美選手
Q:AFC U-20女子アジアカップ帰りでしたが、コンディションは?
「全然、大丈夫でした。チームへの合流は昨日でしたが。試合に出るつもりで準備していました」
 
Q:劣勢の展開で、後半途中から出場となったが、どういう意識で試合に入った?
「前半を外から見て、最終ラインが重いなと。自分が入ったら。ラインコントロールで声をかけたり、あとは、全体的に声も少なかったので、クロスに対する声掛けも後ろからできればいいなと思って入りました」
 
Q:白垣選手も後半から入りましたが、どうチーム全体を活性化させたかった?
「コンディションも良かったので、自分たちがプレーで見せたり、声をかけながら盛り返そうと思ったのですが、失点もしましたし、まだまだ改善点は自分にもチームにもあるので、そこをしっかり改善して、次の試合に臨みたいです」