第16節
2024.4.21日
セレッソ大阪ヤンマーレディース
脇阪 麗奈 (79')
1
HOME
FULL TIME
1
ヨドコウ桜スタジアム
0-0
1-1
日テレ・東京ヴェルディベレーザ
鈴木 陽 (75')
ヨドコウ桜スタジアム
6,651人
タマノイ酢サポーティングマッチ
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放送
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MATCH REVIEW
監督コメント
■鳥居塚伸人監督
「後半戦がはじまってから勝てない試合が続いたなか、前節千葉L戦は勝つことができ、今節東京NB戦は先制されながらも追いつくことができたのは個人の成長を感じましたし、チームも少しずつながら成長はできていると思います。ここで成長を終わらせるのではなく、ここからさらに成長できるよう、しっかり休息も取りながら次節に向けて戦っていきたいと思います」
Q:東京NBに終始ボールを握られることは想定内だったかと思うが、それを踏まえて選手たちに強調していたことは?
「まず1つは3連戦最後の試合なので疲労度もあります。それはもちろん相手も同じですが、タフな選手でなければこのリーグでは戦えない、タフな選手そしてタフなチームになろうと話していました。ベレーザさんも一人ひとりの技術がしっかりしているのである程度ボールを握られることは覚悟していた中で、個人戦術に取り組んできたところで自分が何をしなければいけないのかを選手たちに伝え、それに対し積極的に取り組んでくれました」
Q:ゴール前の守りの部分で、相手に入ってこられてもコースを消す場面が見られましたが?
「少しずつ整理はされてきていると思いますが、クロスからの失点のところでどこにポジショニングを取らないといけないのか、何をしないといけないのかが未熟な部分がまだあるので、そういった場面を一つずつクリアにし、今年一年かけて選手自身もチームとしても成長していければと思います」
Q:今日は試合前に2024年度大阪府サッカー協会4種の集いもあり、6,651人の入場者数となりました。シーズン最多入場者数のなかでの試合はいかがでしたか?
「これだけ多くのお客様が入った中でプレーすることは選手たちにとっても喜ばしいことだったと思いますし、日頃からたくさんのファン・サポーターが来場されているなかで今節もなかなか勝つことができなかったですが、先制されたゲームを追いつくという形では選手自身が成長してくれたかなと思います。ああいうゲームを継続していくことによって子供たちに夢を与えることができるのかなと思います。これまでは選手が夢を追いかける形だったものがプロの選手になって夢を与える側になったと思うので、多くの子供たちが見てくれている前で今日の試合ができたことはプラスになったと思います」
Q:前半は相手にボールを握られる場面が多く攻撃の良い形が少なかったですが、後半はボールを動かしてサイドを変えるようなシーンもありチャンスも生まれたと思います。ハーフタイムには選手に攻撃面でどのような指示をしたのでしょうか?
「攻撃においては見るものが少ない。準備をしっかりやれば相手がどこから来ているのかが見えるはずなのでそこを徹底しました。また相手の背後を狙うことをポイントとし、閉じられていれば幅を使い、広がっていれば背後を取ろうということを徹底し、そのための準備をもう一度見直そうと話をしました」
選手コメント
■脇阪麗奈選手
Q:ナイスゴールでした。ヘディングでのゴールは自身初だそうですね。
「はい、初めてヘディングで決めました!前節の千葉L戦の2点目の場面、ヘディングで決められませんでした。その際、『もう一歩後ろだったな』と思って、それで今日は一歩後ろにしてみたら頭に当たり、入って良かったです(笑)」
Q:とはいえ、結構難しい感じの体勢だったと思いますが?
「もう(ボールが)飛んでくると思った瞬間に、『ちょっと触ろう』と思って、触ったら入ったので良かったです」
Q:東京NB相手にボールを握られることは想定していたと思いますが、ゲームプランをどう描いていましたか?
「相手の戦い方は想定内でしたし、 自分たちも思っていた以上に集中して試合に臨めました。それで、こういう結果になったかなと思います」
Q:それは前節、勝利したことで自信を持って戦えた?
「そうですね。勝ったことでみんな自信を持ってプレーできていたし、ベレーザ相手でも粘り強く守備をしようというのは全員で心がけていました。3連戦の最後、全員がハードワークして頑張ったと思います。勝ちを目指していたので悔しいですが、勝点1を取れたことは良かったと思います」
Q:この3連戦でチームとして成長できたと思いますが、その手ごたえはありますか?
「やっぱり一つ勝ったことが良かったと思いますし、他のフレッシュなメンバーも出てきて、チーム内の競争も激しくなりました。これからも継続していきたいと思います」
■荻久保優里選手
Q:率直に1-1という結果をどう受け止めていますか?
「試合内容は相手のペースでしたが、最初に失点してから追いついた、という展開から言えば、今までよりは成長したかなっていう気持ちと、その一方でもっともっと攻撃できたと思うし、勝てた試合だったのかな、とも感じています」
Q:では、勝つために必要だったこととは?
「試合前から相手がつないでくることは分かっていました。前節のように前からプレスをかけて取りにいったのですが、なかなかうまく(相手を)ハメられず……。相手がミスをしてマイボールになった時も、前に蹴るだけではなく、しっかりつないで展開したり、つなぐ部分ではもっともっと準備が必要だったと思います」
Q:脇阪選手のゴールを、見事なクロスからアシストしました。あのボールはイメージどおり?
「そうですね。クロスの練習は結構していたので、ふんわりというよりかは、相手の背後で味方に合わせる速いクロスを入れようと、(パスを)受ける前にもう決めていました。脇阪選手の動きもしっかり見えていました」
Q:この2試合は右サイドバックとして出場しました。得られたモノや、感じたこととは?
「自分の武器をしっかり理解して、出そうと意識していました。それは焦らずにパスを回すことやビルドアップの組み立て、前に縦パスを入れること。そこはチャレンジできたと思います。その一方で課題に感じたこととしては、1対1の距離感であったり、ワンツーの対応、クロスの対応……。たくさん課題はあるので、もっともっとやらないといけません」
Q:リーグ戦は残り6試合ですが、終盤戦に向けての抱負を。
「まずは、この連戦の中で連敗を止めて、 勝点をしっかり取れたことは成長だと思います。残り試合が少ない中、どれだけ勝ちにこだわれるか、という部分はすごく必要になってくると感じています。もっともっと練習からアグレッシブにやって、試合でそれをぶつけられるように全員でしっかり準備していきたいと思います」
■高和芹夏選手
Q:今日は後半からの出場になりました。監督からどういう指示を受けてピッチに入りましたか?
「まずは守備から入ることと、背後に抜け出して、フィニッシュを打てるならどんどん打っていけ、という指示を受けて入りました」
Q:実際に、その指示をうまく表現できた場面もあったと思いますが、ご自身のプレーを振り返ると?
「後半の最初から入るということで流れを変える役割もあったし、守備では自分の持ち味であるアグレッシブに球際で戦う、そういう部分は体を張ってできたと思います。攻撃の部分では何回かボールを収めて、クロスだったり、展開だったり、できた部分もあるのですが、シュートを打つことはできませんでした。そこは課題なので、次に向けて取り組んでいきたいと思います」
Q:ゴールシーンはうまく切り返して時間を作って、右サイドの百濃選手に展開しました。
「そうですね。慌てずに相手を見ながらプレーして、揺さぶったらチャンスになるかなと思って、右サイドまで展開しました。冷静にプレーできたことは良かったと思います」
Q:今日は小学生がたくさん来場しました。自分たちの力になりましたか?
「一つ一つのプレーで盛り上がってくれましたし、より気持ちが入ったので、とてもありがたかったです。子どもたちに夢を与えることはプロ選手としての仕事だと思うので、そういう部分をピッチで表現して、今後は勝つ試合をたくさん見せていきたいと思います」
■白垣うの選手
Q:1失点したとはいえ、試合を通して粘り強い守備ができていたと思いますが、率直な感想はいかがでしょうか?
「今日のゲームは、守備の時間が多くなると分かっていた中で、守れたのは少しは良かったと思いますが、やっぱり失点場面は反省点です。次はゼロで抑えたいと思います。得失点差にもつながっていくと思いますし」
Q:失点シーンは「守り切れた」という後悔もある?
「最後までボールをちゃんと見れていませんでした。そこは最初に見れたらとは思いました。判断の部分とポジショニング、あと相手の動き……改善していきたいです」
Q:キックオフ直後、前に出てインターセプトをして、そのままシュートまで行きましたね。あのプレーは試合へ懸ける気持ちが出た?
「そうですね。やっぱりあそこで、なぜか自分はあの時間帯に強いので、(試合の)流れもあったので、(セレッソのほうに)変えられたらなと思って、攻めにいきました」
Q:前半は相手が主導権を握る時間が多かった中、失点ゼロで抑えられた要因は?
「みんなの集中力が高かったです。しっかり守れていた場面が多かったですし、もしも失点してしまうと、より相手に押し込まれてしまうので、みんなの集中力もそうですし、カバーをする意識は高かったと思います」
Q:前節、勝利したことでチームとして変わった部分はありましたか?
「勝てたことで、この流れを維持したいとみんなが思っていたはずです。もう負けられない、というプロとしての気持ちだったり、そういうところがこの結果につながったのかなと思います」
先制されるも、キャプテン脇阪麗奈が同点ゴール。今季のWEリーグ最多の入場者が集まった雨中の激闘は白熱のドロー決着
8試合ぶりの勝利を手にした前節のジェフユナイテッド市原・千葉レディース戦から中2日、セレッソ大阪ヤンマーレディースは、ホームに戻り、今季初の連勝を目指して日テレ・東京ヴェルディベレーザとのWEリーグ第16節に臨んだ。
今節は、試合前に大阪府サッカー協会主催の「2024年4種の集い(シーズン開会式)Presented by YANMAR」が開催され、大阪府内の約300チームの小学生年代の選手らが参加。そのままWEリーグの試合も観戦したことで、ヨドコウ桜スタジアムは大きな歓声が飛び交う熱気に包まれた中での一戦となった。先発は前節から1人変更。玉櫻ことのが外れ、前節WE初ゴールを奪った浅山茉緩が2トップの一角に入った。
開始早々、白垣うのがインターセプトからそのまま持ち上がり、シュートを放つ。前節、WE初ゴールを奪った勢いそのままに積極的な姿勢を見せると、チーム全体としても前節と同様、前から奪いにいく姿勢を見せる。3分、高い位置でボールを奪い、宮本光梨、田中智子とつなぎ、最後は浅山がシュート。CKも立て続けに獲得するなど良い入りを見せたセレッソだったが、一人一人の技術が高く、チームとしてのボール回しにも長けた東京NBに次第に押し込まれ、守勢に回る展開が続く。両サイド深くまで攻め込まれるシーンも目立ったが、しっかりと体を寄せて対応。スペースも埋めて、決定的なシーンは作らせない。ただし、奪ったボールをつなぐことに苦しみ、攻撃の時間を作れずにいると、25分にはヒヤリとするシュートも受けたが、クロスバーを越えた。32分には、なでしこジャパンの藤野あおばにスピードに乗ったドリブルを許したが、シュートは米田博美が体に当ててブロック。36分にも、華麗なパス回しから最後は北村菜々美にシュートを打たれたが、サイドネット。立ち上がりの時間以降は敵陣に入れずにいたセレッソだったが、37分、先制のビッグチャンスが訪れる。相手の最終ラインでパスがズレたところを百濃実結香がカット。そのまま持ち込み、GKとの1対1になりかけたが、左足で放ったシュートはわずかに枠を外れた。前半終了間際にも自陣深くまで攻め込まれたセレッソだったが、最後まで守備の集中は途切れず無失点で終えて、前半は0-0で折り返した。
後半開始から北原朱夏に代わって高和芹夏が左サイドハーフに入ると48分、その高和が背後に進入し、セレッソが相手ゴールに迫る。直後も高和の展開から荻久保優里がミドルシュートを放つなど、後半から入った背番号14がチームを活性化。ただし、後半も時間の経過とともに東京NBにペースを握られると、75分、サイド揺さぶられて失点。それまでは粘り強く守っていたセレッソだったが、ついにゴールを割られた。ただし、WEリーグのホームスタジアム過去最多となる6,651人が集まった今節。多くの観客の後押しを受けたセレッソは、直後の79分、同点に追い付く。直前に交代で入った和田麻希が運び、高和へ付けると、高和は一度、溜めてから逆サイドへ展開。受けた百濃の落としを荻久保がダイレクトでクロスを入れると、ここに合わせたのは脇阪。うまく頭で逸らし、ネットに流し込んだ。キャプテン脇阪の「自身初」というヘディングでの同点ゴールで試合はさらにヒートアップ。脇阪は続く83分にも、FKからそのままゴールか、という軌道のキックでスタジアムを沸かせた。
終盤は再び東京NBの猛攻を受けると、89分にはクロスバー直撃のシュートを浴びる場面もあったが、最後は守り切って1-1で試合は終了。「先制されながらも追いつくことができたことは個人の成長を感じましたし、チームも少しずつ成長できていると思います」と鳥居塚監督。「3連戦の最後、全員がハードワークして頑張ったと思います。勝ちを目指していたので悔しいですが、勝点1を取れたことは良かったと思います」とは、自身が誰よりも最後まで走り切った脇阪。4連敗という苦しい状況を乗り越え、前節は勝利、そして今節は勝点1を獲得。チーム、そして選手個々に成長が見られた実りある3連戦となった。