2024-25 WEリーグ クラシエカップ第1節

2024.9.1

セレッソ大阪ヤンマーレディース

0

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FULL TIME

2

0-1

0-1

INAC神戸レオネッサ

成宮 唯 (3')

ヴィアン サンプソン (71')

ヨドコウ桜スタジアム

1,192

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

2年目の初陣はINAC神戸レオネッサに0-2で敗戦。シュート3本と攻撃に課題を残す

 

WEリーグ参入2年目のシーズンがスタートした。初陣はWEリーグクラシエカップ第1節、相手はINAC神戸レオネッサ。関西ダービーからの幕開けとなった。スタメンは中盤から前は昨シーズンの主力が顔を並べた中、右サイドバックに中西ふう、左サイドバックには牧口優花が入り、GK西中麻穂はWE初出場、初先発を果たした。

 

「昨年悔しい思いをした中で、INAC相手にどれだけできるか、この試合が一つの基準になる」。試合前、鳥居塚伸人監督もこう述べたように、強豪相手に早速今季のチームが試されるシチュエーションに置かれた中、開始40秒、百濃実結香が高い位置でボールを奪い、矢形海優が遠めからロングシュート。立ち上がりはゴールへ向かう勢いを感じさせたが、3分、背後に出たボールの処理にセンターバックの荻久保優里が手間取ると、I神戸にボールを奪われ、成宮唯に左足でのシュートを決められた。GK西中は、自身のセーブにも課題があったとしつつ、「(GKに)返すなら返す、プレーを切るなら切るで、もっと早く優里に声を掛けていれば、シュートを打たれるシーンはなかった」と試合後に振り返ったが、GKも含めた最終ラインでの連係ミスを突かれた形となった。ここからはセレッソがボールを握る時間は増えたが、シュートに持ち込むことができない。攻から守への切り替えも早く、試合を支配したこの時間帯に追い付いていれば試合の行方は分からなかったが、「持ててはいるけど、持たされているような感じだったので、ストレスはありました」と最後尾からパスを配球した筒井梨香も率直な感想を漏らしたように、前半は自陣を固めるI神戸のブロックを脅かすシーンは作れなかった。昨シーズンの終盤に輝きを放った百濃も高い位置でボールを受ける回数が少なく、武器である突破を見せることはできず。前半の終盤は自陣でのパスミスから何度かピンチも招いたが、2点目は与えることなく0-1で前半を折り返した。

 

後半は頭から3選手を入れ替えてきたI神戸に対し、開始早々、セレッソはつなぎのミスから被決定機。I神戸のショートカウンターを受けると、9番カルロタ スアレスのポストプレーから、最後は後半から入ってきた21番カルラ モレラにフリーでシュートを許したが、ここはポストに当たり、難を逃れた。53分にも、この2選手のコンビネーションから中央を割られてネットを揺らされたが、今度は直前のプレーでファウルがあったとして、ゴールは認められず。この判定に異議を唱えたI神戸のジョルディ フェロン監督がイエローカードを提示された。後半はI神戸の圧を受ける形で入ったセレッソだが、58分、筒井が高い位置でカットして前線へ送ると、一度は奪われるも矢形がチェイスして奪い返し、百濃が高い位置で仕掛けてチャンス。惜しくもゴールとはならなかったが、この試合、最も深く敵陣まで入ったシーンとなった。百濃は続くプレーでも果敢な突破からファウルを得るなど、徐々に持ち味を発揮していく。60分には、牧口のクサビを矢形が落とし、脇阪がシュートを放つなど、この時間帯はセレッソの攻撃に躍動感が生まれていた。ただし、ここで追い付けずにいると、雨脚も強くなる中、飲水タイム明けの72分にCKから2失点目。ジャマイカ代表の長身DF(この試合では後半開始からボランチでプレー)、ヴィアン サンプソンにヘディングで決められ、リードを広げられた。

 

ここからホームの後押しも受けながら反撃を試みるセレッソだが、最終的にシュートで終わるシーンを作ることができず、後半は脇阪の1本に留まった。試合を通しても3本と、I神戸のゴールに迫ることができず、試合後は鳥居塚監督、キャプテンの脇阪ともに、「チャレンジが足りなかった」と振り返った。WE参入2年目の初陣はI神戸に敗れる厳しい船出となったが、シーズンはまだ始まったばかり。1週間後には、WEリーグクラシエカップの第2節、敵地でのジェフユナイテッド市原・千葉レディース戦が控えている。今節の課題を踏まえ、積極的にゴールを狙う姿勢を披露したい。

監督コメント

■鳥居塚伸人監督
「昨シーズン1年間を戦って、足りない部分を自覚した中で開幕戦を迎えたわけですが、選手自身は一生懸命やってくれたと思いますが、まだまだ足りない部分がこの結果につながったと思います。この差をしっかり埋められるように、年間を通して、日々の中から成長させていきたいです。次節、またすぐカップ戦があるので、勝利できるように切り替えてやっていきたいです」
 
Q:早い時間帯に先制されて以降、こちらがボールを持つ時間は長かったですが、前後半を通してシュートの形を作り切れずに終わった印象です。今後に向けての打開策は?
「一つは、立ち上がりで失点してはいけない部分と、セットプレーからの失点も、このチームの甘さだと思います。アタッキングゾーンに関しては、昨シーズンと同様、打てるチャンスはあったと思いますが、そこでシュートに行けない、チャレンジできないところは変えていかないといけない。開幕戦ということで、丁寧に、という気持ちがあったと思いますが、若いチームなので、『もっとアグレッシブに、ミスを恐れずチャレンジしよう』とは伝えていましたが、あのゾーンに来た時に、シュートに持っていけないことは課題です。ここは次節に向けて、しっかり修正して臨みたいと思います」
 
Q:シュートに持って行けない部分は、メンタル的な問題か、戦術・技術的な課題か?
「チームとしてやるべきことのタスクを与えてはいますが、いつ、どこで、どのような形でアクションを起こしたらいいのか、そこをまだまだ落とし込めていないのと、選手自身が打てるチャンスを気付かず、丁寧にプレーしてしまっている。チャレンジできない部分がある。(メンタルと技術の)両方の課題はありますが、シュートを打たないとゴールは奪えないので、そこは時間をかけて取り組んでいきたいと思います」

選手コメント

■脇阪麗奈選手
 
Q:メンバーが変わったINAC神戸レオネッサとの試合でしたが、攻守にチーム力の差を感じたゲームになった印象です。ピッチでプレーしていて、どのような手応えや課題を感じましたか?
「昨シーズンからの課題ですが、決め切るところを決め切るINACと、ボールは保持してもゴールにつながらない自分たちの差が勝負を分けたと思います。入りでああいう失点をしてしまうと、ゲーム全体の持って行き方も難しくなるので、もう一度、全員で締めて臨まないと、INACには勝てないと思います」
 
Q:前半は特に、ボールを持つ時間は長かったですが、シュートの形を作り切れませんでした。プレーしながら、どう糸口を見つけようとしていましたか?
「もっと仕掛けていいし、恐れずチャレンジしていい。そういうプレーがないと、INACも怖くないと思う。INACからしたら、『そこまで(厳しく)守備に行かなくても守れる』という感じだったと思います。自分たちからミスしてしまう場面もありましたし、相手に与える怖さを出せなかったと感じます」
 
Q:I神戸の選手たちは、「球際で負けるシーンも多く、勝っても反省が残った試合」と話していましたが、そうした個々の部分では、しっかり戦えるシーンも出せていましたか?
「どんどんチャレンジしている時間帯は通用していたので、もっともっとチャレンジしていいかなと思います。個人的にも、自信を持ってやればできる、という手応えはあったので、自信を持ってプレーしましたが、ゴールまで行けないのが今のチームの課題として残りました」
 
Q:1週間後にすぐカップ戦の次節が来ますが、シュート場面をもっと増やすことはテーマとして取り組んでいきたい?
「どんどんシュートを狙っていいですし、そういうところは練習から自分も伝えていきたいと思います」
 
 
■筒井梨香選手
 
Q:選手が変わってもI神戸の強さを感じた試合になったが?
「変わらず強かったですね。ただ、結局、自分たちのミスからの失点なので。改善する余地はあると思いますし、戦えていた、というのが率直な意見です」
 
Q:筒井選手自身も球際では戦えていたと思います。チームとしても、個々のバトルをしっかり出せたことは、昨シーズンから上積みした部分でしょうか?
「そうですね。自分自身、今季の目標が1対1で負けないことなので、そこはこの試合でもこだわってやろうと思っていました。ただ、ちょっとしたところで潰せなかったところもあったので、もっとこだわっていきたいです」
 
Q:失点後、ボールを持つ時間は長かったが、シュートに行く場面が少なかった印象だが?
「それは凄く感じましたね(苦笑)。持ててはいるけど、持たされているような感じだったので、ストレスはありました。前半は特に厳しかったですね。後半は何とか形を作れましたが、相手がどう出てくるか分からない状況でも、自分たちで瞬時に判断できるようになれば、もっといいと思います。シンプルに技術的なミスも多かったので、そこももっと徹底していけば、チャンスも作れると思います」
 
Q:I神戸の監督は、「前半は相手にボールを持たれて課題が残る内容だった」ということも仰っていましたが、セレッソサイドとしては、持たされている印象が強かった?
「持たされていた感じですね。前に行けず、真ん中で持っているだけだったので。見ている人たちも、『面白くないやろな』と思ってプレーしていました。もっとアグレッシブに行けたら面白かったと思う。もっと縦に入れて、ワンタッチ、ツータッチで崩していけたら一番いい。攻撃のレパートリーをもっと増やしていけるように、これからチーム全体で高めていきたいです」
 
 
■百濃実結香選手
 
Q:昨シーズンの終盤は3-5-2のウィングバックとして突破力を発揮していましたが、今日は4-4-2のサイドハーフに戻り、前半はなかなか百濃選手までボールが届かず、もったいないなと思って見ていました。今日のような展開で、どうボールを呼び込めば良かったと振り返りますか?
「自分自身、最初は3-5-2の形にこだわっていたこともあって、(外に)張り過ぎていたこともありました。こういうプレーをしよう、という思いはあっても、そこでもっと自分が相手や(牧口)優花の位置を見て、中に入ったり、優花が中に入ったり、変則的な入れ替わりをチームやコンビとして出せれば、もっとうまくボールを引き出せたのかなと思います。ゲームの中で、みんなでもっと意見を出し合っていけば、もっとうまく攻めることはできたと思います。後半はボールに触る回数も増えたので、もっと優花と話したり、途中からは(左サイドバックは)中谷になりましたが、味方の選手とよく話して、中に入るのか、外に張るのかの使い分けをできれば、相手も嫌だと思います」
 
Q:後半はチームとしても追いかける姿勢が強くなったこともあると思うが、高い位置を取れる回数が増えたことは、どのような変化があったと感じますか?
「前半は、自分が(守屋)都弥さんに付かれ過ぎていたと思います。後半は、都弥さんに優花が出た時は、自分がフリーでもらえるシーンも作れました。もっと自分の位置や優花の位置を変えてプレーして、相手の出方を見れば、もっと自分が前を向いてボールに触る回数は増やせたと思います」
 
Q:後半は、守屋選手や三宅史織選手など、代表クラスの選手を抜いてゴールに迫るシーンもありました。個人としての手応えについては?
「相手を怖がらずに仕掛けられたことは自信にもつながったので、これから続くカップ戦、リーグ戦では、どれだけ自分がボールに触ってチャンスを作れるかにチャレンジしたい。抜いた後のクロスが味方につながらなかったので、そういう質の部分にもこだわって、アシストやゴールを狙っていけたらと思います」
 
Q:個人的な今シーズンの目標については?
「(リーグ戦で)6ゴールは目指しています。アシストも、カップ戦を合わせて二桁アシストできたらと思っています」
 
 
■西中麻穂選手

Q:WEデビューおめでとうございます。2年目でのデビューになりましたが、ピッチに立った思いは?
「ありがとうございます。昨シーズン1年間、チームとしてもうまくいかなかった中で、個人としても悔しい思いをした1年でした。ただ、昨シーズンも試合に出るために頑張ってきましたし、しっかり継続してやってきたことが今日のスタメンにもつながったと思うので、準備してきたことは間違いではなかったと、素直に思いました」
 
Q:入りとしては、開始早々に失点する難しい展開になりました。相手のシュートも上手かったですが、あの場面をGKとして振り返ると?
「そうですね。(GKに)返すなら返す、プレーを切るなら切るで、もっと早く(荻久保)優里に声を掛けていれば、シュートを打たれるシーンはなかったと思います。打たれた後も、ボールに触れてはいたので、もう一歩、足を運べていたら良かったです。シュートも上手かったですが、止められないシュートではなかったので、昨年からの自分の課題が出たシーンだったと思います。自分としても、チームとしても、入りはもっと気を付けないといけないと、改めてと思いました」
 
Q:その後は、相手の決定機も多かった中で、2失点で抑えた、という見方もできると思います。
「でも失点ゼロで抑えるのが一番ですし、それができれば勝点1は取れます。ただ、1年間出ることができなかったですが、実際に出て、思ったよりやれると思いましたし、次の試合に向けて、また試合のメンバーに入れるように準備していきたいと思います」