第1節
2024.9.15日
セレッソ大阪ヤンマーレディース
矢形 海優 (43')
荻久保 優里 (49')
高和 芹夏 (85')
3
HOME
FULL TIME
1
ヨドコウ桜スタジアム
1-0
2-1
ノジマステラ神奈川相模原
築地 育 (67')
ヨドコウ桜スタジアム
2,618人
放送
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■鳥居塚伸人監督
「昨シーズン、悔しい思いをした1年だったのですが、昨年の悔しい思いもしっかり今年のリーグ開幕にぶつけていこうと。そして、色んな人が支えてくれていることに対して勝利で恩返しをしようと臨んだゲームでした。戦術とかいろんなことはあるのですが、まずは気持ちをしっかりピッチで出そうと選手たちが一生懸命やってくれた結果が、この勝利につながったと思います。そこは継続して、さらに技術や戦術も含めて課題を修正して、次節に臨みたいと思います」
Q:今シーズンは攻撃の成長を目指して臨んでいる中で、開幕戦という舞台で、昨シーズンは1度しかなかった3得点を奪って勝てたことについて。
「昨シーズンはシュート数が少なかった中で、やはり打たないと入らない。カップ戦ですけど、前回はやはり打つことで得点が生まれたと。今日の試合もシュートを打ったことで生まれた3得点だったので、選手の中での意識もだいぶ変わってきたと思います」
Q:相手を見ながらボールを動かす、空いているスペースに入っていく部分は、相手も元気な前半は少し苦労した時間帯もあったと思いますが、後半は時間の経過とともにそういうシーンが増えていきました。手応えについては?
「最初の入りはバタついた部分もありましたが、自分たちが何をしないといけないのか、一回、落ち着くことができてからは、ある程度、自分たちのリズムになったと思います。ただ、やろうとしていることを出そうとするあまり、味方は見ても相手は見ていないという場面もあり、そのためにボールをロストする場面はありました。やはりしっかり相手を見ることは大事。前半でリードできたので、後半は『確実に相手はボールを奪いにくる。どこが空くのかしっかり考えながらプレーしよう』と臨みました。失点のところは課題で改善しないといけないですが、今までだと、そのまま追い付かれていたかも知れないですが、3点目を取って突き放せたことは今シーズンの成長なのかなと思います。課題は克服しながら、今後に向けて戦っていきたいと思います」
選手コメント
■脇阪麗奈選手
Q:開幕戦で3得点を取って勝てたことについて。
「素直に嬉しいです。たくさんのお客さんの前で3ゴールを見せられたことは、とても良かったです。チームとして昨シーズンは得点力が課題だった中で、開幕戦から3点を取れたことは自信にして、継続していきたいです」
Q:昨シーズンの開幕戦より観客数は増えました。少しずつヤンマーレディースの試合も浸透しています。
「おぉ!嬉しいですね(笑)。今日のサッカーは見ていても面白かったと思うので、これを続けていけば、もっと多くの人が見に来てくれると思うので、継続してやっていきたいです」
Q:開始から球際が激しい試合でしたが、セレッソも引かない気持ちが見えたが?
「気持ちが出ていましたね。開幕戦ということもあって、みんな気合いが入っていたなと、プレーしていて思いました」
Q:2点目の、CKからのアシストを振り返ると?
「CKはずっと自分がキッカーをやっていて、昨シーズンはセットプレーからの得点が少なかったので、開幕戦からアシストできたことは良かったです。(決まった瞬間は)照明で見えなかったのですが、『入った!』という感じでした(笑)」
Q:1年前の開幕戦は勝利後に涙する場面もありましたが、今シーズンに関してはどのような思いですか?
「2シーズン目はより勝利にこだわっていきたいと思っているので、『ここからが始まり』という(昨シーズンより落ち着いた)気持ちです」
■矢形海優選手
Q:2年連続でリーグ開幕戦にゴールを取って勝利した気持ちは?
「本当に嬉しいのと、ホッとした思いもあります。ただ、前半は危ないシーンもあった中で、守備陣が体を張って守ってくれた結果が自分のゴールにつながったと思うので、みんなのおかげだと思います」
Q:前半、相手のチャンスも多かった中で、GK山下選手を中心に防いだことが大きかった?
「そうですね。苦しい時間帯を乗り越えて自分にチャンスが転がってきて、あまりゴールのコースはなかったのですが、足を振ったら、何が起こるか分からない。前回(カップ戦のグループステージ第2節)と同じような形にはなりましたが、ネットが揺れた時は嬉しかったです」
Q:まさに試合前に言われていた、気持ちでねじ込んだゴールでしたね(笑)。
「やっぱ最後は気持ちっしょ、ですね(笑)」
Q:やっぱりその気持ちがなければ、ゴールにつながらないですもんね。
「そうです、そうです(笑)。(クロスではなく)シュートでしたから。ゴールを目指して打ったから、ああいう形でゴールにも入りました。3点目も、トモ(田中智子)からいいクロスが来て、相手を一人かわしてフリーで打ったのですが、1回で決め切れなかったことは自分の課題です。ああいうチャンスでもっと決められるようにやっていかないといけない。その後、ボールが転がってセリ(高和芹夏)が押し込んでくれたので結果は良かったのですが、FWとしては決めないといけないです」
Q:昨シーズンはチーム得点王(6ゴール)でしたが、今シーズンへの意気込みは?
「6点は取れたのですが、目標の二桁は達成できなかったので、自分の中ではダメでした。今シーズンは、開幕戦のゴールに満足せず、ここから2試合、3試合と続けて取れるようにしたいです。チーム内でも負けたくない気持ちはありますし、FWとして、今シーズンもチームの中で一番点を取りたいです。今シーズンこそ10点を取りたいです」
■荻久保優里選手
Q:2点目は自身のスーパーボレーでしたが、打った瞬間の思いは?
「自分の方に向かってくるなと、(脇阪)麗奈さんが蹴った瞬間に分かって。何となく自分のところに落ちてきそうやな、という感覚がありました。前に(筒井)梨香さんや(中谷)莉奈がいて、(2人も)触れそうやったのですが、自分の方がミートし易そうだったので、『スルー!』という声を掛けたことが良かったのと、ちゃんとミートしてGKの真逆に蹴れたのが凄かったなと(笑)」
Q:決まった瞬間はどういう思いでしたか?
「『えっ?』っていう(笑)。最高でした。サッカー人生の中でも一番いいゴールです。振り切って入ったのが凄く嬉しかった。昨シーズンのアウェイ ベレーザ戦でも、同じような形があって、ボレーで打ってミートはしたのですが、入らなくて。今回はそれと似たような形で入ったので、決まった瞬間、めちゃくちゃ嬉しくて、両手を上げて喜びました(笑)」
Q:前半から相手のクロスやCKも多い中、しっかり跳ね返せたことも勝因だと思いますが、今日の守備に関しては?
「クロスを蹴ってくることは分析の中でもありました。前半の入りや飲水タイムの後など、節目、節目でしっかりサイドにクリアすることはチームでも決めていました。マークを曖昧にしないことや、相手が蹴る瞬間に自分たちがしっかり下がることも、今までは課題だったので、しっかり声掛けしながらできた部分もありました。ただ、まだやっぱりマークを外してしまう場面もあったので、最後まで集中していかないといけないと思いました」
■高和芹夏選手
Q:やはりノジマキラーでしたね(笑)。
「フフフ(笑)。決められて良かったです」
Q:得点シーンを振り返ると?
「ゴール前に入っていったらこぼれてくると思ったので、狙っていました。思い切って足を振ったら入ったので、良かったです」
Q:あの時間帯でも足を止めずに入っていくことも含め、ゴール前でこぼれてくるシーンは1試合で何度か来る、という思いですか?
「そうですね。スプリントや走ることは大事にしているので、攻守においてゴール前に入っていくことは意識しています」
Q:ゴール後のパフォーマンスは、でんぐり返しでした。
「全然決めていなかったのですが、体が勝手に動いていました(笑)」
Q:試合開始からボールへの反応がいいなと思って見ていたのですが、1点目も相手のクリアに反応してマイボールにして、矢形選手につなぎました。今日の全体的なパフォーマンスについては?
「セカンドボールを拾うことは監督からも言われているのと、サイドバックの(中西)ふうさんが持った時にパスコースを作ってあげることは意識していました。パスが出て来なくても走ることや、フリーランニングができたところは良かったと思います」
■山下莉奈選手
Q:この試合でも好セーブ連発でした。特に前半、しっかり守ったことで流れを作りましたが、自身のパフォーマンスを振り返ると?
「ジェフ戦(カップ戦のグループステージ第2節)のパフォーマンスをベースにやっていきたい思いがあるのと、やっぱり簡単には決めさせたくないので。はい、頑張りました(笑)」
Q:今日もそのセーブに矢形選手が応えてくれましたね。
「やっぱり、やってくれるなと思いました(笑)。1点目が決まって気持ち的にも楽になったので、あの先制点は大きかったです」
WE参入2年目のリーグ開幕戦。矢形海優、荻久保優里、高和芹夏にゴールが生まれ、3-1で会心の勝利を飾る
いよいよ開幕した2024-25 SOMPO WEリーグ。セレッソ大阪ヤンマーレディースにとってはWE参入2年目のリーグ戦。1年目の9位という成績を超え、どこまで上位に迫っていけるか。新たなチャレンジが始まった。
ホームにノジマステラ神奈川相模原を迎えた第1節。先発は直近のWEリーグ クラシエカップ グループステージ第2節・ジェフ千葉レディース戦から1人変更。宮本光梨に代わり、千葉L戦では途中出場で矢形海優の先制点をアシストした松本奈己がボランチに入った。立ち上がり、セレッソは良い入りを見せる。ボールをしっかり動かすと、失った後も素早く切り替えて、球際でも負けずにボールを回収。試合の主導権を握った。7分、荻久保優里のパスに矢形が抜け出しチャンスを作ると、9分には、筒井梨香のフィードを高和芹夏が落とし、矢形がこの試合、両チーム通じて最初のシュートを放った。ただし、10分を過ぎたあたりからは攻守に前への圧力を強めてきたN相模原に対し、セレッソは守勢に回る。CKも立て続けに受けたが、「しっかりサイドにクリアすることはチームでも決めていた。マークを曖昧にしないことや、相手が蹴る瞬間に自分たちがしっかり下がることも、しっかり声掛けしながらできた部分もありました」と試合後に荻久保が振り返ったように、この試合では1試合を通じて相手のクロスにもしっかり対応した守備陣。20分には、昨シーズンのN相模原とのリーグ戦では2試合ともゴールを決められた南野亜里沙に強烈なミドルシュートを打たれたが、GK山下莉奈が左手1本でビッグセーブ。失点を阻止した。山下は21分、27分にも相手の決定機で好守を連発。試合の流れを渡さず、持ちこたえた。この時間帯をしのいだことで、再びペースを握り返したセレッソは、43分に待望の先制点。脇阪麗奈のクロスを相手DFがクリアしたボールを高和が拾い、こぼれ球に反応した矢形が右足を振り抜きゴール。相手DFに当たってディフレクションする幸運な形ではあったが、「ゴールを目指して打ったから、ああいう形でゴールにも入った」(矢形)。まさに気持ちでねじ込んだ先制点となった。昨シーズンのリーグ開幕戦に続き、2年連続でチームのファーストゴールをゲットした背番号11。まさに“頼れるエースここにあり”を示した。前半はこのままセレッソが1点リードで終了した。
後半開始早々、セレッソが2点目を奪う。脇阪のCKにファーでポジションを取った荻久保がダイレクトでボレーシュート。しっかりミートしたシュートが見事な軌道を描いてゴールに突き刺さり、両手を突き上げた背番号7。「サッカー人生の中でも一番いいゴール」と自身も振り返るスーパーゴールでヨドコウ桜スタジアムが大いに沸いた。直後にはCKからピンチも迎えたセレッソだったが、南野のヘディングはGK山下が反応して好セーブ。前半に続き守護神がここでもチームを救った。その後、67分に背後を突かれて1点を返されてしまったが、ここから終盤にかけて攻撃を加速させて突き放しにかかると、85分、試合を決定付ける3点目が決まる。相手のスローインから出たボールを高和が激しいチェイスで奪うと、田中が正確なクロスをファーサイドへ送る。受けた矢形が相手DFを交わしてシュート。決定的な形に持ち込んだが、GKに防がれてしまう。ただし、その跳ね返りを矢形と百濃実結香が詰めると、百濃に当たってこぼれたところに反応した高和が左足で蹴り込み、ネットを揺らした。後半アディショナルタイムには百濃に代わって左サイドハーフに入った北原朱夏が突破から好機を作るなど、最後まで攻め続けたセレッソが3-1で勝利。昨シーズンに続き、見事リーグ開幕戦を勝利で飾った。
「戦術とかいろんなことはあるのですが、まずは気持ちをしっかりピッチで出そうと選手たちが一生懸命やってくれた結果が、この勝利につながったと思います」と試合を振り返った鳥居塚伸人監督。まさに試合開始から終了まで、脇阪がポイントに挙げていた「走る、戦う部分」で相手を上回ったセレッソ。昨シーズンの開幕戦より多くの観客に見守られ、2シーズン目のWEリーグを最高の形でスタートさせた。