第4節
2024.10.5土
セレッソ大阪ヤンマーレディース
矢形 海優 (45+1')
1
HOME
FULL TIME
4
ヨドコウ桜スタジアム
1-1
0-3
日テレ・東京ヴェルディベレーザ
木下 桃香 (24')
山本 柚月 (49')
樋渡 百花 (84')
北村 菜々美 (86')
ヨドコウ桜スタジアム
1,795人
放送
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■鳥居塚伸人監督
「まずはホームゲームということで、多くのサポーターの皆さんが駆けつけ、選手を後押ししていただき、前半は本当にそれが力となり追いつくことができましたが、後半は力不足で勝利をプレゼントすることができず、非常に残念なゲームでした。
選手たちは本当に一生懸命やってくれたと思いますが、細かい部分の差がこの点差についたと思います。次にその部分をしっかりと修正して、臨んでいきたいと思います」
Q:結果的に1-4という3点差がついたその細かい部分の差というのは?
「やっぱり(ボールを)失った後、ベレーザさんはボールを逃がす技術もあり、しっかり個人個人が判断した中で、攻めるところ、それとも(攻撃を)やめるところ、そのジャッジがしっかりできていた印象です。セレッソはやろうとしたことの選択肢しか持っていませんでした。それにチャレンジすることは悪くはないですが、本当にそのチャレンジをした方が良いのか、それともやめた方が良いのかという判断、それを決断した時のスキルの部分の低さも目立ったゲームだったのかなと思っています。そこの差が結局この得点差につながったのかなと思っています」
Q:一対一で剥がされた感じが少し目立った?
「チームとしてどこで奪うのか、奪えないのであればどこへ(相手を)追い込まなければいけないのか、そういった部分はチームとして明確にしなければいけなかったと思います。それができていないから、1対1の個人の対応という形になってしまった。相手の思惑が当たり、こういう結果になったと思います。やっぱり間合い一つにしてもそうですが、1失点目の場面、ああいうところで決める技術があるということであれば、もう一歩、近い間合いで対応できる選手にならなければいけないし、そういう中で剥がされない選手になる。そのトレーニングをしていくしかないのかなと思います。まあ、いい経験になったと思います」
選手コメント
■矢形海優選手
Q:結果的に1-4となりましたが、自身は2試合連続ゴールで今季5得点目。好調を維持しています。
「先制されて前半に追いついたところは良かったのですが、個人のシュート数はその1本だけ。ゴールへの推進力がまだ足りなかったと思います。ゴールを決められたのは良かったのですが、負けは負けなので。もっとゴールへの意識を上げていかないといけないと思いました」
Q:相手は体格はそれほど大きくないが、足元の技術が高い選手が多い。どう攻略しようと思っていましたか?
「ベレーザの選手は一人ひとりが本当に足元がうまくて、サッカーを分かっているというか、ゲーム運びが本当に上手な選手が多いと思います。自分たちはいつもどおり、アグレッシブに前から(ボールを奪いに)行くっていうところは意識してプレーしたのですが、あと一歩だったり1対1で負ける部分があったりしたので、そこを本当にしていかないと上には行けないと改めて感じました。でも、できている部分もたくさんあった。それを90分通してできるチームになっていかないといけないですね」
Q:前半は前からプレスをかけ、複数人でボールを奪うことができていたように思います。劣勢になった後半はプレスがかからなくなったように見えました。
「(相手が)隙を突いてくるというか…。後半の立ち上がりに失点してから、ズルズルと引いてしまった部分もあったので、そこでもう一度チーム全員が声を掛け合って前から行けていたら、また違ったゲームになったのではないかと思っています」
■田中智子選手
Q:素晴らしいダイレクトスルーパスで矢形選手のゴールをお膳立てしました。
「いいタイミングで縦パスが入ってきて、どうしようかなと思いましたが、(矢形が)すごくいい動き出しをしてくれたので。ダイレクトで流そうと思って出したら、狙い通りのところに転がってくれました。決め切ってくれて良かったです」
Q:田中選手の惜しいシュートもありました。
「(百濃)実結香がアクションを起こしてくれてバスを出そうと思いましたが、相手が実結香のアクションについていき、フリーだったので狙いました。決め切りたかったです」
Q:今季、リーグ戦初黒星となりましたが、この敗戦をどう受け止めますか。
「自分たちの形を出すのが前半だけではなく、1試合を通して自分たちのサッカーができるようにならないといけません。後半の最後に力を出せるチームになっていかないといけないと思います」
■米田博美選手
Q:今季初先発でした。悔しい敗戦になりましたが、自身のプレーを振り返ってください。
「勝点3が欲しいということで、チーム自体、やることは変わらないですが、自分自身は気持ちで負けないところだったり、成長したところだったりを見せられるようにというのは意識して試合に臨みました」
Q:結果は1-4。後半は相手の攻撃に対応するのがなかなか難しかったのではないかなと思います。
「前半はシュート数も自分たちが上回っていました。ただ、相手が前後半で戦い方を変えてきた中で、自分たちも引くのではなく、アグレッシブな守備を出せるように、もっと(ピッチの)中で声をかけて改善するべきだったと感じています」
Q:ボールを奪うところで苦労しているように見えました。
「ベレーザはやっぱり(ボールを)繋いでくる。一人一人がうまいのですが、そこで繋がせるのではなく、自分たちから仕掛けて奪えていたシーンもありました。それを後半も出せたら良かったと思います」
Q:今日のポジションは左サイドバックでした。後半の立ち上がりにゴール枠に当たる惜しいシュートも放ちました。
「(本職は)センターバックですが、いろいろなポジションができたほうがいいと思います。サイドバックだと、求められるプレーも変わってくるので、応えられるようにできればと思っています。守備だけじゃなく、攻撃にも参加できるのがサイドバックだと思うので、ゴールも見ながら攻撃にも参加していきたいです」
Q:U-20女子ワールドカップを経験。またチームの副将として若い年代を引っ張っていく意欲を感じます。
「下の年代から押し上げるのは絶対に大事だと思います。自分が中心となって下の年代をまとめてチームによい影響というか、そういうものを下から出せたらいいなと思っています。副キャプテンだからとかではなく、全員がリーダーシップを取ることが大事だと思っています」
Q:今回の敗戦を次にどう生かしていきたいですか?
「昨シーズンと比べたら、できることは増えています。そこはポジティブに捉えつつ、まだ(東京NBとは)少し差があるとも感じました。そこをもっと日々の練習からみんなで強度高く、意識してやっていきたいです」
■中西ふう選手
Q:90分を振り返ると?
「相手が繋いでくる状況で、自分たちの前からのプレスはある程度機能させられていたと思いますが、後半の最後に隙を突かれて連続失点してしまったところが今のチームの課題だなと思います」
Q:前半は特に中西選手が高い位置でプレーする回数が多く、惜しいシュートもありました。
「ミートすることで精いっぱいでした(苦笑)。次はしっかりコースを狙えるようにしたいです」
Q:攻撃面で意識していることは?
「なるべく高い位置でプレーすることは意識していますが、まだまだ全然足りていないと思います。もっと自分が高い位置に行って、クロスを上げられれば得点チャンスもシュート数も増えると思うので、今後はもっともっと攻撃に関わっていけるようにしたいと思います」
■白垣うの選手
Q:大事な一戦にどういう気持ちで臨みましたか?
「ホームですし、お客さんやサポーター、応援してくれている方々のためにも絶対に勝点3を取ろうという気持ちで挑みました。ですが、こんな結果になってしまって……切り替えて次は勝ちたいと思います」
Q:3失点目の場面は、どういう対応をしようとしたのか?
「最初はGKに返そうと思ったのですが、思ったよりもボールが(バウンドで)自分に返ってきて、頭の中ではクリアする選択肢を持っていなくて、繋ぐことばかりを考えてしまっていました。それが悪い方向に行ってしまいました」
Q:この敗戦を今後へどう生かしていきたいですか?
「とにかく失点を防ぎたい気持ちが強いです。それが自分の目標であり、役割だと思っています。今日の悔しさを糧にして、チームを鼓舞するプレー、チームに勢いをつけるプレーを出していけるように、練習から意識して取り組んでいきます」
前半は善戦も、後半は力の差を見せ付けられる内容で完敗。今季、リーグ戦初黒星を喫する
2024-25 SOMPO WEリーグ第3節・大宮アルディージャVENTUS戦から中5日。セレッソ大阪ヤンマーレディースは、ホームのヨドコウ桜スタジアムに日テレ・東京ベレーザを迎え、WEリーグ第4節に臨んだ。ここまで開幕3試合を終えて2勝1分と好スタートを切ったC大阪。“BIG3”の一角、東京NBをホームに迎えた今節は、「ここで勝ちにいけるか。ピッチで表現できるか」と鳥居塚伸人監督も話す今シーズン最初の大一番となった。先発は大宮V戦から1人変更。荻久保優里に代わり、米田博美が左サイドバックに入った。
立ち上がりから東京NBにボールを持たれ、特に自陣右サイドから攻められるシーンが多かったC大阪だが、右サイドバックの中西ふうも粘り強く対応。東京NBに決定的なチャンスを作らせずにいると、最初の決定機はC大阪。19分、米田のフィードに抜け出した田中智子が収めて反転、思い切ってミドルシュートを放つとクロスバーを直撃。跳ね返りを中西が狙うも、ここはDFにブロックされた。惜しくも先制とはならなかったが、背番号8の巧さと積極性が光った。ポジティブな空気が漂ったその刹那、24分、C大阪は一瞬の隙を突かれて先制を許す。スローインの流れから、ボールを受けた東京NBの10番・木下桃香にペナルティーエリアの外からミドルシュートを決められた。相手の技術が際立った一撃ではあったが、「ああいうところで決める技術があるということであれば、もう一歩、近い間合いで対応できる選手にならなければいけない」と指揮官も課題を述べた。
その後も劣勢の時間は続いたが、東京NBに2点目は与えずしのぐと、42分には脇阪麗奈に決定機。宮本と脇阪が高い位置で挟んでボールを奪い、百濃実結香、田中、矢形海優とつないで崩すと、最後は脇阪が左足でシュートもGK正面に飛んだ。この時間帯はC大阪のペース。高い位置からのプレスでゴールに迫ると、前半アディショナルタイム、同点に追い付く。米田を起点に脇阪、高和芹夏、田中とテンポ良く縦につないで中央を破ると、最後は田中のワンタッチパスを受けた矢形が巧みな切り返しから左足のシュートでニアを射抜き、ネットを揺らした。ボール保持の時間こそ東京NBが長かったが、シュート数や決定機の数では上回った前半、昨シーズンからの成長をピッチに刻んだ。
後半は立ち上がり、C大阪が押し込むと、左サイドの深い位置でのスローインの流れから、最後は米田がシュートもクロスバーを直撃。惜しくも勝ち越しとはならなかった。すると直後の49分、自陣左サイドをワンツーで破られ失点。東京NBに2点目を与えてしまう。再び追いかける展開となったC大阪は、62分に最初の選手交代。高和に代わって浅山茉緩が入り、田中と2トップを組み、矢形が右サイドハーフに降りた。すると65分、田中のパスから背後に抜けた浅山がシュート。早速、起用に応えたが、枠を捉えることはできず。ここから反撃のギアを上げていきたいC大阪だったが、結局、この浅山のシュートがこの試合、最後のシュートになり、以降は得点のチャンスを作れなかった。2失点目以降、東京NBに与えた主導権を奪い返せずにいると、終盤の84分、86分に連続失点。かつてセレッソ大阪堺レディースでもプレーした北村菜々美にも決められた。試合はこのまま1-4で終了。リーグ戦では今季初黒星を喫した。互角に渡り合った前半だが、後半はボールの動かし方、奪い方、1対1といった攻守両面で差を見せ付けられた一戦を振り返って、「(課題を埋めるには)トレーニングしていくしかない。いい経験になったと思います」と鳥居塚監督。上位を狙う上で力が試された今節。この悔しい結果を糧に、再び成長への歩みを続けていきたい。