第6節
2024.10.20日
セレッソ大阪ヤンマーレディース
矢形 海優 (18')
1
HOME
FULL TIME
4
ヨドコウ桜スタジアム
1-1
0-3
サンフレッチェ広島レジーナ
瀧澤 千聖 (41')
早間 美空 (75')
李 誠雅 (85')
李 誠雅 (89')
ヨドコウ桜スタジアム
1,856人
放送
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■鳥居塚伸人監督
「勝負の一戦という形で臨んだ試合でしたが、結果が全てかなと感じています。力の差もありましたし、チームとして何をしないといけないのかをもう一度見直して、自分たちができることをしっかりとグラウンドで出せるようにしていきたい。どうやったら勝点3が取れるのかを見直したい。もう一度、個人戦術という部分でも、何をしないといけないのか、何をしたらいけないのか、それを明確にすることで、勝利できるようにやり直して次に向けてチャレンジしていきたいです」
Q:点差は付いてしまったが、やれている時間帯もありました。最終的にサンフレッチェ広島レジーナとの差はどこにあったと感じていますか?
「選手は一生懸命やってくれましたし、サポーターも大勢入ってくれて、後押ししていただきました。先制点は奪えましたが、先制した後の試合運びをどうするか、という部分でPKを与えてしまった。そこが全てかなと感じています。細かい部分を逃さない広島さんと、細かいところで隙を与えてしまうウチの差が、この結果につながったと感じています。できることは明確にしながら、できなかったところはしっかりと修正してやっていきたいです」
Q:後半の序盤は左サイドを崩せていた時間帯もありましたが、途中、相手の選手交代で流れを持っていかれて、2失点目を喫してしまった。そうした主導権の握り合いについては?
「追いかける状態になり、システムを変えて最後は臨んだのですが、本当にシステムを変えたことが良かったのか、自分自身も反省しないといけないことも数多くあると感じています。選手も、何ができたのか、何をしなければいけなかったのか、そこも含めてチームとして統一していかないといけないと感じたゲームでした」
Q:終盤に白垣選手を前線に入れて3トップ、3バックに変えた采配は、もちろん点を狙いにいくイメージでしたか?
「はい。前3枚でプレッシャーをかけて、よりゴールに近いところにボールを配球するイメージはあったのですが、もう一度、見直して、何が必要だったのかを感じて、次に臨みたいです。これ以上、負けられないので、しっかりと勝点3を取れる準備をしたいです」
選手コメント
■矢形海優選手
Q:結果、1-4になりましたが、試合を振り返ると?
「もったいない、という感じですね。やれていた部分も多かったですし、シュートまで行けたシーンも何回かあったので。そこで決め切るか、決め切れないかで、結果も変わるのかなと思います。1-2になった後、もう一つ、『勝ちにいく』というギアを全員が上げないといけなかったですし、最後の2失点はいらなかったと思います」
Q:2失点目の時点で少しガクっと来てしまった?
「そうですね。そこからフォーメーションも変わって、後ろが3枚になった時に共通理解ができていなかった。誰がファーストディフェンスに行くか、ハッキリできていなかったので、もったいなかったと思います」
Q:個人としては、リーグ戦3試合連続ゴールで6点目。早くも昨シーズンのゴール数に並びました。
「点を取ることは毎試合、意識しています。この時点で6点を取れていることはプラスですが、目標は二桁ですし、まずはそこに向かって毎試合、取り続けたい。チームを勝たせる得点にはならなかったので、次はチームの勝利につながるゴールを決めたいです」
■脇阪麗奈選手
Q:この結果をどう受け止めていますか?
「前半、悪くなくて、得点もできましたが、後半の終盤に失点することがベレーザ戦もそうでしたが、続いています。いつも(後ろを)3枚にした時にやられるので、そこは改善していけたらと思います」
Q:前半は相手のサイド攻撃もカバーし合いながら抑えるなど、昨シーズンからの成長も発揮できた部分もあるのでは?
「試合内容で言えば、昨シーズンよりできている部分は結構ありました。でも最後に決められるのが自分たちの今の課題。ただ、後半も自分たちにチャンスはあったので、そこで決め切らないといけないです。」
Q:後半の立ち上がりは左サイドを中心に、脇阪選手も絡みながらチャンスも作れていました。内容的にも上回っていましたね。
「そうですね。そこで決めないと、このような展開になってしまう。決めておけば、こちらのペースになるので。日頃の練習からしっかりやることが大事です」
Q:その後は相手も選手交代で中盤の組み合わせを変えながら、試合の流れを持っていかれた印象です。広島の層の厚さも感じました。対応も難しい部分もありましたか?
「広島の選手層は厚くて、誰が出ても嫌な選手ばかり。自分たちもそういうチームになっていけたらと思います」
Q:1点目はFKから決まりました。今シーズンはセットプレーから取れていますね。
「セットプレーはキックの精度だと思うので。昨シーズンは点につながらなかったですが、今シーズンは責任を持って、しっかり練習しているので。今日の場面も練習通りだったので、良かったです」
Q:先日、なでしこジャパンも発表されました。今シーズンの活躍を見れば、脇阪選手も選出される可能性はあると思っていましたが、自身の受け止め方は?
「少し期待していた部分もありますが、メンバーを見て納得というか。まだまだ足りないですし、今日も自分が防げた失点があったかも知れない。もっとチームを勝たせて、いいパフォーマンスを続けていけたらと思います」
■高和芹夏選手
Q:チームとしても個人としても強い気持ちで臨んだ試合でしたが、結果は1-4で敗戦。どう受け止めていますか?
「4失点したことはチームとしても反省です。先制点を取れたことは成長ですが、1-0から追加点を取ることも課題だと思います」
Q:先制点につながるFKを獲得した場面は、高和選手のカットからでした。高い位置でプレスをかけて、ミスも誘って奪うチームの良さが出た?
「そうですね。奪ってそのまま得点につながる形も多いので、前から奪ってショートカウンターは意識しています」
Q:FKではニアに入ってフリックしました。今シーズンのセットプレーは、色んなバリエーションがありますね。
「セットプレーで取れていることは強みですし、ニアで逸らすことも狙っていたので、入って良かったです」
Q:その後、PKを与えた場面は、映像で見るとファウルはペナルティーエリアの外に見えました。自身では、あの場面をどう振り返りますか?
「あそこはノーファウルが必要でした。守備の鉄則として、前に立たないといけなかった。後ろから行ってしまったこと、ファウルしたことは、守備の原則ができていなかったから。そこは反省しないといけないです」
Q:後半の入りは特に左サイドから攻めることができていました。手応えもあったのでは?
「そうですね。左から作ってくれていたので、自分はクロスに入れるように、得点も狙っていました」
Q:後半の途中からは、相手の選手交代で流れを持っていかれた感もありました。
「フレッシュな選手が入って、またギアが上がったように感じました。セレッソは終盤に失点も多いので、そこは改善しないといけないです」
■百濃実結香選手
Q:チームとしても個人としても強い気持ちで臨んだ試合でしたが、結果は1-4で敗戦。どう受け止めていますか?
「今日は自分が2点目を決めていれば、もっと楽な試合になったので、そこが悔しいし、チームに対して申し訳ない気持ちです。チームがどうこう、というよりも、個人の部分で2点のチャンスがあったので、1点も決め切れなかったことが申し訳ないと思います」
Q:後半の序盤は左サイドを中心に崩すシーンが数多く見られました。チャンスの場面では、2回とも、外したというより、いい形に持ち込んだようにも見えたが、自身としては決めないといけなかった思いが強い?
「そうですね。今日の試合で勝つか負けるかで今後の順位も変わってきますし、ここで勝てば上位とも離されずに付いていけたので…。あの場面は自分が決めるべきシーンでした。あれが決まっていれば、苦しい展開にならずにもっと楽に試合を進めることができたので、悔しい気持ちしかないです。持って行けた、とかではなく、決め切らないと上にはいけないと思います」
■中西ふう選手
Q:強い気持ちで臨んだ試合でしたが、できたところ、まだ足りなかったところなど、試合を終えての感想は?
「9番の選手と対峙した時に、縦に行かれた場面もあり、そこを(白垣)うのや(脇阪)麗奈さんが何回も助けてくれたのですが、そこを一人で対峙できるようになれば、他の選手が別の仕事ができるので、もっと対人の能力を上げていきたいです」
Q:2失点目に関しては、もう少しでクリアできそうでした。サイドに深く入られた時点で難しさもあったと思いますが、あの場面については?
「あの場面は自分が大きくクリアすべきでした」
Q:終盤は点を取りにいくために前線を3トップにして、後ろは3バックに変更しましたが、マークに付き切れず、対応し切れなかった?
「失い方が悪くて、前向きに勢いよく来られました。3バックになった分、間が空いてしまい、そこを突かれた感じです」
矢形海優の今シーズン6点目で先制も、無念の逆転負け。終盤の試合運びに課題を残す
直近の公式戦、WEリーグクラシエカップ第4節・ジェフ千葉レディース戦から中10日。セレッソ大阪ヤンマーレディースは、ホームにサンフレッチェ広島レジーナを迎え、2024-25SOMPOWEリーグ第6節に臨んだ。チームにとってのリーグ前節、日テレ・東京ベレーザ戦から先発を1人変更。筒井梨香に代わり、荻久保優里がDFラインに入った。
昨年は公式戦で4度対戦して4敗と悔しさを味わった相手に対し、監督、選手ともに今節に懸ける思いは強かった。その思いをピッチにぶつけるかのように、立ち上がり、攻勢に出たのはC大阪。開始30秒、左からのクロスを相手DFがクリアしたボールに対し、中西ふうが右足を振り抜き、ダイレクトでシュート。際どいコースへ飛んだが、GKの好守に阻まれた。そこからCKを2本続けて蹴ると、3分には、米田博美のパスに抜け出した矢形海優が左サイドで起点を作り、脇阪麗奈がポケットに進入してシュート。形を作った。いい入りを見せたC大阪だったが、6分、S広島Rに中央を割られてネットを揺らされる。ただし、ここはオフサイドの判定でゴールは認められず。安堵したC大阪だが、以降はS広島Rの攻撃を耐える時間が続く。それでも相手のサイド攻撃をしっかり防ぐと、短い時間で4本与えたCKも懸命にしのぐ。すると18分、C大阪が先制に成功。矢形と田中智子がプレスをかけ、相手GKのキックミスを誘うと、カットした高和芹夏が持ち込み、ファウルを受ける。ここで得たFKからネットを揺らした。脇阪のキックをニアで高和が逸らし、白垣に当たってこぼれたボールに反応した矢形が蹴り込んだ。リーグ戦3試合連続となる今シーズン6点目にガッツポーズの背番号11。直近の公式戦は4試合連続で無失点と堅守を誇っていたS広島Rから先制すると、以降はC大阪が安定したプレーで時計の針を進めていく。今節に向けて見直してきた守備の距離感も良く、選手個々も競り負けることなく相手にシュートを1本も許さない試合運びを披露。ただし39分、相手スローインの流れから、高和が相手選手を倒してPKを献上。映像ではペナルティーエリアの外のようにも見えたが、主審は迷わずPKのジャッジ。これを瀧澤千聖に決められ、前半で同点に追い付かれた。
1-1で迎えた後半、最初に主導権を握ったのはC大阪。ホットゾーンになったのは左サイド。48分、脇阪、矢形、百濃実結香の3人で崩して攻めると、54分に決定機。百濃が得意のドリブルで左サイドを突破し、持ち込むと、角度のないところからシュート。しっかりと枠を捉えたが、相手GKの好守に阻まれた。64分にも百濃に決定機。高和が高い位置で奪ってショートカウンターを発動。矢形のパスに走り込んだ百濃が丁寧なトラップから前に運び、GKと1対1を迎えたが、戻ってきたDFの寄せにも遭い、シュートはわずかにゴールを外れた。試合前、「勝ちたい気持ちが強い。決め切るところとか、より結果にこだわりたい」と決意を込めて今節に臨んでいただけに、試合後は「悔しい気持ちしかない。決め切らないと上にはいけない」と唇を噛みしめた。その後、選手交代でギアを上げてきたS広島Rに主導権を奪われると、75分に失点。自陣左サイドの深い位置を取られてクロスを上げられると、逆サイドの選手のクリアも間に合わず、押し込まれた。互いに迎えた決定機で“決めるか・決めないか”で明暗が分かれた試合は終盤、S広島Rがシステムを3バックに変えると、鳥居塚伸人監督も宮本光梨に代えて中谷莉奈を投入、途中出場の浅山茉緩、矢形に加えて白垣を前線に上げて3トップを形成し、後ろも中谷、米田、荻久保の3バックで3-4-3の攻撃的なシステムで同点を目指した。ただし、攻撃に転じる前に、「誰がファーストディフェンスに行くか、ハッキリできていなかった」と矢形も振り返ったように、守備での共通理解を欠いてバランスを崩すと、S広島Rに決定機を量産され、2点を追加された。決めたのは2点とも途中出場の李誠雅(リ ソンア)。かつてセレッソ大阪堺ガールズでもプレーしたFWに自由に動き回られた。
最終的に3点差での敗戦となった今節だが、前半の守備、後半立ち上がりの攻撃と、S広島R相手に「やれていた部分も多かった」と矢形。「試合内容で言えば、昨シーズンよりできている部分は結構ありました」とキャプテンの脇阪も同様の感想を述べた。昨シーズンに比べて点差こそ開いたが、相手を追い詰めた手応えは残った。それでも、前半は互角以上に戦いながらも、後半最初の決定機で仕留め切れずに終盤の時間帯で失点を重ねる展開は、前節の東京NB戦と同様だ。上位との差を再び痛感した一戦。決定力だけではなく、後半のゲームコントロール、選手層の厚み、采配など、複合的にレベルアップしていきたい。