第7節
2024.11.2土
セレッソ大阪ヤンマーレディース
荻久保 優里 (64')
1
HOME
FULL TIME
1
ヨドコウ桜スタジアム
0-1
1-0
ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
石田 菜々海 (16')
ヨドコウ桜スタジアム
1,618人
放送
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■鳥居塚伸人監督
「この悪天候の中、多くのサポーターに足を運んでいただいて感謝しかないですし、そのパワーが後半の得点につながったと思います。ただ、勝利をプレゼントするという部分では、勝ち切ることができたゲームでもあったと思うので、一つひとつの課題は改善しながら、次のゲームに臨んでいきたいです。あとは、あのような天候の中で、個人的な技術の低さも感じたと思うので、一つひとつ課題として取り組んで、次のステップに成長していけたらいいのかなと感じています。ただし、よく追いついてくれたと思いますし、少しずつ選手たちの成長は感じてはいるので、さらに成長して勝ち切れるチームになっていきたいと思います」
Q:前半に関しては、内容を問うことが酷な環境でしたが、強いて、あの状況でも今後につなげたい課題などがあれば
「まずは、千葉さんの方が、今、何をしないといけないのか。その判断が明確でシンプルにサッカーをされていたと思います。ウチの選手はそこで少し迷いがあり、水溜まりにハマってしまうところがありました。あとは単純に、ボールを蹴れる選手が千葉さんの方が多かった。ウチは蹴れる選手が少ない。そこは前半の内容の差に出たと思います。スローインも含め、あの状況の中で何をしないといけないのか。個人で判断する部分はもっと上げていかないといけないと感じました」
Q:逆に雨が弱まってピッチの状態が良くなった後半は、ボールの動かし方も良く、押し込む時間が長かったです。チャンスの作り方も含めて試合運びに成長も見られました。0-1から跳ね返したメンタルも含め、後半の評価について
「少し前であれば、ピッチコンディションの変化に気付かずバタバタするチームではあったと思いますが、コンディションの変化に気付いて、しっかりとやってきたことを出せたことは、選手の成長を感じました。自分たちが何をしないといけないのか、後半は明確にできていたと思います。あとは、チームとしてどうストロングを出すのか、どうやって点を取るのか。そのクオリティーに関しては、個人個人が努力して練習の中で成長していくしかないと思うので、今後に期待したいです」
Q:ハーフタイムで与えた指示について
「ボールが走らない状態でも、一つは相手の背中を取りにいこうと。もう一つは、セカンドボールを回収するために、前との距離感も含めて全体をコンパクトにしようと。そこをテーマに臨みました。また、雨がここから止んできた時に、ピッチがどこまで回復するか。回復具合によって、動かせるなら動かせばいいと。ただ、後半立ち上がりの15分は『中途半端にならずに徹底してプレーしましょう』と伝えて後半に臨みました」
Q:ハーフタイムで田中選手から浅山選手に代えた理由について
「田中も相手の間、中盤で受けることが上手い選手ですし、背後への飛び出しにも長けていますが、パワーという部分で少し物足りなさを感じました。そういう部分では、浅山の方がボールを受けた後の背後への飛び出しも含めてパワーを持っている。あのピッチ状況であれば、浅山に交代した方がゲームの流れも変わると思って判断しました」
Q:今シーズン、カップ戦で2試合戦ってきた中で、千葉Lの変化は感じましたか?
「千葉さんは丁寧にサッカーをしてくるチームです。こちらがボールを動かすことによって、相手も対応してくるので、そこをしっかり見ましょうと。見ることができれば、ウチがボールを支配できる。逆に見ることができなければ、相手のプレッシャーにかかってしまう。千葉さんとは、その部分(ボールを握る部分)で、どっちが優位に立てるかという攻防になります。後半、雨が弱まってボールが動くようになってからは、相手より優位に試合を見ることができて、どこに配球すればいいのか、選手がしっかりジャッジした結果が後半の内容につながったと思います。千葉さん相手だけではなく、どのチームにもそれができるようになることが今の課題です。相手を見ながら、どこが空いているのか。ゴールから逆算した時にどう攻めるのか。一つひとつ丁寧に成長していけたら、結果も変わっていくと思うので、そこを突き詰めてやっていきたいです」
Q:千葉Lの変化という部分では、今節は3バックではなく、後ろを4枚で臨んできたと思いますが、それでも苦にすることなくボールを運んでいた印象だが?
「基本的には、3の場合はこう攻める、4の場合はこう攻める、という話はできています。その意味では、選手たちも違和感なくプレーできたと思います。ただ、前半に関しては、後ろが4枚だからどう、と意識して戦った感じにはならなかったですが(笑)。千葉さんも、後半の途中から前に人数をかける意味でシステムを変えてきましたが、そうなれば、ウチもパワーをかける場所が明確になります。一つひとつ相手の変化を感じ取りながらサッカーができたのかなと思います」
選手コメント
■荻久保優里選手
Q:前半はサッカーするには厳しい環境でしたが、どういうことを意識してプレーしていましたか?
「シンプルに前に蹴って、より相手の陣地で多くプレーすることを心掛けていたのですが、相手の方が、前に蹴って、そこに圧をかけてくることが上手かった。それは前半感じました」
Q:CKから喫した失点場面では、ファーで相手に競り負けるシーンが見られました。あの場面を振り返ると?
「相手にやらせない、という思いはあったのですが、ボールが見れていなくて、マークしか見れていなかったです。相手はボールが見えている状況で、自分がボールを見た瞬間、相手を放してしまった。次は絶対にないように、今後に向けて改善していきたいです」
Q:後半、自分自身で取り返しました。CKから百濃選手がニアでフリックして、ファーに入ってきました。練習通りでしたか?
「ニアで高い選手が競った後、ファーに入っていくことは練習から監督にも言われています。今回は(百濃)実結香が競ってくれて、背の高い選手ではなかったのですが、ニアで競った後、後ろにこぼれるところは狙っています。そこに入れるように、相手のマークをうまく騙しながら、入っていけたことは良かったです」
Q:ピッチ状況も良くなった後半は、ボールの動かし方も含め、意思統一ができていた印象です
「そうですね。後半は水捌けも良く、ボールもほとんどいつも通り動くようになりました。やっと自分たちのサッカー、相手を引き付けて動かすことができました。相手の状況を見ながら可変気味に自分のポジションを取ったりして、うまく前に運べたかなと思います」
Q:「ピッチの状況、相手の状況も見ながらサッカーできたことは成長」と監督も仰っていました
「あとは追いついた後、自分自身もクロスを上げるシーンが何回もあったのですが、そこでクロスを狙うだけではなく、自分でゴールを狙っても良かったと思うので、そこは課題です」
■脇阪麗奈選手
Q:前半はサッカーするには厳しい環境でしたが、どういうことを意識してプレーしていましたか?
「チーム全体で割り切ってやろうということで、割り切ってやっていたのですが、相手にセットプレーの機会を与えてしまったことが、先制点を決められた要因かなと思います」
Q:前半の終わり頃から少しずつボールも動くようになって、後半は雨も弱まり、ピッチ状況も改善されました。もう一度、自分たちのサッカーをしようと意思統一して入れた?
「はい、そうですね。後半はピッチも乾いていましたし、自分たちで今まで通りやろうと。後半は相手にシュートもあまり打たせていないですし、危ない場面もなかったので、前半もあのような形(ピッチ)でサッカーしたかったのが本音ですが、追い付けたことは良かったです」
Q:その同点ゴールですが、今シーズン何度も得点につなげているセットプレーから生まれました。やはり今年は武器になっていますね
「そうですね。結構、得点が生まれているので、継続して自分も練習していきたいです」
■浅山茉緩選手
Q:後半開始から投入されました。流れを引き寄せた部分もあったと思いますが、どのような思いでピッチに入りましたか?
「雨が強く降っていた中で、見に来てくれたサポーターの皆さんに負けるところは見せたくなかった。何としても点を取る、自分が決める、という意識で入りました」
Q:あのピッチ状況の中、「より強さのある、前にパワーを出せる意味で交代した」と監督も言われていました。あのピッチでも、自分の出せるプレーを出そうという思いでしたか?
「そうですね。特に『後半15分は前に蹴る』とチームで徹底して入ったので、そこで自分が収めたり、収めて落としたり、背後に走ったり、どんどんチャンスを作っていこう、というイメージはありました」
Q:後半はピッチも劇的に改善し、普段の自分たちのパスワークを発揮できた?
「ボールを保持してシュートまで行くシーンは増えたので、そこは良かったと思います」
Q:そうした中で、後半の終盤に2度チャンスが来ました。まず、最初のCKからヘディングを放った場面を振り返ると?
「ボールもしっかり見えていて、当たりも良かったのですが、コースをうまく狙えなかった。ゴールは見えていたのですが、まだまだ練習しないといけないと思いました(苦笑)。タイミングや入る場所はイメージ通りだったので、あとは決めるだけでした。FWで出るからには得点という結果が必要なので、そこはもっと練習したいと思います」
Q:2度目は、流れの中からでした。右サイドで中谷選手のパスを受けた脇阪選手がクロス。そこに浅山選手が入ったヘディングは、形としては素晴らしかったです。決めたかったのでは?
「タイミングも良かったです。自分が当てやすい、いいボールを麗奈さんが入れてくれたので、あとはコースだけでした。後半、押していた中で勝ち切れるチームにならないと上には行けないので、自分ももっと決定力を高めていきたいです。またすぐ試合が来るので、決め切れるように頑張りたいです」
■中谷莉奈選手
Q:後半の早い時間帯に交代で入りました。あの時間帯はピッチ状況も戻っていたので、気持ちとしてはいつも通りでしたか?
「はい。前半はボールも転がらない状況でしたが、後半は始まってからボールが滑ることは確認できたので、いつも通り入れました」
Q:中谷選手が入った時間帯あたりから、押し込む場面が増えました。やっていても、いけそうな感じがあったのでは?
「点が入りそうな感じはありましたね」
Q:その中でCKから得点が生まれました。同点に追い付いてからの時間帯で意識していたことは?
「もう1点、取れると思ってプレーしました。逆サイドにボールがある時はクロスに入っていくことだったり、前にパワーをかけることは意識していました」
Q:後半は守備で危ない場面はほぼなかったですが、77分、相手の右サイドからのクロスに対して、ボールを受けた選手が切り返した瞬間にクリアした場面がありました。あの対応は冷静でしたね
「クロスが入ってきた時に、思ったより相手が遠くて。最初は先に触ろうとしたんですけど、これは無理かなと思って、やめて、相手がトラップしてからの対応に切り替えることができたことが良かったと思います」
Q:ラスト、後半アディショナルタイムにCKからの流れでビッグチャンスが訪れました。惜しかったですね
「あれを決めていれば勝てたので…。ああいう場面で決め切れる選手にならないと、試合にも出れないと思うので、ああいう大事なところで1発決められる選手になりたいです」
Q:クロスに入るまではイメージ通りでしたか?
「はい。ファーにボールが来る感じがしたので。ただ、ゴール、ゴールという気持ちが出てしまい、早めに飛び込み過ぎたかなと思います。ラストプレーだったので、決めたかったです」
Q:ポジション争いも含め、今後に向けた抱負について
「最近は出ることができていませんが、常に自分がやるべきこと、課題を受け止めていますし、その課題を克服して、ピッチで活躍する姿をたくさんのサポーターさんにお見せできるように頑張っていきたいです」
大雨による難しいコンディションの中、先制されるも、後半に荻久保のゴールで同点。連敗を2でストップ
2024-25SOMPOWEリーグ第7節・ジェフ千葉レディース戦に臨んだセレッソ大阪ヤンマーレディース。昼過ぎから強まった雨の影響により、ピッチの至るところに水溜まりが発生する難しいコンディションの中、試合開始の笛を聞いた。先発は前節のサンフレッチェ広島レジーナ戦と同じ11人が並んだ。
横殴りの雨風に晒される中、ボールを思うように前に運べないC大阪に対し、序盤は千葉Lに押し込まれる展開に。3分、CKからの被決定機はGK山下莉奈が好セーブで逃れるも、16分、再びCKから先制を許す。ファーサイドへのキックに荻久保優里が競り負け、石田菜々海にネットを揺らされた。「シンプルに前に蹴って、より相手の陣地で多くプレーすることを心掛けていたのですが、相手の方が、前に蹴って、そこに圧をかけてくることが上手かった」と試合後に荻久保も振り返ったが、前半の立ち上がりはピッチ状況に応じた判断が「明確でシンプル」(鳥居塚伸人監督)だった千葉Lに押された。ただし、時間の経過とともに雨が弱まると、徐々にボールも走り始め、33分には左サイドの百濃実結香の突破からチャンスも作るなどゴールに迫る。前半、C大阪はシュートこそゼロに終わったが、押し込まれた立ち上がりから盛り返して終えた。
後半開始から田中智子に代えて浅山茉緩をピッチに送った鳥居塚監督。より前線に強さと高さを加えて反撃に転じる。ただし、後半も立ち上がりは千葉Lのペース。50分には再びCKからピンチも招いたが、GK山下が懸命に弾くと、セカンドの対応でも脇阪麗奈が相手のシュートをブロック。2失点目は許さない。58分、鳥居塚監督は2枚目の選手交代として中西ふうに代えて中谷莉奈を投入。この時間帯で千葉Lも10番の鴨川実歩と9番の大澤春花を下げる決断を下す。すると、ここから一気に試合の流れを掴んだのはC大阪。火を付けたのは白垣うの。59分、自身でカットして持ち上がり、チャンスを作る。白垣のパスを受けた矢形海優の落としに高和芹夏がシュート。この試合、C大阪にとって最初のシュートを放つと、63分には米田博美のパスから背後を取った矢形が持ち込みシュート。フィニッシュは相手GKのセーブに防がれたが、ここで得たCKから同点に追い付く。脇阪のニアへのキックを百濃が頭で逸らし、ファーに走り込んだ荻久保が蹴り込み、ネットを揺らした。「後半は水捌けも良く、ボールもほとんどいつも通り動くようになりました。それによって、自分たちのサッカー、相手を引き付けて動かすことができました。相手の状況を見ながら可変気味にポジションを取って、うまく前に運べたかなと思います」と荻久保も振り返ったように、後半はピッチコンディションが劇的に良化。水溜まりも消えてボールが動くようになり、セレッソのパスワークが生き始める。前半は相手にこぼれていたセカンドボールも拾えるようになると、追い付いて以降も「もう1点、取れると思ってプレーしました」(中谷)と逆転に至れる雰囲気がピッチに漂う。
すると81分、脇阪のCKから浅山がヘディングで決定機。87分にも、流れの中から脇阪のクロスに再び浅山。どちらもタイミングとしては合っていたが、シュートを枠に飛ばすことができなかった。「タイミングや入る場所はイメージ通りだったので、あとは決めるだけでした。押し込んだ中で勝ち切れるチームにならないと上には行けない。自分もFWで出るからには得点という結果が必要。決定力を高めるために、もっと練習したいと思います」と悔しそうな様子でシュートシーンを振り返った浅山。指揮官の期待に応える働きは見せただけに、次はゴールという結果でも応えたい。試合は後半アディショナルタイム、ラストプレーでもC大阪に決定機。脇阪のCKのセカンドボールを拾った矢形のクロスにファーへ飛び込んだのは中谷。ただし、ここもシュートが枠を捉えることができず、試合終了。「ゴール、ゴールという気持ちが出てしまい、早めに飛び込み過ぎたと思います。ラストプレーだったので、決めたかった」(中谷)と、こちらも試合後は悔しそうな様子を見せていたが、劣勢の前半を考えると、逆転まであと一歩まで盛り返せたことは成長の証でもある。ただし、大雨の中、駆け付けてくれたサポーターに勝利を届けたかったことは確か。「点を取るクオリティーに関しては、個人個人が努力して練習の中で成長していくしかない」と鳥居塚監督。良かったところは伸ばしながら、勝ち切るための課題とも真摯に向き合い、次節こそリーグ戦4試合ぶりの勝利を掴みたい。