第5節
2024.12.11水
三菱重工浦和レッズレディース
角田 楓佳 (11')
島田 芽依 (51')
2
AWAY
FULL TIME
1
浦和駒場スタジアム
1-0
1-1
セレッソ大阪ヤンマーレディース
米田 博美 (70')
浦和駒場スタジアム
1,320人
放送
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■鳥居塚伸人監督
「平日のナイターにも関わらず、足を運んでいただいたサポーターに勝利をプレゼントできなくて申し訳なく思います。自信をもってやろう、という形で臨んだゲームでしたが、怖がって入ってしまった部分が見えて、そこからの失点。セットプレーからの失点も課題も残ったゲームなのかなと思います。ただし、2点を取られた後、今までであれば、バタバタ3点目、4点目と取られていましたが、しのいで1点を返せたことは、選手の成長も感じます。追いつくチャンスもありましたし、勝てるチャンスもあった中で、勝ち切ることができなかったことが今のチームの力だと思うので、課題を克服して、後期、そして皇后杯に臨みたいと思います」
Q:今シーズンの1巡目が終了したが、前半戦の手応えに関しては?
「できる部分は昨年に比べると多く出ていることも感じますが、課題もまだまだ克服されないところも目立ちます。課題は個人でしっかり修正することと、自分たちのストロングをもう一度見つめ直して、できること、やるべきことをしっかりやることが、後期に向けての課題かなと思っています」
Q:折り返しの首位は日テレ・東京ベレーザです。若いチームが首位ということで、若い選手も多いセレッソとしては、刺激を受ける選手も多いのでは?
「まだまだ経験が浅い選手も多い中で、経験は時間が経てば得るものではなくて、すでに昨年から多くの試合経験を積んでいるので、試合の中で自分たちが勝つために何が必要なのか。こういう厳しい試合において、それを理解してピッチでパフォーマンスを発揮できるようになれば、もっと勝点は拾えると思います。ベレーザが首位ですが、負けているわけにはいかないので、後期に向けてしっかり勝点を積み重ねられるようにやっていきたいです」
Q:矢形選手が前半だけで二桁得点。脇阪選手とのホットラインも武器になっていますが、他の選手も含めて積み上げていきたい攻撃、得点の形は?
「チームとしてやるべきことは、ある程度はできてはいるのですが、アタッキングゾーンに入ってからの選手のアイディアや落ち着きは、まだまだ課題は残ります。後期に向けてはアタッキングゾーンのところを修正、レベルアップして臨みたいと思います」
Q:「相手を見てボールを動かす」というテーマを持って入った試合ですが、前後半とも開始15分ほどは押し込まれた時間が続いたが、それ以降の時間帯は、ボールを動かしてチャンスも作れていたが、昨年からの成長を感じた部分もありますか?
「そうですね。ただ一生懸命になるだけではなくて、しっかり相手を見て、相手の矢印をはがすことをテーマにやってきていますので、そういう意味では、ゲームの途中からは見ることができたシーンはいくつかあったと感じています。ただし、やっぱり個人として、ボールを見る時間がまだまだ長いですし、相手がどういう状況なのか、どこにボールを運べばいいのか、という部分では、まだまだ課題は多く残ったと思います。その中でも、自信を持って受け出してからは、自分たちが優位に運べる時間帯もあったので、継続して増やしていきたいと感じました」
Q:2失点ともセットプレー絡みでした。跳ね返した後のプレーでクロスを入れられて、セカンドボールを拾われてのミドルシュートを決められるシーンも目立つが?
「若いチームだから、というわけではなくて、個人戦術のところで、どこにポジションを取らないといけないのか。ゾーンからマンツーマンに変わった時の、マンツーの受け渡しであったり、全てのところで課題として残っています。ここを改善しないと、失点は減らない。クロスの対応と、ゴール前の対応は、後期に向けてしっかり修正して臨みたいです」
選手コメント
■浅山茉緩選手
Q:前後半とも浦和の攻撃を受けるシーンも多かったが、実際に戦って圧力はどのように感じた?
「浦和さんは高橋選手や島田選手など迫力がある選手が多く、最初はラインを上げることができず、前に行くことができなかったですが、途中から自分たちでボールを繋げるようになってからは守備の面でも守れていましたが、相手もセットプレーからの得点力があると分かっていた中で2失点ともセットプレーでやられたのは自分たちの力不足を感じました」
Q:競り勝って得点につながった得点場面を振り返ると?
「2失点目は競り負けたところから失点したので、取り返したい気持ちがあり、(脇阪)麗奈さんからいいボールが来てしっかり当てることを意識したので、しっかりゴールの方にいき、最後(米田)博美が押し込んでくれて得点につながってよかったです」
■米田博美選手
Q:WE初ゴールです。率直な感想をお願いします
「嬉しいですが、浅山選手のゴールだと思っています(笑)自分は最後ゴールに詰めてボールを完全にいれようと思ったので、決められて良かったです」
Q:後ろからつなぐ部分では、時間とともに相手を外せたシーンもあったが?
「相手のFWがスピードもありポイントになる選手もいたので、自由にやらせないことは意識していました。その中でもカバーポジションやクロスでの失点もあったので、自分が中心になって仲間に声をかけて集中して守ろうと思っていました」
Q:皇后杯に向けての意気込みを
「皇后杯は負けてしまったら終わりなのでリーグ戦とはまた違った緊張感がありますが、目指すところは優勝なので今日の敗戦を次に繋げられる負けにしたいので、良い準備をしたいと思います」
■和田麻希選手
Q:リーグ戦では第3節以来の出場。ピッチに入る時の気持ちについて
「なかなか今シーズン試合に絡むことができていなかったので結果を残して次につなげたいと思っていたのですが、ゴールという結果は残せず悔しかったです」
Q:0-2のビハインドだったが、どのようなプレーで盛り返そうと思った?
「味方も疲れているので、自分が仲間を盛り上げられるように、裏への抜け出しや他の選手よりたくさん走って、みんなを鼓舞するようなプレーをしようとピッチに入りました」
Q:中3日で皇后杯もあるが、意気込みについて
「皇后杯は負けたら終わる試合なので、より緊張感があり白熱した試合になり、相手も一生懸命くると思うので、負けないようチーム一丸で勝てるように頑張ります」
前期ラストの一戦。WEリーグ連覇中の三菱重工浦和レッズレディース相手に米田博美のWE初ゴールで食い下がるも、1-2の惜敗
魂のこもった逆転勝利を収めたINAC神戸レオネッサ戦から中9日。セレッソ大阪ヤンマーレディースは、三菱重工浦和レッズレディースがAFC Women's Champions League 2024/25に出場した関係で延期されていた2024-25 SOMPO WEリーグ第5節に臨んだ。先発はI神戸戦から1人変更。田中智子が欠場し、北原朱夏が前線に入り、矢形海優と2トップを組んだ。
立ち上がり、C大阪は浦和の圧力に押されて守勢に回る。開始1分、いきなり浦和にシュートを打たれると、その後もボールを握って攻めてくる浦和に対し、C大阪は「(ディフェンス)ラインを上げることができず、前に行くことができなかった」(浅山茉緩)。奪ったボールも前に蹴ることが精一杯。セカンドボールを拾われ2次、3次攻撃を受けると、11分に失点。CKを一度はクリアするも、跳ね返りを拾われクロスを上げられると、クリアし切れずこぼれたところでミドルシュートを決められた。今シーズン、このパターンでの失点が目立つだけに、「(クリアした後に)どこにポジションを取らないといけないのか。ゾーンからマンツーマンに変わった時の、マンツーの受け渡し」(鳥居塚伸人監督)も含め、クロス対応は後期に向けて改善したいポイントだ。続く15分にもCKからピンチを迎えたが、ここはしのぐとC大阪も徐々にボールを持って前に運ぶ場面を作り始める。23分には、この試合最初のビッグチャンス。中西ふうの縦パスを北原が落とし、最後は中谷莉奈がシュート。GKがキャッチし切れず、こぼれたボールがゴールへ向かったが、ライン手前で失速。戻ってきたGKに止められた。その後も浦和に自陣右サイドから攻められる場面は多かったが、2失点目は防ぐと36分に決定機。脇阪麗奈のCKに矢形がヘディングで合わせ、際どいコースへボールは飛んだが、相手GKの好セーブに阻まれた。
0-1で迎えた後半、C大阪は百濃実結香と北原のポジションをチェンジ。百濃が矢形と2トップを組み、北原が左サイドハーフに入る。後半、最初にビッグチャンスはC大阪。50分、荻久保優里が遠めの位置から思い切ったミドルシュートを放つと、これがDFに当たって前にこぼれる。ここに矢形が詰めてヘディングで押し込んだが、惜しくもGKに止められた。直後の51分に失点。C大阪にとっては敵陣から始まったシンプルなFKだったが、浅山が高橋はなに競り負けると、最後は島田芽依に詰められネットを揺らされた。その後もボールへの寄せが速い浦和の守備に対し、C大阪はなかなか前を向くことができずにいたが、60分に入った和田麻希が流れを変える。背後への抜け出しを見せて浦和ディフェンスを押し下げると、ここから後半の終盤にかけてC大阪がボールを握る時間を増やしていく。すると70分に反撃の1点。和田がいい位置で受けて獲得したFKを脇阪がファーへ送ると浅山がヘディング。「2失点目は競り負けたところから失点したので、取り返したい気持ちがあった」(浅山)と今度は相手に競り勝ち、ボールがゴールに吸い込まれていく。浦和ディフェンスもカバーに向かう中、最後は米田博美が押し込み、1点を返した。米田のWE初ゴールであり、WE参入後、浦和から公式戦で初めて奪ったゴールで勢いづいたC大阪は、75分にも決定機。中西、和田、高和芹夏、矢形、脇阪とつないで崩すと、最後は脇阪が逆サイドの百濃へ折り返したが、わずかに合わなかった。78分にも背後を取った矢形が果敢にゴールを狙うなど、この時間帯のC大阪の攻撃には迫力があった。ここで得たCKから、脇阪のキックをニアで百濃がヘディング。83分にも、中谷のクロスに百濃がヘディングで合わせるなど、シュート場面も増やしていく。
連覇中の女王・浦和に対しても「相手を見てボールを動かす」(鳥居塚監督)ことをテーマに臨んだ今節、後半は随所にそのようなシーンも作るなど良さも出せていたが、最終的には追いつくことができず、1-2でタイムアップ。「追いつくチャンス、勝てるチャンスもあった中で、勝ち切ることができなかったことが今のチームの力」と指揮官は述べた。中盤でのボールの運び方、前線と最終ラインのフィジカルも含めた球際の強さ、そうしたグループや個々の局面ではまだまだ浦和との差は感じられた一方で、前後半とも試合の流れを引き戻したことは成長と言える。次回、浦和とホームで対戦する試合までにさらに力を付けて、今度こそ勝利を掴みたい。リーグ戦は今節で前期が終了したが、年内は皇后杯も控えている。C大阪は今節から中3日、兵庫県立三木総合防災公園陸上競技場で行われるマイナビ仙台レディースとの5回戦に挑む。「負けたら終わりの緊張感がある」(和田)一戦を制し、ベスト8にコマを進めたい。