5回戦
2024.12.15日
マイナビ仙台レディース
1
AWAY
FULL TIME
0
兵庫県立三木総合防災公園陸上競技場
0-0
0-0
0-0
1-0
セレッソ大阪ヤンマーレディース
兵庫県立三木総合防災公園陸上競技場
463人
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■鳥居塚伸人監督
「選手は一生懸命やってくれましたし、必死に戦った結果だと思います。(直近のリーグ戦)浦和戦から中3日と間が少なかったことを考えると、まだまだタフなチームではない、ということ。こういう(試合間隔が短い)ゲームでも勝ち切れるようになっていくことが課題でもあるだろうし、その中で一つ一つのプレーのクオリティー、自信を持ってボールを受ける部分では課題が残ったと思います。この敗戦をしっかりと後期に生かせるように、修正して臨みたいと思います」
Q:後半はボールを握る時間も長かったが、今日に関しては、仕留める形を作り切れなかった印象だが?
「ボール自体を持とうという努力はしてくれましたが、相手がどう出てきているのか、どこを突くのが有効なのかを考えると、まだ相手の嫌なところを突けていない課題は見えました。自分たちがやろうとしていることに加えて、相手の状況によって、どこに差せば有効なのか、どこから攻めるのが有効なのか、そこを後期はやっていかないと、勝点を拾っていけない。やってはいけないエラーも減らしていかないといけない。そのあたりをしっかり修正していきたいと思います」
Q:相手が3バック(5バック)で来ることは練習でも想定されていたが、そうなった時に、どこが空くかをピッチで判断していくことが必要?
「そうですね」
Q:相手の嫌なところを突くチームになるためには、何が必要なのか。戦術眼なのか、冷静さなのか
「相手の変化をどう見るか、というところになります。今、見ている絵と、蹴った時の絵は変わっている。中央が空いているのか、背後が空いているのか。背後が空いていると思って狙えば相手は下がる。そうすれば、手前が空く。それを見極めることが、今ウチがやろうとしていること。前半は、相手も矢形の背後はケアしていました。ウチもまずは背中を狙ったのですが、相手が下がっているのであれば、足元を使えばいい。そこを使うことによって相手が出て来たら、背中を狙えばいい。相手が中央を締めれば、サイドを使えばいい。僕らは外から見ているので分かるのですが、選手も中で見ることができないと、握ったとしても有効な攻撃ができない。そういうことをしっかり見ることを、後期に向けて準備していきたいです」
Q:最後に失点したとは言え、GK名和選手が2度の1対1を止めるなど、素晴らしい活躍でした
「日々、成長しています。今日は悔しい思いをしたと思いますが、またここから努力して、もう一つ成長してくれることがチームとしてもプラスになる。若い選手が出てくることで競争も生まれてくる。その競争の中で、みんながレベルアップしてくれたらいいかなと思います」
Q:試合自体は、引き締まったいい内容だったのでは?
「マイナビさんは、今年に関してはなかなかリーグでは勝てていませんが、1発勝負のトーナメントでは力を出してくることは分かっていました。元々、力のあるチームです。『油断せずに入ろう』という形で試合には入ったのですが、拮抗してしまった。選手は一生懸命やってくれましたが、こういう相手に何をしなければいけないのか。しっかりとジャッジができるようになれば、勝てるようになる。体力的にきついのであれば、ミスを少なくしていかないといけないし、より握る時間も増やさないといけない。ロストすれば守備の時間が増えて、よりきつくなる。お互い、ロストの時間も増えて、拮抗はしましたが、ウチとしてはそういうところを修正したい。お互い一生懸命に戦ったからこそ、こういう(120分近い)ゲームになったと思いますが、勝ち切れるように修正していきたいと思います」
選手コメント
■矢形海優選手
Q:試合の振り返りと、結果の受け止めについて
「本当は90分で仕留めたかったのですが、120分戦うことになり…。自分たちの時間帯もありましたが、相手の時間帯も多く、耐える時間はあったのですが、勝てるチャンスはあったので、悔しいですね」
Q:前半の相手の攻撃をしのぎ、後半はこちらのペースになったのかなと見ていましたが、相手も3バックや5バックでスペースも消してきて、警戒してきた?
「リーグ戦では背後を狙えていたので、そこは相手も警戒してきた部分はありました。自由にプレーさせてくれなかったこともありますが、それでもチャンスは何回かあったので、その決定機で決めるか決めないかが、この結果になったと思います」
■脇阪麗奈選手
Q:試合の振り返りと、結果の受け止めについて
「中3日で全員きつかったですが、やっぱり最後の一歩で負けてしまったなと。皇后杯は1発勝負なので、この結果を重く受け止めたいです」
Q:アウェイ浦和戦から中3日で、出足が少し鈍くなってしまった?
「それはあったと思います」
Q:前半の相手の攻撃をしのぎ、後半はこちらのペースになったのかなと見ていましたが、後半に仕留めたかったですね
「チャンスもあったので。どっちに転ぶか分からない試合になりましたが、それをモノにできなかったことが悔しいです。自分ももっとボールを受けれたら良かったな、という試合でした」
Q:後半は右サイドをうまく使えたシーンもありました。今シーズンやってきたことを出せた場面も多かったとは思うが?
「そうですね。ビルドアップは悪くなかったし、試合としても悪くはなかったですが、これをどう勝ちに持っていくか。選手、スタッフ含め、この負けをしっかり整理しないといけないと思います」
Q:リーグ再開までしばらく空くが、個人としては、どういう時間にしたいですか?
「まだ(リーグ戦では)ゴールがないので、どうやったらゴールを取れるか、ゴールを取るために自分をしっかり分析して、技術を含めて高めていきたいです」
■中西ふう選手
Q:後半は特に右サイドでボールを持つシーンも多かったですが、自身のプレーを振り返ると?
「攻撃参加まではちゃんとできていたのですが、最後のクロスの精度が足りなかったと思います。全部、GKに向かってしまったので、それが味方にいけば、もっと得点のチャンス、可能性も出てきたと思うので、クロスをもっと練習します」
Q:今日のような1点勝負の試合をモノにするために、必要だったことは?
「自分自身もそうでしたが、得点につながる前のプレーの精度を高めることだと思います」
■名和咲香選手
Q:最後の最後に悔しい思いもしましたが、自身のプレーを振り返ると?
「悪くはなかったですが、最後に失点したので、もっと練習しないといけないと思います」
Q:2度の1対1を止めたシーンは素晴らしかったですが、判断が良かったですか?
「1つめは、最初はペナの外に出て足でクリアしようと思ったのですが、相手の方が速いなと思って、ペナの中で減速して、体に当たる距離やったので、先にブロックを作ったという感じです。2つめは危なかったですが、相手の最後のタッチが大きくなったので、奪えるかどうかは分からなかったですが、突っ込んだ方が当たるなと思ったので、前に出て行きました」
Q:PK戦になったら自信もありましたか?
「はい。自分が守っていたら負けない、と思ってプレーしています」
皇后杯5回戦はマイナビ仙台レディースに惜敗。24年の公式戦が終了し、ウィンターブレイクに突入
直近の2024-25 SOMPO WEリーグ第5節・三菱重工浦和レッズレディース戦から中3日。
セレッソ大阪ヤンマーレディースは、皇后杯5回戦・マイナビ仙台レディース戦に臨んだ。場所は兵庫県立三木総合防災公園陸上競技場、時間は11時半と普段とは異なる環境での一戦となった中、先発は浦和戦から1人変更。和田麻希が今季の公式戦2度目の先発を果たし、矢形海優と2トップを組んだ。マイ仙台は第8節のリーグでの対戦時からシステムを変更。後ろを3枚(5枚)にしてスペースを消し、前線は2トップ2シャドーの3-5-2で臨んできた。
立ち上がりはマイ仙台の攻勢を受けたC大阪だが、ここをしのぐと、15分前後からボールを握り始め、試合のリズムを取り戻す。23分には、この試合両チーム通じて最初の決定機。脇阪麗奈、矢形、百濃実結香とつないで左サイドを崩すと、最後は百濃のパスを高和芹夏がシュートもポストを直撃。惜しくもゴールとはならなかった。25分にも流れるようなパスワークから最後は脇阪がシュートを放つ。ただし、ここから前半の終盤にかけて再びマイ仙台の攻撃を受けると、29分には崩された形で被決定機も、最後のシュートがポストに当たり、救われた。このプレーで廣澤真穂と競った米田博美が顔を負傷するアクシデント。交代を余儀なくされ、34分、筒井梨香がCBの一角に入った。41分にもマイ仙台に背後に抜け出されてGKと1対1のシーンを作られたが、ここはGK名和咲香がシュートを体に当ててビッグセーブ。失点は免れた。途中、持ち直す時間こそあったが、前半はマイ仙台の攻撃をしのぐ時間が多い展開となった。
苦しかった前半を失点ゼロで防いだことで、後半はC大阪が試合の主導権を握り返す。ボールも保持して押し込みつつ、左サイドは百濃、右サイドは中西ふうが起点となり、両サイドも広く使って敵陣に入る。ただし、この日のC大阪は、アタッキングサードに入ってからのパスやクロスの精度、威力に欠け、決定機を作ることができない。頼みの矢形は前半から背後を消されて徹底マークを受けたが、それでも67分、71分とゴールにつながりそうな形に持ち込む。もっとも、マイ仙台の守備を崩すまでは至らずにいると、ビルドアップの過程で相手に引っかけられ、カウンターからピンチも招いたが、マイ仙台のフィニッシュも精度に欠け、失点は防いだ。このまま0-0で90分が終了した一戦は、延長戦に突入。その前半、C大阪は連続してセットプレーの機会を得たが、生かすことはできず、0-0まま延長前半15分を終えた。延長後半、最初の決定機はマイ仙台。途中出場の津田愛乃音に背後に抜け出され、再び1対1を迎えた名和だが、ここでも判断の良い飛び出しでシュートブロック。懸命にゴールを守った。若き守護神の奮闘に応えたい攻撃陣は、直後に決定機。矢形にこの試合最大のチャンスが訪れたが、左サイドから上手くカットインして放ったシュートは相手GKの好セーブに防がれた。その後も一進一退の攻防が続いた中、PK戦もちらつき始めた延長後半13分、C大阪はマイ仙台のサイド攻撃を受けて失点。土壇場で先制を許してしまった。アディショナルタイムも含めて残された約4分、C大阪は最後まで諦めずに前線へボールを入れたが、ネットを揺らすことはできず、タイムアップ。この瞬間、今シーズンの皇后杯敗退が決定し、2024年の公式戦も終えることになった。
「全員きつかったですし、最後の一歩で負けてしまった」と試合を振り返ったのは脇阪だが、アウェイでのリーグ浦和戦から中3日という日程もあり、この試合のC大阪は、ややチーム全体の活力に乏しく、相手を上回るパワーを発揮できなかった。「ボール自体は持とうという努力はしてくれた」(鳥居塚伸人監督)と、崩しの手前まではいくも、最後を打開する精度と力強さに欠けた印象だ。それでも、WE参入2年目の今季は昨シーズンから成長を遂げていることは間違いなく、それが内容や結果にも表れ出している。ウィンターブレイクも選手一人一人、チームとして成長する時間に充てて、来年の後半戦に備えたい。