第12節
2025.3.2日
セレッソ大阪ヤンマーレディース
矢形 海優 (46')
1
HOME
FULL TIME
2
ヨドコウ桜スタジアム
0-0
1-2
アルビレックス新潟レディース
上尾野辺 めぐみ (55')
下吉 優衣 (90+4')
ヨドコウ桜スタジアム
1,736人
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■鳥居塚 伸人監督
「後半戦開幕にあたり、多くの方が関わってこの後期のスタートを迎えることができました。また、この悪天候の中でも、多くのファン・サポーターの皆さんが集まっていただいた中で、勝利で恩返ししようという気持ちで入ったゲームでしたが、残念ながら最後に失点をしてしましました。もちろんチームとしての課題はありますが、選手たち一人ひとりが今日のゲームを振り返り、次戦でしっかり勝ち点3を取れるよう、個人としてもチームとしても修正を重ね、次に向かいたいと思います」
Q:中断期間に新たに加わった選手、負傷から復帰した選手のパフォーマンスについて教えてください
「スタメン出場の丸井選手、途中から入った田子選手に関しては、チームに良い新たなエネルギーを与えてくれて競争も激しくしてくれていますし、栗本選手も怪我から復帰してピッチに立つというところで、この3枚がチームに加わったことによってチーム内の競争は激しくなって、チームとしても試合の中でパワーアップが図られる存在になってくれているのかなというふうに思っております。
ただ、結果という部分には繋がらなかったので、これをどうやってチームとして結果に結びつけていくかというところをもう1回見直して、次節に臨みたいと思います」
Q:アディショナル3,4分間はどのようなゲームプランでしたか?相手チームも点を取りに来る中で、どのようなフィニッシュを考えていましたか?
「基本的に勝ちにいく姿勢は変わりませんが、その中でも最低限の勝ち点1を確保しなければならないことを意識しながらゲームを進める必要がありました。あのような状況での“リスク管理”や、“ゴール前”がどれだけできるかが前期の課題で、この中断期間では“自分たちが何をしなければならないのか”にフォーカスしてトレーニングをしてきましたが、あのような失点をしてしまったことから、やはりその時間帯で自分たちが何をすべきことなのかを考えさせられました。もちろん、勝ち点3を狙うことは継続していきますが、やってはいけないプレー、やるべきプレーを明確にし、それを実行できなければ勝ち点を積み重ねることはできません。また、勝ち点1で終わるだけでなく、相手に勝ち点3を与えてしまうことを今後しないように、次節では勝ち点3が取れるよう準備を進め、ゲームの入り方や終り方をしっかり修正して臨みたいと思います」
選手コメント
■矢形海優選手
Q:ゴールシーンは、ものすごいロングシュートでした。飛び出してきた相手のGKの動きをよく見ていましたね
「狙い通りです。ボールが来たときにコントロールしようか迷いましたが、コントロールしたらたぶん届かなくなるので、思い切りゴールに向かって蹴ったら、吸い込まれるように入ってくれました」
Q:WEリーグデビューだった田子選手がスピードを生かしてボールを追いかけた結果、相手GKが飛び出してゴールにつながりました
「後半の立ち上がりで、(チームとして)前線からプレスに行くのを徹底していました。田子選手がハイプレスをかけてくれたおかげで、相手がミスをしてくれました。今回のゴールは田子選手のアシストだと思います」
Q:リーグの前半戦を得点ランキングトップで折り返し、中断期間開けの後半戦初戦でもゴールを奪いました。今日のゴールは、今後につながりますね
「いろんな意味でプレッシャーはあると思うのですが、自分のスタイルでこれからもゴールを貪欲に狙っていき、最終的に得点ランキングのトップを目指せるように1試合1試合を大事にしていきたいと思います。後半戦の開幕戦で1点取れたことは大きいと思いますが、やはりチームを勝たせる得点ではなかったので…。前半から何本もシュートを打っている中で、やはり決め切らないと、こういう敗戦になってしまうのかなと思います」
■丸井優奈選手
Q:デビューおめでとうございます! チームとして、個人として試合の感想をお願いします
「パスを動かすことや、取られないようにボールを回すことはできましたが、ボールを奪った後に前を向くことがまだまだできていないし、今日は個人としてはこなすだけというか、自分の特長をあまり出せませんでした。悔しいです」
Q:相手のレベルや試合の雰囲気をどう感じましたか?
「トレーニングから強度の高いプレーをしていたので、相手のレベルに驚くことはなかったですが、サポーターの皆さんもたくさん来ていただいて、自分の気持ちもすごく高まりました。緊張もありましたけど、楽しんでできました」
Q:後半途中から、それまでの右サイドバックからポジションを一列上げてプレーしました
「前で使われた時はもっと仕掛けたいという思いがあります。クロスを上げたり、チャンスに絡んだり、サイドに置かれた時の役割をもっと果たせるようにしていきたいです」
Q:今後に向けての意気込みを
「個人としてはチーム内での競争がありますし、また練習からアピールして試合に出たいと思います。試合に出たときは自分の仕掛けとか、もっと駆け上がっていく姿を見せていきたいと思っています」
■田子夏海選手
Q:途中出場でのWEリーグデビューでした。持ち味は出せたと思うのですが、どうでしょうか
「はい。出せました」
Q:初めて立ったWEリーグの舞台はどうでしたか?
「自分の持ち味を生かしてゴールまで行って点を決めようと思ってピッチに入りました。(得点は挙げられませんでしたが)自分がしたいプレーができたので、よかったと思います」
Q:チームにもうまく溶け込めているように見えました。ピッチでは、前線でボールを積極的に要求していました。そういう意識をもってプレーしていたのでしょうか
「(チームに加わったときは)会話のテンポが速くてちょっとびっくりしました。ボールを要求する意識はありました」
Q:改めてご自身のストロングポイントを教えてください
「スピードとパワーを生かしてゴールまで自分で行けるところです」
Q:今日の試合を踏まえて、今後、どのようなプレーを見せていきたいですか
「試合に出たら点を決められるように頑張っていきたいです」
■栗本悠加選手
Q:復帰おめでとうございます! 今の率直な気持ちを教えてください
「1年以上ぶりに公式戦のピッチに戻ってくることができ、元気な姿でピッチを駆け回る姿をファン・サポーターの皆さんの前で披露できたことはうれしかったです」
Q:ピッチに足を踏み入れる瞬間は、特別な感情になりましたか?
「久しぶりのピッチだったので、芝生の感じだったり、懐かしい感じがして嬉しかったですし、言葉では表現できない感情がありました」
Q:約25分間のプレーでしたが、振り返ると?
「自分のスピードを生かしたプレーとか、ゴールに絡むプレーができなくて、本当に悔しいです。でも、次の試合まで1週間しかないので、切り替えて前を向いて自信を持ってプレーできるようにしていきたいです」
Q:田子夏海選手とのコンビネーションは、どう思い描いていますか?
「なっちゃん(田子)は結構足元で受けて、体を張ってプレーするタイプでもあるので、そこから背後に抜けてのゴールなどをイメージしています」
Q:改めて、辛いリハビリをどう乗り越えましたか?
「一番はやっぱりファン・サポーターの皆さんの存在です。ずっと支えていただき、励ましの言葉も掛けてもらい、それで乗り越えられた部分もありました。もちろん、家族や友人の支えも大きかったです。『しんどいな』と思う時もありましたが、それを乗り越えられたのは支えてくれたすべての方のおかげだと思っています」
Q:残り試合に向けての意気込みを
「少しでも多くチームが勝利するための得点に絡んで貢献したいです。自分のできることでチームを勝たせたいと思います」
得点ランクトップを走る矢形海優の超ロングシュートで先制も、無念の逆転負け。ただし、新戦力の活躍が光り、今後の期待も膨らむ
約3ヶ月のウィンターブレイクを経て再開された2024-25 SOMPO WEリーグ。セレッソ大阪ヤンマーレディースは、ホームのヨドコウ桜スタジアムにアルビレックス新潟レディースを迎え、後半戦の初戦となったWEリーグ第12節に臨んだ。注目の新加入選手は、丸井優奈が右サイドバックで先発。田子夏海はベンチからのスタートとなった。ケガから復帰の栗本悠加も約1年2ヶ月ぶりにメンバー入りを果たした。
立ち上がり、最初にチャンスを掴んだのはC大阪。相手DFのバックパスを矢形海優がカットすると、田中智子のクロスにファーサイドから飛び込んできた百濃実結香が頭で合わせたが、シュートはクロスバーを越えた。序盤は新潟Lがボールを握り、C大阪は守備に追われる時間も続いたが、右から丸井、浅山茉緩、米田博美、中西ふうでセットしたディフェンスラインもしっかり対応。15分、左サイドからのクロスにファーで受けた川澄奈穂美のシュートはヒヤリとしたが、わずかに枠を外れて事なきを得た。奪ったボールはシンプルに背後を狙いつつ、高い位置で起点を作れた際は、つないで崩しを試みる。18分、前からのプレスバックで矢形がボールを奪い、ペナルティーエリアの外から思い切ってシュート。「中断期間は、前を向いたらまずゴールを見ること、全員がゴールを狙う姿勢を練習から出すことを意識してきました」と試合前に話していたエースが積極的にゴールを狙う。矢形は28分にも高い位置で奪ってドリブルからシュートに持ち込むなど気を吐く。球際の攻防も激しさを増す中、42分、田中にアクシデント。脇阪麗奈がスペースで出したパスに対し、背後に抜けた瞬間、左足首を捻って途中交代となった。代わって入ったのは田子。期待の新戦力が、このタイミングでWEデビューを果たした。前半アディショナルタイムには新潟Lに立て続けに決定機を作られたが、浅山の懸命なブロック、GK山下莉奈の好セーブで失点は阻止。前半は0-0で折り返した。
後半開始早々、試合は動く。開始40秒、荻久保優里のパスに反応した田子がスペースへ走り、飛び出してきたGKにプレッシャーをかけると、GKのキックミスを誘う。自身に向かってきたボールを矢形がダイレクトで狙うと、ハーフェーライン付近からの超ロングシュートだったが、正確にネットを揺らし、C大阪が先制に成功した。前半から積極性が光っていた矢形、得点ランクトップを快走する今季11点目となった。その後もフィジカルを生かした力強いプレーで田子が前線で起点を作るなど、C大阪が後半は良い入りをしたが、55分、同点に追い付かれる。新潟Lの左サイドからのクロスを一度は中で跳ね返したが、セカンドボールを拾われ、後半から入った上尾野辺めぐみにミドルシュートを決められた。
それでもC大阪は良い流れを継続。すぐさま反撃に移ると58分、田子が相手にユニフォームを掴まれながらもボールをキープし、落としたパスを脇阪がミドルシュート。61分には決定機。新潟Lの縦へのクサビを丸井が高い位置でカット、田子の落としを受けた脇阪がドリブルで運んで左足で絶妙なパスを送ると、DFの裏を取った百濃が丁寧なトラップからシュートを放ったが、ポストを直撃。完璧に崩した形だったが、惜しくも勝ち越しとはならなかった。63分には、荻久保のパスに抜け出した田子がスピードで相手を振り切りシュート。C大阪が攻勢をかける。ここで鳥居塚伸人監督は2枚の選手交代。矢形に代わり、この試合が公式戦435日ぶりの復帰となった栗本、高和芹夏に代わり、宮本光梨が入った。並びも変わり、丸井が右サイドハーフ、中西が右サイドバック、荻久保が左サイドバックへそれぞれ変更。田子と栗本の若き2トップで勝ち越しゴールを目指した。投入された直後、宮本が遠めの位置からミドルシュート。枠を捉えたが、GKの好セーブに阻まれた。C大阪としては、この時間帯で2点目を取りたいところだったが、取り切れずにいると、試合の流れは新潟Lへ傾く。何度も迎えたピンチで懸命にしのいでいたが、後半もアディショナルタイムに入ったラストプレーで失点。土壇場で勝ち越しゴールを許し、勝点がその手からこぼれ落ちた。
試合の終わらせ方という部分は中断期間を通じて「取り組んできた」と指揮官も話していただけに、残念な結末となったが、田子、丸井といった期待の新戦力が躍動し、栗本も公式戦のピッチに立つなど、今後へ向けた収穫も多かった。「自分がしたいプレーはできました」と上々のWEデビューを果たした田子は、次節以降、ゴールやアシストといった数字の部分でも期待がかかる。また、ピッチに足を踏み入れた瞬間は、「言葉では表現できない感情がありました」と振り返った栗本は、「スピードを生かしたプレーやゴールに絡むプレーができなくて、本当に悔しい」と唇を噛み締めつつ、「次の試合まで1週間、切り替えて前を向いて、自信を持ってプレーできるようにしていきたい」と次節以降の躍動を誓った。今シーズンの目標である5位以内から遠ざかる痛恨の敗戦ではあったが、リーグ後半戦が楽しみになる内容であったことも確か。アウェイに乗り込む次節も順位が近いジェフ千葉レディースが相手。次こそ勝点3を掴み、上位進出へ勢いを付けたい。