2024-25 SOMPO WEリーグ第15節

2025.3.22

セレッソ大阪ヤンマーレディース

0

HOME

FULL TIME

0

0-0

0-0

ちふれASエルフェン埼玉

ヨドコウ桜スタジアム

1,942

ギャラリー

MATCH REVIEW

後半戦、初勝利を目指したちふれASエルフェン埼玉戦はスコアレスドロー。粘り強い守備は継続も、ゴールに向かう攻撃に課題を残す

 

ちふれASエルフェン埼玉をホームに迎え、リーグ後半戦の初勝利を目指して臨んだ2024-25 SOMPO WEリーグ第15節。セレッソ大阪ヤンマーレディースの先発は、前節のサンフレッチェ広島レジーナ戦から3人変更。丸井優奈が3試合ぶりのスタメンでFWに入ると、左サイドハーフには進境著しい和田麻希がリーグ戦では今季初スタメン。CBの一角には、WE初先発となる吉田琉衣が名を連ねた。

 

立ち上がり、C大阪は相手にボールを持たれる時間もあったが、シンプルに2トップにボールを入れてチャンスを作る。4分、浅山茉緩のフィードを受けた丸井から矢形海優に渡り、矢形が遠めの位置からシュート。今節も思い切りの良い積極性が光った。16分にもビッグチャンス。丁寧につなぎながら前進し、荻久保優里の縦パスを受けた丸井が巧みなトラップから前を向いて矢形へパス。フリーで受けた背番号11がカットインからシュートを放ったが、ここはGKの好セーブに阻まれた。その後は再びEL埼玉に持たれる時間も増えると、26分には、サイドからのパスに斜めに走ってきた相手に対し、戻って対応した和田が接触しかけ、あわやPKかというシーンもあったが、主審の笛は鳴らず事なきを得た。ボールをつなぐ中からチャンスを伺う両チーム。主導権が頻繁に入れ替わる中、31分にはC大阪にチャンス。右サイドに流れて脇阪麗奈のパスを受けた丸井のクロスに逆サイドから和田が飛び込む。惜しくもシュートには至らなかったが、良い崩しだった。36分にもC大阪は右サイドバックの中西ふうを起点にパスをつないで崩し、最後は脇阪が強烈なミドルシュートもクロスバーの上。その前、33分には、EL埼玉の瀬戸口梢のミドルシュートがクロスバーに当たるシーンもあった。互いにゴールに迫るシーンを作った中で迎えた前半44分、両チーム通じて最大の決定機がC大阪に訪れる。相手GKのキックをCBの吉田が打点の高さを生かしてクリアすると、これが前線の丸井へ絶妙なパスになる。抜け出した丸井がGKとの1対1を迎えたが、試合後に「ワンテンポ、シュートを打つタイミングを逃した」と自身も振り返ったように、一つ溜めた分、GKに寄せられてシュートを防がれた。FWで先発した今節は、良い受け方から好機につなげるシーンも見られるなど随所に好プレーも見せたが、「一つのビッグチャンスが来た時に決め切らないと勝てない。まだまだ練習が必要」と悔しさを滲ませた。

 

後半開始からC大阪は高和芹夏に代わって田中智子が入り、田中が矢形と2トップを組み、丸井が右SHに下がった。前半と同様、後半も一進一退の攻防が続く。50分、C大阪は高い位置でカットし、丸井がシュート。その直後、C大阪の吉田がEL埼玉の吉田莉胡にボールを奪われてピンチも、シュートはGK山下莉奈が冷静に対処した。C大阪は55分、59分と連続して脇阪にシュートチャンスが訪れたが、惜しくもゴールならず。60分、鳥居塚伸人監督は2枚替え。和田に代えて百濃実結香、吉田に代えて中谷莉奈を投入した。百濃はそのまま左SHに、中谷はCBではなく左SBに入り、荻久保がCBにポジションを移した。ここから終盤にかけて百濃が躍動。78分には、ドリブルで切れ込み、チャンスを作ったが、自らカットインして放ったシュートはGKの正面に飛んだ。89分には、この試合、攻守に光るプレーを見せていた宮本光梨がパスカットから持ち込み、ミドルシュート。良い軌道を描いたが、わずかにクロスバーの上を通過した。後半の終盤は押し込みながらもゴールが遠かった一方、守備では、EL埼玉の吉田や瀬戸口の枠内シュートをGK山下がしっかり止めて、失点は阻止。直近2試合と同様、粘り強い守備は継続した。

 

90+2分には、4月から大学進学が決まっている栗本悠加がピッチに入る。ホームでのラストマッチに対し、「自分ができるプレーを全力で。前線から走り回って、チームに少しでもプラスになるプレーをしたい」と熱い思いで臨んだ背番号36。わずかな時間の中、一歩一歩、ピッチを踏みしめながら最後まで果敢にプレーした。試合後はサポーターに挨拶。しっかりと思いの丈を述べ、ヨドコウ桜スタジアムに別れを告げた。試合は0-0で終了。互いにゴールまであと一歩という場面は作り出したが、両GKや守備陣の奮闘もあり、スコアは動かなかった。C大阪としては、ホームで何としてもリーグ後半戦の初勝利を挙げたかったが、これで3試合連続の引き分けに。粘り強く守れている一方、攻撃の回数や得点力に課題を残す結果となった。次節は敵地での日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦。チーム一丸で戦い、後半戦の初勝利を目指す。


監督コメント

■鳥居塚伸人監督
「ホームゲームということで、多くのサポーターの方に温かい声援をいただいて、勝点3をプレゼントしたかったですが、勝点1に終わってしまいました。温かい声援に感謝していますし、しっかり結果でお返ししたいと思っています。ゲームの内容に関しては、引き分けということで、選手は一生懸命、戦ってくれていますし、粘り強く今日も失点はゼロで抑えましたが、勝つために、点を取るためにどうするか。守備の部分を含めて、もう一つクオリティーを上げる部分と、準備のところも改善して、次節は勝点3を取れるようにしたいと思います」
 
Q:前節から先発を3人変更されました。それぞれ吉田選手、和田選手、丸井選手を先発で起用した意図について
「後ろに関しては、ケガも含めて、になります。前回(第13節・ジェフ千葉レディース戦)、吉田を使って、いいパフォーマンスだったので。高さもある選手でセットプレーの期待もありますし、思い切って吉田を使いました。和田に関しては、積極的なプレーが光っていたので、調子のいい時にスタートから使ってあげようという判断でした。丸井に関しては、元々、能力のある選手。どこで使うか迷いましたが、ウチのストロングである、前からプレッシャーをかける部分では、矢形と丸井でかけた方がパワーが出ると思い、先発で使いました」
 
Q:拮抗した内容の中、お互い、ボールをつなぎながらゴールに迫る場面もありましたが、得点は取れませんでした。主導権を握って攻撃の回数を増やすことは、ここ数試合も課題ですが、攻撃面での現在の課題はどのように捉えていますか?
「そこはずっと、WEリーグに参入してからの課題でもあります。そこを変えていかないと、勝点を積み上げられないと感じています。今日もボールを動かせた時間帯はありましたが、意図的にボールを動かしていたのか、相手のプレッシャーをはがすためだけで動かしていたのか。それを考えると、ゴールから逆算した動かし方ではなかったのかなと感じています。ゴールを意識した中で、どこにボールを動かすことで、相手はどう動くのか。それにより、どこを取ったら得点になるのか。自分たちからその形を作れるように、ピッチの中で準備しないといけないし、それに対する技術も付けないといけない。失わずにつなげる時間帯もあったので、それをゴールにつなげるために、という課題を克服してまたチャレンジしていきたいです」
 
Q:矢形選手について、もうワンランク上の選手になるために、彼女に求めたいことは?
「得点自体は取れていますが、その前のところで、しっかりとボールを収める、味方を生かしながらゴール前に入っていくところは課題なのかなと思います。チームのためにしっかりハードワークして、サイドに流れたり、背後に飛び出すことは多く出してくれていますが、彼女に求められるのは得点なので、得点を取るためにどのポジショニングがいいのか、どこでボールを収めたらいいのか。そこは常に彼女に求めているものですし、課題でもあると思います。ゴール前で相手を外す動き、フィニッシュのレベルは高いので、それを生かすために、前の段階の準備を変えることでさらに良くなると思うので、そういう部分を徹底して、もう一つ上のレベルに行ける選手に育てていきたいです」

選手コメント

■丸井優奈選手
Q:FWで先発して、出場時間も長かったですが、振り返ると?
「やっぱり一つのビッグチャンスが来た時に、ああいうところで決め切らないと、チームは勝てない。まだまだ練習が必要だなと思いました」
 
Q:前半44分、GKと1対1になった場面ですね。
「はい。ワンテンポ遅く、シュートを打つタイミングを逃したかなと思います」
 
Q:自身にボールが入ったところから矢形選手のチャンスも生まれましたが、プレー自体を振り返ると?
「前節よりはボールを受けられたと思いますが、もっと落ちて受けることもできたと思います。やかちさんとのコンビネーションも、もっと自分から動き出さないといけない。まだまだ課題も多く残ったので、練習から磨いて、他の選手にも負けないようにやっていきたいです」
 
Q:自身がFWに入ることでの良さを、どう出したい?
「もっと自分でボールを持って、ゴールに向かう気持ちを出していきたいと思います」
 

■和田麻希選手
Q:先発でプレーしました。試合前の思いは?
「先発は久しぶりだったので、少し緊張しましたが、自分の得意なプレーをいっぱい出していきたいと思ったし、得点も取ろうと思って出場しました」
 
Q:前半は相手の時間も続き、なかなかボールに触る回数も増やせなかった印象ですが、どう打開していくイメージでしたか?
「ちふれは回してくるチームと試合前にも言われていたので、守備のところでは、間を絞ってみんなで頑張ってスライドしようと。攻撃のところは、つなげられそうなところはつないで、自分のサイドにボールが来たら、どんどん仕掛けていくイメージでした」
 

■吉田琉衣選手
Q:WE初先発でしたが、出ると分かった時の心境や試合前のアップなど、いかがでしたか?
「試合前日、大体(先発だと)分かった時に、結構、緊張しました。アップとかは今まで通り、緊張し過ぎず普通にできました」
 
Q:プレーについて振り返ると?
「もっと準備を早くしないといけないと感じました。守備もそうですし、攻撃で前につなげる部分でも、もっと周りを見てプレーの準備をしないといけないなと。練習から意識はしているのですが、いざ試合になったら、あまりできていなかったと思います。最後は判断も遅くなって、走れていなかったので、もっと体力を付けて、プレーの質も上げていかないといけないと思いました」
 
Q:同学年の丸井選手とともに先発でしたが、その部分での心境はいかがでしたか?
「安心感はありました。隣でプレーしていた、まひ(浅山)と優里(荻久保)もいっぱい声をかけてくれたので、そういう面では安心しながらできました。頼りまくる感じでした(笑)」
 

■栗本悠加選手
Q:自身にとってホームラストゲームでしたが、試合を終えた今の気持ちは?
「今月に入って残り5試合という中で、もうホームのラストを迎えたのか、という思いで、すごく早く感じました。後半アディショナルタイムの少ない時間でしたが、ピッチに立てたことは感謝していますし、セレッソというチームで出れたことが嬉しかったです」
 
Q:時間は短かったですが、一歩一歩、ピッチを踏みしめる感じでしたか?
「そうですね。踏みしめながら。ピッチに入る時から、ちょっとだけ泣いていました(笑)」
 
Q:0-0だったので、もちろん得点を狙いにいったと思いますが、入った段階で、どういうプレーを出そうと思っていましたか?
「とりあえず、ボールを持ったらゴールに向かおうと思っていました。ゴールを狙っていたのですが、そういうシーンがなかったので、悔しい思いがあります」
 
Q:最後はサポーターの前で挨拶していましたが、思っていたことは言えましたか?
「言えました!」
 
Q:大学で成長したい部分について
「スピードが武器なのですが、感覚でやっていた部分もあるので、もっと技術を高めて、プロでも通用するプレーを身に付けたいです。大学でしっかり成長して、立派なプロサッカー選手になりたいと思います」