第17節
2025.4.13日
セレッソ大阪ヤンマーレディース
0
HOME
FULL TIME
1
平和堂HATOスタジアム
0-0
0-1
三菱重工浦和レッズレディース
角田 楓佳 (69')
平和堂HATOスタジアム
3,827人
ヤンマー #Football is Our Engineサポーティングマッチ
放送
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■鳥居塚伸人監督
「悪天候の中、スタジアムに足を運んでいただいた多くのサポーターの方には感謝しかありません。多くの人が入ってくれたことで選手は一生懸命、戦えたのかなと思っています。そういうサポーターに対して勝点をプレゼントできなかったことは非常に残念に思います。選手は一生懸命、戦ってくれましたが、その中で勝点を取るために細かいところ、最後のゴール前のところはトレーニングも積んでいますが、浦和さんが1枚上手だったなと。さらにレベルアップして次節に臨みたいと思います」
Q:守備でも粘り強く戦い、前半の途中からは奪ったボールもしっかりつないで決定機も複数作りました。見ている側とすれば、これまでの浦和戦と比べて追い詰めた手応えもあった試合ですが、監督の受け止め方はいかがでしょうか?
「選手は一生懸命やってくれたと思いますが、前半、天候も含めて、『相手の背後をしっかり突いていこう』と入った中で、相手が広がった時に、もう少し前半もつなげる時間はあったのかなと。そこで落ち着いてゲームを運ぶことができれば、もう少しチャンスも作れたのかなと思っています。そこはこちらがコントロールすることも必要ですが、選手自身が慌てずプレーすることも必要。あとは、やっぱりクオリティーの差はあったと思うので、クオリティーももっと求めて、チャンスで決め切れるチームになっていけば、また結果も変わったと思うので、その課題は引き続き改善していきたいです」
選手コメント
■百濃実結香選手
Q:浦和を追い詰めた部分もあったと思いますが、試合を終えた率直な感想は?
「最初は危ないシーンも続いたんですけど、途中から自分たちの流れも来た中で、シュートの本数は少なかったかも知れないですが、フィニッシュに至るまでの意図はみんなの中で合っていたシーンもありました。あとは最後の質、シュートが入れば、というところだったので、最後のパスやシュートの質がもっと高ければ、点が入って、結果も変わっていたと思います」
Q:後半、浦和が最初の選手交代と同時に高橋はな選手をFWに上げたところで、相手の攻撃のギアも上がった感じでしょうか?
「上がりましたね。セカンドボールのところでも相手に拾われる回数が増えました。そこでもっと自分たちが拾って、奪ったボールをもっとつなげることができれば良かったです」
Q:今日は約4,000人のお客さんが入った中での試合でした。雰囲気はいかがでしたか?
「雨の中、こんなにたくさんの方に来ていただいて、凄く力になりました。そこで自分たちが結果を残さないといけなかった。結果を残せなかったことがとても悔しいです」
■筒井梨香選手
Q:試合前に「楽しみ」と話していた浦和戦を終えた感想は?
「めっちゃ楽しかったです(笑)。負けてしまったので、もちろん結果にはこだわらないとダメですが、自分自身、めっちゃ楽しくプレーできました。しんどかったですが、もっとやりたい、という思いがあります」
Q:前半は相手に攻められる時間も長かったですが、ある程度、粘り強く守ることは想定内でもありましたか?
「立ち上がりは(雨でスリッピーなピッチコンディションで)ボールが走っていたので、少しビビッてしまったというか、真ん中に付けたところでズレて、相手に取られてゴールにつながりそうなシーンもありました。(百濃)実結香がシュートを打ってからは落ち着けたのですが、それまでに自分たちで修正できなかったことは課題です」
Q:ただ、そういう展開だったからこそ、筒井選手の存在感が光ったというか、前半の守勢に回った時間帯を無失点でしのいだことで、前半の最後や後半の入りにつながったと思います。ああいう立ち上がりの展開でも慌てずプレーできることが筒井選手の良さかなと
「慌てるシーンは特になかったですが、シュートまで持っていかれているので、そこは反省です。ただ、前半は失点ゼロで終えたので、必要最低限のことはできたかなと思います」
Q:そうした中で、試合前もポイントに挙げていた高橋はな選手が前線に上がってきてからの時間帯がポイントになりました。対峙を振り返ると?
「上がってきた瞬間、(武者震いで)ちょっと笑ってしまいました(笑)。やっぱり上手いので、収められましたけど、絶対に負けたくなかったので、めっちゃ気合いが入りました。楽しかったです」
Q:ごちゃごちゃっとなって押し込まれた失点シーンは悔しいですね
「一番、悔しいですね。もっと崩されての失点なら諦めも付くのですが、あの場面はどうにかできたので…。一人のパワーでやられてしまった。ゴール前で、あの場面は少し慌ててしまったかなと思います」
Q:この試合を今後につなげることはできると思います。ラスト5試合に向けて抱負をお願いします
「これ以上負けられないので。あと5試合、全勝を目指して、一つ一つ勝っていきたいです」
■脇阪麗奈選手
Q:試合を終えた率直な感想について。もちろん、相手の地力は上でしたが、勝てるチャンスもあった試合かな、とも思ったのですが
「そうですね。いつもの浦和戦よりチャンスは多かったですし、前からのプレスが嵌るシーンもあったので。チャンスで決めていれば、という感じですが、やっぱりレッズはそういう隙を突いてくる。そこは自分たちが及ばないところかなと思います」
Q:前半こそ持たれる時間も長かったですが、決して1試合を通して守備一辺倒ではなかったですね
「どっちに転んでもおかしくない試合だったとは思いますが、失点してからはずっとレッズのペースだったので、そこでもう一回、跳ね返せるメンタルが必要かなと思います」
Q:後半の入りはセレッソも良くて決定機を作りましたが、やはり試合のポイントは、浦和が最初の選手交代と同時に高橋はな選手を前線に上げてきてからですね
「やっぱり、はなが前に来たらイヤでした。収まるし、強い。そこで何回か収められたところから、ゲームの流れが相手に行った感じがしました。そこからどうもう一回、自分たちのゲームに持っていくか。ただ、その前にチャンスはあったので、そこを決めないと勝てない。後期、勝てていないのはそこだと思います。自分も含め、攻撃陣はもっと責任を持ってやらないと勝てない。前期はチャンスで取れていたので何試合か勝てましたが、後期は取れていないので、こういう難しい試合が続いていると思います」
Q:浦和のような強い相手でも、相手を見てしっかりつないで、決定機を何度も作ったことは成長を感じました。“対浦和”という部分で一歩ずつ差を詰めている感じは受けます
「自分たちもやっていてそう感じますし、前節のベレーザ戦の反省を生かして今日は取り組めた試合だったと思います。次、レッズとの試合では勝ちたいですし、チャンスを決めれば勝てると思うので、自分たちもしっかり成長していきたいです」
Q:失点シーンに象徴されますが、やはり浦和の選手は体も大きく、フィジカルは強いですね
「強いですね(苦笑)。大きいし、デカいし、みんな球際も強いです」
Q:ただ、そうした相手にセレッソも怯むことなくぶつかって、丁寧につないで対抗していただけに、見ていても面白かったです。スタンドからも拍手が起こる場面は多かったですが、約4,000人のお客さんが入ったスタジアムの雰囲気はいかがでしたか?
「やっぱりパワーになりましたし、こういう試合ができたのも皆さんのおかげです。勝ちという恩返しができれば良かったですが、またたくさんの人がホームの試合に来てくれることを願って、自分たちも成長していきたいです」
WEリーグ連覇中の浦和を相手に果敢に挑んで健闘も、好機でゴールを奪えず、悔しい敗戦
前節の日テレ・東京ベレーザ戦から2週間。準備期間が空いた中で迎えた今節。セレッソ大阪ヤンマーレディースは、三菱重工浦和レッズレディースをホームに迎え、2024-25 SOMPO WEリーグ第17節に臨んだ。舞台は年に1度のホーム開催となる彦根市・平和堂HATOスタジアム。ヤンマー #Football is our engine サポーティングマッチとして行われた今節は3,827人を動員。メインスタンドは桜色で染まり、選手たちに熱い声援が送られた。
先発は東京NB戦から2人変更。前節は丸井優奈が先発した右サイドハーフに高和芹夏が戻り、センターバックの筒井梨香がリーグ後半戦、初出場初先発を果たした。試合開始から浦和にボールを持たれて守勢に回ったC大阪だが、筒井、浅山茉緩の両CBを中心に粘り強い守備で跳ね返す。前節の課題も受けて守備の修正を図って今節に挑んだC大阪は、ただ下がるのではなく、前から奪いにいくシーンも作り、浦和の攻撃陣に自由にやらせない。21分、FKに合わせた島田芽依のヘディングなど決定機に近い形も作られたが、無失点で試合を進めていくと、30分ごろからはC大阪もボール保持の時間を作り、敵陣に入っていく。38分にはショートカウンターから決定機。矢形海優がプレスをかけて相手のコントロールミスを誘い、高和が高い位置でボールを奪うと、高和がドリブルで運んで逆サイドから走り込んできた百濃実結香へパス。相手DFの背後へ抜け出す形を作ったが、百濃のシュートは惜しくもクロスバーを越えた。前半はこのまま0-0で終了。雨で濡れた難しいピッチコンディションの中でも守備で集中を切らさず無失点を継続し、時間の経過とともに浦和ゴール前にも入っていたC大阪。後半へ望みをつなげる前半の戦いぶりだった。
後半も立ち上がりは浦和にボールを握られたが、ここをしのぐとC大阪もカウンターからチャンスを作る。後半は高い位置でボールを奪う回数が増えると、52分に決定機。脇阪麗奈が奪ったボールを素早くスペースへ出すと、走り込んだ矢形が右サイドから中央にドリブル。相手が奪いに来たところを巧みに切り返して左足でシュートを放ったが、枠内に飛んだシュートは浦和GK池田咲紀子に止められた。55分には、脇阪からのパスを受けた百濃がスピードに乗ったドリブルでサイドから仕掛けてCKを獲得。後半は敵陣の深い位置まで進入し始める。C大阪に流れが傾き始めた時間帯で浦和の堀孝史監督は1回目の選手交代を決断。2人を代えると同時に、このタイミングで、CBでプレーしていた高橋はなをFWへ上げて、島田が右サイドハーフにポジションを移した。試合前に筒井も警戒していた浦和の攻撃的なオプション。ここから浦和が攻撃のギアを上げてきた中、C大阪の鳥居塚伸人監督も最初の選手交代。65分、高和に代えて丸井を右サイドハーフに投入した。直後の67分、その丸井から背後へ走る矢形へパスが渡り、矢形がループシュートを狙ったが、わずかにポストの横に外れた。すると69分、浦和に先制点を許してしまう。スローインから自陣ゴール前で高橋にボールをキープされると、2人、3人がかりでも止められず、こぼれ球を拾った角田楓佳に押し込まれた。崩されたというより、個の力を生かしたパワープレーでの失点に、「一番、悔しい。あの場面はどうにかできた」と筒井も試合後は悔しさを露わにした。ただし、C大阪も下を向かずに反撃すると、71分、相手ゴール前でのテンポ良い崩しから、最後は矢形の落としを受けた宮本光梨がミドルシュートでゴールを狙うと、GKが伸ばした手に当たったボールはクロスバーを直撃。際どいコースに飛んだが、惜しくも得点とはならなかった。75分には、今度はC大阪の守護神・山下莉奈がビッグセーブ。2失点目は許さない。ただし、「失点してからはずっとレッズのペースだった。そこでもう一回、跳ね返せるメンタルが必要」と試合後に脇阪も振り返ったように、先制して余裕が生まれた浦和に対し、C大阪は後半立ち上がりのような勢いを出すことはできない。鳥居塚監督は81分に和田麻希と松本奈己、87分に田子夏海を投入するも、思うように反撃に移るシーンを作ることはできず、タイムアップ。
粘り強く守った前半の立ち上がりを経て、前半の終盤から後半の序盤は主導権を握る時間帯もあった。浦和を相手に勝機を見出せる展開に持ち込んだことは確かだが、「最後のゴール前のところは浦和さんが1枚上手だった。(決め切るところの)クオリティーで差はあった」と鳥居塚監督。大勢のサポーターに背中を押されて最後までアグレッシブに戦い抜いたC大阪だったが、WEリーグ3連覇を目指す浦和に善戦及ばず敗れた。それでもキャプテンの脇阪は、「次の対戦では勝ちたい。そのために自分たちもしっかり成長していきたい」と今後の糧にすることを誓った。リーグ後半戦に入って3分3敗と勝利がないC大阪。ノジマステラ神奈川相模原のホームに乗り込む次節こそ、サポーターと喜びを分かち合う勝点3を獲得したい。