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12/23 I神戸戦 Match Preview

  • 12/23 I神戸戦
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WEリーグ初の関西ダービー。アグレッシブにチャレンジし、打倒INACを目指す

 
サンフレッチェ広島レジーナに0-1で敗れた皇后杯5回戦から中6日。舞台をリーグ戦に移し、セレッソ大阪ヤンマーレディースはINAC神戸レオネッサとのWEリーグ第6節に挑む。記念すべきWEリーグ初の関西ダービーとなる『BATTLE OF KANSAI』。注目度も高い一戦で、C大阪らしいハツラツとしたプレーを披露し、勝利を目指す。
 
WEリーグ初代女王であり、WEリーグ屈指のタレント集団であるI神戸は、今季もここまで3勝2分の負けなしで2位。直近のリーグ戦こそ2試合続けて1-1と足踏みが続いているが、チャンスの数では相手を上回っており、“強い”という印象は変わらない。前線には絶対的ストライカーの田中美南が君臨し、実績十分、経験豊富な高瀬愛実が控える。北川ひかると守屋都弥が陣取る両サイドも強力であり、第5節終了時点でのクロス数1位が北川、3位が守屋。守屋はキーパスでも1位、北川はドリブル成功率で5位。I神戸のサイド攻撃を抑えること、中で合わせる選手にしっかり対応することは、C大阪にとって欠かせない。三宅史織、土光真代、竹重杏歌理で形成する3バックも盤石で、中盤では、C大阪でもプレーした精度の高いキックを誇る松原優菜がバランスを取る。背番号10の成宮唯は、直近の皇后杯5回戦では決勝点を挙げた。各ポジションで穴がなく、隙が見当たらない陣容だ。
 
そうした選手個々の経験値や能力、チームとしての完成度。どれを取っても、現状ではC大阪より1枚も2枚も上な相手であることは認めざるを得ない。10月に滋賀で行われたプレシーズンマッチでもC大阪は0-2で敗れているだけに、今節は胸を借りる一戦にもなるが、もちろん勝機がないわけではない。ただし、その条件としては、「チャレンジャー精神を忘れず、アグレッシブな戦い」(鳥居塚伸人監督)を貫くこと。「判断の部分でリスクを冒さない方を選んでいるのが今のチーム。ただし、メンタル的に怖がってプレーすれば、それ以上の成長はない」。皇后杯5回戦の試合後に指揮官も語気を強めたが、腰が引けた戦いで勝てるほど今節の相手は甘くない。「今週、選手全員でミーティングをして、『もう一回、みんなで厳しくやっていこう。全員でアグレッシブに、自分たちらしいサッカーをしよう』という話はしました。次の試合も、そうした部分を発揮できるかがポイントになると思います」。今節に向けてそう話したのは、昨シーズンはI神戸でプレーしたキャプテンの脇阪麗奈。原点回帰。「もう一度、カップ戦の戦いに立ち戻ることが大事。思い切ってチャレンジ」(鳥居塚監督)した先に、光は見えてくる。
 
脇阪だけではなく、今年の2月1日から6月30日までI神戸に期限付き移籍していた筒井梨香と小山史乃観にとっても、今節は特別な一戦だ。I神戸で過ごした期間について、「凄く充実していた。代表レベルの選手もいっぱいいて、一つ一つの練習やプレーの質に対するこだわりも強かった。その部分は自分がセレッソに持ち帰って、セレッソでも高めていかないといけない」と語る筒井は、誰より抑えたい相手として、田中美南の名前を挙げた。「めっちゃ収まるし、決定力も凄い。ゼロの状態から100まで持って行ける瞬発力も凄くて、ヘディングも強い。それでいて、めっちゃいい人(笑)。すごくお世話になったので、だからこそ勝ちたい。紅白戦ではマッチアップもしたけど、公式戦では全然、違うと思う。1対1で勝てるように、少しでも隙を見せれば突いてくるので、しっかり抑えたい」と、リスペクトの気持ちも込めつつ、強い意気込みを示した。試合のポイントには「チーム一丸になること」を挙げ、「ミスを減らすこと。周りを見て、全体で落ち着いてボールを回して、テンポよくセレッソらしいサッカーをすれば勝てる」とイメージを膨らませる。
 
I神戸で過ごした期間については小山も「大きかった」と話し、「(三宅)史織さんからは、守備の仕方、頭を使って守ることを教わった。美南さんは要求してくれるので、そこに自分がどれだけ応えられるかを課題として取り組んでいた」と振り返る。守屋との1対1も見どころになるが、「監督からも、『自分の攻撃への関わりが(今節の)ポイントになる。消極的になるのではなく、どんどんチャレンジして行け』と言われました。皇后杯では、やっている自分たちも、得点の匂いは少なかった。ボールを持った時に自分で打開できれば、得点のチャンスも増えると思う」と話すなど、守るだけではなく、自身の積極的なプレーから局面を打開していく意思を見せた。
 
そうした古巣戦となる3選手だけではなく、今節に臨む選手全員の士気は高い。プレスと走力で負けず、チーム全体で粘り強く守ることを前提に、「(I神戸には)練習試合でも前回のプレシーズンマッチでも負けている。何とか勝てるように準備したい」と話す田中智子や、ここまで2得点を挙げているエース・矢形海優、U-19日本女子代表候補の栗本悠加らFW陣にも期待したい。シーズン序盤の大一番。今節の関西ダービーでどのような戦いを見せるかは、C大阪の今後にとっても、非常に重要になる。チーム全員で戦い抜き、大きな1勝を目指す。

試合前日コメント

鳥居塚 伸人監督


Q:INAC神戸レオネッサとWEリーグでは初の試合になるが、試合に向けた意気込みを
「昨年までビッグ3と言われていたチームにウチがどこまで戦えるか。今季のベースになる試合。ここ2試合、結果は付いてきていませんが、今後の一つの基準になる試合なので、どこまでできるか楽しみに戦いたいと思います」
 
Q:リーグ開幕前にもプレシーズンマッチで戦っています。相手の強さを肌で感じた部分もあったと思うが、勝利を掴むためには、どういう戦い、プレーが必要になるか。
「もう一度、カップ戦の戦いに立ち戻ることが大事になります。(最近は)思い切りの良さが欠けているので、思い切ってチャレンジして欲しい。怖がらずにやらせたいです。力の差はあったとしても、必死に戦ってアグレッシブにチャレンジすれば、勝点1が3になる可能性も広がります。チャレンジして何かを掴むことが成長にもつながる。このゲームで成長できるように戦いたいです。守備では、今まではマークのズレでやられていなかったですが、外す選手がWEリーグには出てきます。そこは皇后杯でも見られました。INACには、そういう選手が数多くいるので、そこにどう対応できるかもポイントになります。一人一人が丁寧にポジションを取ることが大切です」
 
Q:キープレイヤーを挙げるとすれば?
「まだメンバーは決めていませんが、やっぱりINACで戦った経験のある脇阪、小山、筒井に関しては、負けたくない気持ちを存分に出してくれると思います。この3選手にどれだけ他の選手も食らい付いていけるか。逆に、負けたくない、という気持ちが弱気にならないように後押しをして、いいゲームができるようにしたいと思います」

脇阪 麗奈選手


Q昨季プレーした古巣との一戦に向けて
「昨年まで一緒にやっていた選手たちがほとんどなので、自分のプレーも分かられていますが、みんなのプレーも知っているので、警戒しながらも自分の成長した部分を見せたいです」
 
Q:改めて、I神戸の強みとは?
「やっぱり、個ですね。見て分かる通り、個が違います。ただ、サッカーは11人でやるので、一人一人、みんなでカバーし合いながら全員で戦えば、十分、戦えると思います。自分たちはチャレンジャー。失うモノはないので、強気に行ける。そういう面をプラスに変えて、戦っていきたいです。走って、全員で戦えれば、チャンスは見えてくると思います」
 
Q:I神戸で過ごしたシーズンはどのような期間になりましたか?
「サッカー人生の中でも、これから生きていく上でも、大切なものを教えてもらいました。凄い選手たちと関われたことも経験ですし、その中でサッカーができて、試合にも一緒に出てプレーできたことは、今でも経験になっていますし、これからにも絶対に生きてきます。濃くて、大切な時間でした」
 
Q:強豪ならではのメンタルの強さも感じましたか?
「そうですね。上手さもそうですが、勝ちたい気持ちが違いました。自分も強い方ですが、それよりさらに強かった。そこも学んだところです」
 
Q:WEリーグでは初の関西ダービーになるが?
「関西を盛り上げていくためにも両チームで競っていきたいですし、毎試合、熱い試合をして、勝ちたい思いを全員で出していきたいです」
 
Q:チームの現状について。監督は「WEリーグで経験を重ね、怖さが出てきて、リスクを冒さない方を選んでいる」とも話されていたが?
「WEリーグに少しずつ慣れて、甘さや隙が出ている部分があり、そこを相手に突かれています。プレーが消極的になったり、後ろ向きになっている部分も感じています。今週、選手全員でミーティングをして、『もう一回、みんなで厳しくやっていこう。全員でアグレッシブに、自分たちらしいサッカーをしよう』という話はしました。次の試合も、そうした部分を発揮できるかがポイントになると思います」

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