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12/30 新潟L戦 Match Preview

  • 12/30 新潟L戦
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年内ラストの一戦。ここまでWEリーグで培ってきた集大成をぶつけ、ホームで勝利を飾りたい

 
WEリーグ初の関西ダービーとなったINAC神戸レオネッサ戦から中6日。セレッソ大阪ヤンマーレディースはアルビレックス新潟レディースをホームに迎え、WEリーグ第7節に挑む。今節が年内ラストの一戦であり、この試合を終えるとリーグは約2ヶ月の中断期間に入る。ここまでWEリーグで戦ってきた一つの集大成として、何としても勝利で終えたい。
 
もっとも、そのハードルは高い。今季の新潟LはWEリーグカップでも決勝に進み、現在も皇后杯を含めて6戦無敗。リーグ戦の第5節では三菱重工浦和レッズレディースにも2-0で勝利するなど、実力、勢いともに現在のWEリーグで1、2を争うチームと言える。昨シーズン、新潟Lでプレーした森中陽菜は、今季の新潟Lについて、「めちゃくちゃ強い」と第一声。「全員でハードワークできて、決め切るところを決め切って、しっかり勝ち切れるチームになっている。昨年は、守備は引いてカウンター攻撃でしたが、監督が代わって、常にボールを保持して戦うチームに変わっている」とそのスタイルの変化にも言及したが、昨季までの堅守を土台に今季はパスにも磨きがかかっており、相手を見ながら落ち着いてボールを運び、ゴールに迫る大人なサッカーを披露している。その中心にいるのが背番号10の上尾野辺めぐみ。「そこが見えているのか、というところにパスを出せて、いて欲しいところに常にいる」(森中)プレーはまさに司令塔と呼ぶにふさわしく、ゲームを支配する。そこへ今季は、経験豊富で実績も十分な川澄奈穂美が加入。プレーの質の高さは際立っており、外国籍選手のような異質の存在感でピッチに君臨。クロスから先制点を導いた前節のアシストのように、要所で決定的な仕事を果たしている。エースの道上彩花こそ負傷離脱中だが、得点力は落ちておらず、失点もここまでリーグ戦は6試合で3。チームの完成度は高い。
 
ただし、C大阪も前節はI神戸に負けたとは言え、格上相手に対等に戦えていた時間帯も多く、成長の跡は見られる。今節もアグレッシブな姿勢で堂々と挑むことが、勝利につながる道だろう。現在の課題はクロス対応であり、流れが悪くなった時に全員で耐えて跳ね返す力だ。クロスは新潟の得点パターンでもあるだけに、C大阪としては、簡単に上げさせないよう体を寄せること、中で声を掛け合ってしっかり弾くことは必須となる。前節は悔しい思いを味わったGK山下莉奈も、「やってはいけないプレーだったと思います。それを今後にどう生かしていけるか。次の試合が大事。空中戦は強みなので、しっかりと切り替えてプレーしたい」と挽回を期す。攻撃陣では、試合当日が24歳の誕生日となる矢形海優に注目。「誕生日に試合をするのは人生で初めて(笑)。バースデーゴールを決められるよう頑張ります。今年最後のホームなので、勝ってみんなで笑顔で終わりたい」と意気込む。それと同時に、ボールを丁寧につなぐ新潟Lに対し、「ボールを(相手の)ボランチに入れさせないよう、前からしっかり潰したい」と守備の重要性も語る。さらには、現在リーグ戦3試合連続ゴール中の小山史乃観も勝敗のカギを握る一人。「消極的になるのではなく、どんどんチャレンジして行け」と鳥居塚伸人監督に言葉をかけられて臨んだ前節は、積極的な仕掛けやゴール前に進入する姿勢が目立った。今節も引き続き攻撃でチームを引っ張る活躍が期待される中、今節、対面する相手は「レジェンド」(小山)の川澄。「対戦が楽しみですし、『この選手、凄いな』と思ってもらえるプレーをしたい」と意欲を覗かせる。両者とも攻撃の起点となる存在だけに、どちらが1試合を通して上回れるか。注目のマッチアップになりそうだ。
 
今季から新規参入したWEリーグにおいて、ここまでカップ戦を5試合、皇后杯を1試合、リーグ戦も6試合を戦い終えたが、既に濃密なシーズンとなっていることは間違いない。「後半アディショナルタイムに失点して連敗したり、3-0から追いつかれたり、色んな意味で、WEリーグのレベルの厳しさを体感させられています。これをいかにつなげられるか、積み重ねていけるか。経験するだけではなく、しっかり積み重ねて強くなっていくことが大事」と鳥居塚監督。直近のリーグ戦2試合は、前半と後半の内容に差があり、連動した攻守は十分に相手を苦しめた一方、リード時の試合運びや90分トータルでの試合内容に課題を残した。収穫と課題の両方を手にしながら一戦一戦、チームとして成長を続けているC大阪。「今までの全てをみんなが出し切って」(鳥居塚監督)ホームで逞しく戦う姿を披露し、年内ラストの一戦を勝利で飾りたい。

試合前日コメント

鳥居塚 伸人監督


Q:前節・INACレオネッサ神戸戦の試合前、「チャレンジして何かを掴むことが成長にもつながる。このゲームで成長できるように戦いたい」と話されていたが、実際に試合を経て、チームの変化をどう感じますか?
「正直、力負けした部分は選手自身も感じていると思いますが、人のせいにしない、という部分がチームの雰囲気に改めて戻ってきたという意味では、これからの成長が楽しみです。ミーティングでも言いましたが、もちろんGKがミスしなければ流れも変わらなかったかも知れないですが、ああいう流れを自分たちでどう立て直すかは、メンタリティーに関わってくる部分。今のウチは、後半アディショナルタイムに失点して連敗したり、3-0から追いつかれたり、色んな意味で、WEリーグのレベルの厳しさを体感させられています。これをいかにつなげられるか、積み重ねていけるか。経験するだけではなく、しっかり積み重ねて強くなっていくことが大事。積み重ねていかないと、2年先にやっているチームには追いつけない。いい刺激になった、一つのポイントになったゲームかなと思います」
 
Q:選手個々についても、「後ろ向きではなく、思い切ってチャレンジして欲しい」というメッセージも送っていました。実際に小山選手などはそうしたプレーも見せたと思いますが、選手一人一人の意識に変化も見られますか?
「小山に関しては、あの試合は代表監督も見に来られていた部分もありますし、そこでどれだけアピールできるかで、なでしこジャパンに入れるかも知れないと。そういうチャンスを掴める選手になって欲しいですし、いつ誰に見られているか分からない。そのためには、日頃の準備をどれだけできるか。日常のトレーニングを無駄にはできないということで、雰囲気も良く今週のトレーニングには入れています」
 
Q:前節は白垣選手をCBで起用されました。U-19日本女子代表でもCBでプレーされていますが、彼女の良さをCBで生かしていくことも考えている?
「そうですね。そういった代表活動も含めて、(CBの)経験値を積ませることも必要。日本の宝の選手なので、丁寧に育てながら、というところ。白垣がCBに入れば競争も生まれます。その競争が激しければ激しいほど、出るための努力をしないといけない。使われないからと腐る選手がいれば、チーム力も上がらないし、個人としても上がらない。お互いに切磋琢磨しながらチーム力を上げていってもらえたらなと思います」
 
Q:今節のアルビレックス新潟レディース戦に向けて
「自分たちが最初にWEリーグのチームとトレーニングマッチをさせてもらったのが新潟さんですが、その時の雰囲気とは数段違います。今の順位にいるのは、力の通りだと思う。勝つのは容易ではないと思いますが、INAC戦が終わった後に、あの順位の相手ともう一度できることは、いい機会だなと思います。年内最後の試合になるので、今までの全てをみんなが出し切って欲しい。今日もゲーム中心のトレーニングをしましたが、一人一人がしっかりアピールするチームにはなってきました。その中でいい選手を起用して、しっかり勝利できるように戦いたいです」

白垣 うの選手


Q;CBとして先発した前節を振り返って
「(CBは)練習試合では何回かやって、(世代別の)代表でもやっているので、落ち着いてやろうと意識してプレーしました。(マッチアップした田中美南や高瀬愛実は)強かったです。常に相手が優勢で、相手が主導権を握っているような状態でした。自分が主導権を持って守れるようにならないといけないと感じました」
 
Q:SBとの違いについては?
「SBは相手のプレスで迫られている感覚がありますが、CBはパスコースが多く、解放感はあります。SBも今まで6年ぐらいずっとやってきて、少しずつ成長できている感じもありますし、これからもプレーしたい思いもありますが、今後のことを考えれば、CBでプレーしたい気持ちもあります。CBはこれからなので、今をベースに、ここからもっと伸びていけると思います」
 
Q:今節のアルビレックス新潟レディース戦に向けて
「ノリに乗っているチーム、という印象です。クロスからの得点も多いので、そこの対応はしっかりしないといけません。この試合に勝ち切って、年明けを迎えたいです。ホームですし、絶対に負けたくないです」
 
Q:相手には、なでしこジャパンでも活躍された川澄奈穂美選手がいます。 FIFA女子ワールドカップに優勝した2011年は、すでにサッカーを始めていましたか?
「5歳ですかね(笑)。当時はまだサッカーをしていなかったのですが、あの大会を見てサッカーを始めました。楽しそうやなーと(笑)。川澄さんや鮫島さんがサイドを駆け上がる姿、澤さんの決勝でのゴール、宮間さんのキックなどが印象に残っています。今季の新潟Lも、川澄さんが入ってチームの雰囲気も良くなっていると、U-19(日本女子代表候補)の選手に聞きました。凄いなと思いました」

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