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3/2 マイ仙台戦 Match Preview

  • 3/2 マイ仙台戦

再開されるWEリーグ。5位以内という目標へ向け、勢いをつける勝点3を掴みたい

 
23年ラストの一戦となったアルビレックス新潟レディース戦から2ヶ月の中断期間を経て、WEリーグが再開する。その初戦、セレッソ大阪ヤンマーレディースは、敵地に乗り込み、マイナビ仙台レディースとのWEリーグ第8節に挑む。
 
シーズン中にもかかわらず公式戦がない状態が2ヶ月も続いたことは、モチベーションやコンディション管理の面で難しさもあっただろう。「長かったですよ、ほんとに(苦笑)」。心の底からそう第一声を発したのは矢形海優だが、それが選手たちの偽らざる本音だろう。もっとも、ただ漠然と過ごしていたわけではない。「毎日、強度の高い練習」(脇阪麗奈)を行いつつ、「攻撃ではクロスからのゴールや、一人一人のコントロールやパスの質はこだわってやってきました。ストロングポイントである前線からの守備も、さらに磨きをかけていこうと取り組んでいました」(矢形)と攻守両面でブラッシュアップ。チームとしても、「色んなシステムを試しながらトレーニングマッチも行いました」と鳥居塚伸人監督が語ったように、ベースとなる[4-4-2]に加えて3バックにもトライ。戦術の幅を広げると同時に個人戦術も高める狙いも持ちながら、新たな試みを行った。「戦い方のバリエーションは増えたと思う。それが今後の戦いでいい方向に向かえば」(鳥居塚監督)とチームの引き出しを増やす取り組みは、必ずや後半戦にもつながっていくだろう。
 
WEリーグ参入1年目の今季。C大阪はここまで7節を終えて3勝1分3敗で6位につけている。直近の新潟L戦では、それまでの成長を示す形で勝利を収めたが、後半アディショナルタイムの失点で敗れた試合が2試合、前半で3点を先行しながら後半に追いつかれた試合もあるなど課題も少なくなかった。喫した8失点は全て後半というデータが示すように、体力や集中力が低下する終盤をどう乗り越えるか。また、劣勢の時間帯で崩れずどうしのぐかは、勝点につながる重要なポイントだ。「ゴール前の守備は長い時間を割いて行った」(脇阪)と、今回の中断期間はそうした詰めの甘さを見直す期間にもなった。また、この間、小山史乃観がスウェーデン女子1部のユールゴーデンIFへ移籍。戦力的なダメージは小さくないが、「新たな選手が出てくるチャンスが生まれたことをプラスに考えたい」と指揮官も語るように、ニューフェースの台頭にも期待したい。さらに、今節から数試合は、AFC U-20女子アジアカップ 2024のメンバーに選出された米田博美、中谷莉奈、白垣うのも不在。特に影響を受けるのはDFラインだが、束ねる筒井梨香は、「自分がしっかり声を出して引っ張りたい」とリーダーシップを発揮する構えだ。
 
今週は、なでしこジャパンが見事、パリ五輪の出場権を勝ち取った。ここから女子サッカー全体がその大舞台へ向けて走り出す中、WEリーグも後半戦がスタートする。C大阪としても、選手個々が成長を目指すとともに、チームとしても開幕前に掲げた5位以内という目標へ向けての再出発。リーグ戦6試合が予定されている3月、その初戦で勝点3を掴み、勢いをつけたい。

試合前日コメント

鳥居塚 伸人監督


Q:中断期間の2ヶ月間、チームとしてどのように使いましたか?
「チームとして出来ることにトライして、色んなシステムを試しながらトレーニングマッチも行いました。個人戦術の理解を伸ばす意味でも試した中で、まだどの形でいくか決めていない部分もありますが、両方のシステムでやれるまでは来たと思います。戦い方のバリエーションは増えたと思うので、それが今後の戦いでいい方向に向かえばと思います。ただ、再開初戦はとにかく勝利。内容というより、勝点3にこだわって戦いたいと思います」
 
Q:これまでのリーグ戦7試合の中では、もったいない試合もありました。選手個々に改めて要求したことは?
「プロとして、『自分がやれることをしっかりやりましょう』ということ。個人戦術を理解した上で、ピッチで実践すること。理解はしても、ピッチで表現することはまだまだ(足りない)。頭ではシステムによるメリット、デメリットは理解しても、トレーニングマッチでは、メリットを生かせず、デメリットの部分で失点したこともあります。そこは映像も見せながらミーティングもしていますし、『引き出しをどんどん入れなさい』という話はしています。それをどれだけピッチで表現できるかが、後半戦のポイントになると思います」
 
Q:どの試合も前半は無失点に抑える一方、後半に失点を重ねています。90分の使い方に関しては?
「前半はハードワーク出来て頑張れていますが、後半は体力的にもどこかで漏れが生じてしまう。それを後期は減らしていきたいです。また、点を取ることで勢いも生まれるので、得点を取る形をたくさん作ることも意識してトレーニングしてきました」
 
Q:中断期間に小山史乃観選手が海外へ移籍されましたが、チームに与える影響はどのように考えていますか?
「『海外でプレーしたい』という気持ちをずっと持っていたので、まずは決まって良かったなと思います。突然だったので、『このタイミングで行くの?』と思った選手もいたかも知れませんが、『プロってこういう世界だよ』ということも感じられたと思います。史乃観がいなくてマイナスに考えるのではなく、新たな選手が出てくるチャンスが生まれたことをプラスに考えて、戦っていきたいです。(小山も)遠くから応援してくれていると思うので、負けられないなと思います(笑)」
 

矢形 海優選手


Q:2ヶ月の中断期間を振り返ると?長かったと思いますが。
「長かったですよ、ほんとに(苦笑)。リーグがなかった期間、苦しい練習から入りました。最初の1ヶ月は特に毎日の強度も高く、しんどかったのが率直な気持ちです。でも、この2ヶ月で積み上げてきたことを後半戦に生かしたい、という思いで全員が取り組んできました。チームとしても、個人としても、この2ヶ月は良かった中断期間だったと思います」
 
Q:具体的に、この2ヶ月で積み上げてきたことは?
「前半戦で出た課題はもちろんですし、攻撃の面ではクロスからのゴールや、一人一人のコントロールやパスの質はこだわってやってきました。ストロングポイントである前線からの守備も、さらに磨きをかけていこうと取り組んでいました」
 
Q:再開初戦は、古巣・仙台のホームに乗り込む形になります。気持ちも高まるのでは?
「自分の中で、ユアスタは第2のホームという感覚です。やりやすいスタジアムですし、仙台の温かいサポーターの前で恩返しをしたい気持ちはやまやまですが、一番はチームとして勝利して大阪に帰ってきたいです。仙台と対戦するのはカップ戦以来になります。その試合から積み上げてきていると思いますし、再開初戦なので、硬い試合にはなると思いますが、こちらも負けない気持ちで臨みます。勝って終わりたいです」
 
Q:ここまで7試合を終えて3勝1分3敗。残り15試合で大切になることは?
「前半戦が終わって6位という位置にはいますが、まだまだな部分もあります。ここから15試合ありますが、1試合1試合、目の前の試合で勝点3にこだわって戦いたいです。最後は得失点も関わってくるので、なるべく多く点を取りたい気持ちもあります」
 
Q:この7試合では、もったいない試合もあったが、その部分の改善については?
「最後に失点して負けた試合が2試合あって、3点差を追いつかれた試合もあります。失点の重みも感じながら、最後の笛がなるまでやり続けたいです。最後に足を出せるか、ボールがない時に周りを見ることや、声を掛け合うことなども共有しました」
 
Q:個人として、ここから15試合の目標は?
「二桁得点を目指します。そこにはまだまだ辿り着けていませんが、FWとして毎試合、点を取る意気込みで狙っていきたいです」

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