3/10 浦和戦 Match Preview
- 3/10 浦和戦
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昨季のWEリーグ女王との対戦。持てる全ての力を発揮し、大きな一勝を目指す
WEリーグ再開初戦となったマイナビ仙台レディース戦から中6日、セレッソ大阪ヤンマーレディースは、リーグ再開後ホームでは初の試合となるWEリーグ第9節、三菱重工浦和レッズレディースとの一戦に臨む。
マイ仙台戦では、後半開始早々に高和芹夏のリーグ初ゴールで先制。その後も試合を優位に進める時間帯もありながら、75分、81分と連続して失点し、逆転負け。再開初戦を白星で飾ることはできなかった。前節を迎えるまでの7試合で喫した失点は全て後半というデータをなぞる格好となったが、指揮官が課題に挙げたのが、「プレスに行く、行かない」の判断。フレッシュな前半は集中力も高いが、後半はどうしても全体をコンパクトに守ることができず、陣形も間延びしてしまう。そうした状況の中、一人一人の判断や意識にズレが生じてしまうと、相手に容易くボールを運ばれ、ゴールまでつなげられてしまう。どう連動性を維持して試合を締められるか。後半にスペースが生まれることは、サッカーでは常でもあるが、「安定して勝点を積み重ねていくためには、後半の入りや締め方は整理していきたい」(鳥居塚監督)。また、ボール保持の時間を増やし、ビルドアップの質を高めることも、後半の試合運びの改善には必要か。「(後半は)急いで攻撃に出て、(ボールを)失って、守備に追われて、ということも続いている」と鳥居塚監督も指摘するが、先制点を決めた高和も、「もう少し自分たちがボールを持つ時間を増やして、その流れで追加点を取れれば試合の行方は変わっていた。もったいない試合になった」と前節の課題を述べた。今季全体を通して試合運びはまだまだ課題も残るが、全体的な内容については積み上げも図られており、成長は見られる。百濃実結香は「とにかく仕掛けることを意識して、自分の特長を発揮できた」と前節の先制点につながったシーンを振り返ったが、選手個々が自らの持ち味を積極的にトライしてピッチに落とし込めたことは収穫だ。リーグ初先発を飾った和田麻希や、WEリーグデビューを飾ったザーラ ムズタリファら新戦力の台頭も今後につなげていきたい。
今節の相手は、現在リーグで2位に付けている浦和。再開初戦はホームにINAC神戸レオネッサを迎えて1-1の引き分けに終わっているが、順調に勝点を重ねており、連覇へ向けて歩みを進めている。先月28日に行われた、パリオリンピック2024女子サッカーアジア最終予選第2戦で先制点を叩き込み、パリオリンピックの出場権をグッと手繰り寄せた高橋はな、同じくなでしこジャパンの石川璃音で組むCBは堅く、中盤から前線にも、なでしこジャパンの清家貴子ら多くのタレントを擁している。セレッソにとってはチャレンジャー精神で挑む一戦にはなるが、「浦和相手に勝点3を取ることで、上位にも近づく。何とか勝点3を取りにいきたい」と鳥居塚監督も話すように、「失うモノはない」(高和)と現在の持てる力を全てぶつけ、勝利を目指す。浦和とはWEリーグカップでも対戦し、0-0の引き分けで終わった。「あの試合は球際で負ける部分が多く、浦和さんがボールを握っている時間も長かった。ただ、私たちも当時よりパワーアップしている実感はある。今回はどれだけ自分たちがボールと主導権を握れるか。そこはこだわりたい」と百濃は試合へ向けた抱負を述べた。我慢の時間帯を粘り強く守り、機を見てボールも動かし、ゴールに迫りたい。
昨季のWEリーグ女王に立ち向かう今節は、ホームの後押しが勝利には必要不可欠。ヨドコウ桜スタジアムに集うサポーターと一体となり、今後の戦いへ弾みを付ける大きな一勝を目指す。
試合前日コメント
鳥居塚 伸人監督
Q:再開初戦となった前節を振り返ると?
「選手は一生懸命やってくれましたが、前半も落ち着けるところでバタバタしてしまったり、後半も点は取れましたけど、失点シーンは個人戦術の漏れから。そこは変えていかないといけません。『仙台はクロスからの得点が多い』ということは伝えていましたし、映像も見せていますが、現場で実践するためのトレーニングをもっと積んでいかないといけない。もう一つギアを上げて、選手たちに落とし込んでいく必要性を感じています。ここからは上位との対戦が続きます。ただ、自分たちもチャンピオンの可能性がある限り目指していきますし、『一生懸命、頑張った』で終わるのではなく、勝つためには何が必要か、トライしていくことが大事です」
Q:寄せられても慌てず相手を見て、外してパスをつなぐ練習も行っていたが?
「練習ではプレスに対しても落ち着けていますが、試合になると、プレッシャーに感じていると思います。そこは経験を積むことも大事ですが、練習で繰り返しやることも大事。強度高くトレーニングもやっていますが、試合で90分ずっと強度を保てるわけではないので、(ゲームをコントロールする意味では)落ち着いてつなぐことも覚えていかないといけません。プレッシャーの中で技術を発揮することを高めていかないと、上のレベルでは戦えない。そこは日常の練習からトライしていきたいです」
Q:今節は、昨季のチャンピオンで現在も2位に付けている浦和が相手だが?
「上位の相手ではありますが、ここでしっかり止めないと、バタバタいってしまう。相手が浦和だから勝点1でいいよね、ではなく、浦和相手に勝点3を取ることで、上位にも近づく。それが選手の自信にもなります。力の差はありましたが、カップ戦では0-0で勝点1を取りました。今節は何とか勝点3を取りにいきたいと思います」
Q:90分の中でも、特に後半の戦い方について
「前半のハードワークや集中力と、後半のそれは明らかに違いが出ています。そこが一つの課題です。ボールを持って時間を作ることも大事。(後半は)急いで攻撃に出て、(ボールを)失って、守備に追われて、ということも続いています。前半はそれでも耐えられますが、後半、しんどくなると、そこから失点してしまう。前半は失点ゼロという結果にも出ているように、強度の部分ではWEリーグでも通用すると思いますが、しんどくなった時間帯での技術や判断が課題。『プレスに行く、行かない』の判断も含め、しっかりジャッジしていかないと、安定して勝点を積み重ねていくことはできません。後半の入りや締め方は整理していきたいと思います」
和田 麻希選手
Q:WEリーグ初先発となった前節を振り返ると?
「初スタメンということで緊張するかなと思ったのですが、ピッチに立てば緊張はしませんでした。チームメートも『ナイスプレー』と声をかけてくれたので、リラックスしてプレーできました」
Q:改めて、自身の長所や見て欲しいプレーは?
「ゴール前の抜け出しです。中央から、相手の最終ラインの背後に抜け出してシュートまで行くところを見て欲しいです」
Q:WEリーグ参入が決まってからの1年、自分自身で成長したと感じるところは?
「気持ちの部分で成長したと思います。以前は1回失敗したら沈むこともあったのですが、今は1回失敗しても、次うまくいくためには、どうすればいいかを考えるようになりました。そこは成長したと思います」
Q:現在、AFC U-20アジアカップが行われていますが、和田選手も代表の合宿に参加したこともありました。同世代のプレーは刺激も受けますか?
「はい。自分も選ばれたかった思いはあります。代表活動に行った時も、自分の年代でレベルの高い選手とできて楽しかったですし、まだまだ成長できると感じました。もっと頑張らないといけない、という思いになりました」
Q:今節、浦和を相手にどういうプレーを見せたいですか?
「自分の得意なプレーをどんどん出して、そこでは負けないように、点を取って絶対に勝ちたいです」