3/16 東京NB戦 Match Preview
- 3/16 東京NB戦
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前節の大敗から1週間。意識、判断、技術を見直し、逆襲を期す1勝を目指す
WEリーグ再開後のホーム初戦となった前節の三菱重工浦和レッズレディース戦は0-4の大敗を喫したセレッソ大阪ヤンマーレディース。前半こそ粘り強い守備から相手の背後を狙う攻撃で食い下がったが、37分に先制を許すと、後半の立ち上がりに追加点を奪われ、そこからさらに2失点。終盤こそ攻めに転じる時間帯もあったが、最後まで一矢報いることはできず、WE参入後、最も完敗と言える敗戦となった。
その浦和戦は、一人一人の技術やフィジカルに加え、チームとしての連動性、ボールを受ける前の準備など、組織や判断の部分でも相手が1枚も2枚も上だったことは否めない。「一人一人のパワーや技術、1対1での勝負のこだわりでも、自分たちとは差があった」(矢形海優)、「それぞれが懸命にやった中で、あれだけの差が生まれた」(宮本光梨)と、昨季のWEリーグ王者に現在地を見せつけられた格好となったが、「この敗戦を一人一人がどう捉えて、次につなげていけるかが大事」と矢形も語るように、前節の敗戦を意味のあるものに変えていけるかどうかは、今後の選手一人一人、チーム全体の取り組みにかかっている。
前節の試合後、「この戦いはプラスだったと思う。日々を変えていくことがポイント。引きずらずに、次節に改善して臨みたい」と話した鳥居塚伸人監督だが、今週13日の練習では、ボールを受けた後のプレーを常に頭に描くこと、受ける前の準備もより早くすることなど、一つ一つのプレーにこだわりを持って取り組んだ。締めで行われたミニゲームでは、時間の経過とともにボールがリズミカルにつながる場面も見られた。「監督からも、『技術はすぐに変えられなくても、ボールを受ける準備の質や早さはすぐに変えていける』と言われています。そこの意識は常に持ち続けながら練習にも取り組んでいきたい」と百濃実結香は話す。そうした意識の面に加え、「パスやコントロールの質も大事。ボールを置く位置もそうだし、パスにしても、足元かスペースか、そこは追求していきたい」(矢形)、「プレーの質にもこだわりながら、練習から多くの選択肢を持つことを考えたい」(宮本)と技術の面でも向上心を高めている。意図を持ったプレーの連続性が、攻撃の躍動感を生むことにもつながる。
今節の相手、日テレ・東京ヴェルディベレーザも技術に長けた選手が多いチームであり、パリ・オリンピック出場権獲得につながるゴールを決めた、なでしこジャパンの藤野あおばや山本柚月らWE屈指のタレントも擁している。セレッソとしては、相手のパスサッカーに対し、武器であるハードワークや連動した守備を発揮することがまずは重要だ。その上で、課題の後半も走り負けず、主導権を渡さないよう粘り強く戦いたい。また、東京NBには、セレッソ大阪堺レディース3期生の北村菜々美がいる。マッチアップが予想される藤原のどかだけではなく、「絶対、菜々美に点を取られたくない」と話す脇阪麗奈、さらには矢形と、“99年組”のぶつかり合いは、今節の注目点の一つ。ドリブル成功率やキーパスの回数でWEリーグトップ5に入っている北村をしっかり抑えることが、勝利には欠かせない。
「浦和戦でああいう結果になった後、ベレーザ戦でどういう結果が出るか。最終順位がどうなっていくかが見えるゲームだと思うので、そこは選手にも伝えながら、勝点3を目指して戦っていきたい」と鳥居塚監督。逆境を跳ね除けて這い上がり、成長を遂げることができるか。上位陣を相手に過密日程を戦うこの3月は、今シーズン全体を見渡しても正念場だ。今こそチーム一丸で立ち向かい、粘り強い戦いの中から勝利を掴みたい。
試合前日コメント
鳥居塚 伸人監督
Q:前節の大敗を受け、今節に向けた取り組みについて
「僕自身が甘くしていた結果が、あのスコアだと思う。まず僕自身が見直さないといけない。それに対して選手がどれだけ付いてきてくれるか。(やらないといけないことは)分かっている部分は多くあったと思うけど、それをピッチで実戦できているか。そこがポイント。より細かいところを一つ一つ、練習を止めてでも修正していくことが課題。そこはこだわりながら、日々を変えていきたい」
Q:やるべきプレーをよりクリアにすることが大事?
「ウチも『WEリーグでチャンピオンを取ろう』と思っている選手が集まってくれている。相手が上位だからと言って、負けていい試合があるわけではない。では勝つためには何が必要なのか。頭では分かっていても、プレーできていないのはなぜか。というところで考えると、ボールが来る前の準備が浦和との差で顕著に現れた。それは日々の練習で変えていくしかない。習慣を変えるのは簡単ではないけど、それを変えていかないと、このリーグで勝ち続けることは難しい。継続してやっていきたい」
Q:今週の練習で重きを置いたところは?
「より準備を早くすること。守備では、一つ一つ正しいポジションを取り続けること。プランを持ってボールを引き出す攻撃も、今節のキーになると思います」
Q:選手の意識に変化も見られますか?
「そうですね。準備のところはもっと早くできる部分はあると思いますが、球際の部分や(1対1で)負けてはいけない、という意識は出てきています。ゲームの中での強度やテンポも上がっています。逆にテンポが上がればミスも増えますが、そこはいたちごっこ。改善しながらやっていきたいです」
Q:今日(13日)の練習でも、一つ一つ、意図を持って丁寧にやりながら、最後のゲーム形式では、ボールを動かすスピードも速くなっていた印象だが?
「一つ一つのトレーニングが全てゲームにつながっていることが、徐々に頭の中で整理されてきた印象はあります。その意識が選手に付いてくれば、成長スピードは変わってくる。(練習の)ポイントは、より選手に伝えながらやっていきたいです」
Q:日テレ・東京ヴェルディベレーザの特長と、試合のポイントについて
「やっぱり技術は高いチームなので、中途半端にやると、相手がやりやすいだけのサッカーになってしまう。浦和戦もそうでしたが、“あと一歩、寄せられたら”、“あと1本のパスが通っていたら”という場面はありました。もちろん力の差はありますが、その部分を追求していけば、結果を変えることはできる。結果にこだわって、恐れずチャレンジさせたいです」
Q:ここから連戦になるが、この期間はシーズンの中でも大きな山場?
「連戦自体は経験していますが、疲労が溜まることは確かです。うまくメンバーを入れ替えながら戦えたらいいですが、現状、そうはできないのが一つ。あとは、上位陣と当たります。でも“上位陣だから勝てない”ではダメ。浦和戦でああいう結果になった後、ベレーザ戦でどういう結果が出るか。最終順位がどうなっていくかが見えるゲームになると思うので、そこは選手にも伝えながら、勝点3を目指して戦いたいです」
Q:リバウンドメンタリティーを発揮したい一戦になる?
「そうですね。ある意味、吹っ切れたというか、浦和戦も最後の時間帯は、逆に握っている時間も多かった。ベレーザ戦では最初からやりながら、それでも落ちていく時間はあるので、やれる時間をどれだけ伸ばせるか。そこが成長するポイント。選手たちも(前節から)うまく切り替えて、厳しさを持ってやってくれているので、そこにも期待して頑張りたいです」
藤原 のどか選手
Q:前節を受けて、今週の練習にどう取り組んでいますか?
「浦和戦では、自分たちのパスミスや少しのズレから失点につながりました。そこが上位との違いだと思うので、そこを突き詰めていくこと。今節のベレーザも上位なので、自分たちのミスを減らすことを意識して取り組んでいます。球際や攻守の切り替え、パスの質、そこが最終的な結果につながってくると実感しています」
Q:WEリーグを戦い続ける中で、どういう意識でプレーしていますか?
「他のチームより2シーズン遅れて今年から挑戦して、WEリーグは初めてという部分もありますが、プロのリーグでやっている限りは結果が求められます。前節、4失点した試合も今までのアマチュアのリーグだと、『頑張れ』という言葉で終わったかも知れませんが、プロは厳しい言葉もいただける環境です。ホームで4失点は、今後は決して無いようにしたい。セレッソは観客数もリーグで一番多いので、これからもっと結果を残して、さらに増やしていかないといけない。それが、私たちがWEリーグでやるべきことかなと感じています」
Q:今節の相手、日テレ・東京ヴェルディベレーザの印象について
「個人、個人の技術が高く、ドリブルも上手で、パスをつないでくるイメージです。守備が一つズレると後手を踏んで、やられてしまう。きちんと声をかけ合って、守っていきたいです」
Q:対面の相手は、セレッソで同期の北村菜々美選手が予想されるが?
「速いし、技術もあって、点も決めているので、嫌な選手ではあります。試合では初めてやるので楽しみですし、対戦するからには負けません(笑)。菜々美の特長は知っている部分もありますし、それを踏まえて自分なりに考えて、チームとしてもコミュニケーションを取りながら、やられないように対応したいと思います」
Q:普段の仲はいいですよね?
「仲はバッチリです(笑)。オフは(99年生まれの)みんなで集まりますし、普段から連絡も取っています。試合中は敵なので、負けないようにしたいです」