3/24新潟L戦 Match Preview
- 3/24 新潟L戦
- メディア
リーグ後半戦のスタート。連戦の中、チームの総合力を発揮し、苦境を脱出する1勝を目指す
第9節で三菱重工浦和レッズレディースに0-4の大敗を喫した後、敵地での日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦では、積極的な攻守を見せて先制点を奪い、粘り強い守備も発揮して勝点1を獲得。上向きな流れの中でホームに戻り、勝点3を目指した前節のサンフレッチェ広島レジーナ戦だったが、守備で相手の良さを抑えることができず、2失点。攻撃でもチャンスを多く作ることはできず、ホームで再び完敗を喫してしまった。出足や球際など、局面における戦いでも劣勢を強いられる場面が多く、連戦の疲れも感じさせただけに、今節のアルビレックス新潟レディース戦へ向けては、いかに心身のコンディションをフレッシュな状態に持っていけるかもポイントになる。
前節から中3日と準備期間は短いが、「1対1の対応や、ワンツーの対応など、前節チームとして出た課題をしっかり見直す」(鳥居塚伸人監督)個人戦術の確認とともに、「ボールを受ける前に次のプレーを考えて準備する」(鳥居塚監督)ことなど、チームとして連動してつながっていく意識も今一度高めつつ、選手たちはトレーニングに励んだ。今節に向けた紅白戦では、いくつかのポジションで変化も加えながら行ったが、「フレッシュなメンバーが『やるぞ』という気持ちで頑張ってくれている」と脇阪麗奈も話すように、時間の経過とともにゴールも生まれるなど、今節へ向けた期待感も抱かせた。前々節、待望のWEリーグ初ゴールを決めた田中智子は、「前半はうまく戦えても、後半はできなかったりする試合が多い。試合中に流れが悪くなっても、チーム全員で声を掛け合いながらプレーして、勝ち切れるように頑張りたい」と今節へ向けた意気込みを話したが、まさに苦しい時間帯をどう乗り越えるか。交代で入る選手も含め、チーム全体の総合力を発揮したい一戦でもある。
選手一人一人の経験値や技術に加え、失点5という数字が示すように、守備も堅く、チームとしてのまとまりもある新潟Lは、現在のセレッソ大阪ヤンマーレディースにとって格上の相手でもあるが、だからこそ、チャレンジャー精神を強く持って戦うことは欠かせない。2022-23シーズンは新潟Lでプレーした森中陽菜は、新潟Lのホームでの強さについて、「サポーターの声援。後押しが選手をより強くする」と実体験を込めて話す。そうしたスタジアム全体の圧を跳ね返して勝利を掴むためには、「声を掛け合うこと、特長である前からのプレスで相手に何もさせないくらいハードワークすること」(森中)をポイントに挙げる。選手それぞれの今節に懸けるモチベーションも高い。前節、なでしこリーグ・WEリーグ通算100試合を達成した高和芹夏は、「前期の新潟戦は、自分はベンチ外。チームは勝ったけど、スタンドから見て悔しい思いもしたので、次は自分が出場して勝ちたい」と意欲を見せれば、AFC U-20女子アジアカップでは出番が少なく悔しい思いを抱えてチームに戻った中谷莉奈も、「それが今の自分の実力だと思って、セレッソで頑張っていこうと切り替えています。試合をしたい気持ちが強いので、大爆発して、点も決められるように頑張りたい」と個で味わった悔しさをチームの力に変えるべく、今節に挑む。
WEリーグは今節から後半戦がスタートする。前半戦は11位で折り返したセレッソだが、5位との勝点差は『3』。中位は混戦であり、1つの勝利で一気に上に行くことも可能だ。「まだあと半分あるので、ここからが勝負。今は勝てていないけど、ここを乗り超えれば、チームとしてまた成長できる」とキャプテンの脇阪も前を向く。苦境を脱出する1勝を、チーム全員で掴み取りたい。
試合前日コメント
鳥居塚 伸人監督
Q:準備期間は短いですが、今節へ向けて
「新潟さんがしぶとく勝点を重ねて、あの順位にいます。前期はその中でも勝てたので、後期のスタートでもう一回、新潟から勝点3を取って、勢いに乗りたいと思います」
Q:前節も踏まえて、今節へ向けた練習で意識した部分は?
「1対1の対応や、ワンツーの対応など、前節チームとして出た課題をしっかり見直して、トレーニングから理解力を高めていくこと。今年は様々な強みがある選手と対戦して、色んな勉強をさせてもらいながら、その中でも必死に勝点を取って、最終順位がどこになるか、というところ。個人戦術をしっかり育成することも大事ですし、今節は戦う気持ちをピッチでどれだけ出せるかもポイント。そこを全員が出してくれたら、結果につながると思います」
Q:アルビレックス新潟レディースの印象について
「やれることを個人、個人が把握して、チームとしてやることも明確になっている。1-0でも勝ちは勝ちだとみんなが知っている。しっかり割り切れている部分もあるので、その(大人の)相手にウチがどう戦っていけるかがポイントになると思います」
Q:3連戦の3試合目。フレッシュなメンバーの起用も?
「連戦で違う選手が入ることが、競争にもつながります。そこからレギュラーを勝ち取る選手が出てくることが、チーム力の向上にもつながります。前回の新潟戦も少しメンバーを変えた中で、勝つことができました。今節も、先発で出た選手がどれだけ頑張れるか、後から入ってくる選手がいかにパワーを出せるかもポイントになります。相手も連戦で、年齢的にはウチより高い選手が多い。90分を通して、しっかり戦いたいと思います」
米田 博美選手
Q:今節をどういう試合にしたいですか?
「結果が出ない難しい試合が続いているので、ここでしっかり勝って、いい流れを作りたいです。自分自身、(U-20日本女子)代表で経験したことをチームで発揮して、いい影響を与えたい。チームのために、しっかり力になりたいです」
Q:AFC U-20女子アジアカップで学んだこと、チームに還元したいことは?
「個の部分や、1対1の球際です。北朝鮮の選手は、1対1の球際では死ぬ気で泥臭く向かって来ました。そこは自分たちも見習っていかないといけないと思ったし、そういう気持ちを持った選手のところにボールは転がってきます。チームに戻っても、強い気持ちを持ってプレーしたいです」
Q:新潟のFWにボールを収めさせない対人の強さを発揮することが大事になる?
「ちょっとは強くなったと思うので、そこは発揮したいですし、自分の良さである冷静さも継続して、しっかり守りたいです」
Q:ホームでの対戦時は矢形海優選手の決勝点につながるパスを出して、勝利に貢献したが、新潟の印象について
「個人、個人で上手い選手がいるので、そこはしっかり抑えないといけません。その上で、前回対戦時のようなカウンターは、最終ラインからでも狙っていきたいし、守備の時から攻撃のことも考えながらプレーしたいです」
Q:サッカーを始めたきっかけが、「2011年のW杯優勝を見て」ということですが、新潟には当時のメンバー、川澄奈穂美選手や上尾野辺めぐみ選手もいます。
「嬉しい不思議な感覚もありますが(笑)、戦う相手なので、負けたくないです。強気で戦います」