5/19 マイ仙台戦 Match Preview
- 5/19 マイ仙台戦
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万感の思いで迎えるホーム最終戦。3連勝を達成し、笑顔で古澤留衣を送り出したい
今季初の連勝を果たしたAC長野パルセイロ・レディース戦から中6日、セレッソ大阪ヤンマーレディースは、マイナビ仙台レディースをホームに迎え、3連勝を目指してWEリーグ第21節に挑む。WEリーグ参入1年目の今シーズン、今節がホームの最終戦となる。
内容も伴った形で勝利した前々節の大宮アルディージャVENTUS戦の勢いをアウェイにも持ち込んだ前節は、前半から主導権を握って試合を進めると、39分、トップ下で躍動感を強めている高和芹夏のパスに抜け出した矢形海優が見事なトラップから前を向き、GKとの1対1を制して先制に成功。後半、一度は同点に追い付かれたが、直後のプレーで勝ち越し。田中智子の突破からのクロスに再び矢形が合わせ、セレッソが突き放した。終盤は長野のパワープレーにもしっかり対応し、1点を守り切って勝利。シーズン終盤、WEリーグで揉まれながら成長してきた証を示すように、今季初の連勝を達成した。「それぞれの役割がハッキリして、得意なプレーを、自信を持って出せています」と矢形も話すように、第18節の三菱重工浦和レッズレディース戦から採用している3-5-2が機能しているセレッソ。「選手個々の判断力を高めていけば、さらに上の順位にも行ける」と鳥居塚伸人監督は伸びシロを指摘する。残り2試合、さらなる成長曲線を描いた状態で今季を締め括りたい。
仙台との前回対戦は、ウィンターブレイク明けの第8節。高和のWEリーグ初ゴールで先制するも、その後、2点を奪われ逆転負け。リーグ再開初戦で意気込む中、出端をくじかれる悔しい敗戦を喫した。「だからこそ、今回は無失点で点を取って勝って、いい形でサポーターの皆さんと笑って終わりたい」と古巣戦となる矢形は燃えている。「しっかりボールを動かして、相手を見ること。作ったチャンスで、しっかり決め切ること」を指揮官は試合のポイントに挙げる。連勝中の直近2試合と同様、立ち上がりから主導権を握り、先制することで試合のリズムを自分たちに引き寄せたい。今シーズンの集大成を見せたい今節。「選手たちのストロングをしっかりと出して」(鳥居塚監督)躍動するチームの姿に期待したい。また、先日、2023-24シーズン限りでの現役引退を発表した古澤留衣にとっては、今節がホームで臨むラストの試合となる。古澤はチームの立ち上げからプレーしてきた1期生。そうした功労者の有終の美を飾るためにも、今節は是が非でも勝利を手にしたい。
現役引退を発表した翌日、チームでの練習を終えた古澤は現在の心境について、「一言で表すと、感謝です。14年間、育ててもらい、色んな経験をさせてくれたクラブには本当に感謝しています」と話し、「中学1年生から入って、こんなに長くプレーするとは思っていませんでした。そもそもチーム自体、先が見えず、続いていくかどうかも分からない中でサッカーをしていましたが、プロ化してWEリーグで試合をするようなチームになった。立ち上げから関わってきた自分としても、嬉しく思っています」と感慨深げに振り返った。セレッソ大阪ヤンマーレディースの良さについては、「アカデミーからトップチームまでずっと一緒にやっている選手が多い分、みんな仲が良く、しんどい練習でも励まし合って、負けている試合でも全員で声を掛け合いながらプレーできます。そんなチームでプレーができて幸せでした。唯一無二のクラブだと思います」と満面の笑み。もっとも、明るいキャラクターでチームを引っ張ってきた古澤こそ“唯一無二”の存在でもある。「私の後継者は…う~ん、誰も無理だと思います(笑)」と即答。「一人ではなく、みんなで私のキャラを補いながら、チームを作っていって欲しい(笑)」と冗談交じりにエールを送った。ラスト2試合へ向けては、「試合に出られるよう、最後まで頑張ります。WEリーグ初ゴールも決めたい!」と抱負。鳥居塚監督も、「ピッチに立たせても必ずやってくれるという信頼はあります。本人が出場機会を勝ち取って欲しい」と話せば、「地元が一緒で、小学校4年生からずっと一緒にサッカーをしてきました」という、古澤と同じく1期生の玉櫻ことのも、「いつも元気にロッカーに入ってきていたから、いなくなると寂しくなります。『長年お疲れ様でした』という言葉とともに、勝って送り出したいです」と背中を押す。
WEリーグ参入1年目を全力で駆け抜けてきた選手、スタッフが万感の思いで迎える今季のホーム最終戦。一人でも多くのサポーターとともにスタジアム全体の空気を作り上げ、最高の雰囲気の中で勝利を飾り、笑顔で古澤を送り出したい。
試合前日コメント
鳥居塚 伸人監督
Q:ホーム最終戦となる今節。どういう試合を見せたいですか?
「ホーム最終戦ということで、今まで以上に、見ていて感動を与えるゲームをしたいです。選手たちのストロングをしっかりと出して、結果とともに、内容にもこだわっていければと思います」
Q:チームはシーズン終盤に来て、今季初の連勝と調子を上げています。
「前々節は2点を取った後、すぐに1点を返されましたが、前節は追い付かれた後、すぐに取り返しました。メンタル的な部分でも少しずつ成長しています。まだまだ個人としては、判断力が足りない選手もいますが、そういう選手個々の判断を高めてゲームを操っていけるようになれば、来季はさらに上の順位にも行けると思うので、残り2試合、そこにもチャレンジさせていきたいです」
Q:マイナビ仙台レディースには、リーグ戦ではアウェイで敗れましたが、カップ戦では勝利しています。内容的にも悪くないゲームをしていると思うが?
「今節もしっかり選手たちが100%の力を出せれば、結果は付いてくると思います。ホーム最終戦ですし、勝ちにこだわっていきたいです。しっかりボールを動かして、相手を見ることができれば、勝つ可能性は上がります。あとは、作ったチャンスでしっかり決め切ることが大事になります」
Q:現役引退を発表した古澤留衣選手について
「今シーズン、今のところ出場機会はないですが、今年からWEリーグに参戦した中で、プロフェッショナルな姿勢で、試合に出ようが出まいが、やるべきことをしっかりやってくれた選手ですので、頭が下がります。メンバー外も数多く経験した中で、他の選手たちも引っ張ってくれました。1期生ということで、このチームの立ち上げにも必要な選手でしたし、残り2試合、どこかで出場機会を与えたい気持ちもあります。どんな時でも日々、変わらず努力していますので、ピッチに立たせても必ずやってくれるという信頼はあります。本人が出場機会を勝ち取って欲しいなと思います」
Q:チームとしても、しっかり勝って送り出したいですね。
「そうですね。そういうチームであって欲しいですし、本人も今週はより頑張ってトレーニングもしてくれると思うので、そういう部分も含めてしっかりジャッジして、メンバーを決めたいと思います」
矢形 海優選手
Q:前節は2得点。シーズン終盤、ギアが上がってきた印象だが?
「残りの試合は全て勝って、一つでも上の順位を目指したい気持ちで毎試合、臨んでいます。前節は2点を取れたのですが、まだまだシュート数も少ないですし、もっとチャンスを決め切れる選手になりたい。そこは自分としてもチームとしても課題なので、シュート数でも相手を上回っていけるようにしたいです。ここ数試合、ペナルティーエリア内に入る回数はチームとしても増えていますが、そこでもっとゴール前でのクオリティーを上げて、ゴールネットを揺らせるようにしたいです」
Q:システムを3-5-2に変えたことで、やりやすさもありますか?
「そうですね。3-5-2になって、それぞれの役割がハッキリしていますし、サイドの(百濃)実結香とか、得意なプレーを、自信を持って出せています。チーム全体でも色んな選手の特長を生かせる形だと思うので、やりやすさはあります」
Q:前節の2得点で今季6ゴールとなりました。ただ、二桁得点を目指しているだけに、もっと取りたい気持ちが強い?
「そうですね。昨シーズンの得点数(4点)は上回ったのですが、一番の目標としている二桁には届いていないので。残り2試合で二桁を目指せるように、少しでも多く取りたいです。1本1本のシュートにこだわってプレーします」
Q:古巣戦であり、今季のホーム最終戦でもある今節へ向けての意気込みをお願いします。
「前にいたチームとの対戦で、ホーム最終戦。今回は、ワクワクという気持ちより、燃えています(笑)。(リーグ戦の)アウェイでは逆転負けをしているので、その試合は本当に悔しかった。だからこそ、今回はホーム最終戦ですし、無失点で点を取って勝って、いい形でサポーターの皆さんと笑って終わりたいです」
Q:試合後には古澤選手の引退セレモニーも予定されています。勝って送り出したいですね。
「勝って送り出したいです。留衣さんもセレッソへの思いは一番あると思うので、最後にいい思い出として終わってもらえるように、留衣さんのためにもチーム全員で勝ちます!」