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5/25 S広島R戦 Match Preview

  • 5/25 S広島R戦
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WEリーグ参入1年目の最終節。「勝って笑顔で終わる」べく、チーム一丸で挑む
 
WEリーグ参入1年目の今シーズンも、いよいよ今節が最終節。ホーム最終戦となった前節のマイナビ仙台レディース戦から中5日。セレッソ大阪ヤンマーレディースは、サンフレッチェ広島レジーナのホームに乗り込み、WEリーグ第22節に挑む。カップ戦の第1節、昨年8月26日にスタートしてから9ヶ月。ウィンターブレイクによる中断期間も挟みつつ、懸命に駆け抜けてきた締めくくりとなる一戦を、何としても勝利で終えたい。
 
今週の練習後、今季の成長や収穫について、「このリーグを知れたことが一番。WEリーグの強度、勝つためにやらないといけないことを体感できたことが一番だと思います」と話した鳥居塚伸人監督だが、まさにチームは様々なことを経験した。カップ戦こそ3勝1分1敗と好成績を残したが、リーグ戦が開幕すると、他チームのギアも一段上がり、苦戦を強いられる試合も増えた。ジェフユナイテッド市原・千葉レディースとの開幕戦は1-0で勝利したが、第2節・大宮アルディージャVENTUS、第3節・AC長野パルセイロ・レディース戦では、いずれも後半アディショナルタイムの失点により連敗。第8節からは7戦未勝利という苦しい時期も味わった。この間、ホームで迎えた三菱重工浦和レッズレディース戦では、0-4で完敗。WEリーグの高い壁を痛感したシーズンにもなった。ただし、セレッソらしいアグレッシブなサッカーで見る人を魅了する試合もあり、打ちのめされても、ただ下を向くチームではなかった。8試合ぶりの勝利を掴んだ第15節の千葉戦以降は3勝1分3敗と五分の成績を残し、前期は完敗した浦和にも、敵地で臨んだ第18節では善戦。第19節・大宮戦、第20節・長野戦では、前期の借りを返す形で今季初の連勝も飾った。「苦しいことの方が多かったですが、その中で成長できた部分も確実に見えました」とキャプテンの脇阪麗奈も振り返る。選手個々に目を移しても、もがいた中から光を見出し、自身のスタイルを確かなモノにしつつある選手も出てきた。前節、待望のWEリーグ初ゴールを決めた百濃実結香は、「うまくいかないこともあったけど、一つ一つ乗り越えることで成長できた。今が一番、楽しいです」と実感を込める。
 
迎える最終節の相手は、今季はカップ戦、皇后杯、リーグ戦と3つの異なる大会において、いずれも敗れているS広島R。まさに「WEの壁」として自分たちの前に立ちはだかった相手だが、成長を示すためにも、何とか最後に一矢報いたい。S広島Rのホーム最終戦であり、アウェイ感が強まることは予想されるが、「相手の大観衆の前で勝ちたい」と筒井梨香は闘志を燃やす。相手の強みであるサイド攻撃を抑え、中で競り負けないことが勝利には欠かせない。その前段として、サイドに展開される前に中盤の争いでしっかり渡り合うことも必要になる。そうした上で、現在のセレッソもサイド攻撃を強みにしている。相手の長所を上回る良さをこちらが出していくことも心掛けたい。「みんなで自信を持ってプレーしたい」と百濃。「怖がらずに一人一人がチャレンジすること」は指揮官も今節のポイントに挙げる。現在6得点で、WEリーグでの自己最多(7得点)の更新も目指す矢形海優も、「FWとしてゴールという仕事を最終節で果たしたい。うまくいかないことも多かったシーズンですが、セレッソに帰ってきて、多くのセレッソファミリーのおかげで乗り越えることができました。最後は勝って終わりたい」とゴールと勝利を目指す。
 
前節の試合後、引退セレモニーを行った古澤留衣にとっては、今節が正真正銘、現役ラストの一戦となる。チームの立ち上げからプロ化に至るまで、苦難の道のりも含め、レディースの歴史を全て経験してきた功労者に、今節こそ勝利を捧げたい。「ホーム最終戦ではセレモニーもしていただいて、あんなにしていただけるとは思っていなくて、あの日は一生残る思い出になりました。ただ、試合には勝てなかったので、最後は勝って、みんなで笑顔で終わりたいです」(古澤)。WE参入1年目のラストであり、来季へのスタートにもなる今節。現在の持てる力を全て発揮し、勝点3を掴んで終えたい。

試合前日コメント

鳥居塚 伸人監督


Q:今シーズンはセレッソ大阪ヤンマーレディースにとって、初のWEリーグでした。ここまでの21試合を振り返って
「率直に、自分自身の不甲斐なさを感じた1年でした。選手は一生懸命やってくれています。負けた試合や引き分けた試合でも、勝ちに持っていかないといけない試合もありました。自分が思っていた以上の戦いができたかと言えば、そうではない部分もあります。できなかったことで、選手もやらないといけない、という気持ちになったと思います。ウチはWEリーグに参戦することが目的ではなく、チャンピオンになることが目標です。その中で選手は何が足らないのか、クラブとしても何が足りないのかを明確にして来季に臨むことが大切です。まず最終節、勝利することが来シーズンにもつながっていくと思うので、勝つためにしっかりと準備して臨みたいです」
 
Q:今シーズン、チームとして最も成長したと感じる部分は?
「このリーグを知れたことが一番かなと。WEリーグの強度、勝つためにやらないといけないことを、身を持って知れたことが一番の成長だと思います。その中で、できたこと、できなかったことはありますが、それよりは、1年間、WEリーグを体感できたことが成長につながったと思います」
 
Q:最終節は、今季何度も悔しい思いをしているサンフレッチェ広島レジーナが相手です。印象と対策について
「このリーグで戦うために、1対1で勝てなければ、11対11では勝てません。まずは怖がらずに一人一人がチャレンジして欲しい。力のあるチームですが、恐れて戦うのか、チャレンジャー精神を持って戦うのか。試合に臨むメンタルが大事になります。広島とは3度対戦していますが、最初に当たったカップ戦が一番良かったのかなと思っています。それは何でかと言うと、チャレンジャー精神で怖いモノなしで向かっていけたから。そこからシーズンを戦っていく中で、サッカーを知れば知るほど恐さも感じて、ミスをしてはいけないという思いにもなってきた。そこで勢いを失っている部分もあるので、最終戦は思い切ってチャレンジさせたいです。広島は幅も使うし、個人として能力が高い選手もいます。組織もしっかりしていますが、ウチもチームとしてやるべきことをやれば十分に戦えます。シーズンのポイント、ポイントでやられた相手なので、最後は勝って終わりたいです」
 
Q:今シーズン、アウェイも含めて応援して下さったサポーターの皆さんにメッセージをお願いします。
「ホーム、アウェイに関わらず、たくさんの方にスタジアムまで足を運んで下さって、感謝しています。サポーターの声援が、選手たちの苦しい時の1歩を支えてくれています。そうしたサポーターの皆さんに勝利を届ける機会は、今シーズンはあと1回しかないので、しっかり勝利を届けたいです。最終節を含め、来シーズンも温かい声援を頂けると有難いです」

脇阪 麗奈選手


Q:セレッソ大阪ヤンマーレディースとしてのWEリーグ1年目も最終節になりました。今シーズンを振り返って
「苦しいことの方が多かったですが、その中で成長できた部分も確実に見えました。自分自身、少なからず責任もあったのですが、慣れていく内に、プレーで表せるようになってきたので、自分も成長できたと思います」
 
Q:セレッソに復帰されて、チームを引っ張る立場になりました。そうした経験が、自分自身を大きくしてくれた?
「そうですね。途中は結構しんどい時期もあったのですが、考え過ぎても仕方ないと思い、とにかくピッチで思い切ってプレーすればみんなも付いてきてくれると思い、ピッチで表現することを考えて、最後の方は出せるようになってきたと思います」
 
Q:自身のプレー面として、今季を振り返ると?
「今シーズンは自己最多得点、アシストもできましたし、シーズンを通して全試合フル出場を目指していた中で、それも叶うところまで来ています。1シーズン目、2シーズン目は少し出られない試合もあったのですが、今季はコンディション的にもプロとして1年間、しっかり戦えたと思います」
 
Q:ケガのリスクや警告累積などもある中で、中盤で全試合フル出場は素晴らしい記録だと思います。そうした記録があと1試合で達成できるところまで来た要因を、自身ではどう考えますか?
「今までのシーズンより筋トレを増やしてケガの予防をしたり、食事もバランスを考えて食べるようにしたり、オフの過ごし方を探り探りですけど変えながら、タフに戦えました。昨年は第19回アジア競技大会にも出場して、他の選手より試合数は多かったですが、最後まで走り続けることができて良かったと思います」
 
Q:ホーム最終戦となった前節は、途中出場の古澤留衣選手にキャプテンマークを巻く場面もありました。
「留衣さんはチームの雰囲気を良くしてくれるムードメーカーでした。サッカーの面やピッチでは自分がキャプテンをやっていましたが、オフ(ザ・ピッチ)の面では、確実に留衣さんがチームを支えてくれました。そうした感謝の思いも込めて、自分も咄嗟に渡さないといけないと思い、託しました。そこで最後、勝てれば良かったですが、勝てないことが私たちの甘さだと思うので、そこはしっかり見つめ直して最終節に臨みたいです」
 
Q:今季、広島には3度の敗戦を喫して悔しい思いをしています。試合に臨む思いは?
「個人的にも、WEリーグの3シーズンで、勝ったことがない相手です。ノジマ時代もINAC時代も勝ったことがないので、個人的にも勝ちたい相手です。今季も3回やって負けていますが、勝てない相手ではないと思っています。自分たちの時間帯もあります。1年間を通して相手も成長していると思いますが、自分たちも成長していると思うので、必ず勝ちたいです。あと、(同期の)ソンア(李誠雅)には点を取られたくないです(笑)」
 
Q:李誠雅選手との対戦は楽しみな部分もありますか?
「そうですね。大学時代はケガもして苦しい思いをしたと思いますが、WEリーグに入って活躍しているのは、ソンアの努力。ただ、負けるわけにはいかないですし、私も成長している姿を同期として見せたいです」

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