11/16 AC長野戦 Match Preview
- 11/16 AC長野戦
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ホームにAC長野パルセイロ・レディースを迎える今節。今季初の連勝で勢いを加速させたい
矢形海優の今シーズン2度目のハットトリックもあり、3-1で勝利したマイナビ仙台レディース戦から中6日。セレッソ大阪ヤンマーレディースは、ホームに戻り、連勝を目指してAC長野パルセイロ・レディースとの2024-25SOMPO WEリーグ第9節に挑む。
マイ仙台戦は、INAC神戸レオネッサとのカップ戦から中2日のアウェイという厳しい日程での一戦となったが、選手たちはそうしたハンディを感じさせない戦いぶりを披露。開始4分、脇阪麗奈のパスから背後を取った矢形が仕留めて先制に成功すると、35分にはセットプレーから再び矢形が決めて2点目。後半は相手の選手交代もあり、押し返される時間帯こそあったが、クロスバーにも救われながら無失点でしのぐと、86分に矢形が試合を決定付ける3点目。自身2度目となる古巣のホーム凱旋で大きな仕事をやってのけた。今季で4シーズン目を迎えるWEリーグだが、1シーズンの中で2度のハットトリックを達成した選手は今回の矢形が初めて。今節に向けた練習後、その事実を耳にした背番号11は、「嬉しいですね(笑)」と頬を緩めつつ、「まだまだシーズンは続きますし、まずは目標にしてきた二桁得点をホームで達成したい」と決意。「簡単に取れるモノではないですが」と前置きした上で、あと1点に迫った“大台”を「ヨドコウ桜スタジアムで達成したい」と誓った。そうした頼もしきストライカーについて鳥居塚伸人監督は、「点を取れるポイントを知っている選手」と評しつつ、「そこに入って行く回数をチームとしてもっと増やすことができれば、さらに矢形の得点も伸びると思いますし、他の選手が取るチャンスも増えていくと思います」と語り、チーム全体としてさらに質の高い攻撃の回数を増やしていく重要性を述べた。今節の対戦相手、AC長野は前節のノジマステラ神奈川相模原戦では、優勢に試合を進めて2度リードする展開に持ち込みながら、その都度、追いつかれ、最後は逆転負けを喫している。3失点の内訳を見ると、2つがPKであり、今節に向けて守備の徹底を図ってくることは間違いない。そうした相手からでも狙いを持った攻撃でゴールを奪うことで、チームとしてさらに自信を深めていきたい。
守備の部分では、DFラインを中心に高さのあるAC長野に対し、セットプレーも含めたクロス対応はポイントの一つ。もちろん今節に限った話ではないが、両サイドバックにも大柄な選手を擁するAC長野に対し、逆サイドの選手もしっかり絞って跳ね返す対応が求められる。また、突破力に秀でた川船暁海、パスとシュートの精度が高い伊藤めぐみ、ゴールに向かうプレーに特長がある髙橋雛と、AC長野の2列目はそれぞれ武器を持った選手たちが揃っており、そうした相手の良さを出させないことも重要。「ピンチに至らないよう、管理の部分でもしっかり防ぎたい」と白垣うのも話すように、自陣に入られる回数自体を減らすことで、失点の可能性を遠ざけたい。「無失点で終われている試合が少ないので、もっとひとつの失点に対するこだわりを強く持たないといけない」とGK山下莉奈は現状に言及する。安定した結果を残して、シーズンを通して上位に食い込んでいくために、クリーンシートで終わる試合を1試合でも増やし、より盤石な戦いを目指していきたい。
今節はセレッソ大阪ヤンマーレディースのゴールドパートナーでもある学校法人大阪学芸による“大阪学芸サポーティングマッチ”として開催される。現在のチームにも同校出身の選手は多く、「校長先生は自分が入学した時からずっといるので、『卒業してから、ここまで成長しましたよ』という姿をぜひ見てもらいたいです」と矢形。今年3月に卒業したばかりの白垣は、「(在学中は)1日1日が楽しかった(笑)」と振り返り、「昨年も大阪学芸サポーティングマッチがAC長野戦だったんですけど、最後に失点して負けたことが悔しかったので、今節は最後まで気を引き締めて、絶対に勝ちたい」と闘志を燃やしている。試合前には吹奏楽部による演奏も披露されるなど、スタジアム内外で大阪学芸の生徒たちが盛り上げてくれる今節。ピンクに染まったヨドコウ桜スタジアムで選手たちが躍動し、集まった多くのサポーターとともに勝利の喜びを分かち合いたい。
試合前日コメント
鳥居塚 伸人監督
Q:前節のWEリーグ第8節・マイナビ仙台レディース戦を振り返って。
「カップ戦から中2日というタフなゲームでしたが、選手たちが一生懸命戦ってくれて、勝点3が取れたことは大きかったと思います。ただ、クオリティーの部分を考えると、仙台さんのミスに助けられた部分もあったのかなと思うので、守ることもきっちりしないといけないですし、攻撃でも矢形が3点を取ってくれましたが、それ以外でも崩せるチャンスはあったと思う。上位陣と対戦した時に、あの内容で勝てるかと言えば、まだまだ課題は多いゲームだったとも思います。ただ、昨シーズンに比べると、そういう試合でも勝点3を取って来れたことは成長した部分だと感じています」
Q:矢形選手について。WEリーグで1シーズンの中で2度のハットトリックを達成した選手は初になります。
「昨シーズン、得点のところで自分自身、もっと取れたという思いがあったでしょうし、チームとしても、ストライカーとして二桁は取って欲しい思いがありました。その中で迎えた今シーズンは順調に取ってくれています。その中でも、点を取るだけではなく、作りのクオリティーでも、まだまだ成長できると思います。そこはさらに成長してもらって、点を取れるポイントを知っている選手なので、そこに入って行く回数をチームとしてもっと増やすことができれば、さらに矢形の得点も伸びると思います。全員がチームとしてやるべきことを徹底して、それがつながっていけば、矢形だけではなく、他の選手が取るチャンスも増えていくと思います」
Q:今節のAC長野パルセイロ・レディース戦へ向けて。
「WEの中でも強度が高く、パワーもあるチーム。予測しないミドルシュートもありますし、セットプレーも含め、気を付けないといけない部分が数多くあるチームです。昨シーズンのホームでは、後半アディショナルタイムの失点で敗れました。90分の戦いの中で、終了するまで気の抜けない相手だと思っています。今、我々はビルドアップも含めてある程度、安定してきていますが、自分たちのペースに甘えず、90分を締めたゲームをしないと、結果は付いてきません。カップ戦のINAC(神戸レオネッサ)戦を含めていい流れにありますが、これを自信とするのか、過信になるのか。そこがウチの課題なので、締めて入っていかないといけない。そこはしっかり伝えて試合に臨みたいと思います」
Q:高さのある相手に対し、昨シーズンから課題に挙げていたクロス対応もポイントの一つになりそうだが?
「(クロス対応は)トレーニングの中から修正しながら意識はさせていますが、サッカーをやっている以上、永遠の課題ではあるので。ただ、抑える回数を上げていくことはできます。個人、個人がレベルアップすることで、チームの失点も減っていきます。まずはしっかりとポジションを取って、相手をどこに置くのか、どういう準備をするのか。もう一度、おさらいして。頭では分かっていると思いますが、頭で分かっていることと、ピッチで表現することのギャップはまだまだあります。『大丈夫だろう』とポジショニングを疎かにするのではなく、細かい部分を徹底すること。セットプレーも含めてクロス対応は今節もカギになると思うので、徹底して臨みたいです」
山下 莉奈選手
Q:ここまでのシーズンをどう振り返りますか?
「まだ無失点で終われている試合が少ないので、もっとひとつの失点に対するこだわりを強く持たないといけないと思っています。前節にしても、最後に失点したので、そういう失点を減らしていかないと、シーズン全体としても失点が増えてしまう。気持ち良く勝てるようにしたいです。(個人としても)最初の方は良かったですが、最近は失点も増えてきて、チームに貢献できていないと思っているので、そこはもっとやらないといけないと思っています」
Q:今節のAC長野パルセイロ・レディース戦へ向けて、抱負をお願いします。
「昨年のホームでは悔しい思いをしましたが、そこはもう、全員分かっていると思うので、今年は最後の笛が鳴るまで集中して、より一層、気持ちを出して、失点ゼロで勝ちたいです。(クロスに関しては)上げさせないことを意識して、上がったとしても、自分が出るのかDFが出るのかの判断をしっかりしたいです。ボールを弾いた後の処理もしっかりしたいです」