11/23 EL埼玉戦 Match Preview
- 11/23 EL埼玉戦
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今シーズン、カップ戦で1分1敗のちふれASエルフェン埼玉戦。今節リーグ戦で借りを返す
田中智子の今シーズン初ゴールで先制するも、1-3で逆転負けを喫した前節のAC長野パルセイロ・レディース戦から中6日。セレッソ大阪ヤンマーレディースは、敵地に乗り込み、ちふれASエルフェン埼玉との2024-25 SOMPO WEリーグ第10節に挑む。再び上位に食い込んでいくためにも、今節は勝点3に強くこだわった戦いを見せたい。
EL埼玉とは今シーズンすでにカップ戦で2試合戦った。ただし、ホームで敗れると、アウェイでの一戦は、前半に高和芹夏のゴールで先制し、後半も良い形で試合を進めながら、後半アディショナルタイム、ラストプレーのCKからセカンドボールを叩き込まれ、土壇場で同点に追い付かれた。それだけにリーグ戦では勝利を収めたい思いは強い。EL埼玉の強みはハッキリしている。粘り強い守備と、鋭いカウンターだ。三菱重工浦和レッズレディースがAFC Women's Champions League 2024/25に出場している関係で20日に行われた浦和とのリーグ第4節でも、相手の再三の攻撃を1点でしのぐと、後半アディショナルタイム、C大阪もやられた瀬戸口梢のミドルシュートで同点に追い付き、昨シーズンの王者から勝点1をもぎ取った。攻守に自分たちの形を持っている厄介な相手だが、C大阪としてもやるべきことはハッキリしている。攻撃面では、「ゴール前は人数をかけて守ってくる相手に対し、どこが空いているのか、それをしっかり見て、見えたところでクオリティーを発揮してゴールを決めることがポイント」と鳥居塚伸人監督。前節はボランチで先発した荻久保優里がボール保持の際はアンカーに入り、脇阪麗奈が1つ高い位置に入るシーンも見られた。「個人的にコンディションはいい。パフォーマンスも順調に出せていると思いますが、ゴールがまだ取れていないので、取りたい」と話す脇阪の今季リーグ初ゴールにも期待したい。安定してボールを運ぶビルドアップに取り組んでいる今季だが、状況に応じて「シンプルに背後を狙う」(脇阪)意識も持っている。足元と裏を使い分け、EL埼玉の守備をこじ開けたい。守備面では、背後への抜け出しに優れた10番の吉田莉胡に加え、カップ戦では3番の松久保明梨にもクロスからゴールを脅かされた。前線に入る2人の動き出しをしっかり監視することがまずは重要になる。相手のロングフィードやクロスに対し、セカンドボールの争いで負けないこともテーマ。「ちふれは自分たちが攻めていても1本で決めてくる強さがある。失点ゼロで終われるように、最後まで集中して守りたい」と若きDFリーダー米田博美も決意を込める。
今シーズンここまでリーグ戦は3勝2分3敗と五分の成績を残しているC大阪。3勝はいずれも2点差以上を付けて快勝を収めている一方、3敗は逆に2点差以上を付けられる大敗を喫している。敗れた3試合も内容を見ればスコアほどの差はなく、主導権を握る時間も長い。ただし、スローインの対応を含めたセットプレー、リスタートの守備はまだまだ課題も残り、「個人戦術の部分での準備の速さ、ポジショニングは、個人、個人が覚えていかないと、チームとしても勝点は重ねていけない」と指揮官も指摘するように、ワンプレーでの競り負け、一瞬の判断で後手を踏む場面が失点につながっている。キャプテンの脇阪は今シーズンの戦いについて、「先制点も取れているし、前半は良い試合も多いですが、得点後に失点したり、最後に取られたり、後半や試合の締め方は昨シーズンに続いて課題。まだまだチームとして波もある。自分も含めて、もっと締めるところで締めていかないといけない」と引き締める。一言で言えば、“試合運びの向上”に尽きるのだが、試合の中で綻びを見せないためにも、「球際の戦い、1対1で負けないことを一つのテーマとして、今節に臨みたい」と鳥居塚監督は話す。
今シーズンの前半戦も残り3試合。現在、中位に位置しているC大阪としては、ここから上位に食い込んでいけるか、下位に沈んでいくか、今節はその分岐点にもなる一戦だ。チーム全体で力を合わせて戦い、“3度目の正直”でEL埼玉からの勝利を目指す。
試合前日コメント
鳥居塚 伸人監督
Q:カップ戦では2度、悔しい思いをしました。リーグ戦では勝ちたい思いも強い今節のちふれASエルフェン埼玉戦へ向けて
「(EL埼玉は)チームとして、選手たちがやるべきことを徹底してきます。どうやったら自分たちが勝点を取れるのか、それを理解しながらハードワークしてきます。相手にボールを握られても苦とは思わず、最後に仕留めることにしっかりパワーを注げるチーム。(劣勢でも)1発を持っているチームなので、自分たちとしては、90分、気の抜けない戦いになります。そこをどれだけしのげるか。全体的に見ればボールを握る時間は増えると思いますが、そういうところからイージーなロストはしないように。あとは、アタッキングゾーンでいかに点を取ることができるかの勝負になります。4バックでも3バック(5バック)でも、最後のゴール前は人数をかけて守ってくる相手に対し、どこが空いているのか、それをしっかり見て、見えたところでクオリティーを発揮してゴールを決めることがポイントになります」
Q:ラストプレーで追い付かれたカップ戦の反省を踏まえると、先制し、2点目を取ることが大事になる?
「そうですね。時間帯によってどう試合を進めるか、ということはありますが、1点だけでは何が起こるか分からない。2点目をしっかり取ることはポイントになります。リードできた時は、相手はゴールを取りにくるので、そういう時に自分たちはどうボールを動かしたら相手は嫌なのか。それを考えながら運ぶことも大事になります。あと、課題としてはセットプレー。そこからの失点も増えています。もう一回、整理して、ゴールを守るところから始めて、そこからボールを奪えるのか、奪えないのか、ジャッジすることが必要です」
Q:今節のテーマについて
「個人戦術の部分での準備の速さ、ポジショニングは、個人、個人が覚えていかないと、チームとしても勝点は重ねていけません。どの選手が出てもやることは一緒ですが、その中で、個人戦術としてどういう準備をしないといけないのか。それを徹底することが勝点にもつながっていきます。球際の戦い、1対1で負けないことを一つのテーマとして、今節に臨みたいと思います」
善積 わらい選手
Q:今節のEL埼玉戦へ向けて、意気込みをお願いします
「勝ち切れない試合も続いていますが、今節こそ勝ち切りたい。チームとしても、勝つことで成長する部分があります。負けや引き分けから学ぶこともありますが、やっぱり勝たないと意味がない。特にEL埼玉とは、前回は後半アディショナルタイムに失点して引き分けで終わっているので、とにかく今回は勝ち切って、勝点3を取りたいです」
Q:個人として、今節に臨む思いについて
「ピッチに立てば、WEリーグ初出場になるので緊張もありますが、何としても結果を残したいです。引退を発表してから最初の試合になり、自分としても色んな思いがあるので、その思いも込めて戦います」