12/11 浦和戦　Match Preview

リーグ戦、折り返しの一戦。INAC神戸レオネッサに続き、連覇中の女王・三菱重工浦和レッズレディースからもWE参入後初勝利を目指す
 
INAC神戸レオネッサとの2024-25 ＳＯＭＰＯ WEリーグ第11節から中9日。セレッソ大阪ヤンマーレディースは、三菱重工浦和レッズレディースがAFC Women's Champions League 2024/25に出場した関係で延期されていた第5節に挑む。WE参入後、初めてI神戸に勝利した「バトルオブカンサイ」に続き、今節もリーグ連覇中の女王から大きな一勝を目指す。
 
I神戸戦は、ピッチに立つ選手全員の魂がプレーに宿り、会心のゲームを演じた。先制されてもすぐに反発力を示し、逆転に成功した攻撃。守備でも後半は多くの時間帯を自陣で過ごした中、集中力を切らさずリードを守り抜いた。課題のクロス対応でも、1度クロスバーにも救われるシーンもあったが、競り合いの中でしっかり体を当てて失点は阻止。「今まで勝点を取れなかった相手に対し、カップ戦で1を取って、今度はリーグ戦で3を取れた。確実に成長はしている」と鳥居塚伸人監督も手応えを述べた。一方でスローインの流れから喫した失点は、今季何度も痛い目に遭っている形であり、改善が必要。押し込まれた後半も、「あの（劣勢の）中からまた自分たちのリズムに持っていける技術と判断は課題も残った」と鳥居塚監督。ここからさらに上位に食い込んでいくために、より高いレベルに目を向けて、一歩ずつ精進していきたい。
 
浦和とは、昨シーズンは公式戦で3度対戦。カップ戦こそ0-0の引き分けで勝点1をもぎ取ったが、リーグ戦ではホームで0-4、アウェイで0-2と連敗。特にホームでの一戦は、WE参入後、最も完敗と言える敗戦となり、「このリーグの厳しさを改めて痛感した。チャンピオンになるために必要なことを再認識させられた」（鳥居塚監督）と、WEリーグでトップを取る“基準”を知った一戦ともなった。ただし、そこから約2ヶ月後に行われたアウェイでの一戦は、スコアこそ2点差での敗戦だったが、チャンスの数では上回るなど、勝利を手繰り寄せるチャンスも十分にある善戦を演じた。もっとも、この試合でも得点はゼロ。浦和との公式戦3試合で、C大阪はまだネットを揺らせていない。さらに今シーズンの浦和はリーグ戦ここまでわずか4失点。堅守を誇る相手からどう得点を奪うか。それが今節、最初のポイントとなる。I神戸戦では、今シーズンここまで前半は無失点だった相手から2得点を奪った。「今季は自分たちも攻撃の形をしっかり作れている」とキャプテンの脇阪麗奈も話すように、今季ここまでの17点は、日テレ・東京ベレーザ、I神戸に次いで3番目に多い数字。前節、自身初の二桁得点に乗せた矢形海優は、「（浦和の）後ろは大きくて強い選手も多いけど、味方と上手く連係して、相手を揺さぶりながらゴールに向かいたい」と意気込む。守備では、I神戸戦と同様、チーム全体で粘り強く守ることが求められる。ボールを握られる時間が増えたとしても、「全員で声をかけ合って」（脇阪）チャレンジ＆カバーを徹底したい。浦和の得点源は、今シーズンはFWでプレーしている髙橋はな。マッチアップが予想される浅山茉緩は、「浦和は個の力がある選手が多いが、自分のストロングも個の強さ。目の前の相手に負けないように、自由にプレーさせないことを意識したい」と決意を込めた。高橋にボールが入った後の争いで負けないこともポイントであり、塩越柚歩ら浦和の2列目の選手に仕事をさせないことも重要だ。
 
リーグ前半戦が終了する今節。勝てば今季の目標である「5位以上」を達成してシーズンを折り返すことができる。ちふれASエルフェン埼玉、AC長野パルセイロ・レディースに連敗し、やや下降線を辿っていた中で、前節は無敗のI神戸に土をつける大きな勝利を手にした。今節、浦和からもWE参入後初勝利を掴んで連勝を果たせば、得る自信は大きい。2年目の今シーズン。積み上げの成果は確実に内容にも表れている。連覇中の浦和にも臆することなく立ち向かい、勝点3を目指す。

試合前日コメント

鳥居塚 伸人監督

Q：シーズンの折り返しの一戦となる今節・三菱重工浦和レッズレディース戦について
「前期の最後、シーズンの折り返しですが、勝てば順位も上がります。目標にしているところ（5位）まで行くので、大きな一戦と捉えています」
 
Q：前節はINAC神戸レオネッサにWE参入後、初勝利。現状のチームについて
「今まで勝点を取れなかった相手に対して、カップ戦で1を取って、今度はリーグ戦で3を取れました。確実に成長はしています。ただ、ここで満足することなく、上を目指して努力し続けていきたいです。個人個人の判断力、WEリーグの強度に付いていくことはまだまだ課題ですが、昨シーズンに比べると、選手がやろうとしているプレーの質、チームとしてのやりたいことは、少しずつ出せています。選手がしっかり判断してサッカーができるように少しずつなっています。個人の判断とチームとしてやろうとしていることが融合していけば、さらに良くなっていくと思います」
 
Q：リーグ連覇中の相手ですが、勝つために必要なことは？
「自分たちがやってきたことを100％出せば、勝つチャンスはあります。自信を持てずに恐怖に変わってしまえば、圧倒されるゲームになるのかなと思います。昨シーズンのチャンピオン相手にどう勝点を取るか。必死になって取り組めば、勝てる可能性はゼロではないと思っています」
 
Q：実際、昨シーズンは、ホームでは0-4で圧倒されて敗れましたが、アウェイでは0-2でとは言え善戦しました。試合に挑む心の持ちようも大事になる？
「アウェイでの一戦は、勝負どころで経験が足りなかったことが見えたゲームでしたが、自分たちがやれることをやれば、浦和相手でも（ボールを）握れる時間が出てくることも実感しました。プレッシャーがかかっていると感じて動かすのか、相手を操っていると思って動かすのか。その心の持ち方一つで、体力の持ち方、余裕、クオリティー、全てが変わっていきます。自分たちの力を出すために、メンタル的にどういう思いで臨めるか。ミスは当たり前。『ミスしてしまった』と思うのか、『ミスしたら取り返そう』という気持ちでやれるのか。正直、個人、個人の判断力や、チームとしての力の差はあると思います。ただ、INAC相手にできたことは浦和にもできる。相手がどこでもできる、という形に持っていけたらいい。選手にはチャレンジしてもらいたいですし、チャレンジした上で1試合1試合、成長していけたらと思います」

北原 朱夏選手

Q：今節・三菱重工浦和レッズレディース戦への意気込み
「昨シーズン出場した浦和戦は、課題が多く、自分としてもいいプレーができなかったので、今回はいいプレーをしっかり出して、ゴールも狙っていきます」
 
Q：前節のINAC神戸レオネッサ戦では後半から2トップの一角でプレーしました。FWについて
「最近はサイドバックやサイドハーフをやることが多いですが、小学校のころから高校の途中まではずっとFWをやっていたので、楽しみな部分が大きいです。FWで出場すれば、暴れたいですし、ゴールも取りたいです」