3/15 S広島R戦 Match Preview
- 3/15 S広島R戦
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WE参入後、初勝利を目指して挑むサンフレッチェ広島レジーナ戦。グループで、個々のバトルで負けないことが重要
スコアレスドローに終わった前節のジェフ千葉レディース戦から中6日。セレッソ大阪ヤンマーレディースは、今節もアウェイに乗り込み、サンフレッチェ広島レジーナとの2024-25SOMPO WEリーグ第14節に挑む。
先制しながら逆転負けを喫した前々節のアルビレックス新潟レディース戦を経て、リーグ再開後の初勝利を目指して臨んだ前節の千葉L戦は、前半から一進一退の攻防を展開。ピンチを迎えた場面もあったが、チーム一丸で守って失点は阻止すると、攻撃では、新戦力・田子夏海のポストプレーから矢形海優がシュートを放つなど、新生2トップがチャンスを生み出す。後半は立て続けに決定機も作った中で、高和芹夏のシュートがクロスバーに弾かれるなどネットを揺らせずにいると、後半アディショナルタイムには反対にクロスバー直撃のシュートを浴びてヒヤリとするシーンも。結局、スコアは動かず0-0で終了。敵地で勝点1を獲得した。試合について鳥居塚伸人監督は、「ゴール前で体を張って、失点ゼロで抑えたことは成果」と振り返る。その無失点に貢献した選手の一人が、後半開始から米田博美に代わってCBの一角に入った吉田琉衣。WE参入初年度から出場を重ねていた白垣うの、中谷莉奈といった同期に対し、自身はWEの舞台で本職のCBでプレーしたのはこの試合が初めて。「むっちゃ緊張しました(笑)」と率直な感想を漏らしつつ、「試合に出れた嬉しさ」も味わい、「武器の高さは通用したと思います。駆け引きはもっと高めていく必要があると感じました」と公式戦で戦うことで分かる収穫と課題を得た。そうした選手一人一人の底上げもチーム力につなげていきたい。
新潟L戦から半歩、前進して迎える今節の相手はS広島R。前期の対戦では矢形のゴールで先制するも、前半終了間際にPKで追いつかれると、後半に3失点。結果的に1-4の大敗を喫した。ただし、「試合内容で言えば、昨シーズン(の対戦時)よりできている部分は結構ありました」とキャプテンの脇阪麗奈も試合後に述べていたように、昨シーズン、S広島Rに公式戦で喫した4敗とは中身の異なる試合を演じたことも確か。「昨シーズンの広島戦は守備の時間も長かったですが、前回の試合は攻撃の時間も増えて、いい時間帯も多かったです」と百濃実結香も振り返る。その前回対戦時、百濃は後半、同点の状況で迎えた決定機をモノにできず、試合後は誰よりも悔しさを噛みしめていただけに、今節は「点を取ります!」と、“打倒・広島”に向けてチームを引っ張る覚悟だ。やや不運なジャッジではあったが、前回の対戦時はPKを与えてしまった高和も雪辱を期す一人。「前回は自分たちの時間帯もあって、先制もできました。ただ、最後に崩れてしまったので、今回は90分を通して失点せずに得点を取って、どんな内容でもいいから勝ちたい」と勝利を渇望する思いを吐露した。
運動量と戦術眼を併せ持つ中盤、大半の時間を抑えても、一瞬の隙を与えれば決定的な仕事をしてくるサイドプレーヤー、決定力が高いFWに強固なCBと、過去5度の対戦でS広島Rの強みは嫌というほど思い知らされている。それでも、「サイドのカバーをしながら、中は絶対にやらせないようにしたい」(脇阪)、「サイドでの1対1で負けないこと。サイドバックの選手とも協力して攻守で上回りたい」(高和)、「広島はロングフィードの質も高い。それを収めて中央からもサイドからも突破してくる質の高い選手はたくさんいるので、1対1で負けないこと、味方と連係しながら攻守において、全員で守ってゴールを奪いたい」(荻久保優里)と選手たちの今節に懸ける意気込みは強い。試合を2日後に控えた紅白戦では田子が強烈なミドルシュートを叩き込めば、矢形もゴールを決めるなど、2トップが揃い踏み。リーグで2番目に少ない失点数を誇る相手の堅守をこじ開けるべく準備を重ねている。「選手たちも『絶対、勝ちたい』気持ちになっているでしょうし、ここで広島を叩くことで、上との差も縮まります。リーグ戦の今後を考えても大事な試合」と指揮官も必勝を誓う。昨シーズンから続く“6度目の正直”を果たし、敵地で大きな1勝を掴み取りたい。
試合前日コメント
鳥居塚 伸人監督
Q:前節のジェフ千葉レディース戦を振り返って
「ゴール前で体を張って、失点ゼロで抑えたことは成果ですが、そこからもう一つ上に行くためには、シュートを打たせない守備をしないといけません。最終的にはゴール前の勝負になりますが、その前の段階の守備を突き詰めていくことが大事になります。攻撃のところでは、もっと幅を使って、相手がどう来ているかによって、攻め方を変えていけるようになることが重要です。広島も色んな形で可変してくるので、それを選手たちがしっかりと見て、相手の形に合わせた攻め方をジャッジできれば、勝点3にも近づくのかなと思います」
Q:今節のサンフレッチェ広島レジーナ戦へ向けて
「昨シーズン、カップ戦の悔しい負けから始まって、そこからまだ一度も勝てていません。選手たちも『絶対、勝ちたい』気持ちになっているでしょうし、ここで広島を叩くことで、上との差も縮まります。リーグ戦の今後を考えても大事な試合になるので、いい準備をして戦います」
宮本 光梨選手
Q:リーグ再開後の2試合を振り返って
「アディショナルタイムも含めた終わり方で、(前々節の)新潟戦は失点をして、(前節の)千葉戦も失点してもおかしくない場面がありました。昨シーズンから意識していることですが、終わり方はより引き締めていかないといけないと思います」
Q:新しい戦力も加わった中で、上積みを感じる部分は?
「特になっちゃん(田子夏海)はこのチームにいなかったタイプの選手。体も強いし、前で収めてくれるので、うまくなっちゃんのいいところを引き出しながら、ゴールにつなげていきたいです。チーム全体としてシュート数も増やしていきたいです」
Q:今節のサンフレッチェ広島レジーナ戦へ向けて
「真ん中は人数が多くて、サイドは速い。抑えるポイントが多いチームですが、しっかり抑えていきたいです。昨シーズンからまだ勝ててないので、チーム全体で勝利に向かって戦います」