3/22 EL埼玉戦 Match Preview
- 3/22 EL埼玉戦
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リーグ再開後、初勝利を目指して挑むちふれASエルフェン埼玉戦。粘り強い守備の継続とゴールに向かう回数を増やしたい
WE参入後、サンフレッチェ広島レジーナから初めて勝点を獲得した前節から中6日。セレッソ大阪ヤンマーレディースは、3試合ぶりにホームに戻り、ちふれASエルフェン埼玉を迎えて2024-25SOMPO WEリーグ第15節に挑む。
“打倒・広島”を果たすべく強い気持ちで臨んだ前節は、前半は相手の攻撃を受ける時間も長かったが、ピンチの場面では体を張ってしのぎ、0-0で折り返すと、後半5分、期待の新戦力・田子夏海がWE初ゴール。最終ラインの米田博美を起点に脇阪麗奈、百濃実結香とつなぎ、相手の守備ラインを崩すと、最後は百濃のパスを受けた高和芹夏のシュートが相手DFに当たってこぼれたところを田子が押し込んだ。「ボールが来るとは思っていなかったけど、冷静に決められたので良かった」と率直な感想を漏らした背番号28。WEデビューとなった第12節・アルビレックス新潟レディース戦、第13節・ジェフ千葉レディース戦と、前線で収まるポストプレー、背後に抜け出すスピードなど持ち味は発揮していたが、3試合目という早い段階でゴールを奪えたことは、「本人もホッとしていると思います」と鳥居塚伸人監督も心中を思いやる。そうした攻撃陣に明るい材料があった一戦だが、S広島Rから勝点1を獲得した最大の要因は、粘り強く体を寄せた守備にある。後半、同点に追い付かれた直後、再び上野真実に決定機を許した場面で体を投げ出してブロックした中西ふうのプレーはその象徴だ。「今まで勝点を取れていなかった相手から取れたことは自信になります。でもこの自信を浮ついた気持ちにせず、次に勝利するために頑張っていきたい」と中西。直近2試合は粘り強く守れている一方、相手のプレスに対し、ボールを前に運ぶことに苦労している。勝点『1』を『3』にするために、「奪ったボールをしっかりつないで攻撃の回数を増やすこと」(中西)はチーム全員で取り組んでいきたい。また、下からつなぐとともに、2トップを裏に走らせるパスも含め、一気にゴールに迫れるシーンでは積極的に背後も狙っていきたい。
リーグ再開後、初勝利を目指して挑む今節。相手のEL埼玉は、昨年12月に樋口靖洋監督が就任し、再開後の3試合はこれまでの3バック(5バック)ではなく4バックで臨んでいる。システムだけではなくスタイルにも変化が見られ、堅守速攻から現在はしっかりとボールを握るポゼッションサッカーに移行し、ボールの保持率も上昇中。より主体的なサッカーに変貌しつつある。ただし、C大阪としては、それまでのEL埼玉のスタイルとのかみ合わせは決して良いとは言えなかっただけに、スタイルチェンジがプラスに働く可能性もある。構えず前から来る相手に対し、こちらもしっかり相手を見ながらボールを回し、主導権を握っていきたい。もっとも、システムやスタイルに関わらず、EL埼玉のストロングポイントは吉田莉胡の決定力であり、ミドルシュートが得意な選手も多く、遠めからでも足を振ってくる。セットプレーのセカンドボールも含め、しっかりと間合いを詰めて、簡単にシュートを打たせない守備を心掛けたい。
また、先日、「大学進学のため、3月をもってチームを退団すること」が発表された栗本悠加にとって、今節はホームでプレーするラストの試合。高校卒業後の進路については、「かなり悩みましたが、育成組織登録としてプロの舞台に立ってみて、足りないモノが多かった。大学で一回りも二回りも成長するために決めました」と話す。6年間在籍したセレッソ大阪というクラブについては、「サポーターの皆さんが温かく、どんな時でも応援してくれました。ケガをしてもプレーを諦めなかったのは、セレッソだったから。このクラブだから、乗り越えられました」と目には薄っすら涙も浮かべた。今節はそうしたサポーターに感謝の思いを示す場でもある。ピッチに立つ瞬間が訪れたら、「自分ができるプレーを全力でやります。前線からの守備も含めて走り回って、チームに少しでもプラスになるプレーをしたいです」。勝点で並ぶ相手とのホームゲームであり、栗本の門出を祝うために。粘り強い守備を継続しつつ、攻撃の回数を増やしてゴールを奪い、必ずや勝点3を掴み取りたい。
試合前日コメント
鳥居塚 伸人監督
Q:前節のサンフレッチェ広島レジーナ戦を振り返って
「初めて勝点を取ったことは、選手の頑張りと成長はあったと思います。内容としても、どちらに転ぶか分からない中で、よく体を張ってゴール前を守りました。ただ、こういうゲームでも勝点3を取れるようにしていかないと上位には行けません。課題を克服しながら次節に臨みたいです」
Q:粘り強い守備から勝点1は取った一方、ボールを前に進める部分では課題も?
「守備に関しては、粘り強く継続してやるとともに、『最後を頑張る前に何とかできたよね』というところはさらに見直していきたいです。攻撃では、サイドで起点を作りながら相手の背後を取ること。広島戦に関してはその回数が少なかったと思います。まずそのベースを意識しながら、相手の状況をしっかり見て、背後を突くのか、サイドから攻めるのか、ジャッジしていければと思います。丁寧に下からつなぐことも狙いですが、目的は点を取るため。ダイレクトプレーの選択肢も含めて、確認しながら今週はやっていきたいです」
Q:田子選手にWE初ゴールが生まれたことは、本人にとって肩の荷が降りる部分もあったのでは?
「そうですね。元々、田子のいいところはフィニッシュ。そういう意味では、点は意識していたと思いますし、形はどうあれ一つ取れたことは、本人もホッとしていると思います。また次節以降、期待できると思います」
Q:今節のちふれASエルフェン埼玉戦へ向けて。監督が代わって、システムやチームのスタイル自体も変化しているが、ポイントになることは?
「印象としては、だいぶ変わったと思います。システム的にどういう形で来るか、という部分もありますが、『相手をしっかり見てサッカーをやりましょう』というところがウチの一つの課題なので、(後ろが)4枚であれば、サイドバックを引き出しながら背後を狙う、5枚であれば、CBの3枚をどう攻略するか。『相手を見て戦う』ベースは変わりません。相手がどういうシステムで、どういう陣形なのか。それをしっかり見た中から、背後なのか、足元なのか、選手たちが判断する必要があります。それをチームとして徹底していくことが重要です。ちふれとは勝点で並んでいます。絶対に負けられない相手なので、勝点3を取ることを意識して戦いたいと思います」
丸井優奈選手
Q:WEリーグでプレーした2試合を振り返って
「たくさんのサポーターさんが応援してくれたので、力になりました。その分、緊張もありましたが、ワクワクしながらプレーできました」
Q:出場した2試合、最初の試合はサイドバックとサイドハーフ、前節はFWで出ました。特に前節、FWで出て意識したことは?
「ラスト30分で(スコアが)1対1だったので、前からのプレスを意識するとともに、自分が得点を取ろう、という思いでプレーしました」
Q:ホームに戻って迎える今節のちふれASエルフェン埼玉戦へ向けて
「リーグ再開後はまだ勝利がないので、チームが勝つためにプレーしたいです。自分ができることを100%やって、絶対に勝点3を取りたいです。自分自身、これまで出場した2試合では、仕掛けたり、クロスを上げたり、といった自分の得意なプレーはまだ出せていないので、次の試合では、機会があればどんどん出していきたいです」