ACL
第4節
2014.4.2水
ブリーラム・ユナイテッド(タイ)
ティーラトン・ブンマタン (10')
スチャオ・ヌットヌム (41')
2
AWAY
FULL TIME
2
ブリーラムスタジアム
2-0
0-2
セレッソ大阪
山下 (65')
山下 (88')
ブリーラムスタジアム
NaN人
レポート
監督コメント
試合の入り方、前半の戦い方が、私たちが望んでいたものではなかった。最初の入ったところで、いつもより球際のところも緩くなってしまい、戦う姿勢、気持ちの部分も、相手に上回られた部分があった。やはり、90分間を通して走れるわけだし、後半、現に2点を取り返しているし、90分間、試合終了まで、相手より多く走っているのは、私たちのほう。立ち上がりの20分、30分のところで、足が止まるわけはないし、走れるわけですから、そういった戦う姿勢、気持ちの強さを、もっと前半で見せなければならなかった。ウチの選手の何人かは、サッカーは遊びではなく、プロフェッショナルな戦いなんだということを、もっともっと認識しなければいけないと思う。この2失点に関しては、相手に崩されてどうこうなったというよりも、自分たちのミスから喫してしまった失点だった。前半について、自分たちのよさが出せていなかったが、0-1にされた後、私たちも同点にする、逆転するチャンスはあったと思うが、そこをしっかり活かせなかった。そのなかでカウンターをくらい、そこから失点した展開になった。後半に入り、そこの球際のところや、戦うところを、しっかり修正できたと思う。特に、山下がチームにパワーをもたらしてくれた。非常に魂のこもったプレーを見せてくれたし、彼の持っているものをすべて出し切ってくれたと思う。その結果が、彼の2得点につながったと思う。そういう意味でも、ウチのなかで、メンタルの足りなかった部分、気持ちの足りなかった選手は、ヤマをもっと見習わなければいけない。後半は非常に、いろんな意味で、相手よりも戦う姿勢も出せたし、球際も激しく、運動量も決定機の数も、相手を上回ることができた。前半に比べて、後半は選手たちがよくやってくれたと思うが、最後の精度のところは次への課題となっている。
Q.ハーフタイムにどんな指示を送ったか?
A.聞かないほうがいい。知らないほうがいい。まあ、それは冗談として、「得点を決めて、逆転しよう」という話しをした。それと同時に、冷静に、落ち着いて戦うことと、オフ・ザ・ボールの動きを増やすということ。前半は足を止めて、足下で受ける動きが非常に多かったし、全体的に動きがなかった。そうじゃなくて、動きの出し入れを増やすこと、そこは私がハーフタイムで言ったことだ。相手にそこまで崩された場面もなかったので、落ち着いて守備はやっていこうという話しをした。前半チャンスを作れていたし、その精度を上げること。あとは、前半戦えなかった部分があったので、後半しっかり球際のところで、気持ちで相手を上回ろうという話しもした。
Q.前半、精彩を欠いていた丸橋選手をハーフタイムで下げて、後半最初から安藤選手を投入したが、勇気のいる采配だったのでは?
A.マル(丸橋)は本来のプレーができていなかったので。安藤はポジショニングがいいし、安全なプレーもできる。そこから、しっかりいい守備から、いい攻撃につながると思っていたし、守備を安定させることを第一に考えて、後半、安藤を起用した。もし、前半、5人代えてもいいというルールならば、私は5人代えていたと思う。
選手コメント
■山下達也選手
(2得点がチームを救ったのでは?)でも、2失点がなかったら、もっともっとチームを救えたと思うので。
(前半、後手に回った要因は?)言い訳はしたくないが、暑さとかで、向こうのペースになったし、向こうのサッカーがはっきりしていて、スタジアムの雰囲気も含めて、いろいろ飲まれた部分もあったと思う。(2点リードされて迎えた後半、どんなことを考えていた?)「もう前から行くしかない」という思いで行ったし、みんなも、「暑いけど、やるしかない!」というのは、ロッカールームで話し合っていたこと。引いてもしょうがないので、「2点、3点を取りに行こう」と、みんなで声を掛け合っていた。
(警戒されるなか、ヘッドで2点を決めたが?)そこまでは(警戒されていない)。相手のマークもルーズだったので。Jリーグだったら、もうちょっとタイトに来るかなと。2点とも、結構フリーだったし、周りも(スペースを)開けてくれたというのもあった。
(2-2のあと、相手のカウンターでピンチになりかけたところを、よくカバーしたが、よく走り切れたのでは?)あそこは結構きつかったが、あと1点取られたら、やばい状態だったし、そこは気持ちで行った。
(次の浦項戦に向けて)浦項は、アウェイ戦で前半いい試合もしたし、それをホームでも継続してやれるようにやりたい。ホームらしいサッカーを僕らはしっかりやっていかないといけない。
■安藤 淳選手
いつ出番が来てもいいように準備はしていた。
(セレッソでの公式戦初出場については)そんなに驚きはなかった。
(ケガから復帰し、ようやくセレッソの一員としてピッチに立った感想は?)そこまで正直、考えていなかったが、負けている状況だったので、なんとか追い付きたいという思いでピッチに立っていた。試合が終わっても、そこまで「セレッソの一員になった」というところまではまだないが、やっと公式戦1試合に出られたので、僕にとってはよかった。結果は、勝つことはできなかったが、この勝点1をしっかり次につなげていきたい。
(どういう守備意識で臨んだか?)前には点を取れる選手がいるので、頑張って守れば、絶対にチャンスはあると思っていた。実際、もっと決めることができるチャンスはいっぱいあったので、勝ちに持って行ける試合でもあったし、悔しい思いはあるが。でも、最後のところで山下みたいに、身体を張って守ってくれる選手もいますし、本当にああいうプレーは見習っていきたい。
4月最初の試合で、灼熱の地、タイに乗り込み、ブリーラム・ユナイテッドとのACLグループリーグ第4節に臨んだセレッソ。フォルランはメンバーに帯同しなかったものの、扇原が同第2節の山東魯能戦以来、公式戦5試合ぶりの先発に名を連ねた以外は、4日前のJ1第5節新潟戦と同じスターティングメンバーを揃えた。大阪からブリーラムまでの長距離移動や、蒸し暑さのなか、「戦う気持ちを作っておくこと。そこの部分が一番大切になってくる」と前日会見でもポポヴィッチ監督が気を引き締めていたのだが、いざ、試合では、33℃を記録するピッチ、相手の気迫、ホームサポーターが作り出す雰囲気に圧倒され、「試合の入り方、前半の戦い方が、私たちが望んでいたものではなかった。いつもより球際のところも緩くなってしまい、戦う姿勢、気持ちの部分も、相手に上回られた」(ポポヴィッチ監督)。10分にミスから相手に献上したフリーキックを直接決められ、先手を許すと、41分にもカウンターから失点。前半は決め手にも欠き、2点リードされて折り返す。「前半は本当に自分たちのサッカーができなかった」(杉本)。
それでも、ハーフタイムで指揮官から一喝されたイレブンは「『もう前から行くしかない』という思いで行った」(山下)と、奮起。後半開始からセレッソでの初出場となる安藤を、55分にはミッチ ニコルスを、それぞれ投入し、反撃を開始し始めると、65分、南野のコーナーキックから、山下がヘッドを叩き込み、1点差に詰める。さらに、88分にも、チームを救うヘディングシュートを決めたのは、山下。楠神のドリブルから得たフリーキックで、酒本のボールに頭を合わせると、クロスバーに当たるも、執念が乗り移ったようにゴールイン。土壇場で同点に追い付いた。
結局、そのまま2-2で終了。「失点していなければ、勝てた試合」(扇原)と悔しさは残るも、チームは後半、「チームスピリットを見せて、アウェイゲームでも立て直すことができ、2-2の引き分けにすることができた」(ミッチ ニコルス)。アウェイでの貴重な勝点1を次につなげるべく、グループリーグ残り2試合、そして、すぐに迎えるJ1リーグ戦に、セレッソは全力を尽くす。