ACL
第6節
2014.4.23水
山東魯能(中国)
バグネル・ラブ (19')
1
AWAY
FULL TIME
2
済南奥林匹克体育中心
1-0
0-2
セレッソ大阪
柿谷 (46')
フォルラン (48')
済南奥林匹克体育中心
レポート
監督コメント
【ヴラディッツァ グルイッチ ヘッドコーチ】
皆さんもご覧になって、いろいろな感想を抱いたと思いますが、まず私たちの選手たちが、非常によくやってくれたと思います。このシステムで戦うのは初めてというなか、クオリティの高い、そして、組織的なプレーというのを、90分間通してできましたし、自分自身からはそこまでなかったのですが、試合前に話し合ったこと、確認しあったことを、この試合で選手たちはしっかりやってくれたと思っています。2得点に関しては、流れのなかから、非常にいいコンビネーション、質の高いプレーでゴールを決められたのは、私たちにとっては非常によかったです。
Q.後半すぐ、立て続けに2得点しましたが、ハーフタイムにどのような指示があったのでしょうか?
プレー自体は、私たちがやっていたこと、約束していたものを非常によく守れていたし、そういった意味で、継続して、あせらず、あわてず、落ち着いてプレーすること、そこは話しました。前半内容の部分に関しては私たちがやろうとしていたこと、想定していたことは、できていたので。あとは、1点リードされたので、私たちは最低2点取らなければいけなかったし、そうしないと、私たちはグループリーグ突破ができなかったので、フィニッシュのところの精度、決定力を上げること、ゴール前で落ち着いてプレーすることが必要だという話しを選手たちにして、ピッチに送り出しました。
Q.山東のバグネル ラブ選手をどう抑えようとしていましたか?
サッカーの記事を書いて、そして、それをよりよく送り出す仕事をされている皆さんだと思いますので、私たちがどういう戦術で、あの10番の選手(バグネル ラブ)を抑えたかというのは、この試合を見れば分かると思います。
選手コメント
■柿谷曜一朗選手
柿谷 曜一朗選手
どれだけチームがうまくいっているかとか、いってないかとかじゃなくって結果が大事。今日は決勝に進むことだけ考えてやったので、良かった。でも(キム)ジンヒョンのことが心配だし、あんまり喜べない。(得点は)嬉しいですけれど。
(今日のシステムは柿谷選手、フォルラン選手に攻撃の負担が大きかったのでは?)攻撃が間延びしてしまったところがある。でも(決勝進出を)勝ち取ったのは何より。でも今日の結果に満足せず、すぐに次の試合があるので。
(次のACLの相手は強豪だが)全員がピッチの上で良い状態で試合に向かいたいので、しっかりと準備をすることはもちろんだし、ACLだけではなくリーグ戦待っている。良い結果が出たから次(神戸戦)もがんばります。
■ディエゴ・フォルラン選手
(柿谷)曜一朗のゴールはみんなが連動して、美しいゴールだった。チームにとって重要な同点ゴールだし、みんなが待ち望んでいた(柿谷選手の)ゴールだった。そして彼のプレーは一試合を通して良かったし、最高のフィニッシュだった。
(自身の逆転ゴールは)いい崩しだったと思う。マル(丸橋選手)はよくマイナスのクロスをあげてくれるので、今日もあり得ると思っていたら予想通りに来た。重要な試合で結果が出て、アウェイで勝てた。先制はされたが逆境を乗り越えられた。逆転できたのは全員の力だ。
前半は、相手にはPK以外にチャンスはなかった。私のヘディングやマルの決定的なシュートもあった。FC東京戦(Jリーグ第8節)とは違う内容だったし、やるべきことをやれた。勝たないといけない試合だったし、勝ちきることができた。試合と試合の間隔が短く、休養を取る必要はあるが次(Jリーグ)は首位の神戸と戦うことになるし、しっかりリフレッシュして良い準備をしたい。
■新井場 徹選手
向こうの結果(浦項vsブリーラム戦)次第というのもありましたが、勝たないと(自力で)上に行けない状況だったので、得点を急ぎすぎず、90分のなかでしっかり勝ち切れればと思って、みんなで気持ちを合わせて試合に入りました。
(初めてのシステムで、2、3回しか練習していないなかでこの大事な試合に臨むのは、リスキーなところもあったと思うが、そのなかでの役割とは?)サッカーはシステムとかありますが、今日の試合はシステムとか技術とか、そういうのを越えた、気持ち的な部分とかがありましたし、結局、局面は1対1とかありますが、新しいというか、慣れていないシステムのなかでも、全員で声を掛け合ってやり切れたのは、本当に(価値が)大きいと思います。判定のこととかもあって1点(PKで)先行されましたが、以前は1点取られてバタバタして、やり返しに行ったときに、また1点を取られたというような、悪循環が最近あったので、1点取られても、絶対に90分でやり返せるから、落ち着いて(試合に)入ろうということでやっていました。後半、本当にいい時間帯に、(柿谷)曜一朗とディエゴ(フォルラン)が(ゴールを)取ってくれました。そのあと、ちょっと守りに入るのが早すぎたのですが、どうしても向こうがああやって(パワープレーで)来ると、ああいう(我慢する)展開にならざるを得ない。そこはしっかりみんなで守って、我慢しようと。(キム)ジンヒョンもああなりながら、しっかりやってくれましたし、今日は本当に全員での勝利だと思います。ただ、今日勝ったことでACLに関してはよかったですが、1つ勝ったからといっても、リーグ戦を含めて、今のチームの現状を抜け出せたわけではないので。ただ単に、そのきっかけをつかめたというだけなので。今日のことは今日喜んで終わりにして、明日から、リーグ戦まで時間もありませんし、しっかり次は、リーグ戦でどういうふうに勝点3を取りにいくかを、みんなで話し合っていきたい。早くに、身体もそうですが、気持ちの部分も切り替えられるように、その辺も、しっかり、みんなで声を掛け合ってやっていきたい。
(終盤、相手のロングボール攻撃で、守備がしぼりやすくなったところは?)どうしても、向こうも前に身体の強い選手もいますし、そこやり合うのは分かっていたこと。向こうは、ウチのホームのときには、ロングボールで簡単にゴールすることもありましたし。そのため、今回はみんなで守り、1人が行ったときにはカバーするとか、当たり前のことをもう1回やろうと。最後まで本当に今日はみんなで声を掛け合って集中できていたので。システムとか、技術とか、チームどうこうよりも、それを超越した、気持ちの部分、本当に勝ちたいという部分が、しっかり出せたんじゃないかなと思います。
ACLグループリーグの最終戦、すでに1位通過を決めている浦項スティーラーズに続き、2位でのノックアウトステージ進出を目指したセレッソは、同じ勝点5で並ぶ山東魯能とのアウェイ戦に臨んだ。約1万人と言われる警備体制が敷かれたなかで、会場の済南奥林匹克体育中心のピッチに立った桜色の戦士たち。南野を出場停止で欠き、ポポヴィッチ監督もベンチ入り禁止のなかで、この試合では、中央に染谷が入った3バックの布陣を採用。前回出場停止だったゴイコ カチャルと扇原だけでなく、右サイドには新井場も先発に名を連ね、「組織でしっかり守ること」(山下)に重点を置いた。この直接対決に勝てば無条件で、引き分けでも同日行われた浦項vsブリーラム・ユナイテッドが引き分けの場合は次のラウンドに進めるというなか、試合では、開始から18分という早い時間にPKを献上。これをバグネル ラブに決められ、先手を許してしまう。それでも、「前半のうちにもチャンスはいっぱい作れていたので、1点取り返せば、絶対に逆転できると信じて戦った」(長谷川)。すると、その思いが、後半早々に実る。開始35秒、セレッソらしい、次々と前線に選手が絡んでいく攻撃を見せて、最後は柿谷が左足でゴール。試合を振り出しに戻すと、その2分後にも、山口からのカウンターが発動。丸橋の左クロスを受けたフォルランが冷静に右足でミドルシュートを叩き込み、あっという間に逆転に成功した。その後、反撃に出た相手のパワープレーが続いたが、身体を張ったキム ジンヒョンの好守などもあって、チーム一丸となって我慢強くしのぎ続けたセレッソ。中国アウェイのタフな戦いで2-1と逆転勝利を果たし、ホームで完敗したときのリベンジを達成。自力で、ACLでは2度目となるベスト16進出を果たした。「先制はされたが逆境を乗り越えられた。逆転できたのは全員の力だ」というのは、殊勲のフォルラン。「今日は本当に全員での勝利」と新井場もいうように、チーム一丸となって最後まで戦ったことが、最高の結果になって表れた。これで公式戦では7試合ぶりの白星を得たセレッソ。今後、J1リーグ戦、そして、ACLラウンド16では前回王者の広州恒大との試合が続くなど、厳しい戦いが待っているが、この一戦をきっかけに、上昇気流に乗っていきたいものだ。