天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会
2回戦

2014.7.12

セレッソ大阪

杉本 (33')

南野 (76')

阪本 (97')

阪本 (117')

4

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FULL TIME

2

1-1

1-1

1-0

1-0

ヴィアティン桑名

荒木 (5')

ジブリン (65')

キンチョウスタジアム

レポート

ペッツァイオリ監督になっての初めての公式戦となったセレッソ。天皇杯2回戦では、ヴィアティン桑名との一戦に臨んだが、三重県社会人リーグ所属の相手に、「カテゴリーが下のチームが闘志をむき出しにしてやってくるなか、試合の入りもよくなかったし、最初から受け身で入ってしまった、ありがちな感じだった」(新井場)。ハイボールへのもたつきなどもあって、開始5分で相手に先制点を奪われてしまう。一度は1トップの杉本のゴールで追い付いたが、後半にも、コーナーキックから勝ち越しを許し、ジャイアントキリングが起こりそうな要素も漂ってきてしまう。それでも、流れを変えたのは、指揮官の采配と、若手の躍動だった。失点後、楠神を投入して、南野をトップ下に、山口を攻撃的なポジションからボランチに代えると、76分に南野が扇原とのワンツーからゴール。試合を再び振り出しに戻した。桑名の奮闘もあり、90分で勝負を決めきれなかったものの、後半開始から投入されていたセレッソU-18所属、2種登録されたばかりの阪本が、延長戦では2ゴールと、指揮官の抜擢に応える活躍を見せた。結局、4-2と桑名を振り切ったセレッソ。キンチョウスタジアムでの新体制初陣をなんとか勝利で飾った。「チームがリズムをつかむのに、少し時間が必要」とペッツァイオリ監督もいうように、立て直しは始まったばかり。苦しいなかでも3回戦に勝ち進んだ今回をきっかけに、新生セレッソは歩みを進めていく。

監督コメント

こんにちは。まずは、チームに対して、おめでとうという気持ちを伝えたい。今日は典型的なトーナメント式の試合を見たと思います。相手のチームは情熱的にプレーしてきました。僕らのチームは最後までモラルを見せることができたと思います。今日は流れのなかで多くのゴールチャンスを作ることができました。ただ、相手チームに、個人的なミスから、何度かカウンターのチャンスを与えてしまっていました。準備期間が終わって、今日が最初の公式戦ということで、チームがリズムをつかむのに、少し時間が必要なのではないかという印象を受けました。いいポジションを作って、ポゼッションしながら攻め上がることもできましたし、サイドに展開して、そこからDFとDFの間に何度かいいパスが出て、ゴールチャンスを作ることができました。前半戦、13位で終わって、このチームはまだまだ時間が必要であるという印象を受けていますし、僕らは新しいことを取り組んでいるので。ただ、大事なことは、次の3回戦に進むことができたということで、ファン、サポーターがいつも、声を張り上げて応援してくれたことが、力になったと思いますし、そこにはすごく感謝をしたいと思います。

Q;相手の桑名は、県リーグ1部ということで、だいぶ下のレベルのチームですが、どのような印象を持ちましたか?
A.しっかり組織されて、守備からいいカウンターを展開する相手だなという印象を受けましたし、FWはすごくよく動く選手で、我々を苦しめていました。相手は、Jリーグのチームに対して、失うものは何もないという感じで戦ってきたので、最後まで戦い抜いた相手に対しては拍手を贈りたいと思うし、監督も選手たちも素晴らしい戦いを見せていたように思います。

Q;攻から守に移るとき、あまりプレスをかけなかったようでしたが、過密日程でカップ戦ということで、意識的にそうしたのでしょうか? それとも、意思の統一ができていなかったのでしょうか?
A.Jリーグでも、そんなに多くはないですが、我々も今日は高い位置から奪いに行くことを意識してやっていました。ただ、まだ成長曲線上にあるということで、完璧であるということではなかったですが、それは、昨日、今日でできることではないと思っていますし、私の見解では、1対1の場面で簡単なミスをしてしまった。たとえば、高いロングボールに対して、そのままボールをつけてしまっていたり、すぐにボールに行かなければいけないところを見過ごしてしまったり、1対1で簡単なミスをしてしまったために、大きなピンチを招いてしまったというのが、今日のピンチの原因であるということだと思います。

Q;監督のアクションを見ていると、動いている選手の足下にパスを通したとき、すごく喜んでいたように見えました。それは監督のやろうとしていたことの1つなのでしょうか?
A.そういうシーンというのは、もちろん望んでいましたし、パスのコンビネーションで崩すということは意識してやっていました。ボールを奪ったら、まずは縦を意識したサッカーをするというのが、私の哲学であり、3本、4本横パスを回すというのは、あまり好みません。新しい監督、新しい哲学のもとでサッカーをするというのは、そんなに簡単なことではないので、時間をかけてチームを作り上げていきたいと思いますし、その可能性がこのチームにはあると思います。若くて優秀な選手がたくさんいるので、時間をかけてそういうサッカーをしていきたいと思います。

選手コメント

■杉本健勇選手
サッカーってこういうもんだと思います。難しい試合でしたけど、最後は追いついて延長戦で勝てたのは良かったですが、個人としても、もっともっとコンディションを上げてもっと出来ると思う。今日は全然だめでした。
(途中でシステムを変えたりしていましたが)練習でもやっていた形ですので普通にやれました。あとはチャンスで決めきるところですね。あのような相手は勢いもありますし、気持ちの部分ではしっかり入ろうと思っていましたけど、自分たちが受け身になっていた部分が出てしまった試合だったと思います。
最終的には勝てたので良かったと思います。

■山口蛍選手
立ち上がりも悪かったし、相手に2点目を取られるシーンも悪かったし、自分たちの悪いシーンがたくさん出たと思います。そのなかで、こういう流れは、相手に食われて負ける流れやったと思うけど、諦めずに最後勝てたということは、よかったと思います。ただ、こういう試合展開をしているようでは、Jリーグが再開したあとも、痛い目を見ると思うので、そこは集中してやっていくしかないと思っています。(自身の内容について)前に行ったときには、もう少しボールを欲しかったというのはありました。点を取ることも意識はしていましたが、(杉本)健勇へのアシストも狙っていました。自分のなかでは、今日は点を取るというよりかは、次の川崎戦が、(柿谷)曜一朗くんも最後やから、(そこで)点を取りたいと言う思いも強かったので、今日はちょっとアシストにこだわった部分はあります。(途中からポジションを変えたことについて)あれは僕の判断ではなく、監督の判断で、ちょっと後ろがバタバタしていたから、僕がセンターバックの前に入ってという形になりました。

■阪本将基選手
指示は特になくて、普段から一緒にやっていたので、指示というよりも、思い切ってやってこいという感じで、ピッチに送り出されました。キャンプから一緒にやっていたし、緊張していいことなどないし、ボールを持ったら仕掛けて行けと周りの先輩たちに言われていたこともあって、思い切ってやることができました。コーチと話していて、相手のDFの間を広げて、そこを周りに使ってもらうことや、自分で仕掛けてDFを広げる、そこから出て行けたら、得点に絡むということを意識していました。それはできたかなと思います。ゴールは今までサッカーをやっていて一番うれしかったです。