天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会
1回戦
2015.8.29土
セレッソ大阪
永井(74')
1
HOME
FULL TIME
2
キンチョウスタジアム
0-2
1-0
FC大阪
高橋(29') 中村(35')
キンチョウスタジアム
NaN人
レポート
監督コメント
まず、勝利を収めた相手の健闘を称えたいと思う。今日の敗北という結果の責任は、すべて私にある。私に責任があるということは、選手たちにも伝えた。このような大会、1発勝負のトーナメントでは、時にこのようなことが起こる。そういうこともあるので、集中力を切らすことなく、しっかりと試合に入るように選手たちには伝えたが、しかしながら、(今日の敗戦は)集中力の欠如ということになる。残念ながら、セットプレーで2失点をしてしまい、その後、なかなか我々の目指すサッカーが形にならなかった。ただし、ここで絶対に下を向くことなく、我々の目標であるJ1昇格に向かってしっかりと気持ちを切り替えないといけない。そして、我々は何があろうと、シーズンの最後には、J1昇格という目標を勝ち取る。そのための戦いを続けていきたい。
(普段のリーグ戦から先発メンバーを大きく変えたが、その中で、誤算や収穫があれば教えて下さい)少し予想していなかった部分で言えば、残念ながら、試合中に吉野がひざの痛みを訴えて、途中で変えざるを得なかったこと。また、今日の先発を決める際に、今後、リーグ戦が終盤に差し掛かるにあたって、全選手の力が必要ということで、選手たちには試合に出るチャンスを与えたかった。その中で、最終的にこういう結果になってしまったことは、すべて私の責任。
選手コメント
染谷 悠太選手
これが、実力だと思います……。
(普段、出番に恵まれていない選手たちも出場していたなか、試合での連係面について、うまくいかないところもあったか?)
メンバーとかは関係ないので。ウチは、常に監督も言っていますが、競争というところでやっているので。監督も常々、誰が出ても(変わらない)というイメージを持ってやっていると思いますが、ただ、そういったものが今日はチーム全体として出せなかったということは、(試合に出た自分たちが)よくなかったなと言わざるを得ないと思います。
(後半、流れをつかんで、勢いが出かけたが、そこは今後につながるところ?)
今後につなげていければ一番いいが、まず、この負けをしっかり受け止めなければいけないと思うので。そこからだと思います。
(セットプレーで失点が続いたことについて、メンバーが変わったことで、混乱などあったか?)
いや、それはないです。セットプレーの練習もしっかりしているし、マークの曖昧さなどはないですが、ただ、相手はセットプレーにかけるところはあったと思うし、どういう対応ができたのかというところは、しっかりと見極めていかないといけない。リーグ戦でも失点が多く、セットプレーからやられているし、セットプレーの失点も増えてきているので、そこはチームとして改善しなきゃいけないのかなと思います。
山下 達也選手
自分としては2本決めることができたシーンがあったので。悔しいです……。
(前半15分以降、チームとしてうまく行っていないようだったが、ベンチから見ていての思いは?)
自分たちで流れを悪くしたと思うし、自分たちのミスからだったので。15分までにできていたことを続けてやっていれば、もっと相手も嫌だったと思います。
(連係面で、普段とメンバーが変わっているなか、試合での難しさも感じられたか?)
そう言っても、練習でやってきていると思うし、その辺は気持ち1つの問題だと思うので、そこは言い訳にはならない。
(天皇杯というタイトルのチャンスを逃す形になったが?)
いますぐに切り替えることはできないが、負けてしまって、終わってしまったので、J2にこれで集中できるという言い方はダメですが、そう捉えていくしかない。今日悔しい思いをした選手を含めて、全員の力で、これから先のリーグを戦っていきたい。
田中 裕介選手
最悪です……。相手の勢いを出してしまった。そのなかでも、90分のなかで追い付いて、延長戦でという話もしていたが、2点差がついてしまうと、難しいところもあって……、悔しいです。
(試合の入りはよかったと思うが?)
試合のなかで、いいときもあれば、悪いときもあるので。ウチはいいときに決められず、逆に相手のいいときに決められてしまった。そこは、こっちの守備では抑えなきゃいけなかったし、もちろん、ウチも決めなければいけなかった。単純なことですが。
(サイドバックでの公式戦出場になったが)
4カ月ぶりくらいの(公式戦)試合だったので、どうなるかなと思っていましたが、局面、局面で、まだまだだなと、正直、自分でも感じましたし。それでも、一生懸命、自分のやりたいことと、チームの、監督のやりたいことというのを出そうとしていたんですが……。まだまだかなと思いました。
(後半、立て直しつつあったと思うが)
僕らも点を取りに行かないといけなかったし、みんなもお尻に火が付いたような状態だったので、後半は結構押せ押せになったと思いますが、相手はしっかり守れば勝ちというところで、ゴール前を固めてきたので、なかなかこじ開けるところにはいかなかった。
(天皇杯で敗退してしまったなか、リーグ戦にかける思いもさらに強くなると思うが)
そうです。終わってしまったことはしょうがないので、しっかり全員でリセットして、J1昇格に向かってやっていきたい。(自身としても?)もちろん。チームに貢献できるように頑張りたい。
前川 大河選手
(途中から入って、リズムを作っていたと思うが?)
もうちょっと落ち着いてできれば、もっといいプレーができたと思うのですが……。もっと結果にこだわってやっていきたいので。
(ベンチから見ていて、うまく行っていないと思ったところは?)
前が止まっていて、流動的にポジションを変えながらやったら行けると思って、動きだしとかも意識していました。
(永井選手の抜け出すところを、よく見てパスなど、攻撃に絡んでいたが?)
龍くんはいつも動き出しをしてくれているので、まずそこを見ようと思って、やっていました。
(もう少しプレータイムがあればという思いもあった?)
ただ、少ない時間で結果を残さないと、使ってもらえないので。少ない時間でも結果を残すことを意識してやっていきたい。
(今日の試合から、今後のリーグ戦につなげられるところは?)
とりあえず練習からしっかりアピールして、リーグ戦にも関われるようにしていきたいです。
扇原 貴宏選手
相手の勢いを受けてしまった。もうちょっと敵陣てプレーすることが必要だったと思う。
相手の勢いを受けてしまって自陣でファウルをしてしまい、セットプレーで2点目を取られるという悪循環にはまってしまっていたので、相手の勢いを上手く剥がせるようにならないと、こういう結果になってしまう。
サッカーは結果なので、この負けをしっかり受け止めて、リーグ戦に気持ちを切り替えてやりたいと思います。
中澤 聡太選手
拮抗した試合で、最初からああいうことを警戒していた中でやられてしまった。リーグでもああいう形で負けることもあったので、監督からも言われていましたが、対応出来なかったのは、もっともっと感じなきゃいけないことかなと思います。
(あまりこのメンバーでやっていなかったことの難しさは?)僕は誰とやっても初めてみたいなもんだったので、それはちょっとした時間の中でしたけど、コミュニケーションを取ってやっていこうとしました。みんなそういう状況でしたし、どうしても結果は出したかったですけど…。
1点目で受けてしまったのが一番の問題だったと思う。失点した時間帯は自分たちのミスで相手を勢いに乗せてしまったと思う。そういうところを後で落ち着かせられたら良かったのですけど。カウンターで攻められて1本でやられたというよりも、ジワジワと向こうの良い流れになったところでゴールが生まれたので、そういう時こそもっと警戒しなくちゃいけなかったのかなと思います。
(けがで離れていた時期が長かったので、個人的に1つ上の段階に上がれた感じですか?)そうですね。この日を凄く待ちわびていたのは正直なところですし、結果は付いてこなかったですけど、ピッチに立てたのは家族もみんな凄く楽しみにしてくれていたので、1つは登れたかも知れないですけど、まだまだやらなきゃいけないことが僕自身いっぱいあるので、その中で結果なり、責任を持ってやっていきたいです。
明治安田生命J2リーグ戦が2週間の中断期間に入ったなか、第95回天皇杯がスタート。その1回戦から出場することになったセレッソ大阪は、伝統のカップ戦初戦で、同じ大阪を本拠地とするJFLのFC大阪と、公式戦で初めて対戦した。
「これからリーグにおいても、終盤、勝負のかかった試合が続く。そして、天皇杯もトーナメントということであれば、全選手の力を必要とする。これからシーズン最後の試合まで、全選手の力が必要になる」。戦前にパウロ・アウトゥオリ監督がそう述べたコンセプトのもと、この一戦では直近の公式戦であるJ2第30節・大分トリニータ戦から、先発を9人変更。中澤聡太、田中裕介の今季加入組がセレッソ加入後初出場となったほか、中盤の一角にはマグノ クルスが初先発。前線では永井龍とエジミウソンがコンビを組んだ。山口蛍、丸橋祐介、田代有三、パブロをはじめ、大分戦スターティングメンバーのうち7人が天皇杯1回戦のメンバーから外れた。
試合では、立ち上がりはセレッソが主導権を握った。序盤に、左サイドバックに入った田中の左クロスから永井がヘディングシュートを放つなど、開始15分すぎまでに好機を立て続けに作ったが、マグノ クルスの強烈なシュートもクロスバーを叩くなど、チャンスを活かせない。すると、FC大阪に徐々に攻勢をかけられ、29分、35分と、立て続けにコーナーキックやフリーキックといったセットプレーから失点。「セレッソのここ3試合を見たなかでは、セットプレーで失点している。そこはすごくチャンスだなということを思っていた」(FC大阪・森岡茂監督)と、現在のセレッソのウイークポイントを的確に突かれて、最悪の内容で前半を終える形になってしまった。
失点直前からリズムも崩れ出し、ミスも目立ったセレッソ。0-2で折り返した後半もなかなかペースが上がらず、逆に相手の決定機をGK武田の好守でしのぐという場面もあった。加えて、持ち前の個人技でゲームを作っていた吉野峻光を「ひざの痛みを訴えて、途中で代えざるを得なかった」(アウトゥオリ監督)こともあり、セレッソはますます苦しい状況に追い込まれる。
それでも、交代で入った選手がチームに勢いをもたらす。その急先鋒となったのは、今季セレッソ復帰後初出場の小暮大器。生え抜きの25番が右サイドから積極的に仕掛けて流れを呼び込むと、74分、セレッソはようやく1点を返す。その小暮の強烈なミドルシュートを相手GKが弾き、こぼれ球を、小暮同様この試合で積極性が目立っていた永井が押し込んだ。
さらに、その3分後には、FC大阪に退場者が出て数的優位にも立ち、場内のボルテージも上がるなか、桜色の戦士たちは猛反撃に出る。途中出場の前川大河やDF山下達也までも、永井や小暮らとともにゴールに迫ったが、守備を固めた相手を最後まで崩せず、1-2のままタイムアップ。FC大阪との大阪ダービーに屈して、ジャイアントキリングを起こさせてしまっただけでなく、セレッソとしてはクラブ史上初となる1回戦での敗北という屈辱も味わうことになった。
試合後、サポーターからの大ブーイングを浴びる形となったなか、「この負けをしっかり受け止めなければいけない」と言う染谷悠太をはじめ、セレッソのイレブンは誰もが悔しさを痛感。「最終的にこういう結果になってしまったことは、すべて私の責任」と述べたアウトゥオリ監督は「ここで絶対に下を向くことなく、我々の目標であるJ1昇格に向かって、しっかりと気持ちを切り替えなければいけない」と、立て直しを誓っていた。
重要なタイトル獲得およびACL出場権獲得へのチャンスを手放してしまったセレッソ。だからこそ、今季の究極の目標である1年でのJ1復帰を、何としても実現しなければならない。そのためにも、この試合で苦渋を味わった選手たちを含めて、チーム全員の奮起が、ここからさらに求められる。