2022明治安田生命J1リーグ
第19節第1日

2022.7.2

セレッソ大阪

舩木 翔 (59')

ジェアン パトリッキ (90'+2)

2

HOME

FULL TIME

1

0-1

2-0

川崎フロンターレ

谷口 彰悟 (36')

ヨドコウ桜スタジアム

12,987

ナカバヤシサポーティングマッチ

監督コメント

■小菊昭雄監督
「前半30分まで、非常に厳しい、我慢の時間が続きました。その中で失点もしましたが、そこでチームがバラバラにならず、そこから少しずつ盛り返して、ハーフタイムは素晴らしい雰囲気で、選手たちも戦う姿勢を前面に出して、ファイティングポーズを取ってくれました。必ず逆転できると信じて送り出しました。後半は内容も良くなり、相手ゴールに迫る回数も増えてきた中で、準備してきたリスタートから2点を取れたこと、非常に嬉しく思います。チームの総力戦で勝ち取った王者からの勝利を嬉しく思います。ただ、川崎Fの、“止める・蹴る・運ぶ”、そしてパスワークのクオリティーの高さを今日も感じました。我々も学びの多い試合でしたので、また謙虚に1日1日、努力を重ねて、ルヴァンカップでも勝てるように準備したいと思います」

Q:序盤から川崎Fのうまさに圧倒され、少し下がらざるを得なくなった。あの展開で先制されると頭が下がってもおかしくないが、そこから盛り返せた要因について

「天皇杯の仙台戦もそうだったのですが、先制されて、逆転勝ち。前節の清水戦も、先制されて、色んなアクシデントがあった中で、追い付いての引き分け。内容もいいパフォーマンスを発揮してくれました。今日も前半30分まで圧倒されて、先に失点もしたのですが、そうした中でも巻き返せることが、我々の今のチームの強さだと思います。やるべきことを全員が共有できていることが、盛り返せる要因だと思います。全員が重心を前に、ボールを奪いにいく、ゴールを奪いにいく、その作業を全員が全うしてくれたことが逆転につながったと思います」

Q:2アシストの鈴木徳真選手について。リーグ戦では出番が少なく苦しい思いもしていたと思うが、彼の取り組みと今日のパフォーマンスについて

「徳真は、ここ2試合の前はメンバー外が続いていた選手ですが、ひたむきな努力、姿勢が、この2試合の圧巻のパフォーマンスにつながったと思っています。常に先頭に立って自分と向き合って、努力を重ねた成果がこの2試合のパフォーマンスにつながったと思います。彼の背中を見て、若い選手もたくさんのことを学んでいると思います」

Q:前日会見でも「ピンチをチャンスに変えて、戦いたい」と仰っていたが、清武弘嗣選手、原川力選手、山中亮輔選手が負傷離脱する中で、まさに代わりに出た選手が結果を残したが?

「そうですね。舩木もそうですし、山田(寛人)もここ数試合はメンバー外も経験して、苦しい時期も多かったと思いますが、日々のトレーニングから、チームとしてクオリティーの高い、強度の高い、集中力の高いトレーニングができています。その結果、新しくチャンスをもらった選手が素晴らしいパフォーマンスを発揮できる。それが全てだと思います。これからも、いつも選手たちと共有していることですが、『日常が全て』だと。その積み重ねです。謙虚に1日1日を大切に、積み上げていきたいと思います。個人の成長、チームの成長を大切に、やっていきたいと思います」

Q:2得点ともセットプレーだったが、セットプレーに対する取り組みについて

「リスタートは高橋コーチを中心に、相手を分析して、相手のストロングとウィークを選手たちに伝えています。キッカーと中に入る選手も共有し、タイミング、角度、細かくトレーニングをしています。その成果がこの大事な試合で得点につながったことを嬉しく思います。選手の努力、そしてスタッフの努力に感謝しています」

選手コメント

■舩木翔選手
Q:2試合連続でセットプレーからゴール。狙っていましたか?

「スタメンで出してもらえたので、どうしても結果を残したい思いはありました。ただ、家長選手が相手のキーマンで、そこへの対応ばかり考えていました…(苦笑)チャンスでゴールを決めることができて本当に良かったです」

Q:家長選手と山根選手の縦関係は相手のストロングポイントでした。試合の中で考えることも多かったですか?

「そうですね。特に前半はほぼゴールの前で守っていた感じで。相手の張っている選手に対して、自分がプレッシャーに行くタイミングがズレると、トリくん(鳥海)のスライドも間に合わなかったり、自分の裏のスペースも使われてしまう。そういうシーンもあったと思いますが、取れないなりに、うまくチャレンジすることはできました。ボールを取り切る作業はできなかったですが、少しでも相手にとってイヤなことはできたと思います」

Q:先発については、「やってやる」という気持ちでしたか?

「そうですね。一昨年と昨年、自分は(期限付き移籍先で)活躍することができず、今季も厳しい1年になると思っていましたが、『ピッチに立ってやれる』という自信がなかったら、ピッチに立つ資格はないと思っています。この2年、できなかったからこそ、今日は結果を残したいと思って、今日のピッチに入りました」

Q:ゴール以降、左足での対角へのキックなど、良さも出ていたが、試合の中で自信を付けた面もありますか?

「少しずつ見えるところも広がっていけばいいですし、そういう左足でのプレーは自分の武器でもあるので。今はセットプレーで取れているので、そこは続けていきながら、やれるプレーを増やしていきたいです」

Q:セットプレーは準備してきたと思うが、うまく合わせることができた?

「前半はセットプレーが最後の方に続いたのですが、ハーフタイムに『入り過ぎ』という指示がありました。キッカーも、自分たちが入り過ぎたことで蹴りにくい部分もあったと思う。後半は、徳真くんのテンポというか、徳真くんを見ながら入ることを意識しました。得点場面は、一回ラインから出て、戻って、GKの前で逸らそうと思っていました。自分は入るべきポイントに入っただけなので、徳真くんがいいボールを蹴ってくれたと思います」

Q:負傷者がいる中でチャンスが回ってきて、結果を出せた意義について

「試合で結果を残すことは1年目から言い続けてきたので、それが形になってきたことは嬉しいです。それも練習の成果というか、練習からしっかりやることがつながっていると思います。暑い中ですが、練習から声を出しながら、皆で高め合ってやれています。自分は先輩に引っ張ってもらってばかりですが、練習の成果が出たと思います」

■ジェアン パトリッキ選手
Q:ゴールを決めた瞬間の気持ちについて。スタジアムが凄く沸いていました。

「本当に嬉しかったです(笑)逆転がふさわしい試合だったと思いますし、こうやって決めることができて嬉しかったです」

Q:J1初ゴールが、王者からの逆転弾になりました。そのことについては?

「本当に強いチームでした。そのような王者から決めて勝てたことは嬉しいです。ホームのサポーターの皆さん、ファミリーのためにゴールできて、勝利できて、本当に嬉しく思います」

Q:ヘディングでのゴールについては?

「過去にも5、6点は決めています。決して身長は大きくないですが、スペースがあれば、感じて入ることを考えています。いいボールが入り、決めることができました。セットプレーは自分たちの武器ですし、入るタイミングとスペースについては、常に練習しています」

■鈴木徳真選手
Q:セットプレーは大事だと改めて痛感した試合ですが、2アシストを振り返ると?

「練習でいいキックも蹴れているので、自信を持って蹴れました。翔やジェアンがいいところに入ってくれた。僕はそこに蹴るだけだったので、2人に感謝したいです」

Q:舩木選手が、「前半は中に入り過ぎていたから、後半は入り方を変えた」と話していたが、キッカーとしても、そこは変化を感じた?

「前半は少し入り過ぎて、蹴りにくかった。ポイントが見え辛かったので、それをコーチに相談して、中に入る選手に伝えてもらいました。後半はポイントが見えやすくなり、蹴りやすくなりました」

Q:後半は中に入る選手がしっかり見えたと。

「そうですね。ポイントと、相手のラインがよく見えました」

Q:先制された後、下を向かずに盛り返せたことが今のチームの強さだと思うが、チームの雰囲気は、ハーフタイムも含めていかがでしたか?

「小菊さんからも、『相手は後半に落ちる。ここから盛り返していこう』とハーフタイムに伝えてもらいました。僕たち自身も、5月は勢いもあった。僕はその時期は関われていなかったですが、上から見ていても、強いチームだなと思っていたし、負ける気もしなかった。今日も引き分けまでは持っていけるという気持ちでしたが、まさか、あのような形で勝てるとは、という感じです(笑)」

Q:その7連戦では「力になれなかった」と話していました。今日、一つ取り返せた分、ホッとした気持ちもありますか?

「チームが苦しい状況でいかに力が出せるかが選手の価値だと思うので、今日の結果は嬉しいです。満足することはないですが、今日の自分はしっかり褒めて、次、アントラーズ、横浜FMと試合が続くので、そこへ向けてメンタル的なコントロールもしていきたいです」

Q:今のチームの中で、自身の良さをどう出そうと考えていますか?

「ポジションによって役割があります。前節の試合後も話をさせてもらったのですが、1ヶ月間、しっかり整理することができました。それが今の結果につながっていると思います。僕のアンカーでの良さは、走って、球際に寄せたり、回収したり、それを前につなげたり。あとは、キックで貢献する、チャンスを演出する、それが今の僕のストロングになっていると思います」

■奥埜博亮選手
Q:試合前は「出る選手がしっかりプレーすることが大事」という話でしたが、まさにそういう試合になりましたね。

「そうですね。内容としてはもっと良くしていけると思いますが、日頃から全員が試合に向けていい準備をしている結果が、今日の勝利につながったと思います」

Q:序盤は、相手のパスワークに対して、引かざるを得なかったですか?

「もっと前から行きたかったですが、守備のスイッチがうまく入らず押し込まれる時間はありましたが、焦れずにゴール前で守ることはできていました。ハードワークはできていました。セットプレーからの失点はもったいなかったですが、よく守れていたと思います」

Q:前半から後半への修正点で、一番大きかったことは?

「負けていた状況もありますが、自分たちの守備の矢印を前に持っていくことです。後半も立ち上がりは押し込まれましたが、矢印を前に持っていくことができたことで、盛り返せたと思います。その分、ボールを奪った後に出て行けるスピードも出て、カウンターも生きたと思います」

Q:苦しい時間が長かったが、耐える時間帯についてはどうマネジメントしていた?

「相手は人数をかけて攻撃してくる中で、全員が共通意識を持って、チームとしての守り方をやれていたと思います。その中で、奪った後に一つ外すことができたら相手のゴール前まで前進できたので、もう少しうまくボールを握れたら良かったですが、セットプレーから2点を取れて良かったです」

Q:鈴木選手とコンビを組んで、どう彼の良さを生かしていこうとプレーしていますか?

「トクも頭のいい選手で、ポジショニングのいい選手。ボールをどんどん触ってリズムを掴みたい選手。なるべくボールを触らせてあげたいという気持ちはあります。自分に引っ張って、トクを空けることもそうですし、逆に厳しそうだなと思ったら、少し下に落ちてサポートすることは意識しています」

Q:川崎からの“シーズンダブル”について

「強いチームなので、凄く嬉しいですが、順位はまだまだなので、満足せず。今日は喜んで、また上位との対戦が続くので、頑張っていきたいです」

Q:キャプテンマークを巻いての試合になったが?

「あまりやりたくはないですが(苦笑)年齢も上ですし、今日はキャプテンと副キャプテンが試合に出ていなかったので、巻くことになりました。おまけです(笑)(円陣の声がけは)緊張しますけど(笑)そこはあまり考え過ぎず、いつも通りのプレーを心掛けていました」

■鳥海晃司選手
Q:相手のストロングが右サイドにあった中で、スペースへのカバーも光っていたが?

「チームの決まり事として、サイドバックの裏に相手が流れたところはセンターバックがカバーすることはあるので、そこは意識してプレーしました」

Q:前半は押し込まれる時間も長かったが、後半に盛り返せた?

「持たれることは分かっていました。プレッシャーをかけたかった中で、なかなかプレッシャーはかからなかったのですが、回されている意識より、持たせていると思って、我慢していました。前半の最後の方は自分たちがボールを持っていい形で攻撃もできましたし、後半に関しては、相手の運動量も落ちてきたので、僕たちが主導権を握る時間も増えたと思います」