2022明治安田生命J1リーグ
第22節第1日

2022.7.16

ガンバ大阪

クォン ギョンウォン (17')

1

AWAY

FULL TIME

2

1-0

0-2

セレッソ大阪

山田 寛人 (52')

ジェアン パトリッキ (90')

パナソニック スタジアム 吹田

22,531

監督コメント

「今日のゲームは、セレッソファミリーの方々にとって、これから語り継がれる歴史的な試合、勝利になったと思います。立ち上がり、相手の強い重心を受けて苦しい時間帯も続いたのですが、今のチームの強みは、どんな困難にも崩れず一体感を持って、全員が自分の役割を全うできること。それが今のチームの強さだと思います。今日も苦しい時間帯を全員で乗り切って、ゲームコントロールして、前半の飲水タイム以降は自分たちのゲームプランを遂行できました。その中で、しっかりと同点、逆転を勝ち取った選手たちを、私は誇りに思います」

Q:前半の飲水タイム明け、しっかりボールを握って押し返したことが、後半の逆転につながったと思うが、飲水タイム明け、修正したことは?

「一つは、ガンバをスカウティングした時に、立ち上がりは強い矢印で重心を前に、攻守に前に来ることは想定していました。その中で、(途中から)ガンバの重心が少し後ろになったことが一つあると思います。そして、鈴木徳真がビルドアップの時に、少しドロップして(後ろで)3枚になりながら、ステップアップしていく。その判断をよくやってくれて、ビルドアップが落ち着いたことが、ゲームを盛り返せた要因だと思います」

Q:同点ゴールを決めた山田選手について。シーズン序盤に3点を取って、いい入りをした中で、そこからは小さなケガなどもあり、得点から遠ざかっていたが、

「彼については、随分前から、セレッソの将来を背負って立つ選手だと思っています。今も思っています。少しケガや体調不良もあり、大きな波に乗り切れなかった。そして、ベンチ外も経験した。その期間、悔しい思いもしてきたと思いますが、同じポジションの選手たちが結果を出しながら、彼自身もしっかりと積み上げて、自分の課題に取り組んだ結果が、今日の素晴らしいゴールが生まれたと思います。まだまだ大きな成長を成し遂げていって欲しいと思います」

Q:後半途中の3枚替えについて。その狙いについて

「チーム全体として、私も選手も引き分けは全く考えていませんでした。勝ち切ること、攻めることをメッセージとして伝えるために、一気に3人の交代をしました。ブルーノ(メンデス)は少しケガもあったのですが、ギリギリのコンディションの中で、前線で起点になってほしいと。背後への動き出しも彼に託しました。ジェアン(パトリッキ)に関しては、かなり相手も疲弊している状態でしたので、個でどんどん仕掛けてほしい。守備のスイッチも入れてほしいと。ジョー(上門)に関しては、攻守に運動量を多くして、相手にダメージを与えてほしい、ゴールを決めてほしい、というメッセージを伝えて送り出しました」

Q:最後のジェアン選手のゴールについて

「ベンチで見ていて、スルーパスを出すのかなと思ったのですが、彼のゴールにつながったシーンは、一気に前に動き出す、そういうパワーがあったからこそ、ジェアンがシュートを打つ時間ができたと思います。まさしくチーム全員で取った貴重なゴールだと思います」

Q:大阪ダービーでの“シーズンダブル”は99年以来だが?

「ダービーの勝利は私の中でも特別です。今日、勝てたことを非常に嬉しく思っています。アウェイの地で、厳しいゲームを逆転勝ちできたこと。ガンバに勝ったこともそうですが、チームの成長を強く感じたゲームでした。まずそこを非常に嬉しく思います。私自身も、個人的にもずっとガンバの背中を追いかけて、過ごしてきました。こうしてガンバに追いつき、追い越そうとしている現状を嬉しく思います。ここで一気にガンバをクラブ全体で追い越していけるように、クラブ全体で努力していきたいと思います」

選手コメント

■ジェアン パトリッキ 選手
Q:大阪ダービーの歴史に残るゴールでしたね。

「自分の歴史にも残る素晴らしいゴールを大阪ダービーで決めることができて、本当に嬉しいです。自分の過去一番、素晴らしいゴールができました。勝利に結びついたことが最高に嬉しいです」

Q:あの瞬間、パスコースもあったと思うが、シュートを選択した?

「そうですね。最初はパスを出そうと思ったのですが、相手が引いて、僕の方に来なかった。スペースが生まれたので、そのままシュートを打つことにしました。運良く、入りました(笑)」

Q:シュートのコースは狙い通りですか?

「狙い通りです。下に打つとGKに防がれるので、上の端を狙いました」

Q:試合後のインタビューで、「サッカーは人生と同じで最後の最後まで戦うことが大事」と話していたが、まさにそれを体現した?

「人生は常にチャンスがあります。サッカーも人生と一緒で、『どこかでチャンスが来る』と信じてプレーしています」

Q:それにしても絶好調ですね。

「フフフ(笑)僕も嬉しいです」

Q:川崎フロンターレ戦に続き、終了間際の逆転ゴールです。

「逆転ゴールを決めることができて嬉しいですし、こうして好きなサッカーができて嬉しいです」

■山田寛人 選手
Q:同点ゴールについて

「久々だったので、だいぶ嬉しかったです(笑)正直、勝ち越したい思いが強かったので、喜んでもいいのか、という思いもありましたが(苦笑)。展開としても、相手は少し落ちていた後半すぐに決めることができて良かったです」

Q:自身4点目まで少し期間が空いたが、この大舞台で取れたことは、今後のシーズンにもつながっていくのでは?

「そうですね。期間が空いた中で、求められることをもう一回、整理して。自分の中で納得できないパフォーマンスも続いていたのですが、この前の(天皇杯)名古屋戦から、徐々に自分のやるべきことも分かってきました。一生懸命やり続ければ結果が出ると、小菊さんにもずっと言われていたので、だいぶ期間が空きましたが、取れてホッとしています」

Q:展開としては、前半の飲水タイム明けからは、自分たちのペースに戻せた?

「失点の形がもったいなくて、雰囲気としては良くなかったですが、苦しい時間を耐えれば、相手が落ちてくることも分かっていました。そこからの強さが今のセレッソにはあると思います。今日は自分と(加藤)陸次樹の動き出しに、相手CBも付いてきたので、あまりビルドアップには関われなかったですが、その結果、サイドや他も空いたと思います。その中で、前半の最後にお互いヘディングでチャンスもあったので、欲を言えば、そこで結果が出せればもっと良かったです」

Q:ジェアン選手のゴールの瞬間は?

「正直、めちゃくちゃ嬉しかったです。昨季のリーグ戦でアウェイで勝った時もめちゃくちゃ嬉しかったですが、今日はそれ以上でした。展開も展開でしたし、負けなしが続いている中で、改めて、今のセレッソがいい状態なんだなと分かった1点でした」

Q:それだけ白熱した大阪ダービーだったいうことですね。

「そうですね。いい試合だったと思います。ダービーという中で、お互い、精一杯戦ったと思います。その中で、最後に競り勝てたのは、普段の練習でも際で戦っていることが出たのかなと思います」

■鈴木徳真 選手
Q:失点後、相手のプレスに対して、後ろが3枚でビルドアップし始めたあたりから、流れを持ち直したように見えたが?

「僕らのビルドアップに対し、相手のプレスは15分くらいまでは強度が高いと。そこからは、ボールを前に前進していけると伝えられていました。なので、失点してから、という形にはなったのですが、最初からそういうプランはありました」

Q:先制後、相手の勢いも増してくるかと思ったが?

「(ガンバの)プレスの強度が、若干、落ちたことは感じました。ボールを止めて、相手を見ると、あまり寄ってこない。守備に回った印象は受けました。そこで僕らのペースに一気に持っていける、という感じはしました」

Q:ハーフタイムの様子について

「監督が伝えてくれたことは、『前半20分までは相手のサッカーになってしまったが、残りの時間は僕らのサッカーをずっと続けられた。後半もそのサッカーをやり続けて、逆転しよう』という言葉がありました。その通りにゲームが進みました」

Q:失点しても呑まれない、しっかり自分たちのやるべきことを遂行するあたり、今年のチームに底力を感じるが?

「見てもらえれば分かると思いますが、能力の高い選手が多い。ボールを預ければ、仕事をする。失わない。かつ自分の力を出せる勝負強さを、前線の選手が持っている。僕らとすれば、しっかり守ってボールを運べば、前の選手が仕事をしてくれる安心感があります。キャンプから、失点しても逆転する試合を繰り返していくことで、先に失点してもスピリットを失わず、前向きな気持ちになれるのだと思います」

■為田大貴 選手
Q:1点目のアシストについて

「逆サイドに陸くん(松田)もいたので、最初はそっちに出すか、落としてもらってシュートというイメージだったのですが、ちょっと歩幅が合わなくて、苦し紛れで、最後にチラッと見えた選手に出しました」

Q:中盤の選手のようなスルーパスでしたね。

「もう、あんなパスは出せないので、これが最後です(笑)」

Q:失点後も、飲水タイム明けあたりからは、しっかりボールを握ってプレーできた?

「失点もしましたし、僕らの入りは悪かった。緊張もあったのですが、それが少しずつ溶けてきて、日頃からチームで取り組んでいることを素直にやり始めて良くなりました」

Q:今のチームには、底力というか、冷静に我に返れる強みがありますね。

「そうですね。点を取られて誰かが文句を言うこともないですし、ミスが出ても、全員で守備をハメにいく意識もあります。誰かのミスもプラスになるようにチームとしてやれているので、一番いいチームの形になっていると思います」

Q:球際も激しく、ダービーらしい素晴らしい雰囲気の中でのゲームでしたが、やっていていかがでしたか?

「もちろん雰囲気はすごかったです。呑まれた感じもありましたが、上位との3連戦を戦ったことが、メンタルとしても、勝てる雰囲気に持っていくためにも、この試合に大きくつながったと思います。その3連戦では先に失点する試合もありましたが、はね返せた。今日も『失点してダメだ』という感覚になることもなかったですし、上位相手にも僕らのサッカーをやれる自信を付けたことで、今日も勝てたと思います」

Q:最後の逆転ゴールの瞬間は?

「いやー、最高でしたね(笑)しびれました。ここ最近、ジェアンがああやって点を取ることに、自分も刺激になります。ただ、今日のゴールはすごいとしか言いようがない(笑)ただ、ジェアンだけではなく、ブルーノやジョー(上門)など途中から出てチームに尽くしてくれたことが、今日の結果につながったと思います」

■北野颯太 選手
Q:最後は猛スピードで走っていた。パスが来るかなと思ったが?

「そうですね(笑)でも走ったから相手もつられたと思うし、走らなかったら、相手を引き付けることもできなかった。走ったことで、ジェアンにスペースも作れたと思うので、走って良かったです(笑)」

Q:監督も「チームで取った決勝点」だと話していました。あの時間でも、全員が勝つ気持ちでしたか?

「そうですね。ダービーですし、絶対に勝たないといけない相手。泥臭いプレーでも、勝利に貢献できて良かったです」

Q:ルヴァンカップでもアウェイで勝利を経験していますが、リーグ戦のアウェイで勝った気持ちは?

「最高以外にないですね(笑)」