2022明治安田生命J1リーグ
第29節第1日

2022.9.10

セレッソ大阪

鈴木 徳真 (52')

ジェアン パトリッキ (90'+3)

2

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FULL TIME

1

0-0

2-1

サガン鳥栖

本田 風智 (82')

ヨドコウ桜スタジアム

11,187

KOIZUMIサポーティングマッチ

監督コメント

■小菊昭雄監督
「最近は、内容が良くても、一番大切な結果が付いて来ず、私も選手も困難な時期を過ごしていたのですが、選手の努力、スタッフの努力のおかげで、今日、しっかりと内容を伴った結果をつかむことができました。選手の頑張りを誇らしく思います。中2日のタフなスケジュールでしたが、最後まで攻守に自分たちでゲームをコントロールする姿勢、追加点を取りにいく姿勢、そして、最後まで『勝つんだ』という強い気持ち。それを表現できたゲームだったと思います」

Q:中2日という日程で、天皇杯準々決勝・広島戦から同じ先発を送った理由は?

「ここ数試合、内容が良かった中で結果だけが出なかった。選手たちとも共有したのですが、大切なことは、少しのゲームコントロールのすり合わせと、今までやってきたサッカーをしっかりやること。もちろん、疲労もあったと思いますが、同じメンバーに、今日の大事なゲームを託しました」

Q:前半は、ボールを持ちながら、我慢比べのような展開でゲームをコントロールしていたと思うが、どのように見ていた?

「おっしゃる通り、自分たちでしっかりボールを握りながら、鳥栖のカウンターも怖かったので、自分たちでバランスを崩さず、我慢強くボールを握り、緩急をつけながら、『隙あらば、ゴールを奪いにいく』と。少し我慢比べのようなゲームになりました」

Q:後半、追い付かれた瞬間の気持ちと、その後、一段、攻撃のギアが上がったと思うが、選手たちのメンタルをどう評価しますか?

「先制してから、この2試合の敗戦の学びをどう生かすか、試された時間だったと思います。意図的に、守備でもブロックをコントロールしながら、ボールの握り方も、縦と横を使い分けて。ここ数試合、勝っている時間に攻撃が縦に速く、少し間延びしてしまう時間帯も多かったので、試合前に映像を見て全員で共有して、もう一度、ボランチを使いながらリサイクルして、攻撃をやり直しながら、距離感を縮めていくと。カウンターのリスク管理の共有をしてきました。実際、我慢強く試合をコントロールして、2点目が取れるシーンも数回あったので、そこで決め切れなかったことは課題です。そこで決め切らないと、サッカーですので、ワンチャンスで失点してしまうリスクもあります。ただし、自分たちでイメージしたことが成功体験として、たくさんできたことは良かった。2点目を決め切ってゲームを終わらせること、最後の質を上げていくことは、これからも求めていきたいです。失点後も、『絶対に勝つ』というメッセージを選手たちには伝えたつもりです。最後まで戦って交代した選手からバトンを受けた選手がパワーを与えてくれて、最後に矢印を前に向けて、再三、チャンスを作れたこと、最後に決め切れたこと、価値ある勝利だったと思います」

Q:決勝点は、清武選手のクオリティーも光りましたね。

「キヨも、復帰して『さぁここから』というときに、ここ数日、コンディションが悪くなりまして。彼も、結果が出ない中で、キャプテンとしての責任、プレッシャーも懸かっていたと思うのですが、昨日、一昨日の練習でもチームをリーダーとして引っ張ってくれました。
今日も高いパフォーマンスで引っ張ってくれたので、感謝しています。キヨのクオリティーの高さ、リーダーシップを改めて感じた試合でもありました」

Q:中3日で浦和レッズ戦が控えています。浦和とは、9月はルヴァンカップ準決勝でも対戦するが?

「連戦が続きます。もちろん、リカバリーもしながら、しっかりと全員で、いい競争を続けていくこと。競争に勝った選手がピッチに立つ。そこはシーズンが終わるまで続けていきたいです。連戦で疲弊している選手もいると思いますが、第4コーナーを回ってラストスパートだと思っていますので、全員で最後まで駆け抜ける。そういうイメージでいます」

Q:今節は避難されているウクライナの方も招待しての試合になったが、このような試合を見せることができたことについて

「サッカーを通して皆さんに笑顔や元気、感動を少しでも提供することができれば、これほど幸せなことはありません。今日の両チームの、試合に懸ける思い、魂のぶつかり合いを見て、何か伝わってくれたら嬉しく思います。今日はホームで声出し応援でした。本来なら1-1で終わっていたかも知れないゲームでしたが、サポーターの強い後押しが、選手の背中を押して、中2日で疲れている選手の足を動かしてくれたことは間違いないと思います。今日の勝利はサポーターの皆さんに捧げたいですし、感謝の気持ちを伝えたいです」

選手コメント

■鈴木徳真選手
Q:得点シーンについて

「正直、狙った軌道ではなかったです。当てにいくことだけを意識していました。当てて落とすイメージはしていましたが、それが見事、ああいう軌道になって、ゴールに入りました」

Q:軌道は自身でも確認できた?

「そうですね。バーに当たって落ちて、ネットが揺れるまで全部、目で追っていたので、今でも思い出せるような感じです」

Q:自身でも、これまでのベスト5に入るゴールですか?

「ベストゴールだと思います。それは、今日の試合の状況も含めてです。連敗していたこと、どうしても勝利が欲しかったこと、上位に食らい付いていくために。いろんな要素があった上での、あのゴールだったので、僕の中でベストゴールに近いと思います」

Q:J1通算50試合でした。今季は節目に決めますね。

「いろんな人たちがサポートして下さって、積み重ねてきたことが今日、出たと思います。運が良かったと思う同時に、いろんな人に感謝したいです」

Q:内容が結果に伴わない直近の2試合をどう消化して、今節に臨みましたか?

「ボールを持つこと、僕らの良さは堅守速攻でもあるのですが、ボールを持つ時間帯を作りながら、相手をコントロールすることも必要でした。残り15分の戦い方も確認しました。試合前、試合をコントロールする映像を見て、試合終盤のボールの持ち方も今日の課題として臨みました。最後、清武さんとジェアンが結果を出してくれましたが、失点がなかったらベストな試合でした」

Q:ここ2試合の反省も生かしながら、鳥栖を相手にボールも握れたことは、大きな自信になった?

「そうですね。前回対戦時は握られる時間が長く、カウンターから仕留めて、追い付かれた。今回はボールを握った中で勝てたので、大きな成果を得られたと思います」

■ジェアン パトリッキ選手
「決めることができて嬉しいです。チーム全員の力で決めることができました。ここ数試合、内容は良かったですが、勝ち切れない試合が続いていたので、今日は勝てて良かったです」

Q:清武弘嗣選手のクロスを合わせた形でしたが、あの場面は信じて走り込んだ?

「はい。キヨのようなクオリティーの高い選手がボールを持つと、何かしらしてくれます。あのときも、絶対に自分にパスが来ると信じていたので、入っていきました」

Q:頭に当たった後、少し足にも当たった?

「そうですね。クロスが来るコースは分かったので、走り込んだのですが、ジャンプしてヘディングしようとした瞬間、ちょうどライトと重なってしまった(苦笑)とりあえず地面に叩きつけようとしたら、頭に当たって、膝に当たって、入りました。運も良かったです(笑)」

Q:天皇杯準々決勝・広島戦では、自身のロストが失点につながった。メンタル面でのキツさもあったと思うが、どう切り替えてこの試合に臨んだ?

「負けはしましたが、一人の責任ではなく、敗戦はチーム全員の責任だと思っています。それは勝ったときも同じです。今日の勝利にしても、全員が勝利にふさわしいプレーをした結果だと思います」

Q:追いつかれたあとも、チーム全体でもう1点を取りにいく気持ちが出ていましたね。

「そうですね。セレッソには、クオリティーの高い選手が集まっています。最後まで諦めず、点が取れると信じていました。それが実って良かったです」

Q:出場してから数分で結果を出したが、どのような思いでピッチに入った?

「出場時間は90分でも1分でも、100%の力を出すつもりで戦っています。僕だけではなく、途中から出る選手は全員がチームのために戦っています」

■奥埜博亮選手
「正直、勝てて良かったなと、ホッとしています(笑)追いつかれたときは、またかと思いましたが、そこでチームでバラバラにならずに戦えたことが良かったと思います」

Q:追いつかれた後、もう一段、攻撃のギアも上がったが?

「そうですね。特に守備で慌てなかったことが良かったと思います。バラバラに取りにいかず、しっかりブロックを作ってから、ひっかけて出ていくことができました。途中から出た選手が得点に絡んでくれて良かったです」

Q:ここ数試合の課題も踏まえつつ、ボールを握りながら試合もコントロールしていたと思います。鳥栖相手に、内容としても手応えがあった試合では?

「ここ数試合も、内容としては自分たちがやりたい形を多く出せていたのですが、それが結果に結びつかず…。ゲームコントロールの部分は、試合前に監督から提示もあったので、そこにみんなが向き合ってプレーした結果、速い攻撃と、相手を押し下げる攻撃もできたのではないかと思います」

Q:藤田直之選手と、キャプテン同士で対戦した感想は?

「ボランチでよく組んでいたので、やり辛い相手でした。結構、マンツーマン気味に付いてきたので、動き回ってやろうと思っていました(笑)いい選手だなと思いましたし、これからも、対戦相手としてかも知れないですが、一緒に戦いたいと思います」

■加藤陸次樹
Q:「出し切った」と話された天皇杯準々決勝・広島戦から中2日でしたが、再び先発で挑みました。

「この前と同じで、『やり切る』というメンタリティーだけで臨みました。足をつるまで走りました。限界でした(笑)」

Q:先発を変えないことに監督の決意も感じました。「もう一度、お前たちで取り返してこい」というメッセージも感じたのですが、そこは粋に感じる部分もありましたか?

「メンバーを変えなかったという意図は、スタメンで出た選手はみんな分かっていたと思います。勝って終わりたかったので、途中から出て結果で示してくれた選手にも感謝したいです」

Q:シーズン終盤に向けて、もう一度、チーム全員で戦い抜くことが大事?

「そうですね。チームとして攻守にやることはハッキリしています。全員がハードワークして、戦って、誰が出ても一体感を持って戦うことが大事。ここからまた、積み上げていきたいです」

■清武弘嗣選手
Q:劇的な勝利になったが、振り返ると?

「途中から入って、いつも失点を食らっていたので、ゲームコントロールを意識して入りましたが、また失点してしまったので…。そこは反省すべき点ですし、もう一回、しっかり考えないといけないと思います」

Q:ただ、同点で終わらず、最後に決勝アシストを決めました。

「最近、途中から入る選手が出てすぐ失点することが多く、自分の気持ち的にもそうですし、チームの気持ちが下がることも感じていたのですが、今日は自分自身、フィーリングが良かったので、まだチャンスはあると思いました。チームとして、本当に大きな1勝だと思います」

Q:前節の札幌戦も含め、個人としての状態も、ケガをする前に戻ってきた実感はありますか?

「足はまだ痛いですし、こんなに長引くのかと、もどかしい葛藤はあるのですが、今シーズンも残り少ないですし、足と相談しながら、残りを戦い抜きたいと思います」