第1節
2023明治安田生命J1リーグ
2023.2.18土
セレッソ大阪
為田 大貴 (28')
奥埜 博亮 (75')
2
HOME
FULL TIME
2
ヨドコウ桜スタジアム
1-1
1-1
アルビレックス新潟
谷口 海斗 (22')
千葉 和彦 (80')
ヨドコウ桜スタジアム
17,928人
ヤンマー #Football is our engineサポーティングマッチ
放送
DAZN / NHK新潟
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■小菊昭雄 監督
「今日の試合に向けて、始動日から素晴らしい準備ができました。その中で、キャプテンの清武やGKのキム ジンヒョンら、主力選手にケガや体調不良、ラスト1週間でバタバタとアクシデントがありました。少しチームも不安定になったのですが、その中でも選手は一丸となって最善の準備をしてくれました。お互いの持ち味が出た、強度の高い試合になったと思います。勝ち切れなかったことは残念ですが、近く数名が復帰できる予定ですので、次の試合に向けていい競争をしながら向かっていきたいと思います」
Q:互いのスタイルがぶつかり合った好ゲームでした。得点シーンは、新戦力の技術が発揮された一方で、失点場面は崩された形やセットプレーでした。今日の収穫と課題について
「得点シーン以外にも、チームとして準備した、トレーニングやキャンプで徹底したことがたくさん出たことは大きな収穫です。守備については、いい守備からいい攻撃に移るシーンもたくさんあったのですが、ワンツーではがされたり、ボールの失い方が悪くてカウンターを受けるシーンもありました。また、ゲームコントロールについても、ポケットやニアゾーンを速い攻撃で突いていくシーンと、もう少しボランチを基準にゲームを落ち着かせて全員で安定して運ぶ、そしてカウンタープレスで襲い掛かる。その使い分けができれば、チームとしても、自分たちの時間がより持てると思います。そこは次節まで全員で共有したいと思います」
Q:香川選手の起用時間と、彼のパフォーマンスについて
「予定では、アディショナルタイムを含めてマックス20分ほどで考えていたのですが、試合の流れで、私自身が彼を必要としたので、想定より長い時間、起用しました。パフォーマンスについては、ノーミスでしたし、素晴らしい技術、ゴールに直結するプレー、テクニック、やはり改めて、サッカーファミリーを楽しませてくれる選手だと感じました。どんどんコンディションが良くなっていくと思いますし、これからもっと長い時間プレーできるように、私たちもコンディション調整をしていきたいと思います」
Q:クルークス選手と毎熊選手で組んだ右サイドについて
「強烈な推進力でした。攻守に素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれたと思います。毎熊は、昨季は右サイドハーフでプレーしていたのですが、今季は本来の右サイドバックをしており、松田陸や進藤と競い合いながら勝ち取ったポジションです。2人でプレーを共有する時間が増えることによって、より彼らのパフォーマンスも上がると思っています。今後にさらに期待したいです」
Q:新加入選手たちの戦術浸透度について
「彼らの戦術理解度は高いですし、日本のサッカーも理解してくれていますので、短時間で積み上げができたと思います。あとは細部を合わせることができれば、いい守備でボールを奪う回数も増えると思いますし、攻撃でも彼らの良さが出る回数は増えると思います」
Q:投入前、香川選手にはどういう声掛けをしたか、また、2点目につながったプレーについて
「試合前からコミュニケーションを取っていますので、しっかりと自分の持ち味を発揮して、チームのタスクを果たして欲しいと話していました。得点のシーンは、彼の良さが出ていました。3人目の動きでボールを受けて、スルーパス。彼の技術やセンスが詰まっていると思います。他のシーンでも、たくさん観客を魅了するプレーがありましたので、今後はさらにその時間を長くできるように、彼と準備していきたいと思います」
選手コメント
◾︎為田大貴 選手
Q:勝利が欲しかったとは思うが、自身のゴールが、チームの今季初得点になりました。試合を振り返ると?
「相手の完成度が高かったですし、後手に回る時間帯も続きましたが、ああいう試合は昨季も多々ありました。先制はされましたが、焦る感じではなかったです。前半で追い付けたことは良かったですし、チームとしてやってきた崩しだったので、得点を取れたことは良かったです」
Q:少し守備でハマらない時間も続いた?
「自分たちの中で気にし過ぎたというか、もっと大胆にやっても良かった。ファーストラインぐらいなら、はがされてもいいというか。型にはまり過ぎたかなと。まだ1試合目ですし、自分たちも様子を見ながら、考えながらやった部分もあるので、ネガティブになることはなく、次に生かせると思います」
Q:J1でのゴールは7年ぶりということだが?
「そうですね(笑)。ただ、昨季もルヴァンカップでは取れていたので、そんな久しぶりという感覚はないです。前の選手を越えてきた時に、目の前にボールがある感じだったので、一瞬というか、ゴールを決めた、みたいな感じではなかったです(笑)」
Q:クルークス選手のキックを信じて入った?
「そうですね。信じて入っていきました。練習試合でも、ファーに流れてくるシーンは多々あったので。最初の持ち方や軌道で、大体、分かるようになってきました。ファーにふんわり来るのか、シュート性の鋭いクロスが来るのか、大体、蹴った瞬間で分かります。蹴るモーションを見て、走り込むところは決めています」
Q:次節は2人の古巣である福岡が相手だが?
「そうですね(笑)。古巣ですが、年数も経って、一緒にやっていた選手が多くいるわけではないので。もうあまり古巣感はないですが、福岡のスタジアムの雰囲気も素晴らしいので、いい試合ができればと思います」
Q:2点目は、自身の香川選手への落としから始まったが?
「真司さんが抜けるのではなく、僕の後ろにサポートに入ってくれたので、そこに落としました。僕自身、プレーの選択ミスやプレーの質が落ちる場面はあったのですが、あの距離感でできれば、もっといい攻撃はできると思います。真司さんが入ったことで、より攻撃のリズムはできました。みんなが湧き出ていけるようなタメができるので、一人一人の良さをチームで出していけるようにやっていきたいです」
◾︎奥埜博亮 選手
Q:相手のボール保持も上手く、動いて出ていくプレーなど、なかなか守備がハマらない時間帯もあったが、それでも一度は逆転した。試合を振り返ると?
「相手もいい立ち位置を取りながらボールを回すことが上手く、守備がハマらなかった時間もありましたが、我慢しながら引っかけてチャンスも作れていたので、そこは良かったと思います。ただ、自分たちで試合中に改善することは必要です。守備もそうですし、ビルドアップでも、試合の中で気付いて変えていくことが大事かなと思います」
Q:こぼれ球に詰めて決めた得点については?
「攻撃でも守備でもセカンドボールを拾うことは大事ですし、そこは自分の持ち味なので、その良さを出せたのかなと思います」
Q:起点は香川選手だったが、改めて、彼にボールが収まるとチャンスも増える?
「そうですね。ボールを受けるタイミングもいいですし、受けた後に失わないので、みんなが前向きにサポートできる。頼もしい選手だと思います」
Q:香川選手と鈴木(徳真)選手が入った時間帯は、攻撃の時は鈴木選手がアンカーだった?
「必ずしもそういうわけではないですが、選手同士で話しながら、スタッフの声も聞きながら、試合の中で臨機応変にやっています。その時、その時で、ダブルボランチやアンカーなど、使い分けていければと思います」
Q:プレスに関しては、試合の中で修正できた部分もあった?
「自分たちの良さを出すためには、全員が前向きに、いい状態で守備をするのがいいと思います。そうすればボールを取った後もゴールに近いので。ただ、押し込まれた中でも我慢強くブロックを作って守れる自信も自分たちにはあるので。そこからどうつないで相手をはがして自分たちのペースにするか。そこが今日は課題になったと思います」
■ジョルディ クルークス 選手
Q:セレッソでのデビュー戦でアシストを記録したが?
「素晴らしいデビューを飾れたことは良かったです。セレッソサポーターの前で、今季のアシスト第1号を決めることができました。ただ、結果として引き分けになったことは残念です」
Q:アシストとなったクロスについて
「ファーサイドを狙うことは意識しています。ファーに上げればタメ(為田大貴)が走り込んでくれると思っていたので、狙い通りでした」
Q:毎熊選手との縦関係について
「練習から日に日に良くなっていますし、ゲームを重ねるにつれて、もっといいコンビネーションを作れていくと思います」
Q:次節は古巣・福岡との一戦だが?
「2年間プレーしたチームなので対戦は楽しみですが、初勝利を飾れるように頑張ります」
■香川真司 選手
Q:セレッソでの再デビュー戦となったが?
「勝ちたかったですし、失点もちょっと不運な感じでセットプレーからやられましたが、そういうところをしっかり突き詰めていかないと改めて感じました。ただ、始まったばかりで連係面も含めて、もっと高めていく必要もあると感じているので、次節に向けて、また気を引き締めてやっていきたいです」
Q:時間制限がある中でのプレーだったと思うが、コンディションを含め、実際にピッチに立ってプレーした感触は?
「プレー時間については、2、30分という話をしていたので、想定内でした。そこに向けた準備はできていました。これからもっとコンディションを上げていきたいです。試合を通して、プレスや攻撃も含めていい形はありましたが、もっとやれると実感しています。練習の中からコミュニケーションを取ってやっていきたいです」
Q:改めて、サポーターの前でピッチに立った瞬間の思いは?
「正直、今日を迎えるまでは、なかなかイメージがついてこなかった部分もありましたが、スタジアムに着いて、ファン、サポーターの作る雰囲気は自分が経験したことのない雰囲気でした。それはすごく驚いたし、改めて、いいスタジアム、いい雰囲気の中でやれると実感しました。そこで改めてスイッチが入ったので、ファン、サポーターに感謝したいです。シーズンが始まったなと感じさせられる瞬間でもあったので、自分にとっては、大きな第一歩でした。次はホームで勝てるようにしたいです」
Q:得点につながるスルーパスもあったが、自身のプレーを振り返ると?
「もう次を見ているというか、今日の試合に対して、特別プレーに関して何か感じることはありません。何より大事なことは、ピッチに立って、始まったと感じることができたこと。そこが大きな一歩でした。クオリティーと連係面に関しては、もっと上げていかないといけないし、上げていけると確信しています」
Q:入ってすぐ、西尾選手や山中選手とポジショニングの指示をしていたが、気になっていた?
「ポジショニングの修正や、試合の中での修正は、選手間でやれることはやっていかないといけない。ピッチでやるのは選手なので、そういうところでのコミュニケーションはもっと増やしていかないと。チームとしてのベースがある中で、プレスも含めて、うまくハマらなかった時、その詰め方は、僕たちがピッチの中で自主的にやっていかないといけない。こういう相手は今後もいるだろうし、自分たちのストロングを消された時にどうするか。僕自身も経験がある身としては、(率先して)やっていきたいし、そういう集団になっていかないといけないと思います」
Q:「経験したことがない雰囲気」という言葉もあったが、これまで色んな国やスタジアムでプレーしてきた香川選手にとって、今日は何が特別でしたか?
「セレッソでは、長居でやることが多かったので。長居より収容人数は少ないですが、ファンとの距離は近い。満員のスタジアムで、コンパクトで一体感を感じることができました。これまで積み重ねてきた歴史も影響していると思うし、自分がいた時とは違う雰囲気も感じました。どれだけサポーターの力が大切か、改めて感じました。次の試合は必ず勝てるように、準備したいと思います」
為田大貴、奥埜博亮のゴールで一時は逆転も悔しいドロー。今季初勝利は次節へ持ち越し
いよいよ開幕した2023シーズン。今季はセレッソ大阪にとっても12月にクラブ創設30周年を迎える節目の年。そうした記念すべき1年に、クラブのレジェンド・香川真司も帰還。否が応でも期待は膨らみ、開幕戦を迎えることとなった。
もっとも、立ち上がりはアルビレックス新潟の巧みなパスワークに後手を踏み、準備してきたプレスがハマらない。“良い守備から良い攻撃”がうまく機能しない時間帯が続いたが、それでも、新加入の右サイド、ジョルディ クルークスを起点に突破口を見出すと、21分に決定機。ワイドに張ったクルークスからハーフスペースに進入した毎熊晟矢にパスが渡ると、毎熊の折り返しに為田大貴がフリーで合わせたが、シュートはクロスバーを越えた。すると、直後の22分に失点。新潟のロングボールに競ったマテイ ヨニッチがつり出され、空いたスペースを攻略された。ただし、「先制されましたが、焦る感じではなかった」と為田が試合後に振り返ったように、6分後、すぐさま同点に追い付く。西尾隆矢、為田、山中亮輔と左サイドでパスをつなぎ、山中のクロスが大外に流れたところを拾ったクルークスがインスイングでの鋭いクロスを入れると、逆サイドから飛び込んできた為田が豪快なヘディングでネットを揺らした。為田にとっては16年のアビスパ福岡時代以来、実に7年ぶりのJ1でのゴールとなった。
前半終了間際には、前線からの守備が機能し、レオ セアラ、北野颯太に立て続けにチャンスが訪れるなど、序盤の劣勢を跳ね返し、主導権を奪い返して前半を終えた。後半、セレッソはつなぎの部分でややミスが目立ち、シュートまでいけない時間が続く。そうした中、71分、ついにこの男がピッチに立つ。今季、12年半ぶりにJリーグ、そしてC大阪へ復帰した香川だ。すると4分後、ファーストプレーで得点を演出する。香川が起点となり、山中へ絶妙なスルーパスを送ると、山中のクロスに対し、DFのクリアが不完全になったこぼれ球に反応した奥埜博亮がしっかりとコースに蹴り込み、セレッソが逆転に成功した。ヨドコウ桜スタジアム史上、2番目の観客数で埋まったスタジアムが大歓声に包まれるなど、ボルテージは最高潮に達した中、このまま勝ち切りたいセレッソだったが、80分、CKから失点。“ラスト15分での失点”という昨季の課題を繰り返し、開幕戦は2-2の引き分けに終わった。
「決して34分の1ではない」(小菊昭雄監督)と強い意気込みで開幕戦に臨んだだけに、幸先良く勝点3を奪いたかったところだが、試合の中で修正しながら一度は逆転する底力を発揮し、新戦力も躍動。「クオリティーと連係面に関しては、もっと上げていけると確信している」と香川も試合後に振り返ったように、今後に期待が持てる内容であったことも確か。次節、アビスパ福岡とのアウェイゲームで今季初勝利を目指す。