2023明治安田生命J1リーグ第2節

2023明治安田生命J1リーグ

2023.2.25

アビスパ福岡

前 寛之 (47')

金森 健志 (89')

2

AWAY

FULL TIME

1

0-0

2-1

セレッソ大阪

上門 知樹 (59')

ベスト電器スタジアム

9,607

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

上門知樹にゴラッソも、勝利には結びつかず。終盤の失点で今季初の敗戦を喫する

今季初のアウェイゲームとなった今節。セレッソ大阪は、今季初勝利を目指し、アビスパ福岡との明治安田生命J1リーグ第2節に臨んだ。先発は、開幕戦から2人変更。上門知樹が2トップの一角に、舩木翔が左サイドバックに入った。

序盤、ボールを握ったのはセレッソ。8分、原川力のパスを上門が落とし、為田大貴がファーストシュートを放つと、23分にはビッグチャンス。西尾隆矢の縦パスをスイッチに為田が起点となり、舩木のパスに抜け出した上門が相手DFをかわして左足でシュートも、かつてセレッソでもプレーしたGK永石拓海に止められた。その直後にも左サイドからチャンス。舩木のパスから左サイドの奥を取った原川のクロスにレオ セアラが飛び込んだが、シュート直前、DFにクリアされた。

その後は次第にビルドアップが停滞し、試合のペースは福岡に。38分には、左サイドを崩されて決定的なピンチも招いたが、相手のシュートが枠を外れて事なきを得た。すると40分、セレッソに決定機。為田を起点に最後は舩木のクロスにレオ セアラがヘディングで合わせたが、ネットを揺らすことはできなかった。

選手交代も含め、さらにギアを上げていきたい後半だったが、開始早々、自陣でのビルドアップのミスを突かれて失点。一瞬、イヤな空気が流れたが、セレッソもすぐさま反撃に出る。53分、レオ セアラが自ら持ち運んで強烈なシュートを放つと、1分後には、奥埜博亮がポスト直撃のシュート。勢いそのままに、59分、同点に追い付く。開幕戦に続きこの試合でも右サイドバックで先発した毎熊晟矢がドリブルで中へ入り、中央の上門へラストパス。上門が相手DFをうまくかわして左足での強烈なシュートを放つと、これが見事ゴール左上に突き刺さった。

ここからセレッソの攻撃はさらに活性化。開幕戦と同様、鈴木徳真、香川真司が投入されて以降の時間帯は中盤でも試合を支配。77分には、香川を起点に右サイドでパスをつなぐと、最後は毎熊のクロスに再び香川が入り、ワントラップから巧みなシュート。決定機に近い形だったが、惜しくもGKの好守に防がれた。失点後は、カウンターから何度かゴールを脅かされながらもしのいでいた守備陣だが、88分、クロスから失点。試合後、「自分たちのいい流れの時間帯に失点したことは残念」と小菊昭雄監督と香川が声を揃えたように、試合展開としては逆転に持ち込めそうな流れだっただけに、悔いの残る失点となった。

このまま試合は終了。今季初勝利を目指して臨んだ一戦だったが、逆に今季初の敗戦を喫する結果に終わった。ビルドアップを含め、少し立ち位置の課題も目立った前半だが、開幕戦と同様、後半に立て直して試合の流れを掴んだことは収穫。現在は“生みの苦しみ”の過程を踏んでいるが、開幕戦、そして今節と得た収穫と課題を精査し、次節こそ勝点3につなげていきたい。


監督コメント

■小菊昭雄 監督

「一進一退のゲームでした。選手たちは最後まで勝ちにこだわって戦ってくれました。2失点目ですね、自分たちのいい流れができた時に、少し前がかりになって失点したことは残念ですが、できたところもたくさんありますので、しっかりと分析をして、1試合1試合、いい準備をしていきたいと思います」

Q:開幕直前に清武選手とキム ジンヒョン選手を欠いたことも影響していると思うが、パスの出しどころに困る様子というか、ビルドアップが思うようにいかなかった時間帯が多かったが?

 「相手がどのように私たちにプレスをかけてくるのか。そこはしっかりと分析した上で、相手の矢印をうまく使いながら、どうかいくぐっていくか。そこは今日の大きなテーマでしたが、ビルドアップで安定して運べなかったことが、今日、苦戦した大きな原因だと思います。新加入の選手も含め、タイミングを合わせたり、思いを共有するところは時間もかけていかないといけない。今日できたところ、できなかったところをフィードバックしながら、次に向けて修正していきたいと思います」

Q:後半、鈴木選手と香川選手を投入した意図は、ビルドアップの改善でしょうか?

 「そうですね。ボランチのところで、いかにボールを触りながら、彼らがリズムを作るか。ボランチを経由している間にボックスが空いてきますので、そこに真司がターンしてスピードアップを図る。そういう狙いで投入しました。彼らを投入後、いい時間帯も続きました。そこで2点目を決めることができれば、また違う展開になったのかなと思います」

Q:香川選手も、クサビに対する3人目の動きを見せていたが、ペナルティーエリア内での堅い守備を崩すのは、ダイレクトでのプレーも必要になる?

 「そうですね。一番、厳しいエリアでボールを受けることができます。そこから個人での打開、コンビネーションでの打開、色んなアイディアを持ち合わせている選手です。出場時間は短かったですが、彼が決定機を演出してくれたと思います」

選手コメント

■上門知樹 選手

Q:試合は悔しい結果になったが、今季初ゴールについて

「マイク(毎熊)が個人ではがしてくれて、パスが来るのは分かった。受ける前にイメージはできていた。あとは、グローリ選手が食いついたのが見えたので、ファーストタッチでかわしてニア上を狙った。入ったことは良かったですが、チームが勝っていないので、次はチームの勝利につながる得点を決めたい」

Q:左足でのシュートについて

 「今日は前半にも1本あったので、そこでのフィーリングが良かった。両足で蹴れれば、もっともっと怖い選手になれると思う」

Q:攻守ともにうまくハマっていない時間帯も多いように映るが、ピッチではどのように感じている?

 「そうですね。押し込まれた時に全体が下がり過ぎるというか、『もっともっとボランチを押し上げよう』とハーフタイムでも話していました。あとは、全体の距離感というか、僕とレオ(セアラ)も今日は遠かった。前節もそうですけど、奪った後の距離感が遠いので、そこをもっと詰めていければ、より厚みのある攻撃ができると思います」

Q:なかなか効果的に前にボールを運べていない?

 「もっともっと縦パスを入れてもいいと思います。そのためには距離感を良くしないといけない。僕らFW同士の距離感(の問題)もあるし、全体の問題もある。そこは全体で共有しながら改善していきたいと思います。ただ、点を取った後はいい流れも出ましたし、あのような時間帯のサッカーを増やしていきたいです」

■毎熊晟矢 選手

Q:アシストの場面について

「相手も5バックだったので、斜めの動きは捕まえづらいと思った。自分の得意な形だったし、ジョー(上門)がうまく受ける動きをしてくれた。自分というよりジョーが凄かったと思う」

Q:前半はスペースがなく、攻撃も少し停滞していた?

 「サイドハーフ(ジョルディ クルークス)がピンをして、ウィングバックを止めておく狙いでしたが、その形にハマり過ぎた。自分もジョルディ(クルークス)と同じレーンに立って、詰まった感じになりました。ハーフタイムに修正して、後半はうまくいったかなと思います」

Q:開幕直前にアクシデントで選手が変わった影響もあると思うが、チームとしてのビルドアップを試行錯誤しているように映る。今日も前半は苦しんでいたように見えたが?

 「いまは、運べているシーンも個人戦術というか、一人一人が気を遣っている感じになっている。そこをいかに周りが合わせて動けるかも大事。そういう意思疎通はもっと増やさないと、うまく運んでいけない。ただ、そこはネガティブではなく、前向きに捉えようとしています。練習でも、ゲーム形式の合間や、終わってからも集まって話をしています。試合ごとに良いシーンもあるので、一人一人が狙いを持ちながら、合わせていきたい。2人での連係は合う場面も出てきているので、それを3人、4人とつなげていく作業が必要だと感じています」

Q:ひとつアシストをしたことで、これからも得点に関わっていきたい思いも強くなった?

 「そうですね。後半は外で推進力を出せましたが、中でも外でも運べることが自分の強みだと思うので、そういったシーンを増やして、継続して結果を出せるようにしていきたいです」

■レオセアラ 選手

Q:今節は決定機に近い形のシュートもあったが、ゴールが近づいている感覚はありますか?

 「今日は練習してきたことをグラウンドで出す時間が少なかった。ただ、僕たちはやり続けるしかない。下を向いている場合ではないので、次に試合に向けて準備をしていきたいです」

Q:なかなかボールが入らない時間帯は、どのように考えながらプレーしている?

 「今日、何が悪かったかを分析して、来週また積み上げていきたい。チームのためにプレーを続けていれば、自然とゴールも付いてくると思います」

■香川真司 選手

Q:試合を振り返ると?

「いい流れの時間帯での失点だったので。負けたことは、率直に悔しいです」

Q:3人目の動きで攻撃を打開していく意思も感じたが、前半も含め、チームをどう見ていた?

 「ビルドアップのところで、効果的な運び出しができていなかったとは思います。そこは選手の立ち位置やテンポも含めて見直す必要はあります。ただ、アウェイだったので、何より前半は0-0で折り返すことも重要でした。後半の立ち上がりに失点したことはもったいなかった。同点に追い付いて、自分たちのリズムが出た時に失点してしまったこと、耐え切れなかったことは残念です」

Q:鈴木選手や香川選手が入り、攻撃にリズムも出てきたと思うが、何を意識してプレーしていた?

 「同点に追い付いてからの時間帯は良かったので、うまくコントロールしながら2点目を狙っていました。リズムは出来ていたので、あとはフィニッシュにどう持っていくか。そこをイメージしながらプレーしていました。セカンドボールなど細かいミスが出た時に相手に押し込まれて失点してしまった。そういうところは悔しいです」

Q:シュート場面があったが、ゴール前に入っていく回数が増えれば、必然的にゴールも近くなる?

 「もちろん、結果も欲しいですが、何よりチームの結果が欲しいです。特に序盤戦は。次節もまたアウェイですが、いい準備をして臨みたい。始まって2試合、まだ勝っていないので、みんな勝点3が欲しい。その思いを合わせて、僕たちはピッチで修正していくしかない。しっかりこの結果を受け止めて、一人一人がいい準備をしていきたいです」