第3節
2023明治安田生命J1リーグ
2023.3.4土
浦和レッズ
アレクサンダー ショルツ (61')
安居 海渡 (82')
2
AWAY
FULL TIME
1
浦和駒場スタジアム
0-1
2-0
セレッソ大阪
オウンゴール (33')
浦和駒場スタジアム
18,437人
放送
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■小菊昭雄 監督
「非常に悔しい敗戦になりました。チームとしても踏ん張りどころだと思います。昨年も決していいスタートを切れなかった中で、全員が同じ方向を向いて、一つ一つ積み上げていきました。そういったところをもう一度大切にして、ここから大きくジャンプするために全員で頑張っていきたいと思います。昨年は浦和との試合では、ほとんどの試合で、守備でゲームをコントロールする試合が続いたのですが、今年、取り組んでいるボール保持、ビルドアップからの攻撃は成長が見られたゲームだったと思います。しかし、昨年の我々の強みだった守備で、ここ数試合、失点が続いています。難しい両輪のバランスですが、自分たちの強みも強固にしていく必要性があると痛感したゲームでした」
Q:キム ジンヒョン選手が復帰し、鈴木選手も先発し、ビルドアップで浦和のプレスを回避するシーンは多く見られた一方、特に後半、前から奪いに行く選手と後ろで構える選手の間でギャップがあったように思います。昨年、良かった守備でのコンパクトさが失われていることについて
「おっしゃる通りですね。全員の、勝ちたい、ボールを奪いたい、そういった守備の責任感、役割を全うする気持ちは昨年同様、一人一人が強く持っています。ただ、我々の生命線である2トップから始まるプレスで少しタイミングのズレがあり、つながっていない時間帯がありました。ただ、良い守備から良い攻撃ができていた部分もあるので、全員がコンパクトに誘導していく、ハイプレスに移行していく、もう一度、守備のトレーニングも行いながら、(攻守の)バランスを取っていきたいと思います」
Q:ビルドアップに意識を傾けることで、守備がうまくいっていないと感じている?
「いえ。攻撃と守備は連動していますので。(課題は)セットしたときの守備の仕方ですね。奪った後のカウンタープレスなど、襲い掛かる守備は継続してできていますので、(課題は)ブロックを作ったときのプレスに行くタイミングです。コンパクトにしながら、いつ左右に誘導していくか。ボランチからの声も含め、その共有を、ゲームの流れを読みながら、全員で共通理解を高めていきたいと思います」
Q:復帰したキム ジンヒョンについて
「素晴らしいパフォーマンスでした。守備だけではなく、コーチング、リーダーシップ、そして何よりビルドアップで出口になるところ。攻撃で前進できたことは、彼の存在が非常に大きかったと思います。ジンヒョンだけではなく、コンディションが難しかった中で上がってきた選手もいますので、競争も激しくなっていますし、そうした彼らがさらにコンディションを上げていくことで、チームも安定していくと思います」
Q:ショッキングな逆転負けだったと思うが、メンタル面でどのようにチームを支えていきたい?
「冒頭にも話したように、昨年も厳しい船出の中で、それでも日常のトレーニングの中からブレずにチームは成長しました。個々の成長も感じられました。その経験ももう一度、大切にしながら、まずは私自身がブレることがないように、しっかりと昨年の経験を生かしながら、チームをもう一度、強く逞しくしていきたいと思います」
選手コメント
■鈴木徳真 選手
Q:ビルドアップで狙いを出せたところと、守備での課題と、両面が見られたが?
「ボールを持つところ、ビルドアップからフィニッシュにいく形は、練習通りにやりたいことができたと思います。守備では、相手のストロングである右サイドから崩されるシーンが多かったのと、全体の共通認識が足りなかった。守備での統一感を合わせる必要があったと思います」
Q:後半、前から取りに行きたいFWと、後ろで構えたいDFとの間で少しズレが生じたように思います。全体が広がり、浦和が使いたいスペースが空いてしまったように感じたが?
「そうですね。失い方も悪かったので、そこから分裂してしまった面もあったと思います。相手のビルドアップが不安定だった面もあったので、取りに行くか、行かないか、FWと後ろの連係が取れなかった。前は取りに行きたい、後ろは、(相手は)蹴ってくるからつながせておけばいい、というズレはあったと思います。試合後、ロッカールームでもみんなと話したのですが、そこは全員で共通意識をもたないといけない、という話はしました」
Q:毎試合、課題を修正すれば別の課題が出てくる、もどかしい序盤戦になっているが、踏ん張りどころというか、一つ一つ見直して積み上げていくことが大事?
「1-0までの展開は、僕らの狙い通りに遂行することができていました。同点に追い付かれた後、オフサイドディレイで取り消しにはなったけど、もう1点、取りにいく姿勢も出せました。そこも良かったと思います」
■上門知樹 選手
Q:「距離感を意識して」試合に臨んだ中で、ビルドアップでいい時間帯もありましたが、後半、少し間延びした時間帯もあったと思いますが、試合を振り返ると?
「前半、少し押し込まれた場面も全員で耐えて、タメくん(為田大貴)がオウンゴールを誘発して、得点して、流れも良くなりました。ジンさん(キム ジンヒョン)を含め、うまくプレスを剥がしてビルドアップできていた場面もありました。後半、ジンさんのところで剥がしたときに、落ち着いた後に自分たちでボールを失って相手ボールになった。勝っているときのボールの回し方、自分たちの時間の作り方はもう少しできるかなと思います。FWとしても、点を取ってチームを勝たせる部分がまだまだでした。僕自身も消えている時間が多かった。ただ、前節より良くなった部分もたくさん見えたので。それを続けていくことも大事です」
Q:後半のプレスに関しては、前から取りにい行く意思も感じたが、少し間延びした?
「行くときと行かないときのメリハリが、昨年より、チームとしてハッキリしていない部分もあると思います。行くなら行くで、迫力をもって行かないと剝がされる。行かないなら行かないで、リトリートする。試合の中で話をしながら改善しないといけない。そのスイッチを入れるのは僕らFWでもあるので、レオ(セアラ)とも話をしながら、サイドハーフのタメくん(為田大貴)やジョルディ(クルークス)とも話さないといけないところなので、そこはメリハリをつけていきたいです。もちろん、前から行って取れているところもありましたが、体力的にも全てで行くことはできないので、そのメリハリは大事です。迫力をもって行けば、必ず奪ってゴールまで行ける。そこは監督の求めるサッカーでもありますし、監督も話していましたが、そこはブレずにやっていきたいです」
■キム ジンヒョン 選手
Q:復帰戦となったが、今日を迎えるにあたって、コンディションは整えて出ることができた?
「少し感覚が戻っていない部分もありますが、やりながら上げていくしかない。まず今日、無事に終れて良かったと思います」
Q:前半から中長距離の正確なパスを何度も通し、攻撃のリズムを作っていたが?
「そうですね。そこはいつも通りにできました。みんな自分のプレースタイルも分かってくれていますし、立ち位置も取ってくれています。あとは自分が正確に味方にボールを送るだけなので。まぁまぁ良かったと思います」
Q:その一方、後半は2失点。ピンチもかなりあったが、どこに課題があったと思いますか?
「運び方を考えてやれば良かったです。前半と同じようにやり続ければ良かったと思います。立ち上がりは良かったですが、途中から、ニアゾーンを取りにいく回数が単発になって、相手に有利な距離感になった。僕らのラインが低い状態でプレーすることも多かった。ボールの運び方をみんなで徹底すれば良くなっていける。まだ3試合なので、これからもっと良くなると思います」
■香川真司 選手
「前半はいい試合展開でやれていましたが、サッカーは90分なので。耐え切れなかったかなと。入った時間帯で打開できると思ったのですが、失点して、なかなか前に行けていなかったので、少し難しくなりました」
Q:全体的に、もう少し前にコンパクトにする必要があった?
「そこの意思疎通が出来れば良かったですが、浦和も段々いいテンポで回してきたので、チームとしても苦しい時間帯が続いていました。試合後も話しましたが、前から行くことに関して、チーム全体の守備の意識を共有することができなかった。疲れもあって、なかなか前に押し上げることができなかったですね」
Q:試合後は、次へ向けての話をしていた?
「そうですね。切り替えてやるしかないですし、今日も途中まではいい戦いもできていました。ただ、結果、2失点しているので。いいところもあったし、もちろん課題もあるので、次、すぐにルヴァンカップがあるので、ホームで勝点3を取れるように準備したいです」
為田大貴のクロスから先制も、無念の逆転負け。序盤に訪れた試練をチーム全員で乗り越えたい
明治安田生命J1リーグ第3節、セレッソ大阪は、浦和駒場スタジアムに乗り込み、浦和レッズとのアウェイゲームに臨んだ。先発は、前節から4人変更。キム・ジンヒョン、鳥海晃司が今季初出場を果たすと、左SBには山中亮輔が戻り、鈴木徳真が今季初先発となった。
序盤、セレッソは守勢に回る時間を過ごすも、鳥海が何度も好カバーを見せ、失点は防ぐ。10分、レオ セアラが遠い位置からミドルシュート。DFに当たってゴールに向かったが、惜しくもクロスバーを直撃した。浦和のプレスに対し、キム ジンヒョンが正確なキックで裏返すなど、15分過ぎからセレッソもボールを握り始めると、27分には左サイドを崩してレオ セアラがシュート。28分には、浦和に速攻を浴びたが、シュートは枠を外れた。互角の展開で進んだ試合は33分、セレッソが先制に成功する。GK西川周作がFW目掛けて蹴ったキックに対し、マテイ ヨニッチが高い位置でクリアすると、セカンドボールを拾った為田大貴が迷わず縦に突破し、クロス。ファーサイドで上門知樹も詰めていた中、相手DFのオウンゴールを誘った。ここからセレッソの攻撃がさらに活性化。つなぎのテンポが上がり、守備でも即時奪回に成功。相手陣内で押し込むと、39分にはCKから決定機。ジョルディ クルークスのキックにマテイ ヨニッチが頭で合わせたが、GKの好守に防がれた。
1点リードで迎えた後半。前からプレスに行くFWに対し、やや後ろの押し上げが足りず、スペースが空き始める。52分、興梠慎三に背後を取られたが、ここはオフサイドで難を逃れる。ただし、59分、ビルドアップでのパスがズレたところを浦和に拾われ、カウンターを受けると、再び酒井宏樹のスルーパスから興梠に裏を取られると、たまらず鳥海がファウルでPKを与えてしまった。これをアレクサンダー ショルツに決められ同点に。それでも、失点後すぐに分厚い攻撃の中から、最後は左サイドを崩し、為田のパスに逆サイドでレオ セアラが合わせてネットを揺らしたが、VARオンリーレビューの結果、オフサイドの判定でゴールは取り消しになる。ここから両チーム、選手交代で打開を図ったが、攻勢に出たのは浦和。セレッソは押し込まれる展開の中、何とかしのいでいたが、82分に失点。その後は両サイドバックも変えて反撃に出たが、追い付くことはできず、無念の逆転負けを喫した。
「非常に悔しい敗戦になりました。チームとしても踏ん張りどころだと思います。昨年も決して良いスタートを切れなかった中で、全員が同じ方向を向いて、一つひとつ積み上げていきました。そういったところをもう一度大切にして、ここから大きくジャンプするために全員で頑張っていきたい」と小菊昭雄監督。次週は、いよいよ開幕するルヴァンカップに、J1リーグ第4節と、ホームでの連戦となる。何とかここで立て直し、反撃に打って出たい。序盤に訪れた試練を、チーム全員の力で乗り越えたい。