グループステージ 第2節
2023JリーグYBCルヴァンカップ
2023.3.26日
ガンバ大阪
食野 亮太郎 (90+1')
1
AWAY
FULL TIME
1
パナソニック スタジアム 吹田
0-0
1-1
セレッソ大阪
毎熊 晟矢 (52')
パナソニック スタジアム 吹田
26,110人
放送
フジテレビONE / FOD / SPOOX
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■小菊昭雄 監督
「大阪ダービーにふさわしい激闘だったと思います。両チーム、最後まで勝点3を狙いにいく好ゲームでした。ラストを勝ち切れなかったことは残念ですが、アウェイで勝点1は悪くないので、この勝点1を次はホームで勝点3を取れるように準備したいです。次はリーグのマリノス戦がありますので、また1週間、いい準備をしたいと思います」
Q:直近のリーグ戦から先発を2人変えて臨んだ試合でした。前半は攻撃、守備ともにうまくいかない時間帯も長かったが、どう振り返りますか?
「確かに、(キム)ジンヒョンのアクシデントがあるまでは、攻守に距離感、バランスがあまり良くなかったですね。アクシデントの間に、奥埜、北野、(松田)陸のポジションを修正したことで、少しゲームが安定したと思います。後半はその流れで、ゲームコントロールはできたと思います。ラストでやられてしまいましたが、オーガナイズはされていました。最後は選手交代や5バックなど準備もしていたので、そのチョイスもあったのですが、しっかりゲームをコントロールできていたので交代はしませんでした。ただ、残念ながら最後に失点してしまったので、私自身もしっかり振り返りたいと思います」
Q:後半は、得点だけではなく、試合自体のペースも握れていました。ハーフタイムを挟んで修正したところは?
「先ほども話した選手の立ち位置のところですね。(北野)颯太もずっとチームを離れていたので、ウィングの役割をもう一度整理しました。あとは奥埜と陸のポジションニングも、前半30分あたりで修正したことを引き続きやっていくと。そこを映像を使って確認しました」
Q:これまでは、加藤選手と香川選手、レオ セアラ選手と上門選手の組み合わせが多かったが、今節はレオ セアラ選手と香川選手の組み合わせでした。どのような狙いがあった?
「ムツキと真司、レオとジョーの組み合わせは、ある程度時間を経過した中で、それぞれの良さや、チームの規律の中でタイミングを図れる部分は出てきました。長いシーズン、色んなアクシデントも予想される中で、セットを変えてみて、彼らの強みを共有する。その中でも、チームの規律を全うする。そういった意図があって、今回は組み合わせを変えました」
選手コメント
■毎熊晟矢 選手
Q:得点シーンについて
「相手のミスからだったのですが、まずは(ドリブルの)コース取りを意識しました。あとは、中に2人走ってくれたので、自分一人では突破できていなかった。2人のおかげで得点できたと思います」
Q:左足でのキックだったが?
「運んでいる時から自分でフィニッシュまで行ってやろうと思っていました。うまく突破できて、ニアが空いたのが見えたので、うまく流し込めて良かったです。ダービーでのゴールは初めてだったので、興奮しました」
Q:勝ち切れたらベストだったが、同点という結果について
「ダービーなので、厳しい試合になることは分かっていました。前半からゲームを握られて苦しい展開だったのですが、全員で耐えることは意思疎通できました。ハーフタイムで改善して、後半は自分たちの時間帯で得点できました。その後もいい形はたくさん出せたと思います」
Q:厳しい内容でも失点ゼロで折り返せば、後半に流れが来る、という試合になりましたね。
「そうですね。昨年も、前半は厳しい戦いをしのいで後半に点を取って勝つ試合も多かったですし、今日もガンバさんは前半かなり圧力をかけてきたので、後半は落ちるとも話していました。そこは狙いを持ててやれたと思います」
■奥埜博亮 選手
Q:前半は攻守に厳しい内容になったが、振り返ると?
「そうですね。僕らが準備してきた形を相手も研究してきます。うまくいかない中でも、一回、ジンさん(キム ジンヒョン)がぶつかって時間が止まったところで、選手とスタッフで話しながら修正できたところはあります。その修正をもう少し早く自分たちで見極めてできれば、もう少し長く自分たちの時間は作れたと思います」
Q:修正した部分は立ち位置や距離感ですか?
「立ち位置の部分が大きいですね。相手が僕らの形にハメてきた、良さを消す守備をしてきました。そこで僕らが立ち位置を変化させれば相手も悩む。空いてくる部分もあります。プレーが止まった後の前半ラスト15分くらいからは、少しずつ自分たちの流れになっていったと思います」
Q:終盤のリスクマネジメントについて
「勝っている状態なので、相手も人数をかけて攻撃してきます。その中で少しのズレから失点してしまったので、その修正は必要です。僕らは改善しながら前に進んでいくだけです」
Q:セーフティーにプレーする意識の共有はされていた?
「中を固めること、最後は体を張って守れる自信もありましたが、一つずつズレたところで点を取られた。そこでのコミュニケーションや共通意識を高めていければと思います」
■香川真司 選手
Q:終盤の時間帯について
「結果論ではありますが、前半から少しバイタルエリアを使われる回数は多かった。そこでやられてしまったことは悔しいですね。試合を通じて、ラインが低かったり、後手に回る時間も多かった。ダービーなので、相手もアグレッシブに来ることは想像できましたが、僕たちも勇気をもって、前向きに守備ができるようにやっていかないといけない。少し後手に回るシーンが多かったですね」
Q:今日はスタートからレオ セアラ選手とのコンビでした。実際にプレーした感触は?
「彼の特長が出ていたところはたくさんあったと思います。前で体を張ってキープしたり、ストライカーとして、そういうプレーをやれる選手。お互いの特長を生かしていかないといけない。周りを生かす意識を一人一人がもてれば、もっとチームにプラスは生まれます。味方を見てプレーすること、そのクオリティーはもっと上げていきたいですね」
Q:久しぶりの大阪ダービーだったが?
「いい雰囲気でした。それ以上に試合に集中していました。もう少し試合をコントロールできるかな、と思っていましたが、前半から彼ら(ガンバ)の勢いが強かった。僕たちが後手に回るシーンはあったと思います」
■レオ セアラ 選手
Q:リーグ戦の第3節以来の先発となったが、今日のプレーを振り返ると?
「ダービーということで難しい試合にはなりましたが、自分たちも先制して、そこからはいいサッカーができました。最後に失点して同点で終わったことは痛いですが、試合は続くので、準備していきたいです」
Q:香川選手とのコンビについては?
「経験ある選手なので、攻守で常にコミュニケーションを取ってくれます。試合に向けてしっかり準備はしてきました。今日やって良かったと思います」
■北野颯太 選手
「レギュレーションもある中で、スタートから使っていただいて。左の感覚は、(U-20日本)代表でもいい感覚はあったので、監督とも『左でも大丈夫です』という話はして臨んだのですが、求められることは代表とも少し違う。慣れ、という言葉で済ませてはいけないですが、試合の中でコミュニケーションを取って、改善しないといけないと思いました」
Q:監督からの指示もあり、試合の中で修正できた?
「そうですね。前半の途中にサイドに張って、いい感じにはなりました。もっとボールに触って自分の特長を出せれば良かったです」
Q:代表とチームでの役割の違いについて
「代表では、ゲームを作る役割もあったので、もっとボールに触ってプレーしていましたが、セレッソでは、ビルドアップは任せて、よりウィングに近い役割になります。その違いはありましたが、新しい発見もあったし、できる部分もありました。次また左でやれば、今日よりもっといいプレーを出せると思います」
Q:途中から為田選手のプレーを見て学ぶことはありましたか?
「普段からやっているので、ボールの受ける位置を見て、さすがやな、と思いました。仕掛けるところも含めて、吸収しないといけない。いい見本が近くにいると思います」
Q:リーグ戦に向けて
「リーグ戦でのゴールはまだないので、早く決めたいですし、サポーターの皆さんも待ち望んでくれていると思うので、早くその期待に応えられるように、準備していきたいです」
<<今季最初の大阪ダービーは、毎熊晟矢の今季初ゴールで先制も、終了間際の失点で引き分けに>>
3月、最後の一戦。セレッソ大阪は、敵地に乗り込み、JリーグYBCルヴァンカップグループステージ第2節、ガンバ大阪との大阪ダービーに挑んだ。先発は直近のリーグ戦から2人変更。レオ セアラが公式戦4試合ぶり、U-21枠として、U-20アジアカップ帰りの北野颯太がスタメンを飾った。
前半、セレッソは相手の圧を受ける形でスタート。ボール保持の際も、低い位置で回す場面が多く、思うように前に運べない。劣勢を強いられる展開となったが、CBマテイ ヨニッチと鳥海晃司の懸命なディフェンス、さらにはGKキム ジンヒョンの好守もあり、失点は許さない。36分には、CKに対応したキム ジンヒョンが相手のキックを顔面に受けるアクシデント。なかなか立ち上がることができず、試合は5分ほど中断した。この間、監督、選手で話し合い、「奥埜、北野、(松田)陸のポジションを修正したことで、少しゲームが安定した」(小菊昭雄監督)。ボールを前に運び、敵陣に入る機会が増えると、前半終了間際には立て続けにFKとCKを獲得するなど劣勢を挽回し、前半を終えた。
後半も立ち上がりはガンバの勢いを受ける入りとなったが、52分、思わぬ形から先制に成功する。相手のパスがズレたところを拾った毎熊晟矢がドリブルで独走、緩急をつけて相手DFを振り払いつつ、最後はニア上を左足で射貫いた。「運んでいる時から自分でフィニッシュまで行ってやろうと思っていた。ダービーでのゴールは初めてだったので、興奮した」(毎熊)と話す背番号16の今季初ゴールで沸き上がるアウェイゴール裏。ここからは、浮足立つガンバに対し、試合の主導権はセレッソが握る。55分、レオ セアラ、北野の連動したプレスでボールを奪い、鈴木徳真が強烈なシュートを放つと、64分には、分厚い攻撃から、最後は松田のクロスにレオ セアラがボレーシュート。66分にも、左サイドでパスを回して崩し、香川真司がシュートと攻め立てる。75分、レオ セアラと香川に代わり、加藤陸次樹と上門知樹が入り、さらにプレスの強度はアップ。後半は相手に決定的なシーンは作らせず、優位に試合を運び続けた。
ただし、大阪ダービーはこのまま終わらない。後半アディショナルタイム、セレッソは一瞬、バイタルエリアが空くと、途中出場の食野亮太郎にミドルシュートを決められた。ここから火の付いたガンバの攻撃に対し、セレッソは防戦一方となるが、山中亮輔がゴール手前でクリアするなど、逆転弾は許さない。すると、ラストプレーでセレッソに決定機。途中出場で好プレーを見せていた為田大貴のクロスにマテイ ヨニッチが合わせたが、ヘディングシュートはわずかにクロスバーを越えた。この瞬間、試合は終了。激闘の末、勝点1を分け合う結果に終わった。敵地での大阪ダービー6連勝こそ逃したセレッソだが、これでルヴァンカップは開幕から1勝1分と負けなしでスタート。敵地でつかんだ勝点1を、グループステージ突破につなげていきたい。