第9節
2023明治安田生命J1リーグ
2023.4.23日
セレッソ大阪
毎熊 晟矢 (23')
1
HOME
FULL TIME
0
ヨドコウ桜スタジアム
1-0
0-0
柏レイソル
ヨドコウ桜スタジアム
10,673人
入場時間
SAKURA SOCIO ゴールド 11:30 / SAKURA SOCIO シルバー 11:35(ゴールド会員様入場後) / SAKURA SOCIO 11:40(ライト会員は除く) / 一般 12:00
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MATCH REVIEW
監督コメント
■小菊昭雄監督
「連戦でこの暑さの中、非常にタフなゲームになりましたが、しっかりと勝ち切ったこと。そこが非常に嬉しく思います。また、最近は失点が多かったのですが、この環境の中で、全員がタフにハードワークした結晶でクリーンシートで勝てたことを嬉しく思います。試合前、今日勝って連勝することによって、トップ5、トップ3の背中を捉えることができると思っていたので、そういう意味でも大きな試合でした。昨年は、こうやってチームが上向きのときにことごとく広島に止められました。今年のチームは成長したと、自信をもって日々取り組んでいけるように、1週間しっかりと準備して、内容と結果にこだわって次節に広島戦に向かいたいと思います」
Q:試合前、「相手の強みであるカウンターを受けないように、ゲームコントロールが重要になる」という言葉もあったが、今日の試合は意図的にテンポを落とした部分もありましたか?
「レイソルのメンバー表を見たときに、高さ、強さではなく、スピードがあって走れる選手を起用してきましたので、レイソルの強み、カラーを全面に出してくるという予想の中で、我々は、よりしっかりとゲームをコントロールすることが大事になると思っていました。その中で、しっかりボールを握るところ、守備に関しては、ハイプレスと、セカンドラインの使い分け、それはキャンプからずっとやってきたことなので、その使い分けがしっかり出せたことが、今回クリーンシートで勝てた大きな要因だと思います」
Q:決勝点の毎熊選手について。彼が復帰して、前節、今節と勝利したが、このチームにおける彼の重要性について
「攻守に推進力のある選手ですし、私のサッカーに必要不可欠な貴重な選手だと思っています。今日も少し痛みを抱えながらのプレーでしたが、昨年からさらに成長している姿、パフォーマンスを発揮してくれています。まだまだ彼は伸びる選手です。今は右のウィングをやっていますが、様々なポジションで色んな刺激を与えながら、もっともっと成長できるように引き上げていきたいと思います」
Q:鳥海選手から進藤選手への交代理由について
「疲労による交代です、本人からサインがありました。進藤も、右のセンターバックだけではなく、左のセンターバックとしても練習から高いパフォーマンスを発揮していたので、迷うことなく交代させました」
Q:フル出場が続いているマテイ ヨニッチ選手について。ここまでのプレーをどう見ていますか?
「常に心身ともに安定している選手です。波の少ない選手だと思っています。もちろん、選手一人一人、好不調の波もあるのですが、自分自身に矢印を向けて、毎日のトレーニングに100%で取り組んでいる選手です。最終ラインのリーダーとして、高さ、ラインコントロールも含めてチームを引っ張ってくれている貴重な選手です」
Q:今節の試合の締め方について
「鳥海にアクシデントがあったので、5バックの選択肢はなくなりました。システムを維持しながら、という中で、原川も連戦でケガ明けでしたので、鈴木徳真を入れました。毎熊も少し痛みを抱えていたので、中原を入れました。プレーしなかった北野颯太、ハンビンも含めて全員で戦った結果の勝利だと思います」
Q:ゲームコントロールでは、香川選手と奥埜選手がインサイドハーフにいる効果が出たと思う。香川選手がフル出場するようになって、2人のコンビも良くなっているように見えるが?
「4-3-3を始めたときは、色んなエラーも課題もありました。その中でも、彼ら2人は練習から常にコミュニケーションを取っていました。原川も含め、3人でスペースを見つける目。ローテーションのタイミング。何よりも経験とクオリティー。そこは彼らがもっている素晴らしい武器です。トレーニングを積み重ねるごとに解決することはたくさんありますし、これからさらに、若い選手との競争の中でチームも成熟し、レベルアップしていくという確信をもっています」
Q:今後、暑さも増してくる中で、年齢の高い彼らを使い続けることのリスクもありますか?
「平均年齢は高いですが、日常の競争で勝ち取った選手が試合に出る。そこはブレずにやっていきたいです。メンバー外の選手も含めて将来が楽しみな選手も多いので、彼ら(香川や奥埜)の良さも学びながら、追いつき追い越せるように。これからも正当な競争をしながら、若手のサポートもしていきたいと思います」
選手コメント
■毎熊 晟矢選手
Q:決勝点となった先制点について
「最初のタッチをミスして相手も来たのでちょっと焦ったのですが、逆にニアのコースしかないと思って、うまく流し込めました」
Q:前からの連動したプレスでボールを奪ったシーンだったが?
「最初は自分が引き過ぎていたので、得点の少し前に、『高い位置に行った方が相手を誘導しやすい』と(松田)陸くんと話していました。あのシーンは少し高く取って、それに合わせてレオ(セアラ)と(香川)真司さんもうまくサイドに誘導して相手のミスも生まれた。それによって自分もフリーになったので、あのシーンは、陸くんとの話で高い位置を取れたのが良かったと思います」
Q:試合の入りはプレスがハマらず、柏にボールを運ばれるシーンもあったが?
「そうですね。ちょっと距離感が遠くて、相手のサイドバックが高い位置を取ったときに自分たちが下がり過ぎていた。レオが守備で孤立しているシーンもあった。そこで相手に中を使われたシーンも多かった。ちょうどあの得点シーンあたりから、距離感よく守れていたと思います」
Q:後半はピンチも少なかったが、後半の守備について
「前半最後のいい距離感での守備を続けていこう、という話はしていました。自分たちが出たらサイドバックも出てきてくれて、その連動もうまくいったと思います」
Q:前日の取材で話していた、「自分が出たら負けない」という言葉を有言実行しましたね。
「いや(苦笑)。あれは、なかなか自分が点を取れていないこともあり、自分にプレッシャーをかけたいと思って言いました(笑)。自分が出たら勝てる、とは思っていないですし、チーム全員で取れた勝利だと思います」
Q:カップ戦を含めて、セレッソ加入後、自身が点を取った試合は負けなしだが?
「長崎のときから負けていません。自分が点を取ればチームが勢いづくと自分に言い聞かせて、これからもやっていきたいです(笑)」
Q:今季初ゴール、という部分に関しては?
「(リーグ戦では)去年の5月から取れていなかったので、焦りや責任も感じていました。今年も取るのが遅くなってしまったのですが、ここで一つ取れて、ホッとしました」
Q:ルヴァンカップでのガンバ戦、そして今節と決定力が上がっているが、練習から意識していることはありますか?
「去年も全体練習後にシュート練習はやっていたのですが、なかなか取れず。ちょっと考え過ぎていた部分もあったので、今年は感覚に頼ってみようかなと。そこは少し考えを変えています」
■レオ セアラ選手
Q:アシストした得点シーンについて
「難しい試合でタフな試合でしたが、あの場面は自分たちがプレッシャーをかけてうまくハマって、真司がボールを取ってくれて、いいカウンターからゴールが決まって良かったです」
Q:得点こそなかったが、起点を作る動き、背後に抜ける動きなど、良さも随所に出ていた。この形での1トップも徐々に慣れてきた?
「そうですね。時間とともに連係は良くなっていますし、続けていくことが大事です」
Q:次節は、昨年勝てなかった広島が相手です。昨年はチームにいなかったレオ セアラ選手の活躍も期待されるが?
「昨年、広島に勝てなかったことは、さっき聞きました。横浜FMで対戦したときも難しい相手でした。今年も難しい試合になると思いますが、いい準備をして3連勝できるようにしたいです」
■香川 真司選手
Q:無失点で終えたことについて
「ホームでのここ2試合、失点する時間が早かったので、入りは重視していました。ミスから危ないシーンもありましたが、ゼロで終われて良かったです」
Q:中盤の位置も、試合の中で少しずつ修正しながら守れた?
「そうですね。試合の中ではハマらない時間帯もあるし、その中でうまく修正しながら耐えることもチームとしては重要です。そういう意味では、うまく修正できたと思います」
Q:中3日で暑さもあり、体の重さも少しありましたか?
「体は問題なかったですが、中3日が続いてどこか(頭と体が)リンクしていないところもありました。それは両チームに言えることだと思います。ただ、それは想定内ですし、その中で勝ち切ったことはチームにとって自信になったと思います」
Q:いい守備からカウンターで仕留めた得点シーンについて
「ピッチがドライで、少しやりづらさもありました。そこは相手も同じだったと思うので、相手のビルドアップをうまく突けたところが結果につながって良かったです」
Q:香川選手はいませんでしたが、次節の広島には、昨年勝てなかった。そういう相手に勝つことが、さらに上にいくためには必要になる?
「そうですね。去年はやられていますが、そこにとらわれても仕方ない。今年は今年です。いいチームであることは間違いないので、いい準備をして臨みたいです。積み上げていることをしっかりぶつけたいです」
■原川 力選手
Q:試合を振り返ると?
「今日は守備の時間が長かった。攻撃でもっとボールをもってコントロールできたら良かったですが、先制してからは、引いてカウンターの狙いがありました。その両方を使い分けることができたらいいと思います」
Q:序盤は柏にボールを握られる時間帯も長かったが?
「そうですね。相手も僕の脇を狙ってきたので、中で3人(香川、奥埜)で話しながら、おっくんが少し落ちて4-4-2っぽくやりました。相手を見ながら改善できたと思います」
Q:今季初の連勝となったが?
「今日は耐える時間も長かったですが、こういう試合を勝てたことも大きいです。もっともっとボールをもって、自分たち主導で勝てる試合も増やしたいですが、それができないときにこういう勝ち方ができることも大きいので、プラスに考えてやっていきたいです」
Q:自身もケガが治って今季は仕切り直しだが、現在の状況について
「アンカーという役割なので、守備で貢献しながら。ただ、守備だけの選手ではないので、プラスαで自分の特長ももっと出していかないといけないと思います。試合をしてリズムを作るタイプなので、やればやるほどコンディションは上がっていくと思います」
■鳥海 晃司選手
Q:「疲労による交代」ということだが?
「後半15分を過ぎたあたりから、少しつってしまいました(苦笑)」
Q:無失点で終われたことについて
「自分たちのミスから奪われるシーンも多かったので、そこは改善していきたいです。ただ、最後は守って無失点で終われたことは良かったです。続けていきたいです」
Q:次節は、昨季勝てなかった広島が相手だが?
「去年はいいときに広島にやられました。今年はここで叩いて、もっと上にいきたいです」
■キム ジンヒョン選手
Q:無失点での勝利について
「最近、自分のパフォーマンスもあまり良くなくて、失点も多かったのですが、次の広島戦に向けて、いい無失点になったと思います」
Q:相手に助けられた場面もあったと思いますが、無失点で終われた要因について
「後ろで自分たちのミスもありましたが、みんなが切り替えて対応できたことが大きかったと思います。前半の最初は守備がうまくハマらなかったのですが、途中からバランスを見て修正できたことも良かったと思います。連戦で疲れもあったと思いますが、一人一人が責任をもってプレーできたと思います」
Q:ハーフタイムで修正した部分はありますか?
「守備のところですね。立ち上がりは、相手のボランチに自由にボールが入っていました。相手もうまく僕らのギャップに入ってきていました。そこで相手が前向きで来たら、僕らは下がるしかなくなってしまう。後半は、後ろ向きの守備になるのではなく、立ち位置を変えながら、僕らが前向きに守備できるような形に修正しました」
Q:今季初のリーグ戦での連勝だが?
「これからもっと上に行くためには勝ち続けないといけない。次がまた大事になると思います」
Q:ここ数試合、キャプテンマークを巻いていますが、巻いて臨む試合は違いますか?
「重いっす(苦笑)。キヨは凄いなと思います(笑)」
毎熊晟矢の決勝点に、今季2度目の無失点でウノゼロ勝ち。今季初の連勝で7位へ浮上
今季初のリーグ戦での連勝を目指して臨んだ今節。セレッソ大阪は、ホームに柏レイソルを迎えて明治安田生命J1リーグ第9節に臨んだ。先発は、前節のFC東京戦から1人変更。前々節の試合中に左肩を負傷した為田大貴が2試合ぶりに先発復帰を果たした。立ち上がり、セレッソは小気味よくパスをつないで攻めてくる柏に対し、守備でやや後手を踏む展開に。取りどころが定まらず、容易くボールを前に運ばれるシーンもあった。ただし、最初のチャンスはセレッソ。8分、素早いリスタートから為田が狙い澄ましたロングシュートを放つと、ポストを直撃。その後もセットプレーからゴールに迫ると、23分、先制に成功する。柏の組み立てのパス交換がズレたところを香川真司がカット。すぐさまレオ セアラ、毎熊晟矢とつないでショートカウンターを発動させると、毎熊がGKとの1対1を冷静に沈めた。試合前日、「明日は結果にこだわって戦いたい。個人として、今節は自分の価値を示せるチャンス」と話し、自身に「プレッシャーをかけた」男の有言実行弾で、セレッソが試合の流れをつかんだ。ただし、その後の時間帯は柏に多くの決定機を作られる。
それでも27分、マテウス サヴィオのシュートはクロスバーに当たって事なきを得ると、自陣でボールを奪われて迎えた29分のピンチでは、味方のミスをカバーすべく全員が体を張って相手のシュートは阻止。同点は許さず前半を終えた。この試合では、アンカーを務める原川の脇で相手に起点を作られていたこともあり、「中で3人(香川と奥埜)で話しながら、おっくん(奥埜)が少し落ちて4-4-2っぽくやりました」(原川)と試合中に守備時の中盤を修正。後半も「前半最後の、いい距離感での守備を続けていこう、という話はしていた」(毎熊)と[4-4-2]でセットする形で柏を迎えた。ボールこそ柏に握られる時間も長かったが、安定した守備から追加点を狙うと、64分には、香川が起点となってボールを運び、最後は山中亮輔のクロスに奥埜がニアで合わせてビッグチャンス。70分にも、今度は奥埜が起点となって右サイドへ展開し、毎熊のクロスにニアでレオ セアラ、ファーで為田が飛び込み、ゴールまであと少しという場面を作る。83分には、交代で入った上門知樹が左サイドを突破してクロス。中で奥埜が合わせてネットを揺らしたが、上門がオフサイドでゴールとはならず。
結局、2点目こそ奪えなかったセレッソだが、後半は柏のシュートを2本に抑え、危なげない試合運びで今季2度目のクリーンシートを達成。「前半の最初は守備がうまくハマらなかったが、途中からバランスを見て修正できたことが良かった」とキャプテンマークを付けて最後尾から支えたキム ジンヒョンも納得の表情を浮かべた。「今日は耐える時間も長かった。もっとボールをもって、自分たち主導で勝てる試合も増やしたいが、それができないときにこういう勝ち方ができることも大きい」と話したのは原川。直近のルヴァンカップから中3日、さらには暑さも増してきた中での14時キックオフという条件の中、強かに試合を運んだ。今季初の連勝で順位も7位へ浮上。いよいよ上位の背中も見えてきたタイミングで、次節はホームにサンフレッチェ広島を迎える。昨シーズンは公式戦4連敗と苦渋をなめさせられた相手だが、「そこにとらわれても仕方ない。今年は今年。積み上げていることをぶつけたい」と香川。試合後の会見では小菊昭雄監督も、「今年のチームは成長したと、自信をもって日々取り組んでいけるように、1週間しっかり準備して、内容と結果にこだわって次節に向かいたい」と力強く話した。