2023明治安田生命J1リーグ第10節

2023明治安田生命J1リーグ

2023.4.29

セレッソ大阪

0

HOME

FULL TIME

1

0-0

0-1

サンフレッチェ広島

ドウグラス ヴィエイラ (90+3')

ヨドコウ桜スタジアム

16,151

  • 入場時間

    SAKURA SOCIO ゴールド 11:30 / SAKURA SOCIO シルバー 11:35(ゴールド会員様入場後) / SAKURA SOCIO 11:40(ライト会員は除く) / 一般 12:00

  • イベント

    セレッソわくわくキッズデー

  • 放送

    DAZN

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MATCH REVIEW

前半の劣勢をしのいで盛り返すも、最後に失点。3連勝はならず、悔しい敗戦

3連勝を目指してホームにサンフレッチェ広島を迎えた明治安田J1リーグ第10節。セレッソ大阪の先発は前節と同じ11人。現状の“ベスト”と言える布陣で、昨季4度対戦して一度も勝てなかった天敵に挑んだ。

広島の強度の高いプレスをいかにかいくぐってボールを前に運べるか。試合前、小菊昭雄監督もポイントに挙げていた中、セレッソはビルドアップに苦しむ。序盤から圧力をかけてきた広島に対し、自陣で釘付けにされる時間が続くと、7分に最初の被決定機。ただし、ここはGKキム ジンヒョンの好セーブと相手のシュートミスで事なきを得る。10分にもCKから鋭いヘディングを打たれたが、再びキム ジンヒョンが好セーブ。すると15分、押されていたセレッソにも決定機。レオ セアラが起点となり右サイドへ展開すると、毎熊晟矢、松田陸とつなぎ、最後は香川真司のクロスに為田大貴がヘディング。うまく体を捻ってボールを枠にねじ込んだが、広島のGK大迫敬介に防がれた。

広島の圧力をかわし切れず、試合の入りは押し込まれたセレッソだが、25分を過ぎたあたりから徐々にボールをつなげるようになる。それでも、広島の前へ、前へと付けてくるパスワークに後手を踏むと、32分には、ペナルティーエリア手前から川村拓夢にドリブルで運ばれ決定的なシュートを許したが、ここでもキム ジンヒョンが立ちはだかり、ゴールは許さない。45分のほぼ全ての時間帯を自陣で過ごす苦しい前半となったが、守護神とDF陣の奮闘もあり、何とか0-0で折り返すことに成功した。

こうなると、自然と試合のリズムは変化する。後半は強度がやや落ちた広島に対し、セレッソが中盤でボールを受けて前に展開するシーンが増えていく。前半は相手のマークに苦しんだ香川も後半は前向きにボールをもち始めると、51分、香川を起点にレオ セアラがミドルシュート。55分にも香川のスルーパスからレオ セアラがゴールへ向かう。徐々にゴールの匂いが漂ってきた58分、この試合、セレッソにとって最大の決定機が訪れる。スローインの流れから、右サイドでパスをつないで崩すと、最後は奥埜博亮のパスをレオ セアラがスルーし、逆サイドの為田へボールが渡る。押し込むだけ、といった状況を作ったが、GK大迫のポジション移動も目に入った為田はレオ セアラへのパスを選択。GKに距離を詰められたレオ セアラもシュートは打つことができず、好機を生かし切ることはできなかった。

圧倒された前半から修正し、後半は五分の展開まで戻したセレッソ。71分には、為田に代わり、加藤陸次樹が入り、そのまま左ウィングでプレー。広島戦に特別な思いを抱く背番号20の活躍に期待は高まったが、なかなか前向きでボールを受けることができず、一気にギアを上げてゴールへ、といったシーンは作れない。広島もベンチに控える強力なカードを次々に投入してきたが、セレッソの守備陣、特にマテイ ヨニッチと鳥海晃司のCB陣が最後まで集中を切らすことなく相手の攻撃を跳ね返す。このまま試合は後半アディショナルタイムへ突入。昨季、幾度となく広島にやられた時間帯、セレッソとしては、過去を乗り越え勝点1でも得たい展開だったが、90+3分、左サイドを崩され失点。ここまで懸命に守ってきた守備陣だが、最後に崩れてしまった。それでも諦めずに同点を目指したセレッソだが、直後にタイムアップ。内容、結果ともにまたも広島に後塵を拝する無念の結果となった。もっとも、GWによる連戦が続く5月。中3日で迎える次節はガンバ大阪との大阪ダービーだ。「昨年もダービーで勝ってから、チームは一気に成長した。今年も今後を左右する大一番」と小菊監督。しっかりと心身を回復させ、勝利だけを目指し、敵地へ乗り込む。

監督コメント

■小菊 昭雄監督

「広島を分析する中で非常に強く素晴らしいチームだなと感じていましたが、実際に対戦してもやはり強かったです。まずその印象を強く感じています。その中で、選手たちは前半の厳しい時間帯をしのいで、後半になって、少しずつ自分たちの時間やチャンスを作り出して巻き返してくれました。色んなオプションの中で、今日は進藤、西尾と後ろの選手を多くして、色んなオプションを駆使できるようにメンバーを選びました。ラスト5分、10分、勝点1を取りにいく戦術も選択肢にはあったのですが、私の中ではホームで広島に勝ちたい、勝ちにいく。その思いを貫いた結果、選手たちはその思いに応えてくれたと思います。最後まで勝利を目指して戦ってくれたことに感謝しています。結果、負けてしまいましたが、私の選択の中で敗れてしまったので、私の責任だと思っています。しっかりと試合を振り返り、チームとして、個人として、足りなかったことをこの試合から学んで、また強くなっていけるようにやっていきたいと思います」

Q:選手交代で加藤陸次樹選手を投入した際も左ウィングの位置で起用された。最後まで[4-3-3]を崩さなかった理由について

「[4-3-3]を変えなかったのは、苦しい時間帯から自分たちでペースをつかみ、試合の経過とともに、自分たちでコントロールする時間帯が増えてきました。(後半は)距離感や関係性、攻守にバランスが取れてきました。[4-4-2]や3バックなど色んな選択肢もあったのですが、流れを大切にしたかった。そこが一番の理由です。先ほども申し上げた通り、思い切ってシステムを変える選択もあったと思うのですが、勝つために正しい選択をしたと思っています。その判断の中で敗れてしまったことは私の責任です。自分自身もこの敗戦を生かしていけるようにやっていきたいです」

Q:またも終了間際に失点する形となったが、広島の土壇場の強さをどう感じていますか?

「広島の強さはスカウティングの中でも感じていたのですが、実際に前半から強さを感じました。チームとしても、個の局面での技術、球際の強さ、切り替えの速さにしても、実際に対戦してみて強いな、逞しいなと感じました。その中でも、選手たちは勝つためにファイトしてくれました。最後は広島のパワーが最終的にはこういった結果になったと思います。私たちも、そういった強さ、逞しさ、そのあたりはチーム全体で向上していかないといけない。改めてそれを痛感したゲームでした」

Q:次節の大阪ダービーへ向けて

「今日、スタジアムにお集まりいただいたサポーターの皆さんは、このような最後、悔しい敗戦の中でも、試合後は温かい、力強い声援を送ってくれました。もちろん、私たちには届いていますし、その思いも背負って戦わないといけないと思っています。今年も今後を左右する大一番だと思っていますので、今日の敗戦をしっかり受け止めて、心身ともに回復して、次のダービーに向かいたいと思います」

選手コメント

■キム ジンヒョン選手

Q:前半から好セーブを連発した中で最後に失点して敗れた。気持ちの整理を付けるのが難しい部分もありますか?

「ピンチも多かった中で、最後まで守り切れれば良かったですが、結局、最後にやられてしまった。僕も含めて一人一人が責任をもって最後まで守り切ることが必要でした。相手も強かったですが、(攻撃は)もう少し高い位置でボールをもって2次攻撃、3次攻撃をしていかないといけなかったです」

Q:今日に関しては、相手の前からの守備もタイトで、ボールを運ぶことが難しかった。ジンヒョン選手がボールをもっても、なかなか空いている選手が少なかった印象だが?

「そうですね。マンマークに来ていたし、距離感が少し遠く感じました。遠い分、サポートも少し遅れた。なかなかうまくいかなかったですね」

Q:ウィングを走らせるキックもなかなか蹴る状況にならなかった?

「もう少しシンプルに背後に走ってくれたら、蹴れたかも知れないけど、つなぐ意識が強く、足元が多くなってしまった。裏に走る場面は少なかったですね。相手のラインも高かったので、もう少し背後の意識をもっても良かったと思います」

Q:広島戦に向けて特別な気持ちもありましたか?

「広島だからというより、上に行くために重要な試合でした。3連戦の初戦という意味でも大きな試合だと思っていたので、勝ちたかったです。残念な結果になりましたが、ここから連勝できれば、また上位争いに加われるので次の試合に向かっていきたいです」


■マテイ ヨニッチ選手

Q:試合を振り返ると?

「前半は苦しみました。相手に多くのチャンスを与えてしまったのですが、ジンヒョンが止めてくれて無失点で折り返すことができました。後半から自分たちも修正して、守備だけではなくチャンスも増えて、ゴールに迫る機会もありました。そこで決められず、その結果、最後にまた苦しい場面が訪れて失点してしまいました。結果は残念ですが、4日後にすぐ大阪ダービーがあるので、気持ちを切り替えて試合に向かいたいです」

Q:集中力を感じさせるプレーが続いていたが、今節に向かう気持ちは強かった?

「そうですね。昨年4度対戦していずれも敗戦した相手だったので、同じ結果にしたくないという気持ちでプレーしていました。ただ、今日も足りなかったのか、負けてしまったことは残念です」


■為田 大貴選手

Q:厳しい試合の中で、前後半とも決定機は自身に訪れた。前半は相手GKを褒めるべきだが、後半の決定機を振り返ると?

「シュートも打てたのですが、自分の判断ミスです。レオ(セアラ)も見えて、GKもこっちにスライドしてくると思い、パスを選択したのですが、打たないといけないシーンだったと思います」

Q:前半、苦しい展開が続いた中で、後半は盛り返せた時間帯もあったが、内容を振り返ると?

「前半は耐えるしかないと、みんなで割り切って戦っていました。内容は良くなかったですが、失点ゼロでしのぐことが大事だと思って、全員で意思統一していました。後半になり、点を取りにいった中で、自分にもチャンスが来たので、決めないといけなかったと思います」


■毎熊 晟矢選手

Q:失点の時間帯もそうだが、内容としても難しい試合になった印象だが?

「そうですね。自分たちがやりたいことより、相手のやりたいことの方が多く出せた試合になったと感じています」

Q:後半は中盤にスペースもでき始め、ボールを握る時間帯も増えた。後半の立ち上がりは手ごたえもありましたか?

「ハーフタイムに相手は落ちてくるという話はしていましたし、立ち上がり、相手のズレも生まれて、中盤にもスペースができた。こちらの中盤3選手もよくボールを受けて前を向くシーンも多かった。振り返ると、その時間帯で仕留めることができれば良かったです」

Q:前後半とも、右サイドを深く取ったシーンからチャンスも生まれました。そこは狙いの一つでしたか?

「そうですね。相手のウィングバックの選手がアグレッシブに前に出ていたので、前半から、背後は空くと感じていました。ボールが来たときにはチャンスにもなっていたと思います」

Q:昨シーズンから続き、広島戦での連敗が伸びてしまったことについて

「一番、負けたくない相手でした。苦手意識をもつのではなく、リベンジという気持ちで臨んだのですが、やられ方も最後に失点する同じような形で、少し堪える部分はありますが、終わってしまったので、アウェイでやり返すしかない。連戦なので、切り替えて次節に臨みたいです」


■加藤 陸次樹選手

Q:左ウィングでの途中出場になったが、振り返ると?

「なかなかいい場面は来なかったですね。良かった部分もありましたが、どっちかというと難しさの方が大きかったです。これからもウィングでのプレーはあると思うので、練習から高めていきたいです」

Q:内容としても相手が上回った試合になった印象もあるが?

「自分たちがやるべきことを整理して試合に臨んで、出せていた部分もありましたが、結果としてまた負けてしまった。全体的に広島の選手は強度が高い。自分たちもそれに対抗するために、自分も含めて練習からさらに強度は意識していかないといけないと感じました」