第11節
2023明治安田生命J1リーグ
2023.5.3水
ガンバ大阪
ダワン (56')
1
AWAY
FULL TIME
2
パナソニック スタジアム 吹田
0-1
1-1
セレッソ大阪
レオ セアラ (28')
加藤 陸次樹 (90')
パナソニック スタジアム 吹田
34,517人
放送
DAZN / NHK大阪
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■小菊昭雄 監督
「大阪ダービーは、今日の試合に限らず、選手たちには『とにかく結果にこだわる』と。『少々内容は悪くても、今日は絶対勝つんだ』と。そこに全員の強い気持ちを集結させて臨んだ試合でした。厳しい試合でした。全員が最後まで戦って、走って、ハードワークした結果、最後のゴールに結び付いたと思います。敵地での大阪ダービーで勝点3を取れたこと、昨年と同様、歴史的勝利を飾れたことを非常に嬉しく思います」
Q:内容としてはガンバに押される時間帯も長かった中で、セレッソの形としては、[4-3-3]でスタートし、途中で加藤選手と北野選手の2トップを軸とした[4-4-2]のカウンターをメインに切り替え、最後は5バックで締めました。昨季、今季と積み上げてきたことをしっかり生かせた部分もありますか?
「そうですね。[4-3-3]で、自分たちでボールを保持したかったのですが、どうしても守備がハマらなかった。相手の2CBに前進される、時間とスペースを与えてしまう。その結果、守備に追われる時間帯が続き、奪いどころも低くなった。自分たちの保持にも時間を割けなかった。昨年からやっていた形ですが、[4-4-2]にすることで、CBにフタをしたかった。プレスをかけたかった。そうやって守備で制限を加えながら、攻撃ではムツキ(加藤)と颯太の走力と技術を生かして、さらにはヒカル(中原)とジョー(上門)も含めて、必ずカウンターが狙えると。(ガンバが)バランスを崩して攻めてくることも想定していました。しぶとくCBにフタをしながら、ボールを奪って、スピードのある4人でカウンターを狙う意図で、[4-4-2]にしました。最後は5バックにして、クローズしました。今年やってきた[4-3-3]がうまくいかなかったとしても、立ち返る場所があったり、そういった選手の起用であったり、幅がもてたことは私自身にとっても大きく感じています。色んな選択肢の中で、チーム戦術を変えていける。それはこれからも続けていきたいです」
Q:両サイドバックのクロスの質の高さが光った2得点について。また、前半で松田選手が退いた理由について
「我々の強みであるサイド攻撃は、トレーニングから継続的にクオリティーを求めています。サイドチェンジやクロスの質、入り方は、トレーニングで積み重ねた成果が出たと思います。改めて、トレーニングや共有は大事だと実感しました。松田陸に関しては、まず連戦が一つの要因です。またすぐにホームでの鹿島戦がありますので。もう一つは、前半で警告を1枚もらっており、対面の選手も個で仕掛けられる選手でしたので、退場するリスク管理も含めて、交代させました」
Q:大阪ダービーで勝利することの価値について
「昨年もダービーで勝利して、チームが安定し、成長のスピードがアップしました。その意味でも、今日の勝利は大きいです。先ほども申し上げた通り、色んなシステムや戦い方でダービーに勝てたことが全てだと思います。結果が出たことが、選手の矢印も一気に上に向けさせてくれる、そういう大きな貴重な勝利だったと思います」
Q:ガンバはやり方を変えずに最後までこだわった戦いを見せた一方、セレッソは思うようにいかなかった中でも柔軟にやり方を変えて、相手の嫌なこともやりながら勝利につなげた。対照的な戦いだったように思うが、必ずしも思うようにいかない展開で勝点3をもぎ取ったことについて
「基本的には、今季、取り組んでいる[4-3-3]のクオリティーを上げていけるように取り組んでいきたいです。ただ、昨年1年間、ルヴァンカップも含め、リーグ戦でも安定した成績を残せたベースもあります。そこはいつでも立ち返ることができる場所だと思います。[4-3-3]をベースに、[4-4-2]の堅守速攻。両方のクオリティーを求めていきたいです。私は、システムと戦い方は、選手一人一人が輝けるかどうかが大事だと思っています。今日、途中から出たムツキ、颯太、ヒカル、ジョーは、[4-4-2]の方が彼らの良さが出る部分もあります。チームの戦い方プラス、選手が輝けるかどうか。そこはこれからも私の中でしっかりジャッジしたいと思います」
選手コメント
■加藤陸次樹 選手
Q:決勝点を振り返ると?
「少ない時間で結果を残すことを意識してプレーしていたので、チームを勝利に導けたことを嬉しく思います。僕のポジションにはレオ セアラ選手という素晴らしい選手がいて、見習う部分も多くある中で、自分の結果が出ない中で色々と考えることもありましたが、こうやって結果を出せて、ひとつ吹っ切れた部分はあります」
Q:クロスに飛び込んだ場面を振り返ると?
「絶対に(クロスが)来るという気持ちで入りました。滞空時間が長かったので、そこでしっかり叩き付けることを意識しました。叩き付けて入らなければ仕方ないというか、GKを褒めるしかない、という思いで、最後までしっかり叩き付けることだけを意識しました」
Q:山中選手からのクロスについて
「昨年から、山中選手にはアシストを多くしてもらっています。今日のクロスも、目が合った中でのゴールでした。お互い意識して生まれたゴールだと思います」
Q:監督も「とにかくダービーは結果にこだわれ」という話をしていたようだが、選手もそういう意識だった?
「そうですね。試合前から『少々、内容は不細工でもいい。気持ちを見せて、とにかく勝利』という話はみんなでしていました。今日は、内容はあまり良くなかったですが、監督の言っていたように、結果を出すことが、今日、一番やりたかったことでした。交代で入る前は、少し全体が引いていたので、監督からは『押し返して欲しい』とも言われていたので、そこは少しできたと思います」
Q:大阪ダービーで決勝点を決めた思いについて
「やっぱり、奮い立ちましたね(笑)。僕は大阪出身ではないですが、歴史あるダービーということはずっと知っていましたし、たくさんのサポーターが足を運んでくれる意味も実感しました。今日のゴールも歴史に刻まれたと思うので、本当に興奮しました」
Q:自身の中で、何番目くらいのゴールになりますか?
「どうですかね(笑)。セレッソに来てからは、やっぱり昨年のルヴァンカップ決勝でのゴールが凄く興奮したので、2番目ですね(笑)」
■キム ジンヒョン 選手
Q:最後のスーパーセーブについて
「ヨニッチもうまく打たせないようにプレッシャーをかけてくれましたし、体が勝手に反応しました(笑)」
Q:考える時間もなかったのでは?
「そうですね。そこだけは折り返しが来て欲しくない、というところに来たので(苦笑)。逆に言えば、そこに(折り返しが)来たら嫌だなというイメージがあったので、そこに対しての準備ができたのかも知れません。自然に手が出ました」
Q:後半は押し込まれる時間も長かったが?
「目の前でずっとボールを動かされていたので、目も疲れました。相手も中に人数をかけてきて、うまくボールを回してきたので、慌てて人に付くことより、自分たちのスペースをしっかり守ることを考えていました。うまく対応できたというか、何とか耐えることができた感じです」
Q:試合後、率先してサポーターを盛り上げる姿がありました。勝って感情を露わにする姿は珍しいが、それだけ気持ちも昂った勝利でしたか?
「そうですね。もうちょっと落ち着かないといけないですね(苦笑)。たくさんのサポーターが来てくれて、これだけ素晴らしい環境を作ってくれたので、セレッソファミリー全員で喜ぶ勝利だと思います。みんなで喜べて本当に良かったです。ダービーはいつも特別な雰囲気ですし、今日は両チームのサポーターも多く入って、勝ちたい気持ちがよりぶつかった試合でした。そうした試合でピッチに立てることは幸せなことです」
Q:次節の鹿島アントラーズ戦も、セレッソにとっては大きな試合ですね。
「鹿島相手は自分もあまりいいイメージがないですが、チームも自分自身もしっかり乗り越えて勝つことで、順位もさらに上がっていくと思うので、いい準備をして臨みたいです」
■松田陸 選手
Q:先制点のアシストについて
「やっとアシストできました(笑)。レオには、いいクロスを上げれば決めてくれるという信頼もあるので、いいボールを上げることができて良かったです」
Q:序盤から苦しい時間も続いた中で、貴重な先制点になりましたね。
「そうですね。自分たちの時間もありましたが、押し込まれる時間帯の方が長かった中で、得点で自分たちの流れにできたことは大きかったですね」
Q:味方のパスミスから招いたピンチで好カバーもありましたが?
「負けたくない気持ちが失点したくない気持ちになるので、しっかり体を張りました。ミスは誰にでもあるので、それを帳消しにしてあげるディフェンスができたと思います」
■山中亮輔 選手
Q:決勝点のアシストについて
「最後の質にはこだわっているし、ムツキの動き方に合わせることもトレーニングからやっています。ムツキの入り方も僕のクロスも完璧だったと思います」
Q:1点目も含め、クロスというセレッソの強みが出たが?
「そうですね。クロスは僕のストロングな部分でもあるし、そこで違いを見せて生き残ってきたので。こういう大事なダービーでしっかり仕事ができたことが嬉しいです」
Q:途中から[4-4-2]になって、よりカウンターへの意識は高まった?
「相手にボールを握られる時間は長かったですが、守備から攻撃に切り替わったところでチャンスになるとは思っていました。90分の時間帯でしっかりスプリントできたことは良かったと思います。ダービーは勝利以外目指していなかったですし、チーム全体としても引き分けでいいとは思っていなかったので、僕もチャンスがあれば前に出て仕事をすることは常に考えていました」
Q:あの時間帯に決勝点を取ってダービーに勝った気持ちは?
「やっぱり、気持ちいいですね。ドラマティックな展開でしたし、サポーターも喜んでくれたと思います。もっと内容を突き詰めていかないといけないですが、ダービーは勝利が一番。結果を出せたことは素晴らしかった。ただ、次節もすぐ試合があります。今季は勝ったり負けたりを繰り返しているので、連勝していきたい。相手(鹿島)は今日も勝って、調子を取り戻していると思うので、いい準備をしてホームで叩けるようにしたいです」
■奥埜博亮 選手
Q:試合を振り返ると?
「もっと自分たちでボールを支配して戦えれば良かったですが、今日に関しては勝ちを一番求めていたので。苦しかったですが、途中から出た選手も含めて全員で結果を出せたことは良かったです」
Q:試合中のシステム変更について
「ピッチにいた選手も、入ってきた選手も、全員が切り替えてプレーできたと思います。最後は5バックで固めて守りましたが、もっともっと良くしていける部分はあると思います」
Q:チームの幅を感じさせる勝利になったが?
「ゲームの中でどんどん状況は変わっていきます。それに応じて変えていくことも必要ですが、まずチームとしてやるべきことを全員がやることを前提に、システム変更もあると思うので、どんな状況やシステムでも自分たちのやっていることを信じてやることが大事だと思います」
■マテイ ヨニッチ 選手
Q:耐える時間帯も長かっただけに、守備の選手としては嬉しさもひとしおですか?
「そうですね。苦しい試合でした。後半も攻められて、苦しい場面が続きました。ただ、何が大事かと言えば、勝つことです。苦しみながらも、最後に点を取って勝てた。どんな形であれ、結果を出せたことで今日は満足です」
Q:特に押し込まれた後半は、どういう気持ちで守っていた?
「前半、先制したことで、相手は後半さらにガツガツ来ることは予測していました。やはり来ましたが、僕らも自信をもってプレーすることだけを考えていました。アウェイでもあり、ダービーということも踏まえて、先ほども言ったように勝てた結果が全てです」
■北野颯太 選手
Q:決勝点の流れでは起点になったが?
「ガンバも段々、間延びしていたので、切り替わった瞬間はチャンスになると思っていました。僕はフリーで運んだだけで、亮輔くん、ムツくんが決めてくれたので、2人に感謝したいです」
Q:加藤選手とともに途中で入って以降は、やはりカウンターが狙いだった?
「監督からも『スペースが空くぞ』と言われて送り出されました。そこは監督も狙っていたと思うし、まさに決勝点もカウンターでした。僕たちは監督の要求に応えることが大事なので、良かったです」
Q:自身のチャンスになりかけた場面では、少し足を取られた?
「ファーストタッチはイメージ通りだったのですが、縦にトラップして、足を振った方が良かったなと思います」
Q:昨年7月にもありましたが、アカデミー出身として、アウェイの大阪ダービーで劇的な勝利をした瞬間の気持ちは格別ですか?
「そうですね。プロになってからダービーは負けていないので。普通の試合ではないですし、日本中が注目する試合。アカデミー時代から『負けたらアカン』と言われて育ってきましたし、アウェイですが多くのサポーターに来てもらった。これだけの観客の前でプレーすることはそうないですし、素晴らしい舞台で勝つことができて、幸せでした。同時に、こういう舞台で自分が点を取ることを目指さないといけないですし、改めて、こういう舞台で活躍したいと思いました」
■香川真司 選手
Q:これまで様々なダービーを経験されてきたが、大阪ダービーでの勝利を振り返ると?
「勝つことしか考えていませんでした。それはチームも自分も。長期的に見たときには、内容にもこだわらないといけないですが、ミーティングでも『今日は泥臭くても絶対に勝つ』という話をしていました。それは、どのダービーでもそうです。勝つことがどれだけ重要か。それを僕はキャリアを通じて感じてきました。どんな内容であれ勝てたことに、ファン・サポーターは誇りをもって欲しいです。それくらい大きな1勝だったと思います」
Q:ある程度、相手にボールをもたれることは想定していた?
「そうですね。ガンバとはルヴァンカップでも対戦しましたし、この順位がおかしいというか、彼らのやっているサッカーはとてもタフです。なので、ある程度ブロックを引いて守備の時間が長くなることは理解していました。後半、ラインが下がりプレスの強度が落ちた中で失点したので、より相手の勢いも感じましたが、途中から入ってきた選手がうまく守備をしてくれたり、結果を残してくれたので、チームとして非常に大きな勝利になりました」
Q:試合途中でのシステム変更が結果につながったことに関しては?
「2トップにして、ムツキと颯太が前線からプレスをかけてくれたことで、相手に時間も与えなくなったし、僕たちにも少しリズムが生まれてきた。カウンターから行ける、という匂いも感じました。得点は最後になりましたが、途中から出た選手がうまくつないで仕留めたことは良かったです」
Q:戦い方の柔軟性や幅も感じたが?
「そうですね。その幅を今後ももって戦うためにも、今日、結果で体現できたことは良かったです。自分たちのサッカーとしてやるべきことを積み上げていくことも大事ですし、2つのパターンをしっかりもって、結果を出せたことは、チームとして大きな勝利になりました」
Q:[4-4-2]になり、ダブルボランチでプレーした時間帯で意識していたことは?
「今日は守備がメインになったので、スライドしながら、バイタルでスペースを与えないことを意識しました。ただ、相手もテクニックやパワーのある選手がうまくバランスを取りながら支配してきたので、嫌でしたけど、最終的にうまくコントロールできたと思います。半面、奪った後のつなぎで、一つ、二つはがせば大きなスペースがあったので、それを生かすことも心掛けました。(ボランチとして)守備もしながら自分の色を出すという意味では、最後の3分の1でボールを受けたり、仕掛けないといけない。守備がベースにはあっても、そういう部分のクオリティーも上げたいです」
Q:最後、ベンチに下がって勝利を待つ瞬間の気持ちはいかがでしたか?
「出ている方がいいですね。勝っているあの時間帯でのベンチは嫌ですね(笑)。最後もジンヒョンがビッグセーブしてくれましたが、冷や冷やでした(苦笑)」
Q:今日はチケット完売の中での試合でしたが、リーグ戦での大阪ダービーの雰囲気、セレッソサポーターが作り出す雰囲気をどう感じましたか?
「サポーターに捧げる勝利です。ダービーはそういうものだと思っています。ダービーは彼らが誇りに思えるように勝つことが大事ですし、クラブにとっても、ファン・サポーターにとっても、大きな勝利になりました。それを捧げられたことで、チームみんなも喜んでいます。ただ、またすぐ次の試合があるので。切り替えて、この勢いを継続して勝っていけるようにやっていきたいです」
公式戦60回目の大阪ダービー。レオ セアラ、加藤陸次樹の両ストライカーが結果を残し、劇的な勝利を飾る
公式戦60回目の大阪ダービーに挑んだセレッソ大阪。先発は、前節のサンフレッチェ広島戦と同じ11人。連敗阻止へ、さらには上位へ食らい付く勝点3だけを目指し、敵地へ乗り込んだ。
前売りでチケット完売、快晴の空の下、試合前からダービーらしい熱気に包まれた一戦は、立ち上がり、セレッソは自陣でのパスミスが続き、ピンチを招く。ただし、最後の場面では松田陸や鳥海晃司が体を張ってシュートは阻止。粘り強い守備を見せると、攻撃では、10分、14分と香川真司が高い位置でボールを奪ってチャンスを作る。
すると28分、セレッソが先制に成功。マテイ ヨニッチ、鳥海、山中亮輔とつなぎ、左サイドから山中が中に付けた斜めのパスを香川がスルー。中央で受けた奥埜博亮が華麗なターンで相手2人をかわして右サイドへ展開すると、松田陸の精度の高いクロスに合わせたのはレオ セアラ。自身今季5点目となる豪快なヘディングを叩き込み、試合を動かした。前半はこのまま1点リードで終了。ワンチャンスを生かしたセレッソが強かに試合を進めた。
後半は、前半でイエローカードを1枚もらっていた松田が「連戦とリスク管理」(小菊昭雄監督)のため交代。中原輝が右ウィングに入り、毎熊晟矢が右サイドバックに下がった。ただし56分、人が変わった右サイドをガンバに崩され失点。ここから勢いが増したガンバの攻勢を受ける展開となる中、指揮官は早めの交代を決断。60分、為田大貴に代えて上門知樹、68分には、レオ セアラと原川力を下げて加藤陸次樹と北野颯太を投入。システムを[4-4-2]に変更し、前からのプレス強度とカウンターの精度を高める。「(ガンバが)バランスを崩して攻めてくることも想定していた。しぶとくCBにフタをしながら、ボールを奪って、スピードのある4人でカウンターを狙う意図で、[4-4-2]にした」と試合後に狙いを明かした指揮官だが、その狙いを選手たちがピッチで具現化。
ガンバにボールは握られ、押し込まれる時間こそ長かったが、両センターバックとGKキム ジンヒョンを中心に最後は体を張って守ると、いい守備からカウンターにつながる場面も作り出す。88分には、ガンバの決定機でキム ジンヒョンが好セーブを見せると、直後にカウンターからセレッソにビッグチャンス。上門がドリブルで運んで北野へパス。ただし、ここは北野が前を向けず、シュートには持ち込めない。
試合終盤は戦いの構図が明確になる中、試合を決める次の1点をモノにしたのはセレッソだった。90分、宇佐美貴史のクロスを山中がクリアしたところからロングカウンターを発動させると、上門、香川、北野と素早くつないで縦に進入。北野がドリブルで持ち運び、後ろから凄まじい勢いでスプリントしてきた山中へパス。山中が前向きのトラップから狙いすましてファーサイドへクロスを上げると、「(山中と)目が合った。絶対に(クロスが)来るという気持ちで飛び込んだ」加藤がヘディングを叩き付け、ネットを揺らした。この瞬間、ピンクで染まったビジター席が沸騰。セレッソベンチも一体となり、大歓声に包まれた。直後、小菊監督は香川に代えて進藤亮佑を投入。[5-4-1]で試合を締めにかかる。それでもラストワンプレー、粘るガンバに決定機を作られたが、ここで立ちはだかったのがキム ジンヒョン。至近距離から放たれたイッサム ジェバリのシュートを驚異的な反応でセーブ。土壇場での同点弾を防いだ。直後のCKもしのいだセレッソが劇的な勝利を収め、リーグ戦における敵地での大阪ダービー4連勝を飾った。試合後の取材エリアでは、「チームを勝利に導けたことを嬉しく思います。今日のゴールも大阪ダービーの歴史に刻まれたと思うので、本当に興奮しました」と加藤が歓喜の表情で話せば、「素晴らしい環境を作ってくれたセレッソファミリー全員で喜ぶ勝利。みんなで喜べて本当に良かった」とキム ジンヒョンが安堵の笑顔を浮かべた。敵地での大阪ダービー勝利という最高の結果を勢いに変え、次節、セレッソはホームに鹿島アントラーズを迎える。