2023明治安田生命J1リーグ第17節

2023明治安田生命J1リーグ

2023.6.10

セレッソ大阪

ジョルディ クルークス (50')

北野 颯太 (90+3')

2

HOME

FULL TIME

1

0-0

2-1

ヴィッセル神戸

山口 蛍 (51')

ヨドコウ桜スタジアム

22,542

ヤンマー #Football is our engineサポーティングマッチ

  • 入場時間

    SAKURA SOCIO ゴールド 16:30 / SAKURA SOCIO シルバー 16:35(ゴールド会員様入場後) / SAKURA SOCIO 16:40(ライト会員は除く) / 一般 17:00

  • 放送

    DAZN / NHK BS1

HIGHLIGHTSハイライト

ギャラリー

MATCH REVIEW

ジョルディ クルークスの加入後初ゴール、北野颯太の劇的J1初ゴールで首位撃破!前半戦ラストを勝利で飾る


明治安田生命J1リーグの前半戦ラストとなった今節。セレッソ大阪は、ヨドコウ桜スタジアムに首位のヴィッセル神戸を迎えた。チケット完売、試合前から両チームのサポーターが作り出す熱気の中、試合はスタートした。セレッソの先発は前節から4人変更。GKヤン ハンビンがJ1初先発を果たし、喜田陽が今季リーグ初先発、ジョルディ クルークスが2試合ぶりの先発復帰、舩木翔が第2節・アビスパ福岡戦以来の先発となった。


開始から上位対決らしい緊張感の中、スリリングな攻防が展開される。1分、セレッソは攻めた後にカウンターを食らい、ピンチを招くも毎熊晟矢が戻り、シュートは打たせず。10分にも速攻からゴールを脅かされたが、相手のシュートが浮いて事なきを得た。大迫勇也を起点とした縦に速い攻撃に対し、セレッソもしっかり守備で対応。コンパクトさを保ちつつ、上下にスライドし、穴を開けない。攻撃では、クルークスと毎熊の右サイドが好連係を見せれば、左サイドのカピシャーバも持ち前の突破力を遺憾なく発揮。21分には、この試合、最初の決定機。進藤亮佑が左サイドへ大きく展開、収めたカピシャーバが縦に突破し、クロスを上げると、中で合わせたのは香川真司。ただし、際どいコースへ放ったヘディングシュートは相手GKの好セーブに阻まれた。その後も一進一退でゲームは進みつつ、互いに奪ったボールは縦に速い攻撃を仕掛ける息もつかせぬ前半45分は0-0で終わった。


後半はセレッソが入りから押し込むと、50分、先制に成功する。スローインの流れから、舩木のクロスに逆サイドから飛び込んだクルークスが頭で合わせた。背番号11の加入後初ゴールに沸いたスタジアムだが、直後に同点に追いつかれてしまう。キックオフ後の長いボールから左サイドで起点を作られ、連動した攻撃から最後は山口蛍に決められた。立て続けにスコアが動くと、スタジアムのボルテージは一気に上昇。ここから互いに決定機を作り合う。56分のピンチでは、舩木が懸命に戻ってクリア。57分、今度は舩木のクロスから背後を取った毎熊に決定機も、ヘディングはクロスバーを越えてしまう。60分には神戸の分厚い攻撃を受けたが、シュートはGKヤン ハンビンが好セーブ。続くCKからネットを揺らされたが、ここはオフサイドでノーゴールに。


怒涛の展開が続く中、セレッソは途中出場の為田大貴や上門知樹が背後やサイドのスペースを狙い、ゴールに迫る。78分には加藤陸次樹と北野颯太もピッチに入り、2点目を奪いにいく。ただし、終盤にかけて神戸に押し込まれる時間が続くと、決定的なピンチも招いたが、ヤン ハンビンの好セーブやDFラインの奮闘で失点は阻止。「苦しいときこそみんなで乗り切る、カバーする、ハードワークする。(前節の)名古屋戦の敗戦を生かしてくれた選手たちに感謝したい」と指揮官も振り返った通り、最後まで崩れず戦い続けると、90+3分、決勝点が生まれた。加藤、北野の連続したプレスに相手GKが処理を誤ったところを北野が見逃さず、ボールを奪ってシュートを押し込んだ。北野にとって待望のJ1初ゴール。「信じて使い続けてくれた監督に感謝したいです。ずっとゴールを待ち望んでくれていたサポーターの皆さんの期待にも、やっと応えることができました」。試合後は喜びとともに安堵の心境も漏らした背番号38。白熱の好ゲームは思わぬ形で決着が付いたが、ヨドコウ桜スタジアム史上最多の観客数、22,542人で埋まった一戦は、「サッカーの素晴らしさ、楽しさを届けられる試合になった」(小菊監督)ことは間違いない。

 

首位撃破に成功したセレッソは、勝点を29に伸ばし、リーグ前半戦を終えた。「ここで満足するのではなく、ここからも一つずつ勝てるように課題を修正しながらやっていきたい」と香川。次週のルヴァンカップを挟み、翌々週の第18節・北海道コンサドーレ札幌戦からリーグの後半戦が始まる。「全員で成長しながら」(小菊監督)目標のトップ3、そして、その先へ。チーム一丸で向かっていきたい。

監督コメント

■小菊 昭雄監督

「まさしく激闘だったと思います。今日、来ていただいた両チームのサポーターの皆様、サッカーファミリーの皆様に、サッカーの素晴らしさ、楽しさを届けられる試合だったと思います。相手は首位の神戸、非常に強度の高いゲームでした。前半は私たちがしっかりとゲームコントロールできた時間帯は多かったですが、後半は相手にボールを握られ、ピンチもありました。その中で、前節の名古屋戦では、先制して、そこからの15分、20分、苦しい時間帯でバラバラになってしまった。そこに対して全員でもう一回、向き合って、そういうときこそみんなで乗り切る、カバーする、ハードワークする、というメンタルのところ、ゲームコントロールのところ、リーダーシップのところ、そこを強くアプローチしてこの試合に臨んだのですが、名古屋戦の敗戦を生かしてくれた選手たちに感謝の気持ちでいっぱいです。神戸もそうだと思うのですが、我々も、キャプテンの清武、ヨニッチ、山中、ジンヒョンなど、主力選手がケガや体調不良で離脱している中、若い選手たちがいい準備をして、躍動してくれたこと。このことも、今日の勝利と同じくらい、それ以上に嬉しく思います。またいい競争をして、後半戦は優勝争いに絡んでいきたいと思います」

Q:決勝点を決めた北野選手について

「彼の気持ちが乗り移ったゴールだったと思います。近いタイミングで必ず結果を出す確信はありました。今日、あのゴールを生んだ彼の努力と、周りの選手のハードワークを評価したいと思います。颯太自身も、このゴールでさらに自信を付けて欲しいですし、まだまだ伸びないといけない選手です。日本を引っ張らないといけない選手だと思うので、ここからがスタートだと思います」

Q:北野選手がゴールを決めた後、一目散に監督の方へ駆け寄っていったが、抱きしめた瞬間の率直な思いと、彼とかわした言葉はありますか?

「私も興奮してました。気付けば颯太が目の前に走ってきてくれました。目の前に“バンっ”と入ってきてくれたことは、やはり嬉しかったです。『ここからやぞ、ここからがスタートやぞ』と伝えたことは覚えています」

Q:前半はセレッソが優勢だった一方、押し込まれた後半の内容をどう振り返りますか?

「前半は、攻守のバランスが良かったと思います。特に前半の守備ですね。神戸のビルドアップに対して、私たちがどのように誘導してジャンプして、圧縮するのか。そこは準備していた通り、選手たちが判断してくれました。その中で、ケガ明けのジョルディや、久々の先発の陽、翔。そういった選手たちが、前半あれだけ飛ばしてくれたので、まずはフィジカル的な要素が、後半、相手にゲームをもっていかれた要因だと思います。その中で、引いてゴールを守ってカウンターという考え方もあると思いますが、引けば、能力の高い神戸の選手にやられると。もう一度、ムツキやジョー、タメ、そして颯太。前から行く、と。出どころに行く、と。後ろはコンパクトに、それについていくと。そういったことを徹底してやったこと、守備からもう一度、主導権を握れたと私自身は分析しています」

Q:メンバー外の山中選手については、コンディションでしょうか?

「亮輔はずっとアキレス腱を痛めていまして、練習もコントロールしながらギリギリのところでやってくれていました。今は少し休息を取って回復とともに、コンディションを上げていく作業をしています」

Q:先発で出場した舩木選手がアシストだけではなく、相手のロングボールに対して守備でも奮闘していたが?

「翔は昨年から非常に伸びた若手の選手の一人です。プレー面だけではなく、責任感やリーダーシップも含めて非常に成長している選手です。今日も亮輔とはまた違う良さを存分に発揮してくれました。私たちが今日の試合でデザインしたビルドアップに対して、効果的でした。ポケットへのボール、対角へサイドチェンジするボール。様々な攻撃の形を、彼の左足がコントロールしてくれたと評価しています。守備でも、武藤選手を相手に凄く高いパフォーマンスでした。この試合をバネに、どんどん成長していって欲しいなと思います」

Q:高校時代の後輩である吉田監督との対戦を振り返って

「色んな感情がありました。不思議な気持ち、喜び、感謝、本当に色んな気持ちありますが、一番強いのは、このようなJ1の舞台で、素晴らしい環境で、かつての仲間と戦えたこと。嬉しく思います。このタイミングに感謝したいと思います」

Q:前半戦ラストの試合で、首位の神戸を撃破したこの1勝の重みについて

「始動日に選手たちと共有した目標は、『タイトルと勝点60以上』、『トップ3に入ってACLに行くこと』。その目標を立てて、今季をスタートしました。今日の試合前は勝点26だったのですが、昨季も26での折り返しで5位でした。今日、勝っても目標の30には1ポイント届かなかったのですが、『昨年を超えて、29にして後半戦にいくんだ』と。今日勝てばトップ3の背中も見えてきますので、大一番だと全員で共有して今日の試合に臨みました。今日勝てたことは本当に大きな勝点3でした。ただ、課題もありますので、目標に到達するにはその課題を全員で共有して、チームとしても選手個々も成長していかないといけない。ルヴァンカップを挟んでリーグは札幌戦がありますので、全員で成長していけるように取り組んでいきたいです」

Q:大迫選手と武藤選手に仕事をさせなかった進藤選手や鳥海選手、CBの評価は?

「私も長年、セレッソのトップチームのコーチや強化部として働いてきましたが、その中でも、あの2人はトップレベルの選手だと思っています。高さ、速さ、強さ、そして、戦術理解度も高いです。ヨニッチという素晴らしいCBがいるのですが、これからヨニッチもあと1週間、2週間したら復帰が見えてくると思います。素晴らしい競争をして、日本代表を目指してやっていくべき選手だと思っています。まだまだこれからの成長に期待したいですし、私も精一杯、後押ししていきたいと思います」

選手コメント

■ジョルディ クルークス選手

Q:素晴らしい試合の末に勝利をつかんだが、振り返ると?

「前々節にケガをしてしまい、そこから復帰に向けて、メディカルスタッフのおかげで早く復帰することができました。そのおかげで今日、点を決めることができました。とても嬉しかったですし、これからも継続していかないといけない、という強い気持ちです」

Q:首位相手に加入後初ゴールが生まれたことは?

「とても嬉しいですし、今日は完璧な夜だったと思います。ファンの皆様もたくさん来ていただいて、応援していただいて、感謝しています。本当に、素晴らしいゲームになりました」


■北野 颯太選手

Q:劇的なゴールでしたが、ゴールシーンを振り返ると?

「興奮してあまり覚えていないですが(笑)。ムツくん(加藤)がGKにプレスにいってくれて、GKも難しい処理だったと思います。ムツくんを外して、その次のことを考えるのに精一杯だったと思います。ボールが出た瞬間に、難しいボールだと思ったので、信じて走ったら、相手のミスを誘うことができました。ゴールも見えたので、流し込むだけでした」

Q:ここまで苦しんだ末の、J1初ゴールだったが、決まった瞬間の気持ちは?

「苦しい時期も続きましたし、小菊監督とも、U-20W杯から帰ってきて何回も話したのですが、期待されていた分、自分自身も苦しい時間を過ごしていました。それでも信じて使い続けてくれた監督に感謝したいです。ずっとゴールを待ち望んでくれていたサポーターの皆さんの期待にも、やっと応えることができた、という気持ちです」

Q:昨年から、常に「自分のゴールでチームを勝たせたい」と話していましたが、首位の神戸を倒すゴールになったことについては?

「もちろん、首位の神戸が相手だったり、最高のスタジアムの雰囲気の中で決めたことも嬉しいですが、一番は、この苦しい時間を過ごす中で、小菊監督の期待に応えるゴールだったり、何よりも家族のみんなも応援してくれていたり、サポーターの皆さんも毎試合のようにゴールを期待してくれていました。なかなか期待に応えられずに苦しい時間を過ごしたので、こういう最高の舞台で決めることができて、忘れられないシーンになりました」

Q:さらなる飛躍のきっかけにしたいゴールですね。

「そうですね。それは天皇杯から思っていて。相手のカテゴリーは下でしたが、2点を取れて、ここから波に乗れるかなと思っていました。それがまさか、この神戸戦で取れるとは思っていなかったですが、勘は合っていたかなと。これからの自分自身に楽しみですね」

Q:シュート自体は冷静に打てた感じですか?

「そうですね。簡単なシュートではあったのですが、打った瞬間は『外したかな?』と思って(笑)。ただ、歓声が聞こえたので『入ったんだ』と」

Q:ゴール後は、一目散に小菊監督の方に駆け寄っていたが?

「興奮して、どこに走ろうかなって(笑)。コーナーフラッグに行こうかな?とも思ったのですが、一番は小菊監督のもとに行きたいなとずっと思っていました。昨日も寝る前に、明日のイメージをして、『決めて、真っ先に小菊監督のところへ行きたいな』と思っていたので、良かったです」

Q:どんな言葉をかけられましたか?

「『おめでとう』と言ってもらったし、今日は祝福されました(笑)。」

Q:U-20W杯を経験したことで、意識も変わりましたか?

「世界との差を改めて感じたし、帰ってきてから、毎日の練習を『あのレベルで』と考えてプレーしています。世界を見れば、もっともっと違いを見せるプレーをしないといけない。ここで満足することなく、あの基準を忘れないようにしたいと思います」


■香川 真司選手

Q:素晴らしい試合だったが、振り返ると?

「最後は苦しい試合でしたが、チームのみんなが戦い続けた結果、ご褒美というか、(決勝点は)相手のミス絡みでしたが、それは自分たちが最後まで戦った結果だと思います」

Q:前節の反省をうまく生かせた?

「(前節は)みんな悔しい思いをしました。同じことを繰り返してはいけないと。後半は、先制しながらすぐ決められて、その後の20分、30分は苦しい試合でしたが、あそこで前節のように崩れなかったことが大きい。最後までシン(進藤)とトリ(鳥海)を中心にディフェンスラインが食らい付いて戦い続けたからこそ、ああいう最後のゴールにつながったと思います」

Q:神戸のプレスを回避する戦い方が徹底できていた?

「そうですね。(神戸の)個人、個人の能力は、Jリーグの中でも見ての通り、フィジカル能力は高いですし、抜けているチームですが、その中にも隙はあると試合前から話していました。それをうまく突けましたが、欲を言えば先制点を前半のうちに取りたかったです。ただ、結果的に勝てたことは良かったです。前半は、ホームですし、みんなが恐れず戦えたので、だからこそ、あのようないい内容のゲームができたと思います」

Q:今節は、キャプテンマークの重みを感じながらのプレーでしたか?

「そうですね。今はキヨが抜けている中で。でも、責任感がある選手は多いので、誰がやろうが僕としてはいいので。ただ、選手としては誇らしいですし、付けたからには、より責任感は増します」

Q:若い選手は一気に伸びる時期があります。それは香川選手自身も経験したことだと思うが、今は北野選手がU-20W杯で悔しい思いをして、「危機感をもって」プレーしていると。そういう姿をどう見ていますか?

「やっぱり、16、17でJリーグデビューして、周りの見る目も高いし、期待も大きい。世代別代表で10番を背負ったり、プレッシャーだったり、あの年齢で感じることはたくさんあると思います。今季はなかなか数字として残せていなかったという本人の悔しさもあった中で、最後にああいう形で颯太にこぼれることは、彼の実力ですし、この結果をこれからにつなげて欲しい。ゴールはゴールで、数字として残るので、また勢いをもって次の試合に臨めると思います。ポテンシャルは素晴らしいので、僕たち経験ある選手がうまくサポートしたり。でもやるのは彼なので、そこはしっかり自覚してやってくれると思います」

Q:何か助言などはされましたか?

「話の中で何か話すことはありますが、基本的には大きな助言はしていないです。悔しい思いをして、成長するかしないか、諦めるか諦めないか、それは彼自身(の問題)。でも、まだまだ若いので、僕自身もどこかでいい言葉だったり、自分が経験して学んだことを還元できればいいですが、まずは本人が考えてやることが必要です」

Q:今季はなかなか上位に勝てなかったが、首位撃破で前半戦を折り返したことは、後半にもつながっていくのでは?

「そうですね。前節も名古屋に負けて、これまで上位にはほぼ勝てていなかったので、悔しかったです。今日、トップに勝ったことはチームに大きな自信を与えてくれますが、同時に、これをベースにしないと、上で戦い続けることはできない。ここで満足するのではなく、一つずつ勝てるように。まだまだ課題はあるので、修正しながらやっていきたいです」


■進藤 亮佑選手

Q:前節の試合後、「相手が強ければ強いほど燃える」と話していましたが、実際、大迫選手とマッチアップした感想は?

「いやもう、レベルが違いました。個人の局面で言ったら、完敗とまでは言わないですが、レベルが違いました」

Q:ただ、得点など、決定的な仕事はさせなかったが?

「大迫選手のところではそうでしたが、前半も、井出選手に僕の後ろでジャンピングボレーを合わされそうになったり、失点になりそうなシーンはありました。そういうシーンで運良く相手が外してくれたから勝てましたが、そういうシーンは減らしていかないといけません」

Q:どのあたりに「レベルの違い」を感じましたか?

「まず、開始早々、余裕でインターセプトできると思ったシーンで、大迫選手の足が出てきて抜け出されたシーンがありました。普通の選手なら出てこない足が出てきた、という感覚がありました。ロングボールに対しても、先に体をぶつける選手は多いですが、ぶつけた後のコントロールでミスをしない。それは鳥海選手とも話していました。対戦しながら、嬉しかったですね」

Q:大迫選手のような、レベルの高い相手の方が燃える?

「僕はそうですね。外国籍選手とか、集中もするし、このFWを抑えたら気持ちいいだろうなと。それがDFの醍醐味ですね」

Q:強力な攻撃陣に対して1失点でしのいだことは、チームとしても、個人としても、自信に変えていきたい?

「今日は毎熊選手や舩木選手がクロスに対して絞ってくれたり、大外を捨てて絞ってくれました。そういうプレーをしてくれると、僕もスライドしやすい。1点は取られましたが、GKハンビンも含めて、みんなで守れたと思います」

Q:その結果、最後の決勝点につながりました。

「神戸にとっては残念な形でしたが、ああいう飛び出し、積極的なプレー、あそこまでGKが出ることは、今のサッカーならあります。僕も今日は前に運ぶことを意識していました。前半、いい運びもありましたが、前向きなプレーを心掛けて、積極的なプレーにつながったことは良かったです」

Q:小菊監督は「日本代表も目指していくべき選手」と話していたが?

「試合終了直後、喜び合う中で、監督と握手をしたときに僕も直接言われました。ただ、試合直後で興奮して言ったと思うので、時間が経ってから、また監督に『本気で思っていますか?』と確認しようと思います(周囲・笑)。ただ、J1で先発で出ている選手なら、次に目指すべきは海外や代表になってくる。僕もいい年齢になってきましたが、虎視眈々と狙っています」

Q:冒頭で、「完敗とまでは言わないが、レベルが違った」という言葉もあったが、前半などは特に進藤選手の守備が際立っていたように見えたが、本人的には「もっとできた」という感じですか?

「いち記者さんの意見として捉えます(笑)。でもそうやって、見ているお客さんや、記者さんも含めて、僕よりうまい選手や強い選手がいる中で、『コイツ、面白いプレーをするな』と思ってもらえたら、それが一番嬉しいですね。体も特別大きいわけではないですが、運ぶとか、サイドバックなら前に入っていくとか、なんか起こせそうなプレーをしたい。アグレッシブなプレーを出していきたいですね」

Q:ルヴァンカップを挟んで次節は古巣・札幌のホームゲームだが、期する思いはありますか?

「特別な感情を一切なしで臨むことは、正直、難しいですね。セレッソに来て3年目ですが、これまで札幌での札幌戦でメンバーに入ったことはなかったので。特別なことはできないですが、しっかりチームの勝利を最優先にプレーしたいです」


■舩木 翔選手

Q:第2節・福岡戦以来、今季2度目のリーグ戦先発で勝利に貢献した思いはいかがですか?

「自分が出たらやれる、という自信をもって練習してきました。今年はあまりコンディション的に良くなったときも多かったですが、その中でもチャンスをくれる小菊監督に本当に感謝したいです。その中で、アシストという結果で応えられたことは良かったです」

Q:アシストもそうですし、相手の対角のロングボールやクロスに対し、体を張って守っていたが?

「そうですね。相手の一番のストロングは、左サイドからのクロスに対して、大迫選手や武藤選手が迫力をもって入ること。自分はサイズもありますし、ヘディングは自信をもってやらないといけないと思っています。そこで負けたらダメだなと。相手の好調を支えているのはその攻撃なので、そこで自分が負けないことは意識していました。何よりも、そういうところがアシストより大事だと思っていたので、しっかり競り合えて良かったです」

Q:あのようなプレーを続けていくと、評価や信頼も高まっていくと思いますし、ここでレギュラーを掴めるかどうかは、今後のキャリアも左右しそうだが?

「そうですね。自分も若いとは言えなくなってきましたし、いつかはポジションを掴まないといけないと思っています。マルくんが帰ってきたタイミングでもあるし、左サイドバックは塁もやっています。亮輔くんにもマルくんにも負けないようにしたいです。今日の勝利は良かったです」


■ヤン ハンビン選手

Q:J1リーグ初先発で勝利に貢献した思いは?

「まず勝てたことが嬉しいです。それと、日本に来たときから、この瞬間を待ちわびていたので、その気持ちでいっぱいです」

Q:後半は、佐々木選手のミドルシュートや武藤選手のシュートなど、数々のセーブのおかげで最後の得点にもつながったが、自身のパフォーマンスを振り返ると?

「ジョルディのゴールを褒めたいですが、その後の失点の仕方が良くなかった。それをまず課題として考えないといけないです。シュートセーブに関しては、自分がしないといけない仕事をした、という感じです。それよりも、今日の試合は、みんなの『神戸に勝ちたい』という気持ちがとても強かったので、それが最後の得点につながったと思います」

Q:決勝点の起点にもなったが、ビルドアップやキックは、どのような思いで取り組んでいますか?

「キャンプのときから、セレッソのビルドアップのスタイルは研究していました。最初は苦労しましたが、段々、慣れてきました。今日に関しては、神戸の前からのプレスが強いので、下手につながず、シンプルにプレーすることを意識していました」

Q:足元のプレーに関して、参考にしている選手はいますか?

「チームメートのジンヒョン選手から学ぶことは多いですし、近くでいいお手本になっています。自分のビルドアップはまだ完璧ではないので、これからも磨いていきたいです」

Q:コーチングに関して、日本の理解は進んでいますか?

「簡単な日本語なら、試合中でもコミュニケーションは取れます。聞き取りでいうとだいたいのことは理解できるようになっていますが、話すことはまだ十分ではないので、そこはもっと勉強しないといけないですね」