グループステージ 第6節
2023JリーグYBCルヴァンカップ
2023.6.18日
セレッソ大阪
0
HOME
FULL TIME
1
ヨドコウ桜スタジアム
0-1
0-0
ガンバ大阪
半田 陸 (37')
ヨドコウ桜スタジアム
18,061人
放送
スカパー! / SPOOX
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■小菊 昭雄監督
「私自身、3度目の正直ということで臨み、思い入れも深い大会でした。今日、残念ながらグループステージ敗退が決まり、非常に悔しい気持ちと、同時に6試合を戦ってのトータルの結果ですので受け止めないといけないという気持ちがあります。(6試合を通して)いろんな課題もありました。いろんな発見もありました。先ほど選手たちにも伝えたのですが、大事なことは、『この6試合の学びをリーグの後半戦、天皇杯に生かしていくこと』。それが非常に大事です。しっかりと気持ちを切り替えて、今季の目標である『リーグトップ3』、『3つ目の星を刻む』という目標に全員で向かっていきたいと思います」
Q:今季のルヴァンカップを振り返ると、毎試合、敗戦も含めてカップ戦の反省をその後のリーグ戦につなげてきたと思います。今節も「結果が全て」の大阪ダービーで負けたことは悔しさしかありませんが、この試合を今後のリーグにつなげるとすれば、どういうところになるでしょうか?
「本当に、カップ戦の1試合1試合、勝った試合も負けた試合もいろんな学びを選手たちはリーグ戦に生かしてくれました。その成果として、前半戦、目標の勝点30には『1』届かなかったのですが、29という悪くない数字で折り返すことができました。それはルヴァンカップも含めて1試合1試合の積み重ねを選手たちが生かしてくれたことが全てだと思っています。今日の試合も、たくさんのポジティブな点もありました。ボランチを基準にボールを動かすこと、ダイナミックなサイドチェンジから質的優位を生かしていくこと、チームとしてデザインした形もたくさんありました。意図的に狙いをもった攻撃にもトライすることができたと思います。ただ、リーグの鹿島戦もそうですが、こういったどっちに転ぶか分からない試合で、一瞬の隙、攻守のリスタートも含め、そういったところは後半戦に向けて課題として捉えていかないといけません。もちろん、CKを取られるまでにも、いろんな過程があります。今日の失点も、ボックスにキーパスを入れられて前進されたと思うのですが、チームの規律が少し乱れたところで相手に前進を許しました。守備の構築、攻撃の構築、リスタート、それぞれで、まだまだクオリティーを上げていかないといけない。それを今日の学びとして生かしていきたいと思います」
Q:北野選手の今日の評価と、途中出場で石渡ネルソン選手を起用された狙いについて
「颯太に関しては、今日のパフォーマンスには満足していません。彼自身が一番分かっていると思います。こういった強度の中でも違いを見せる、そういう選手にならないといけない。18歳という年齢は関係ありません。世界では18歳で活躍している選手はたくさんいます。セレッソを引っ張っていく、そういった存在感をゲームで示してくれることを期待していますし、そういった面では、まだまだやらないといけないということを今日の試合で感じたと思います。それを感じたことも今日の収穫だと思いますので、明日からに生かして欲しいと思います。ネルソンに関しては、あれだけ押し込む時間帯が長かった中で、クロスに対して天皇杯と同様、チャンスがあれば2列目、3列目から入っていって欲しいと。そういう狙いと、相手のカウンターが怖かったので、攻め込んだ後のカウンタープレスで彼を中心に襲いかかって、2次攻撃、3次攻撃につなげて欲しいと。そういった狙いがありました」
Q:両サイドの外国籍選手を中心に何度もサイドからクロスが入ったが、得点に結びつかなかった要因をどう考えますか?
「チームとして、デザインした形がいくつも出せたこと、あとボール一つ、二つという際どいところまでチャンスを作れたことはポジティブに考えています。クロスのタイミング、入り方(が課題)。あとは回数を増やすこと、継続してやり続けることが大事だと思います」
選手コメント
■西尾 隆矢選手
Q:決して悪い試合ではなかったですが、前半、前からいきたい前線と、後ろに下がってしまったDFラインで、ややプッシュアップし切れず、全体が間延びしてしまった?
「トリくん(鳥海)とも話していましたが、前半は相手にボールはもたれていたのですが、実際にゴール前まで来られた場面はあまりなかったので、僕たちディフェンスとしては『問題ない』という話はしていました。ただ、前は徐々にストレスが溜まってしまった。僕らはストレスを感じていなかったですが、前としては『ハマっていない』というメンタリティーになってしまった。全体として下がってしまったあの時間帯で我慢し切れずセットプレーから失点してしまったことは残念というか、改善点です。監督もいつも言っているのですが、引くなら引く、ブロックを作るなら作る、強固に固めるなら固める、そこをチーム全体で意思疎通することが、今日の課題になったと思います」
Q:相手のシュートは前半の2本だけでした。その中でセットプレー1本から試合が決まってしまったことは、ディフェンスとしては歯がゆい?
「そうですね。セットプレーは僕たちも大事だと分かっていましたが、失点シーンは、僕と翔くん(舩木)の間でやられてしまった。さっきも翔くんと話しましたが、改善しないといけない。試合全体を通して、自分たちも悪くなかったですし、勝てたゲームだったと思うので、残念という気持ちもありますが、結果としてはこれが自分たちの実力だと受け止めないといけません。またリーグの後半戦が始まるので、カップ戦を無駄にせず、しっかり勝てるようにやっていきたいです」
Q:個人として、いい守備もありました。リーグ戦に出られていない時間も続いていますが、個としてのコンディションは落としていない?
「僕自身、試合に出られないからコンディションを落とす、それでは良くないと思いますし、出られないからこそ、練習からやり続けることが大事。それで、出たときにいかにパフォーマンスを発揮するかが大事。パフォーマンスを発揮して、チームを勝たせることが大事。今日、自分はめちゃくちゃ良かったわけではないですが、いい入りはできたと思います。ただ、勝ちにつなげることができなかったことは自分の実力。今日はゲームキャプテンを任せてもらって、大阪ダービーで勝てなかったことは悔しいですし、サポーターの皆さんに勝ちを届けることができなかったことは申し訳ないです。グループステージを敗退したことも残念ですが、下を向いてはいけない。リーグ戦もありますし、天皇杯も残っています。必ずタイトルを取るために、チーム一丸となって、いい競争をして戦っていきたいと思います。リーグ戦でも勝ちを重ね続けていきたいです」
■毎熊 晟矢選手
Q:後半は再三、高い位置を取りながら無得点に終わったことも含め、今日の課題はどう感じますか?
「前半は、守備のところがうまくハマらなかった。前線も凄く頑張って走ってくれていましたが、頑張りがつながらなかった印象です。全体が少し遠かったです。ハーフタイムに修正して、後半は(舩木)翔が落ちて、後ろを3枚気味で回したら、相手の勢いが落ちたこともあるのですが、ボールをもてる時間も増えて相手陣地でサッカーをする時間は長くなったのですが、ファイナルゾーンでの崩しが、クロス以外でチャンスを作れなかった印象です」
Q:昨年は決勝で悔しい思いをしたルヴァンカップ。今年はグループステージ敗退で終わってしまったが、個人としての切り替えはできていますか?
「昨年の決勝が終わった後の光景は今でも忘れていないですし、また決勝に戻りたい気持ちは強かったですが、今年はグループステージで敗退してしまった。自分自身、ケガもあり、出場できない試合もありました。いま振り返ればもったいないと感じる試合もあります。それがサッカーですが…。今日は悔しいですね」
Q:今年のカップ戦での悔しさは、今後の戦いにつなげていくしかない?
「そうですね。足りなかった部分はチームとして突き詰めて、選手同士や、選手とスタッフで話し合うことも増やして、チームとして後半戦も成長しながらリーグ戦を戦って、天皇杯でもタイトルを目指していきたいです」
■カピシャーバ選手
Q:まず今日の試合の受け止め方について
「今日の試合に関しては、勝たないといけない試合で、そのために準備してきました。自分たちがゲームを支配できていましたが、1本のセットプレーでやられてしまったことは悔しいです。ルヴァンカップの次はないですが、リーグ戦と天皇杯が残っているので、そこを勝ち抜けるように頑張っていきたいです」
Q:個人としては、何度もサイドを突破してチャンスを作っていました。試合を重ねるごとに自身のパフォーマンスが上がっている実感はありますか?
「そうですね。来日してからだいぶ時間も経ったことで、チームにも溶け込めたと思いますし、個人としても成長できていると思います。ただ、試合はまだ続くので、チームとともに、自分ももっと成長できるように頑張っていきたいです」
Q:神戸戦では元日本代表の酒井選手、今日の試合では3月に日本代表に選ばれた半田選手が対面の相手でしたが、彼らを相手に活躍できたことは、今後にもつながりそうですか?
「そのような素晴らしい選手に対して自分が対応できていることは、日々、しっかり練習している結果だと思います。これからも、どんな選手が止めにきても勝てるように、自分のいいところを出せるように頑張りたいですし、チームとともに成長していきたいです」
Q:日本に来てからプレーの中で変わったことはありますか?
「ブラジルと比べても日本はハードなリーグなので、体力面、フィジカル面が伸びたと思います。プレスバックや切り替えも監督には求められていますので、フィジカルを上げないといけません。なので、日本に来てから、よりフィジカルが伸びたと思います」
■加藤 陸次樹選手
Q:今日の課題を挙げるとすれば、どういうところになるでしょうか?
「結果だけを見たら、前線が点を決められなかったこと。それと、前半は守備で追われる展開が長かったので、取りどころをハッキリできなかった。そこは課題だったかなと思います」
Q:前半は少し全体が間延びして、選手同士の距離が遠かった?
「そうですね。前半はサイドの外国籍選手にボールが入ったところ、そこからしかチャンスを作れなかった。前半が終わって修正して、後半はいい形にもっていける場面は多かったですが、前半からもう少しうまく攻撃できれば良かったです。前半は僕も高い位置を取り過ぎてしまったというか、もう少し近い距離でプレーすれば良かった、という反省はあります」
Q:グループステージ敗退の受け止めについて
「2年連続、決勝まで行っていたので、もちろん悔しいですが、まだリーグ戦と天皇杯も残っています。リーグ戦も優勝を狙っていますし、天皇杯もタイトルを狙える大会。そこにフォーカスできる、というプラス思考で切り替えていきたいと思います」
■北野 颯太選手
Q:自身のパフォーマンスも含め、試合を振り返ると?
「期待に応えたかったですし、相手もガンバなので、尚更、勝ちたかったです。悔しいです」
Q:個でサイドを打開できる選手がいる中で、中央の選手がいかにボールを引き出すかも大事だと思っていたが、加藤選手も含めて前がかりになり過ぎてしまった感も?
「もっとボールに触れたら良かったですが、自分たちFWが間で受けるシーンもありました。ただ、ポジショニングや、ボールをもらってからの質は、まだまだ上げていく必要があると思います」
Q:U-20W杯で体験してきたことをどうJリーグの中で還元できるかが今後のカギになると思うが、自身の意識はどう変わった?
「あの大会に出たからには、やっぱりこのチームに恩返しをしたいですし、自分自身、もっともっとレベルアップしないといけないという覚悟はあります。そのためには、練習から取り組む以外にないですし、試合でも走り続けて、チームを勝利に導くこと。それしかないです。その意味で今日は悔しいですが、切り替えてまた練習からやっていきたいです」
Q:J1の舞台で活躍するために、伸ばしていきたいところは?
「もちろん、チームのために、というところが一番ですが、結局は一人決める選手がいれば、そのチームは強いと思う。Jリーグもレベルは高いですが、上にいくためには、このリーグでは自分が試合を決めるような選手にならないと、U-20W杯で戦ったような選手には勝てない。まずはチームでの競争に勝つこと。試合に出たら、毎試合、点を取ること。それがいまの自分がやらないといけないことですし、そういうモチベーションでやっています」
■香川 真司選手
Q:自身はビハインドの後半途中からピッチに入りましたが、試合をどう振り返りますか?
「守られたときにリズムの変化がほしかったですが、なかなか、そこの展開ができていなかった。課題が残りました」
Q:グループステージ突破は数字上、厳しい中での試合でしたが、せめて追い付いて終わりたかった?
「まぁ、そうですね。数字上の可能性は残っていましたが、(グループステージ)突破云々よりも勝つことにトライして臨んだ中で、負けるのは一番避けたかったので。何とかしたかったですね」
Q:大阪ダービーでの敗戦は復帰後初となったが、やはり普段以上に堪えますか?
「どの試合も僕たちは勝ちにいっているし、勝つために全てを出す努力をしています。その中でも、もちろんダービーは勝ちたかったですが、もう終わったことですし、そこまで引きずる必要はないのかなと。次の試合に向けて、またいい準備をするだけです。チームとして、神戸に勝って、勢いに乗って今日も勝ちたかったですが、ここで崩れるわけにはいかないですし、しっかり修正して、次の試合に備えていきたいです」
今季のルヴァンカップはグループステージで敗退。大きな糧として、今後の戦いにつなげていきたい
JリーグYBCルヴァンカップEグループ最終節。セレッソ大阪は、ホームにガンバ大阪を迎える大阪ダービーに臨んだ。先発は直近のリーグ戦から4人変更。CBに西尾隆矢、ボランチに原川力が入り、出場停止でレオ セアラが不在の2トップには加藤陸次樹と北野颯太が並んだ。
グループステージ突破へ向け、条件は厳しい中での一戦となったが、「大阪ダービーはどんな状況でも結果だけ。勝たないといけない」(小菊昭雄監督)と強い気持ちで挑むと、前半は相手にボールをもたれる時間こそ長かったが、[4-4-2]の守備組織を崩されることなく対応。シュートは打たせず試合を進めると、奪ったボールは素早く展開、個で違いを見せるジョルディ クルークスとカピシャーバを中心に両サイドからチャンスを作る。18分、ゴール前でカピシャーバが倒されてFKを得ると、原川力が直接狙ったが、ここはGK谷晃生に防がれた。23分にはクルークスと加藤で右サイドを突破。喜田陽のクロスにファーサイドからカピシャーバが飛び込む。25分には、カピシャーバが左サイドを突破してチャンスを作る。ただし、いずれもシュートまでは持ち込めずにいると、再びガンバにボールを握られる時間も増え始め、37分、CKから失点。セレッソも前半だけで5本のCKを獲得したが、仕留めることができず、攻守におけるセットプレーの質はこの試合の課題となった。
後半も立ち上がりからカピシャーバがサイドを突破しCKを獲得。前半以上に相手を押し込み、高い位置までボールを運んでサイドを起点にチャンスを作る。50分、カピシャーバの突破からのクロスに加藤がニアへ飛び込むと、58分に決定機。再びカピシャーバが縦に突破しクロスを上げると、加藤がうまくヘディングで合わせたが、枠内に飛んだシュートは谷のビッグセーブに防がれた。65分、上門知樹、奥埜博亮、香川真司と3選手が同時にピッチに入ると、起点が増えたセレッソの攻撃がより活性化。両サイドに展開しつつクロスからゴールに迫ったが、「あとボール一つ、二つ」(小菊監督)合わないシーンが続く。こうした展開になると、逆にカウンターから失点を食らいがちになるが、攻から守への切り替えが速く、カウンタープレスをうまく発動。西尾と鳥海晃司、両CBの個での対応も光り、後半はガンバのシュートをゼロに抑えた。5人目の交代選手として石渡ネルソンも投入しつつ、最後まで同点を目指して戦い抜いたセレッソだが、相手の粘り強い守備を打ち破ることができず、タイムアップ。2021年9月以来、大阪ダービーの公式戦としては8試合ぶりの敗戦を喫することとなった。
一昨年、昨年とファイナル進出を果たしながらタイトルまであと一歩、届かなかっただけに、今年のルヴァンカップに懸ける思いはチームとしても強かったが、今年はグループステージで敗退。試合後の選手たちは一様に悔しさも口にした。ただし、「この6試合の学びをリーグ後半戦、天皇杯に生かしていく」(小菊監督)こともチームとして一致している。首位と勝点7差で迎えるリーグ後半戦、そして、天皇杯。残された2つの大会で一つでも上の位置で終わるために、「チーム一丸となって、いい競争をしながら」(西尾)これからのシーズンを戦っていきたい。