第21節
2023明治安田生命J1リーグ
2023.7.16日
セレッソ大阪
レオ セアラ (8')
ジョルディ クルークス (25')
2
HOME
FULL TIME
0
ヨドコウ桜スタジアム
2-0
0-0
浦和レッズ
ヨドコウ桜スタジアム
21,007人
明治安田生命 #みんなで健活 サポーティングマッチ
入場時間
SAKURA SOCIO ゴールド 16:30 / SAKURA SOCIO シルバー 16:35(ゴールド会員様入場後) / SAKURA SOCIO 16:40(ライト会員は除く) / 一般 17:00
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放送
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MATCH REVIEW
監督コメント
■小菊 昭雄監督
「アジアチャンピオンを相手に内容を伴った勝利を収めることができて、非常に嬉しく思います。この素晴らしい内容を、まだまだ進歩させられる、強いチームにできると実感したゲームでもありました。タフで強い浦和に対して、選手たちは怯むことなく攻守にゲームをコントロールすることができました。勇敢に戦ってくれたことに感謝します。今後も1試合1試合、全力で準備して、私たちの目標であるトップ3、優勝争いへ向けて、ブレイク中に全員で成長できるように、前進できるようにやっていきたいです」
Q:試合前日、失点数の少ない浦和を相手に「積み上げてきた攻撃を発揮したい」という話をされていたが、実際、2得点以外にも数多くのチャンスを作った。今日の攻撃の評価は?
「実はですね、2日ほど前の戦術練習では内容が良くなかったところがありました。距離感に問題がありました。その中で、距離感を縮めるためには、ボックスをどんどん使っていくことが大事だと。ボックスの共有ですね。味方を見ながら、相手を見ながら、スペースを感じながら、ボックスを使うことで距離感を縮めていく。奪われてもカウンタープレスをかける。ボックスを使うことによって、中なのか、外なのか。選択肢も増えてきます。そういった課題に対して、選手たちは前向きに、短期間でトライしてくれました。コミュニケーションを取りながらボックスの共有ができたことが、今日、一番、浦和を攻略したポイントだと思います。ボックスのところは守備も含めてです。私たちはボックスを使いたい。守備では使わせたくない。守備でのボックスの共有、距離感、そこを徹底して選手たちはハードワークしてくれました。もちろん、(ヤン)ハンビンの好セーブも素晴らしかったですが、守備で常に正しいポジションを取り続けたことも、今日の大きなポイントでした」
Q:2-0からの試合運びについて。選択肢としては、ヨニッチ選手を入れて後ろを固めるやり方もあったと思うが、中盤の人数を増やしてゲームをコントロールされた。後半の采配について
「あの時間帯から、浦和はリスクをかけて前がかりにきます。前線に人数をかけてきます。その中で、自分たちは、前からいきたい選手と後ろでブロックを組みたい選手と、そこの温度差がありました。まずは[4-5-1]という形で、ジョー(上門)のスイッチで、全員がコンパクトに守備をスタートすると。中を使わせない、ボックスを使わせない。その意図で、[4-5-1]にしました。恐らくラスト5分、10分、ショルツ選手も含めて浦和は高さ勝負で来ると思ったので、そこで(マテイ)ヨニッチを入れて、[5-4-1]でしのぐプランも考えていたのですが、ジョルディ(クルークス)を交代させることになったこともあり、そのまま[4-5-1]でクローズしました」
Q:ボールを握ってというより、守備を考えて中盤を厚くされた?
「でも、両方ですね。(鈴木)徳真も含めて、中盤で(ボールを)もてる選手を入れて、ヒカル(中原)も(北野)颯太もそうです。しっかりと攻守で、もう一度ゲームをコントロールしたい。攻撃も含めて[4-5-1]にトライしました」
Q:距離感で言うと、香川選手と喜田選手の横の距離感、縦の距離感も良かったと思うが?
「仰る通り、浦和を対策したときに、彼らの横の距離感、攻撃に出ていくときのリスク管理も含めた役割。そこは大事なポイントになると思っていました。ボランチ同士でボールがつながったときに、逆サイドのボックスを使う。そこは大きなポイントになるということで、彼ら2人のビルドアップの距離感は良かったです。そこに3人目が関わる、キーパス、レイオフ、そのあたりの展開も良かったと思います。攻撃では、私たちもリスクを背負って人数をかける。そのときは真司がプラスαで関わる。浦和のカウンターに対しては陽がリスク管理する。そうした縦の役割も全うしてくれました」
Q:現時点で首位との勝点差が8に縮まったが?
「まず私たちの目標であるトップ3、そこをしっかり目指していく。トップ3に入ったときは、次の段階で、そういった目標は出てくると思います。いまは5位ということで、今日、勝って、浦和の背中をしっかり捉えることができました。1戦1戦、精一杯戦いながら、まずはトップ3を目標にやっていきたいと思います。その先に、優勝争いという景色が見えてきたら、もちろんそこを狙いにいきます。まずは自分たちの目標である3位以内を目指してしっかり戦っていきたい。私たちのチームはまだまだ成長しますし、個人個人を見ても、まだまだ成長する選手がたくさんいます。全員で競争しながら、中断期間も成長していきたいと思います」
Q:「まだまだ成長できる」という言葉も聞かれたが、どのあたりに一番伸びシロを感じていますか?
「今シーズンずっとですが、試合での学びを選手たちがしっかり生かし、課題を克服しようと表現してくれています。福岡、鳥栖と痛い連敗でしたが、そこで出た課題を水曜日の天皇杯を戦ったメンバーもそうですし、今日出たメンバーもそうですし、課題に対して精一杯、練習で向き合ってくれているからこそ、大宮戦の内容、今日の内容につながったと思います。そうした彼らの取り組み、戦術理解度の高さ、絆の深さ。そういったところが成長するための大きなポイントだと思っています」
選手コメント
■レオ セアラ選手
Q:前節の試合後は、「ゴールを決めても勝てなかったことが悔しい」という言葉が印象的でしたが、今日は勝利につながったことが一番ですか?
「そうですね(笑)。前節はグラウンド状態も良くない中で先制できたにも関わらず、逆転されてしまい、悔しい試合内容でした。今日はゴールもできましたし、試合も支配できたので、本当にいい試合になったと思います」
Q:スローインをサイドで受けた加藤選手の突破からのクロスに合わせたが、どのあたりで中で合わせる準備をしていた?
「札幌戦でもその形でゴールをしましたが、彼とはコンビを組む中で本当にやりやすい。彼があの形で受けた瞬間、信じてゴール前に走ったところ、やっぱり彼も僕の方を見てくれました」
Q:何度も話題にして恐縮ですが、公式戦3試合連続ゴールと、やはり夏に強いですね。
「いえ(笑)。夏に強い男と言われるのは本当に嬉しいです。これを続けていけば、チームの勝利にも貢献できる。このまま自分自身も調子よく夏を乗り切りたいと思います」
Q:横浜FM時代の11得点という、自身ハイスコアも見えてきたが?
「常に昨年の数字を超えたいと取り組んでいます。ここまで9点を取れているのも、チームメートのおかげ。チームの仲間がいてこそ取れているので、感謝しています」
Q:トップ戦線に留まるためにも、勝つと負けるでは大きな違いだったが、今日の勝利をどう捉えていますか?
「今日は自分たちが準備してきたことを発揮できました。もしかしたら今年一番良かった試合かも知れません。このような内容を続けていけば、タイトルにもつながっていくと思います」
■カピシャーバ選手
Q:チーム全体として、サイドを中心に迫力ある攻撃ができたと思うが?
「そうですね。僕自身、非常にいいコンディションで臨めましたし、みんなも素晴らしい集中力を発揮してプレーしたので、それが勝利につながったと思います」
Q:今日の対面のディフェンダーは、元日本代表の酒井選手でした。強力な相手にも果敢に突破を挑み、脅威を与えていたが、自身のパフォーマンスを振り返ると?
「試合前、ブルーノコーチと相手がどういう選手か分析しながら練習していました。彼は速くて強い選手です。そういう日本を代表する選手と戦って、しっかりプレーできたことは、この先、どの素晴らしい相手に対してもやれるという自信になりました」
Q:最近は先発が続いているが、試合を重ねるごとに、日本人選手の特長もつかんできましたか?
「ブラジルとも違うスタイルの選手が多いです。日本人選手は運動量がとても豊富。そこで負けないように、日頃の練習から取り組んでいます。そういう選手たちと戦うことで、自分のレベルも上がりますし、いい環境でプレーできていると思います」
Q:Jリーグでのプレー経験が豊富なレオ セアラ選手とはピッチ外でも仲がいいが、彼から学ぶこともある?
「それは間違いないです。常にレオとは一緒にいます。素晴らしい選手ですし、人としても素晴らしい。彼の家族も温かく僕を受け入れてくれています。いい友達ができました(笑)。最近は英語も勉強しているので、ジョルディやヨニッチともコミュニケーションを取れるようになってきました。ジョルディの家族ともいい関係を築けています。彼らだけではなく、日本人選手も僕とコミュニケーションを取ってくれるので、素晴らしい環境にいると思います」
Q:3ヶ国語でコミュニケーションを取っていると。素晴らしいですね。韓国語はいかがですか?
「チョット、チョットね(笑)。ハンビン(とは)、チョット、チョット。ニホンゴ、ペラペラ(笑)。アリガトウゴザイマス、マタネ、バイバイ」
■ジョルディ クルークス選手
Q:前半、多くのチャンスを作りました。攻撃全体をどう振り返りますか?
「そうですね。前半は相手を支配しました。支配した中で、素晴らしいゴールが2つ生まれました。チーム全体がよく戦ったと思います。守備でも、相手に大きなチャンスを与えなかったので、いい勝利になったと思います」
Q:その一つはクルークス選手が決めたゴラッソでした。自身の得点については?
「素晴らしいゴールだったと思います(笑)。スカウティングでも、裏のスペースが空くと聞いていました。鳥海(晃司)選手からいいパスが来て、そのままドリブルでもち込んで、うまく決めることができました」
Q:華麗でコースも完璧でしたが、自身で評価するなら何点ですか?
「80点くらいですね(笑)。さらにコーナーの上、ゴールの隅なら完璧でした」
Q:第17節の神戸戦、今節と、チケットが完売した試合でゴールを決めています。やはり観客が多いと、一層、燃える気持ちもありますか?
「ホームの試合で毎回満員になれば、得点王になれるかも知れませんね(笑)」
Q:試合後、ゴールの舞いは今日も行ったのですか?
「今日はちょっとだけ(笑)足をつって、厳しかったですね(苦笑)ゴメンナサイ!」
■毎熊 晟矢選手
Q:開始からサイドを中心にチャンスも作ったが、今節、狙いにしていた部分は?
「試合前に話していたのは、『うまくいかない時間があっても、そこでしっかりコンパクトに、間延びしないように』という話をしていました。浦和さんは、最初はロングボールを多用して、延びたところでボールを握ってくる、というスカウティングもあったので、自分たちは常にコンパクトに戦うことを、特に前半は意識していました」
Q:前半から攻撃で畳み掛けることは、必ずしも意識していたわけではない?
「そうですね。でも連敗していたので、アップから声援も凄かったですし、選手一人一人のモチベーションも高かったと思います。それが前半の2点につながったと思います」
■ヤン ハンビン選手
Q:勝利を大きく引き寄せたPKストップについて
「アジアチャンピオンの浦和に勝つことができて、とても嬉しいです。ショルツ選手のPKも事前に分析していたので、それがシュートストップにつながったと思います」
Q:飛ぶコースは決めていた?
「はい。今までのゲームを見たら、よく決めていたコースでした。今日は僕が上回ったと思います。止めることができて良かったです」
Q:監督は、「練習からPKをよく止めている」と話していたが、練習で大切にしていることは?
「セレッソはPKのうまい選手が多い。その練習のおかげで、今日のストップにつながったと思います」
Q:今日の勝利をどう受け止めていますか?
「今日は勝てたのですが、その前の連敗がもったいなかったと感じていたので、惜しいという気持ちもあります。ただ、今日の勝利はもちろん嬉しいです」
外国籍選手の活躍が光った真夏の大一番。攻守で浦和を上回ったセレッソが快勝を収める
天皇杯3回戦・大宮アルディージャ戦から中3日。浦和レッズとの明治安田生命J1リーグ第21節に挑んだセレッソ大阪。先発は、前節のサガン鳥栖戦と同じ11人。大宮戦からはカピシャーバを除く10人を入れ替えて、サマーブレイク前ラストの一戦に臨んだ。
試合は前半、セレッソが主導権を握る展開に。開始4分、進藤亮佑のサイドチェンジから舩木翔、カピシャーバとつなぎ、カピシャーバのクロスにレオ セアラがヘディングで合わせてゴールに迫ると、8分、先制に成功。舩木のスローインを受けて浦和の右サイドを突破した加藤陸次樹が相手DFにマークに付かれながらもクロスを上げると、中でフリーになったレオ セアラが右足で合わせた。7月に入り公式戦3試合連続ゴールと“夏男”の一撃で優位に立ったセレッソは、その後も2点目を目指して果敢に攻める。15分には、レオ セアラが収めたところからテンポよく中央でパスをつなぎ、最後は毎熊晟矢が猛然と前線に駆け上がってGKと1対1のシーンを作ったが、惜しくもシュートは西川周作に防がれた。それでも勢いが止まらないセレッソは、飲水タイム明けの25分に追加点。浦和の前線にボールが入ったところを香川真司、喜田陽、鳥海晃司と3人で囲んで奪うと、鳥海が素早く右サイドのスペースへパス。走り込んだジョルディ クルークスがドリブルでもち上がり、最後は右足で切り返して左足で巻いたシュートを放つと、GKも届かない絶妙なコースに見事に決めた。徹底して浦和のサイドの背後を狙うセレッソは、36分にもカピシャーバのドリブルから好機を得たが、ここはジョルディ クルークスがシュートにいく手前で相手DFのクリアに遭い、ゴールならず。3点目こそ奪えなかったが、攻守両面で距離感よくプレーした前半は守備でもコンパクトな陣形を維持。香川と喜田が絶妙な距離感で攻守に関わりながら浦和のシュートを1本に抑え、圧倒して終えた。
ハーフタイムで選手を1人代えてきた浦和に対し、セレッソは交代なしで後半に入る。48分、セレッソは香川のCKにファーで進藤が折り返し、中で鳥海が合わせてチャンスも、ヘディングはクロスバーを越えた。後半はボール保持の時間を増やしてきた浦和の前に守勢に回ったセレッソだが、カピシャーバの突破などカウンターやCKから3点目を狙う。後半、最初の決定機は浦和。59分、セレッソの左サイドで起点を作られ、最後は逆サイドにこぼれたところを、後半から入った早川隼平に狙いすましたシュートを打たれたが、わずかに枠を外れて事なきを得た。浦和に傾きかけた時間帯で、小菊昭雄監督は最初の選手交代を決断。2トップのレオ セアラと加藤に代え、上門知樹と鈴木徳真を投入。守備時は[4-5-1]になる[4-3-3]にシステムを変えた。この変更で守備では中央を厚くするとともに、ボール保持でも余裕が生まれたセレッソだが、76分、左サイドを浦和に崩されると、最後は舩木の足が相手選手にかかったとされ、浦和にPKを献上。この絶体絶命のピンチに立ちはだかったのがGKヤン ハンビンだった。「事前に蹴るコースは分析していた」と、PKの名手・アレクサンダー ショルツのキックを見事にストップ。このビッグプレーで息を吹き返したセレッソは、直後の80分、途中出場の北野颯太が果敢なプレスでボールを奪い、ショートカウンターを発動させると、上門、ジョルディ クルークスとつないで決定機。ただし、背番号11の右足でのシュートはわずかに枠を外れて3点目とはならず。それでも、2点のリードを守り切ったセレッソが4位の浦和に快勝。上位直接対決を制し、トップ3との勝点差を縮めることに成功した。
チケット完売、熱気渦巻くヨドコウ桜スタジアムで見事勝利を収めた試合後、「私たちのチームはまだまだ成長します。個人個人を見ても、まだまだ成長する選手がたくさんいます。全員で競争しながら、中断期間も成長していきたいと思います」と力強い言葉を述べた小菊監督。28日にはパリ・サン=ジェルマンとのビッグマッチも控えている中、練習からチーム力を高め、中断明けの天皇杯ラウンド16、リーグ戦へと向かっていきたい。