第25節
2023明治安田生命J1リーグ
2023.8.26土
セレッソ大阪
上門 知樹 (9')
上門 知樹 (71')
北野 颯太 (88')
3
HOME
FULL TIME
1
ヨドコウ桜スタジアム
1-1
2-0
名古屋グランパス
森下 龍矢 (12')
ヨドコウ桜スタジアム
18,935人
ヨドコウサポーティングマッチ
入場時間
SAKURA SOCIO ゴールド 16:30 / SAKURA SOCIO シルバー 16:35(ゴールド会員様入場後) / SAKURA SOCIO 16:40(ライト会員は除く) / 一般 17:00
イベント
放送
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■小菊 昭雄監督
「今日は両チーム、必ず必要な勝点3を目指して、立ち上がりからゴールに向かって、強度高く、見応えのあるゲームが展開されたと思います。その中で、我々は目標のトップ3、さらには優勝争いを考えた場合、必ず勝たないといけない試合でした。一人一人が色んな局面でバトルし、戦った結果、この3対1につながったと思います。交代で入った選手も含めて素晴らしい内容で勝てたことを嬉しく思います。ただ、残り9試合も一戦必勝で戦うことには変わりません。どの試合も勝点3を目指して準備して、勝点3を勝ち取る。ラスト9試合、また全員でいい準備をして臨みたいと思います」
Q:前日会見で、名古屋との前回対戦時から積み上げてきた部分について、「メンタルの成長と攻撃の進化」を挙げていました。まさしく今節は、同点に追いつかれた後も崩れないメンタル、サイドだけではなく中も崩して奪った2得点と、メンタルと攻撃の両方の成長が見られた試合になりましたが、監督自身の手応えはいかがですか?
「まさに今日、私が嬉しかったのは、勝ったこと、内容が素晴らしかったこともそうですが、前回からの成長を示せたことです。アウェイで1-3で敗れた試合を振り返ると、3連勝中でクリーンシートも続いていた中で、あの試合も1点を先制しました。ただ、1-1にされてから、チームの調子が良かった分、跳ね返りも大きくて、バタバタする必要がない中で、自分たちで自滅して、前半、チームがセルフコントロール、ゲームコントロールを失い、1-3で前半を終えて、そのまま敗れました。私の中で一番悔しいゲームでした。今日、試合前に選手たちにも伝えたのですが、その敗戦を糧に、もちろん戦術面もそうですが、心技体、我々はしっかり成長したところをこの試合でぶつけるんだ、と。開始早々、VARで取り消しになったとは言え、ネットを揺らされました。ただ、その後もしっかりと自分たちでもう一度、ゲームコントロールし直すことができました。1点を取った後も、キックオフから失点する場面もありましたが、そこでもう一度、強固に絆をもって戦ってくれました。そこからどの試合でもそうですが、主導権が入れ替わる中で、攻撃でゲームをコントロールする、守備でゲームをコントロールする、その使い分けを全員で行って戦えたこと。その結果が、今日の素晴らしい勝利につながったと思います。勝ったこともそうですが、前回の敗戦から約3ヶ月、やってきたことが内容に反映されたことが非常に嬉しく思います。その成長が一番、嬉しいです」
Q:2ゴールを挙げた上門選手について。最近はずっと先発で起用されていましたが、期待に応えてくれたのでは?
「キャンプのときから非常にパフォーマンスが高く、彼には『今年のノルマはリーグ戦10点』と伝えました。それだけの結果を出さないといけないクオリティーの高い選手です。そうした約束をした中でシーズンがスタートしました。キャンプのトレーニングマッチでは、6点、7点とゴールを量産する素晴らしい内容でした。その後、ケガがあったり、体調不良が続いたり、安定して練習をできない時期が続きました。ようやくここ1ヶ月、しっかりと練習を継続して取り組むことができました。元々、クオリティーの高い選手ですし、やってもらわないといけない選手です。ようやく本来のパフォーマンスにつながったと思います。今日のゴールも素晴らしいですが、守備での貢献、自己犠牲、チームを勝たせるために走り、戦うこと。それはゴールと同じくらい、今日、見に来てくれたサポーターの皆さんの心を打ったと思います」
Q:今日は普段以上にオープンな展開に見えました。意図したモノでしょうか、それとも流れの中で結果的にそうなったのか。
「名古屋はオープンな展開が強みだと思っていましたので、しっかりと攻守でゲームをコントロールする。その狙いはありましたし、そのためのトレーニングも積んできました。ただ、冒頭に申し上げた通り、今日は両チーム、マストで勝点3が必要なビッグマッチでした。その中で我々も、相手のカウンターを恐れて前に出ていかない、横パス、バックパスを選択することは、私は求めていませんでした。少々、リスクがあってもどんどん湧き出る、追い越していく、ゴールを狙う。そういうサッカーをしようと選手を送り出しました。選手の勝ちたい気持ちが今日の内容につながったと思います。両チーム、ゴールを奪いにいくアグレッシブなゲームができたと思います」
選手コメント
■上門 知樹選手
Q:2ゴールを振り返ると?
「ここまで点を取れそうで取れない試合が続いていたので、吹っ切れました。歓声を聞いたときは凄く嬉しかったです」
Q:チームとして、最近はサイドからの崩しも多かった中で、今日は中からのゴールも生まれました。チームの攻め方の幅も広がっている?
「そうですね。レオとカピとジョルディが自分たちのストロングなのは相手も分かっていると思いますし、それを研究された中でも、今日のように真ん中から取れたら、もっともっと、自分自身もチームの得点のバリエーションも増えていくと思うので。今日のようなゴールをもっと取れるように、次に向けてしっかりやっていきたいと思います」
Q:試合後のDAZNのインタビューでは、「自信につながるゴールになった」という言葉もあったが?
「ここ5試合くらい、監督に信頼して使ってもらっていた中で、結果を出さないといけない、このままではいけないと、自分にも言い聞かせていました。それプラス、今日は上位との試合だったので、自分のゴールで勝てたことは良かったですし、自信になりました。ただ、決めた次が大事なので、継続してやっていきたいです」
Q:2点目は、パスをもらったときから、ターンしてゴールに向かうことは決めていた?
「(喜田)陽からのパスをもらう前にイメージはできていました。僕の左側に相手がいるのが見えたので、ブロックして、ターンして、あとはゴールしか見ていなかったです。あの場所で受けてシュートに向かうのが自分の一番のストロングポイントだと思うので、あの位置で取れたことは自信になります」
Q:ホームでの2得点も、格別な思いでは?
「そうですね。それも嬉しいですし、今日、負けたら優勝争いは厳しくなると思っていました。引き分けではなく、勝点3が必要でした。そういう試合でゴールも取って、チームも勝てた。ここから勢い付けば、まだまだひっくり返せると思う。監督も試合後に『今日は素晴らしい試合だった』と言ってくれたので、それも自信になります」
■ヤン ハンビン選手
Q:自身の好セーブが勝利を呼び込んだが、パフォーマンスを振り返ると?
「名古屋が強いチームであることは分かっていました。厳しいゲーム展開になりましたが、勝てたことは大きかったです」
Q:後半のビッグセーブを振り返って頂きたいのですが、まず野上選手のヘディングを止めたシーンについて
「動作的には紙一重でしたが、相手のシュートの勢いが少し弱かったので、止めることができました」
Q:その後、和泉選手のシュートを止めた場面はさらに難しいセーブだったと思うが?
「GKコーチのノブさん(武田亘弘コーチ)が練習から自分を鍛えてくれているので、結果につながっていると思います。自信をもって試合に臨めているので、全てはノブさんのおかげです(笑)」
Q:セレッソに来てから、さらに向上している実感はありますか?
「このチームに来て、確実に自分の向上につながっています。ただ、今日は結果としては勝てたのですが、(自身の)ボール保持の仕方やキックの精度には課題も残ったので、練習からもっと高めていきたいです」
■香川 真司選手
Q:チームにとっての大一番を3-1で勝利しました。この結果と内容については?
「絶対に負けられない試合でした。プレッシャーのかかるゲームでしたが、しっかりと勝ち切ったことは非常に良かったです。前半、最初にやられたときは焦ったというか、嫌な入りでしたが、VARでオフサイドで取り消しになって。そこから先手を取れたことは良かったですが、すぐ失点したことはメンタル的にもキツかったのですが、崩れずやり続けた結果、勝利につながりました。内容的にもしっかりコントロールしていましたし、僕たちの勝利がふさわしいゲームだったと思います」
Q:前回の名古屋戦では、先制後に追いつかれた後、一気に失点を重ね、香川選手も試合後に「自滅に近い」という言葉がありました。今節は、追いつかれた後も崩れなかったことは、チームとしての成長ですね。
「そうですね。同じことを繰り返すわけにはいかないですし、こういう試合を勝たないと上にはいけないことは、チームのみんなも自覚していました。勝たないといけない試合で勝てたことはチームにとっても大きいですし、自信になる結果です。また次、ホームでフロンターレとの試合があります。代表ウィーク前、最後の試合なので、必ず勝てるように、いい準備をしたいです」
Q:現在はサイド攻撃を武器にしている中で、練習から中も崩す形をずっと取り組んできたと思います。今日、それが形になってゴールにつながったことも大きいのでは?
「練習でもそういう練習はしていますし、それが結果に表れることはチームとして大きなこと。あと、今日は普段、試合に出ていなくて悔しい思いをしていたマテイ(ヨニッチ)や(北野)颯太が活躍したこと、最近は点を取れていなかったジョー(上門)が取れたこと、そういう選手がスタメン、途中出場で活躍したことは、チームとしては勝点3以上の意味をもつと思います。総力戦で、これからも負けられないタフな試合が続くので、全員がいい準備をして戦っていく必要があると思います」
Q:今日はセレッソ大阪ヤンマーレディースもWEリーグの公式戦初戦で勝ちました。セレッソ大阪というクラブ全体にとっても、いい1日になりましたね。
「お互い、いい結果を積み上げながら、全体として強いクラブにしていければと思います」
■毎熊 晟矢選手
Q:自身が起点になった先制点を振り返ると?
「名古屋は前から来ると分かっていたので、その背後、常にレオやジョーの動き出しは見るようにしていたので、それがゴールにつながって良かったです」
Q:1点目は毎熊選手が起点となり、名古屋のゴールも森下選手でした。こちらのサイドの攻防は、終始、激しかった印象だが?
「失点場面はヨニッチ選手との間にいる選手が気になり、声を掛けたのですが、届かず。怖かったので付いていったのですが、後から映像を見たら、任せても良かったと思います」
Q:時間の経過とともに安定していきましたが、ヨニッチ選手も久しぶりの先発で、立ち上がりは、普段とは違う組み合わせによる難しさもありましたか?
「多少はありましたが、ヨニッチ選手と(ディフェンスラインの右サイドで)組むのは初めてではないですし、ヨニッチ選手も気を利かせてくれる選手なので、特に難しさはなかったです」
■進藤 亮佑選手
Q:内容も伴った勝利になったと思うが、振り返ると?
「それぞれに特長があり、クオリティーが高い相手でしたが、基本通り、約束事を守って戦えば、結果が出るのだなと、改めて感じた試合になりました。ただ、それは自分だけではなく、チームメート全員の協力が必要になります。そういう献身的なプレーをしてくれる選手たちとプレーできていることが凄く嬉しいです」
Q:今日はユンカー選手にあまり仕事をさせなかった印象だが?
「スピードのある選手ですし、何てことのないシーンからチャンスを作れる選手です。ゼロを100にできる選手。ボールをバウンドさせたら、一瞬で前に入ってくる選手。細谷選手や上田綺世選手に近いイメージで、長い時間、眠っていても急に仕事をする選手の一人ですが、点を取らせなければ勝ちというか、今日に関しては、結果的には脅威ではなかったです。グループでうまく守れたと思います」
Q:今日はCBの左でした。右とはイメージもかなり違うと思うが?
「そうですね。違いはありますね。ビルドアップのところで右の方が選択肢は多かったりするのですが、選手としての可能性は広げていきたいですし、左でもできるところを示したい。昨日、湘南と浦和の試合を見ながら、ショルツ選手が左をやっていたので、イメージをしながら見ていました」
Q:鳥海選手が欠場し、配置が変わった影響もあったのか、立ち上がりは少し不安定でした。ただし、経験値の高い選手たちですし、時間の経過とともに安定していった印象だが?
「ここまでCBにクオリティーが高い選手が揃っているチームは、なかなかないと思いますし、少し時間が経てば、合わせることはできると思います。立ち上がり、VARでオフサイドになったシーンは意図的にオフサイドを取ったわけではなかったので、反省点ですが、後ろは誰が出ても問題なくやれると思います。もちろん、どのポジションもそうですが、特に後ろは誰が出てもJ1でやれる選手が揃っていると思います。逆に言うと、そういう選手がベンチにいたり、スタンドの上で見ていることは、僕にとっては次の試合が確約されていない、ということなので、いいプレッシャーになっています。1年間、誰もケガせず、ずっと同じ2人で組み続けることはあまりないですし、カバーできるチームだと思っています」
■マテイ ヨニッチ選手
Q:久々の先発でしたが、上位の名古屋を相手に勝利しました。試合を振り返ると?
「久々の先発だったので、最初は試合勘の問題もありました。こんなに大勢のファン、サポーターの前でプレーをするのは久しぶりだったので。強敵を相手に勝点3を取れたのはチームにとっても大きいですし、勝てて良かったです」
Q:序盤はサイドを突破される場面もありましたが、時間を重ねるごとに安定していった印象です。
「そうですね。最初は少し様子を見る感じもありましたが、自分ができるプレーというのは十分、把握しているので。それに順応しながら、相手に合わせて守ることを頭に入れていました。ゲームが進むにつれ、自分としても楽にプレーできるようになっていきました」
■西尾 隆矢選手
Q:1点差のしびれる時間帯で投入された中、ピッチに入るときに考えていたことは?
「やることは決まっていたので、僕自身、そこまでプレッシャーは感じず、楽に入れました。来たボールを弾いて、ボールを落ち着かせるところは落ち着かせて。あとは、攻撃でチャンスがあれば起点になれればいいかなと思っていたので、インターセプトしたところから3点目につながったことは良かったです」
Q:名古屋には前期は悔しい逆転負けを喫していた中で、今日は逆のスコアでやり返しましたね。
「そうですね。名古屋との前回対戦はチームとしてなかなかうまくいかず、チーム内でも色んな意見が出るなど、僕の中でも記憶に残る試合でした。そこからどうチームが成長できたのか、表現できた試合になったと思います。チームとしてステップアップできている証明になったので、その意味でも大きな勝利になったと思います」
■北野 颯太選手
Q:J1初ゴールとなった第17節・神戸戦のゴールとは、また違った思いですか?
「そうですね。自分の良さを出して決めるゴールが欲しかったので。もちろん、どんなゴールでも1点は1点ですし、神戸戦のゴールも常に狙っているからこそ決めることができたのですが、今日は自分の良さというか、イメージ通りに決めることができました」
Q:渡邉選手のパスを受けて決めたが、あの形は狙っていた?
「りょうくんとは、練習からいいイメージを持ちながら練習していますし、お互い、要求し合っています。こういうパスが欲しいと要求したり、りょうくんから求められることもあります。今日も、あの瞬間、目が合って、『ここにパスを差してくれ』という自分のイメージをりょうくんも感じ取ってくれたと思います。練習からいい関係性をもってやっていたことが結果につながったと思います」
Q:チームとしてサイドからの得点が多い中で、今日は2点目も3点目も中を割ってのゴールでした。チームとしての攻撃も幅が広がっていきそうだが?
「そうですね。そこはチームとしても課題でした。サイドには特長のある選手がいるので、そこは最大の武器にしながらも、相手は研究してくる。その中で、中にパスを差して崩すことが僕たちの仕事。そういう練習も重ねてきましたし、中央突破でも点が取れたことは、やってきたことが出せたゴールだったと思います」
上門知樹が圧巻の2ゴール。アウェイでのリベンジに成功し、3位・名古屋との勝点差を3に縮める
リーグ戦3試合ぶりに勝利した前節の横浜FC戦から中5日。セレッソ大阪は、ホームに3位の名古屋グランパスを迎え、明治安田生命J1リーグ第25節に挑んだ。両チームの勝点差は『6』。目標のトップ3に入る上で、今節は是が非でも勝点3が求められる一戦となった。先発は前節から1人変更。鳥海晃司が外れ、CBの一角にはマテイ ヨニッチが第19節・アビスパ福岡戦以来となる先発を果たした。
開始3分、セレッソは名古屋のロングボールからサイドを割られ、いきなりネットを揺らされたが、VAR判定の結果、オフサイドで難を逃れる。すると9分、先制に成功。毎熊晟矢が相手3バックの脇へ長いボールを入れると、走り込んだレオ セアラがダイレクトで中へクロス。合わせたのは上門知樹。左足の正確なキックでゴールに流し込んだ。ただし、リードしたのも束の間。直後のキックオフから名古屋にパスをつながれ、自陣左サイドを破られると、最後は森島司のクロスに逆サイドから飛び込んできた森下龍矢に決められた。先制後に追いつかれる流れは前回の名古屋戦と同じだったが、今節はここから粘り強い戦いを披露。「同じことを繰り返すわけにはいかなかった」と試合後に話した香川真司が味方を落ち着かせるジェスチャーも含め、中盤でボールを保持。「1-1にされてから、バタバタする必要がない中で、自分たちで自滅してゲームコントロールを失い、1-3で前半を終えた」(小菊昭雄監督)前回対戦時の反省がしっかりと活かされた。30分には、再び自陣左サイドからピンチも招いたが、ここはクロスに対して進藤亮佑が懸命に足を伸ばしてクリア。名古屋の両ウィングバックの攻撃参加に手を焼いたセレッソだが、逆転は許さず、前半を終えた。
前半の終盤はセレッソが押し返して迎えた後半は、開始からセレッソがボールを握って敵陣に進入。55分には、サイドを抜け出した上門がオフサイドにはなったが、左サイドを綺麗に崩し、香川がゴールを脅かす場面も作った。球際の攻防、切り替えの速さを含め、緊張感が漲る上位対決にふさわしい試合は、ここから次の1点を巡る攻防が加速。後半の中盤はやや名古屋に押し込まれる時間帯も続いた中、62分、68分の被決定機ではGKヤン ハンビンがビッグセーブを連発。特に後者のシュートは威力、コースともに決められてもおかしくない一撃だったが、守護神が右手を伸ばして防いだ。これで試合の流れを引き寄せたセレッソは、71分、勝ち越しに成功。右サイド深くのスローインから毎熊、レオ セアラ、ジョルディ クルークス、毎熊とつなぎ、最後はこの試合、積極的な配球が光っていた喜田陽が前線の上門へ縦パスを付ける。相手DFを背負いながらうまく反転した背番号7が思い切りよく左足を振り抜くと、名手・ランゲラックも止められない豪快な軌道でネットに突き刺した。加入後初の1試合複数得点を決めた上門。「使ってもらっていた監督の期待に応えたかった。上位対決で自分のゴールで勝てたことは自信になった」と試合後に振り返った。
80分、小菊監督は西尾隆矢と北野颯太を投入し、システムを5バックに変更。リードを守りつつ、カウンターから3点目を狙いにいく。82分に新井晴樹、86分には渡邉りょう、鈴木徳真が入り、交代枠をフル活用して迎えた終盤、セレッソにダメ押しの3点目が入る。ルーズボールを西尾が高い位置でカットすると、渡邉がカットインからスルーパス。「りょうくんとは、練習からいいイメージを持ちながら練習しています。あの瞬間も目が合った」と話した北野が抜け出し、相手CBをかわしてシュート。「イメージ通り」の形で自身J1通算2点目を決めた。試合はこのまま3-1でセレッソが勝利。アウェイでの前回対戦時とは真逆のスコアで、やり返した格好となった。
試合の中で崩れないメンタル。サイドに加えて中央も使った攻撃の幅。「前回の敗戦から約3ヶ月、やってきたことが内容に反映されたことが非常に嬉しく思います。その成長が一番、嬉しい」と、勝利で終えた上位対決を振り返った小菊監督。これで3位・名古屋との勝点差は3に縮まり、いよいよその背中がクッキリと見えてきた。「決めた次が大事。継続したい」とは殊勲の2ゴールを決めた上門。次節は再びホームに川崎フロンターレを迎える。「代表ウィーク前、最後の試合。必ず勝てるように」(香川)チーム全員でいい準備を続けていきたい。