第31節
2023明治安田生命J1リーグ
2023.10.28土
セレッソ大阪
レオ セアラ (8')
1
HOME
FULL TIME
0
ヨドコウ桜スタジアム
1-0
0-0
ガンバ大阪
ヨドコウ桜スタジアム
21,665人
ヤンマー #Football is our engineサポーティングマッチ
放送
DAZN / NHK大阪
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■小菊 昭雄監督
「大阪ダービーは、毎試合、勝利だけが求められるスペシャルな試合です。その中で、前半、素晴らしい内容で、攻撃でたくさんの主導権を握ることができて、チャンスもたくさん作ることができました。得点になった中央突破もそうですし、中央とサイド、チームとして取り組んできたことがたくさん表現できた前半だったと思います。課題としては、あそこでもう1点を決めることができる強いチームにしていかないといけません。後半は相手にボールを持たれる時間も続きましたが、全員がハードワークして、魂を見せて、絆の精神で1点を守って、守備で素晴らしい後半を過ごすことができたと思います。トータル的に、まだまだやらないといけない課題もありますが、とにかく結果が大事なダービーで、ホームで勝てたことを嬉しく思っていますし、幸せに感じています」
Q:何より結果が大事な大阪ダービーですが、内容も素晴らしかったと思います。前半は主導権を握った中でのチャンスメイクに優れ、後半は守備で魅せた中で、4-3-3の守備、4-4-2の守備の時間もあり、最後は5枚でシャットアウトしました。昨年から今年にかけて積み上げてきたことを、大阪ダービーという大舞台で発揮して勝てたことについて
「そうですね。1年前の私は、まだ初心者マークの取れない監督でした。オプションも少なく、4-4-2を貫いて、前線からの守備、ハードワークからの鋭いカウンター、それを武器に戦ってきました。その中で選手たちはよく頑張ってくれて、トップ5の成績を残せたことは非常に良かった点ではありますが、試合終盤に失点を重ねることも多く、引き分けたり、敗れることもありました。振り返れば、自分自身のオプションが少なかったと思っています。その中で、選手やスタッフと色んなことにトライして、エラーもありましたが、一つ一つチャレンジしながら自分自身の幅も広がったかなと思います。そういった月日が今日の結果に表れたかなと。私自身もそのことは非常に嬉しく思います」
Q:前節からの変更として、柴山選手が先発しました。4-3-3に変更した理由の一つに奥埜選手の復帰を挙げられるほど、奥埜選手のことも評価されていた中で、今日の大阪ダービーで柴山選手が先発だったということは、それだけ柴山選手の練習でのパフォーマンスが良かったのか、それとも奥埜選手に何かアクシデントがあったのか
「両方です。まず、シバに関しては、4-3-3のインテリオールの立ち位置、役割を与えてから、さらに練習からパフォーマンスは上がっていました。(前節)広島戦も圧巻のパフォーマンスでした。その中で彼が自分で勝ち取ったことが一つ。もう一つは、前節の広島戦で、13キロ以上を走ったチームの心臓、奥埜がようやく帰ってきてくれたのですが、今週、少しアクシデントがあり、コンディション不良で。昨日の練習後、トレーナーやフィジカルコーチとも話をして、何とかギリギリのところで18人に入れる状態になりました。そうした経緯もあり、柴山の先発をジャッジしました」
Q:4-3-3における香川選手のアンカーについて、改めてその働きぶりについては?
「攻撃のところで彼の良さ、違いを見せてくれるところは皆さんも理解されていると思いますが、今日、広島戦と見ていただいて、皆さんも評価されたと思うのですが、守備のところも素晴らしい。球際、バランスを取るところ、(味方の)ブロックを動かすところ。そうした守備のところも非凡でチームの助けになってくれました。実は真司も今日はギリギリの状態でした。何とか気持ちで出場してくれました。それくらい蓄積疲労や痛みを伴っている状態でした。改めて、彼の経験、クオリティー、勝ちたい気持ちを表現してくれたことを嬉しく思いますし、感謝しています」
Q:ラスト15分、進藤選手を入れて5バックにされたが、想定通りですか?
「そうですね。今シーズンは逃げ切りの形で5バックはトライして、成功体験も積んできました。しっかりと選手たちは役割を全うしてくれました。今日は1-0でゲームが進んでいる状態であれば、ラスト15分を目途に5バックに変えて5レーンを埋めて、ゴールを守る守備に変えていく、そういうプランはありました」
Q:試合中にシステム変更をする時のメンタルについて。また、押し込まれた状態では、どのような声掛けをされていた?
「試合中にシステムを変えることは、私自身も勇気がいります。リスクを伴うことですので。昨年、そのチャレンジができなかった理由の一つに、アウェイ広島戦で、1-0で勝っている終盤に5バックにして、ラスト15分で逆転された。そういう経験があり、その後、なかなか再チャレンジの一歩が踏み出せませんでした。ただ、昨年の終盤にラストの失点も続いたことで、今年は改めてチャレンジしようと。今回の4-3-3の再チャレンジもそうですが、チームは生きています。その時、その時のチームの状況、選手の状況を踏まえて、引き出しを多くしないといけない。その中での4-3-3であったり、5バックであったり、選手たちとチャレンジしています。もちろん、結果が全ての仕事ですので、負けたら私の責任でしっかりと受け止めないといけません。今年は色んなトライをした中で、選手たちが愚直にやってくれていることに対して、ロッカールームでも感謝の気持ちを伝えました。素晴らしいチームに成長していると思います。声掛けのところは、両チームに流れがあり、そこは前半、後半、または5分、10分単位で大きく変わります。しっかりと前半のようにボールを保持しながら主導権を握る時間帯と、後半のように、耐えてカウンターでトドメを刺す時間帯と(では掛ける言葉も変わる)。終盤は、メンタル的なつながり、我慢強く戦うこと、全員で正しいポジションを取り続けること、球際で戦うこと。そういう声掛けを常にしていました」
Q:香川選手について。最終的にどのような話し合いの元、起用する判断に至った?
「本人ともしっかり話をしました。トレーナーさんとも話をしました。痛みが伴うことで練習ができず、試合に向けて調整するような形で今日を迎えました。昨日のトレーニングも今日のアップも満身創痍な状態でやってくれたことに感謝しています。ここから2週間、時間が空きます。彼もオク(奥埜)もそう。ケガ人が少しいる状況ですが、しっかり休ませたい。復帰している選手も何人かいますので、そういった選手は逆にコンディションを上げていく。そういう時間にして、ラスト3試合に全員で向かっていきたいと思います」
選手コメント
■レオ セアラ選手
Q:勝利した大阪ダービーを振り返ると?
「これまで4試合勝利がなかった中で、ダービーに勝つことができたことは本当に嬉しいです。ダービーでの勝利は自分たちの自信になります。自分たちのサッカーをさらに深めて、もっと勝ちたいと思います」
Q:得点場面はカピシャーバ選手からのパスを受けて決めた形だが?
「カピシャーバが前を向いた瞬間、動き出しました。その瞬間をカピシャーバがうまく見てくれて、パスを出してくれました。あとはGKをよく見て押し込むだけだったので、カピシャーバのゴールだと思っています(笑)」
Q:前節もカピシャーバ選手のパスから決定機を迎えました。
「前回も似た形で素晴らしいボールが来ました。彼とはコミュニケーションが取れていますし、彼からボールが来るという信頼があります」
Q:今季12ゴール目です。自身のJ1最多得点を更新したが?
「数字としては、常に昨年より今年、という思いでプレーしています。今日更新できて嬉しいですし、セレッソのユニフォームを着て12点を決めることが出来たことも嬉しいです。みんなが手伝ってくれたおかげでもあるので、チームのおかげで記録を作れたと思います」
Q:最後は足を攣りながら、チームのためにプレーする姿が印象的でした。
「後半は相手がボールを握っていたので、ディフェンスする時間が長くなり、疲れも出てきました。ただ、チームの勝利につながったので良かったです。僕だけではなく、チームメート全員が最後までよく走ったと思います」
Q:直近4試合はチームとしても無得点でしたが、どのようなメンタルの持ち方で今節を迎えましたか?
「得点はなかったですが、ロッカーやピッチでも、どうしたら自分たちが描く形で得点できるか、常に話し合っていました。自然と出てくることは分かっていました。全員が勝利のためにプレーしています。今日はダービーで結果が出たことは自信になりました」
Q:今季はアウェイでの大阪ダービーでも決めています。ダービー男ですね(笑)。
「ダービーで得点できたことも嬉しいですし、今日は寒かったのに決めることができたことも嬉しいです(笑)。まぁそれは冗談ですが、大阪ダービーは常に熱い試合なので、決めて勝つことができて本当に良かったです」
Q:次節は古巣、横浜F・マリノスのホームに乗り込んでの一戦になるが?
「そうですね。慣れ親しんだピッチで戦えることも嬉しいですし、今日、実は母もスタジアムに来ていました。自分の力になりました。アウェイですが、次も母には見に来てもらう予定なので、母の力も借りて、マリノスにも勝ちたいと思います」
■カピシャーバ選手
Q:アシストされた決勝点のシーンについて
「今週は真ん中から攻める準備もしてきました。それが今日、試合で出せたことは本当に嬉しいです。トリ(鳥海)からいいパスが来て、自分の特長である前を向ける強さも見せられたし、レオにもいいパスを出せたことは良かったです。彼が決めたことは本当に嬉しいです」
Q:大阪ダービーでの勝利について
「それまで4試合、勝ちがなかったのですが、自分たちで立て直してホームでダービーに勝てたことは、次につながる試合になりました。サポーターの皆さんに勝利を届けることができて良かったです」
Q:開幕前、ブラジル時代のチームメート、ダワン選手との対戦も熱望されていたが、実現していかがでしたか?
「そうですね(笑)。ブラジル時代から親友と言っていいほど仲も良いので、対戦できて良かったです。また今日の試合について話してみます。(ダワン選手はクルークス選手とピッチで揉めていたが?)今年、ジョルディともいい友達になりました。試合なので、そういうこともあると思いますが、二人を会わせたら、仲良くなると思いますよ。また二人と食事にでも行きたいと思います(笑)」
■柴山 昌也選手
Q:先発で出て勝利に貢献された今の気持ちは?
「改めてダービーの試合の重さを感じました。外から来た立場ですが、ダービーの重さは重々分かっていたので、勝利のためだけにプレーしようと思っていました。結果的に勝てたことが一番良かったです」
Q:前半の攻撃はかなり良かったが、プレーしていた感触は?
「自分と真司さんとマイク(毎熊)の距離感が良くて、うまく誘い出して、3人目を使えていました。ジョルディから、いい形でハーフスペースを受けた場面もありました。守備もかなり意識してプレーしていました」
Q:まさにセレッソに来て短期間で大きく伸びたのが守備だと思います。そこは日々の練習で高めることができた?
「いや、ホントっすよ。練習中の強度もセレッソは本当に高いので。監督からも、『攻撃ではいい部分があるけど、守備の強度は課題』と求められていたので、練習でも日々、向き合っている感じです」
Q:GKに止められたシュートは、入った、と思ったのでは?
「そうですね。いいシュートは打てたと思いましたが…(苦笑)。無我夢中でした」
■香川 真司選手
Q:1-0で勝利した大阪ダービーを振り返ると?
「みんなで粘り強く戦えました。前半が大事だということは分かっていたし、欲を言えば2点目が欲しかったですが、先に1点を取れたことはチームにとって大きなアドバンテージになりました。後半は相手に支配されましたが、それも想定内で、うまくブロックを作りながら戦えました」
Q:香川選手にとって、大阪ダービーの勝利とは?
「それは大きいですよ。何よりファン・サポーター、彼らが一番、勝ったことに喜びを感じて欲しい。それに値する応援を今日もしてくれました。皆さんのために勝てたこと、それがダービーの意味だと思います」
Q:試合後の会見で小菊監督は、「ギリギリの状態で何とか気持ちで出場してくれた。感謝している」と仰っていたが、自身の中では、どんな状態だった?
「シーズンも終盤なので、コンディションのバラつきが出てくるのは当然ですが、そんなことも言っていられないので。ただただ、勝つために夢中でプレーしていました」
Q:途中交代は約5ヶ月ぶりだが?
「そうなんですか?今日も最後まで出たかったですよ(笑)。まぁでも、チームとして戦っているので。徳真がうまくカバーしてくれたので、良かったです」
Q:アンカーのポジションは、前を向けるし、ボールにも多く触れる分、やりがいも?
「そうですね。いかにそこで攻守においてコントロールするか。うまくできたところもあるし、もっとうまくやれたところもある。それに2点目を取る、取らないはチームとして上にいくためには大きく変わる。そこは全員でクオリティーを上げるしかない」
Q:3位との勝点差が5に縮まったが?
「次の試合しか見ていません。次はマリノスなので、間違いなく厳しいアウェイゲームになると思いますが、今日の試合をベースにもっと上積みしていきたい。上に行けばもっとタフな厳しい戦いになる。そういうところでも実力を発揮するためには、改善するところはある。少し期間も空くので、しっかりコンディションを整えて臨みたいです」
■マテイ ヨニッチ選手
Q:無失点での大阪ダービー勝利という結果について
「前節・広島戦の後、監督や選手みんなとも、『ダービーに向けて自信が付いたね』という話をしていました。自信を持って臨めたので、それが今日の前半の内容になったと思います。後半も守備でコントロールしながらプレーできました。ダービーに勝つことができて嬉しく思います」
■鳥海 晃司選手
Q:先制点の起点になったプレーについて
「受けた時に前にスペースがあったので、少しでも僕が前進して、いい形でクサビを入れたり逆サイドへ届けようと持ち上がったのですが、カピがいいところにポジションを取ってくれたので、縦に付けました」
Q:レオ セアラ選手が決めた瞬間を後ろから見て、いかがでしたか?チームとしても久しぶりのゴールでしたが。
「でもチャンスは作っていましたし、レオもいい形を迎えていたので、いつか決めると思っていました。嬉しかったですね」
Q:前半の内容が特に良かったと思うが、今年積み上げているボール保持の質が上がっている手応えもありますか?
「そうですね。立ち位置をしっかり取ることで、相手も(プレスに)来れなくなります。立ち位置を全員で意識してプレーすれば、いい形でボールも回っていくなと感じています」
Q:守備ではジェバリ選手とマッチアップする機会も多かったですが、気を付けていたことは?
「ヨニッチ選手と声を掛け合って、チャレンジ&カバーをし続けることを意識していました」
Q:加入してからリーグ戦での大阪ダービーは負けなしですが、今日の空気は特に熱いモノを感じたのですが、ピッチではどのような感触でしたか?
「セレッソのサポーターの方々の声も大きかったですし、ガンバの応援もあまり聞こえなかったので、本当にホームという雰囲気を感じて、思い切ってプレーできました」
■キム ジンヒョン選手
Q:無失点での大阪ダービー勝利について
「相手も少ないチャンスの中で、最後の1本だけだったと思います。それまでは完璧に、アグレッシブに前からプレッシャーをかけて、僕までシュートを打たせない形が多かったので、(無失点は)前線の選手から後ろの選手まで、フィールドの選手のおかげだと思います」
Q:後ろから見ても、危なげなく守れていたと。
「そうですね。後半は持たれる時間も長かったですが、みんなが焦れずに自分の役割を全うしてくれたことが良かったと思います。得点も早く入ったので、守りやすくなった面もあります。追加点が取れればベストでした」
Q:ピンチが少なかった分、最後のジェバリ選手のシュートはヒヤリとしましたが、あの場面のセーブについて振り返ると?
「アングル(角度)があったので、そこまで難しい対応ではなかったです。ただ、最後の最後まで、試合が終わるまで集中しようと思っていました。最後にあのような1発が飛んでくることは、今までの経験でも何度もあったので。その意味では、最後の最後まで集中を切らさず、いいセーブが出来たと思います」
Q:ビルドアップについて、今節に関しては?
「今日はいつも通りでした。相手を引き出すのか、押し込むのか、その判断をしっかりすれば、チームのボール回しに貢献できます。ただ、自分が中心になるのは良くない。チームの一つのオプションとして使ってもらえればと思います」
Q:大阪ダービーの雰囲気について
「やっぱり、緊張感のある雰囲気でした。素晴らしい雰囲気でした。ダービーは特別ですが、リーグの1試合として、いつも通りに戦うことも心掛けました」
ダービー男・レオ セアラの一撃が決勝点に。攻守で圧倒したセレッソが大阪ダービー5連勝を達成
連敗を3で止めた前節のサンフレッチェ広島戦から中6日。今度は5試合ぶりの勝点3を目指し、セレッソ大阪は明治安田生命J1リーグ第31節、ガンバ大阪との大阪ダービーに挑んだ。先発は広島戦から1人変更。奥埜博亮がベンチスタートとなり、柴山昌也が4-3-3の右インサイドハーフに入った。柴山は今節がJ通算100試合目。J1では初先発となった。
リーグ戦における大阪ダービーは4連勝中のセレッソ。近年の相性の良さをそのままに、序盤から敵陣に襲い掛かる。7分、GKキム ジンヒョンの正確なキックから舩木翔がドリブルで運び、クロスにカピシャーバが合わせてチャンスを作ると、8分、先制に成功する。キム ジンヒョンからボールを受けた鳥海晃司がフリーで前に持ち運び、カピシャーバに縦パスを付けると、カピシャーバは相手2人に囲まれながらも体の強さを発揮し、前方にドリブルで進入。そこから左足アウトサイドでパスを送り、背後へ抜けたレオ セアラがGKの位置を見ながら冷静に決めた。チームにとってJ1第26節・川崎フロンターレ戦以来となるゴールに沸き上がるセレッソは、ここからさらに勢いに乗り、ガンバを押し込む。11分、上門知樹が高い位置でボールを奪ってチャンスを作ると、15分には、ジョルディ クルークスのパスを受けた柴山昌也がカットインから左足でシュート。鋭い弾道が枠を捉えたが、ここはGK東口順昭の好セーブに遭い、ゴールならず。得点こそ奪えなかったが、この日の柴山は攻守に躍動。右サイドでクルークスや毎熊晟矢と良い関係を築くと、守備でも献身的にプレー。指揮官の起用に応えてみせた。38分には、その柴山が起点となり、クルークスのクロスにカピシャーバがヘディングで合わせて決定機も、シュートはわずかに枠を外れた。2点目こそ奪えなかったセレッソだが、前節からトライした香川真司をアンカーに置く4-3-3が機能。前半はガンバのシュートを枠外の1本に抑えた。
後半は開始から2人選手を入れ替えてポジションも変えてきたガンバに対し、パスをつながれ、守勢に回る時間もあったセレッソだが、一人一人がしっかりとポジションを取ってハードワークを続けたことで、守備に穴は空けず、ガンバに決定的なチャンスは作らせない。71分、小菊監督は最初の選手交代を行う。柴山に代えて奥埜を投入、上門を1列上げて、4-4-2に変更する。このあたりからガンバの攻撃の勢いも徐々に弱まり、セレッソが守備で試合をコントロールする時間が続く。さらに75分、小菊監督はカピシャーバに代えて進藤亮佑を投入し、システムを5バックに変更。守備を固めてカウンター狙いを鮮明にすると、85分、奥埜のパスに抜け出した途中出場の新井晴樹が左サイドを突破し、クロス。崩した形だったが、中で合わせたクルークスのシュートはヒットせず、追加点とはならなかった。それでも1点のリードを守って時計の針を進めるセレッソ。試合終了間際、イッサム ジェバリのミドルシュートが枠内に飛んでヒヤリとしたが、この唯一にして最大のピンチはキム ジンヒョンがビッグセーブで失点は阻止。「そこまで難しい対応ではなかったけど、最後の最後まで集中を切らさず、いいセーブが出来た」と守護神は振り返った。最後は足を攣りながらも懸命に走ってチームに勝利をもたらした背番号9は、アウェイに続きホームの大阪ダービーでもゴール。さらに自身J1最多を更新する12点目となり、試合後は笑顔が弾けた。「この4試合、得点はなかったですが、ロッカーやピッチでも、どうしたら自分たちが描く形で得点できるか、常に話し合っていました。今日、ダービーで結果が出たことは自信になりました」と連続無得点を止めた喜びを語った。
大阪ダービーの勝利について問われた香川は、「ファン・サポーター、彼らが一番、勝ったことに喜びを感じて欲しい。それに値する応援を今日もしてくれました。皆さんのために勝てたこと、それがダービーの意味だと思います」とコメント。まさに試合前から素晴らしい雰囲気を作って大阪ダービーを盛り上げたサポーターの力も大きかった。昨シーズンに続き今シーズンも“大阪ダービーダブル”を達成したセレッソ。今節は内容的にも完勝に近く、チーム全員で成長し続けていることを示した最高の一戦となった。