第1節
2024明治安田J1リーグ
2024.2.24土
セレッソ大阪
カピシャーバ (27')
田中 駿汰 (51')
2
HOME
FULL TIME
2
ヨドコウ桜スタジアム
1-1
1-1
FC東京
荒木 遼太郎 (34')
荒木 遼太郎 (75')
ヨドコウ桜スタジアム
20,705人
ヤンマー #Football is our engine サポーティングマッチ
放送
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■小菊昭雄監督
「開幕戦を勝利で終えたかったですが、今シーズン我々が目指すサッカー、スタイルを攻守に存分に表現することはできたと思います。アグレッシブに前からボールを奪いにいく守備、常に怖いサッカー、ゴールを目指すサッカー、ボールを握りながら前進していくプレー。その使い分けも含め、良かったシーンもたくさんありました。ただ、先ほど選手たちとも共有したのですが、こういう試合を勝ち切れるチームにならないといけない。先制した後、もう1点取れるチーム、2点目を取った後に突き放せるチームに全員で成長していこう、という話をしました。開幕戦、ポジティブな面がたくさんあったゲームだったとは思っています」
Q:率直に勝点1の受け止めは?
「勝点1という結果を考えると、悔しいゲームです。ただ、内容を振り返ると、狙いを持って、攻守に表現してくれたシーンがたくさん出ましたので、選手たちに感謝しています」
Q:昨シーズン終盤の課題も踏まえ、キャンプから積み上げてきた攻撃では、セットプレーや中と外の使い分けも含め、攻撃のバリエーションは収穫も多かった一方で、主導権を握る時間が多かった中、ピンチになりそうにない雰囲気の中から失点を重ねた守備は課題もあったと思います。そうした部分が、少しもったいない結果にもつながったと思うが、失点の分析について
「先ほどの質問でもお答えした通り、内容面で評価しているところは、昨年の課題であった攻撃のところで、準備してきたことを選手たちがたくさん表現してくれたことです。その点では満足しています。リスタート、昨年の課題だった中央を割っていくシーンも多く出せました。リスタートは、キャンプから得点を重ねていることも嬉しいです。ただ、ご指摘の通り、キャンプから、自分たちのペースで試合が進んでいても、1失点目のようにスローインからやられてしまったり、カウンターからやられてしまったり、そういったところは今後の私たちの課題です。攻撃と守備は常に表裏一体ですが、攻撃の比重が重くなれば、そういった傾向になることもあると思います。攻撃はさらにクオリティーを高めていきながら、守備では隙を見せない。そういう強かなチームになっていきたいと思います」
Q:新戦力がいい部分を見せたと思うが、彼らの評価は?
「新加入選手もそれぞれの強みを最大限に発揮してくれたと思います。昨年までのベースに幅を広げて、さらに上積みできる部分を攻守に出せたと思います。練習を重ねて1試合1試合、積み重ねることで、さらにお互いの良さを引き出せると思っています。課題も含めてハッキリしたゲームですので、今後が明るいセレッソをお見せできたと思いますし、これからさらに良くしていきたいです」
Q:中でも田中駿汰選手についての評価をお願いします。
「今まで札幌ではCBをやっていた選手ですが、経験豊富なボランチの選手というくらい、キャンプから高いパフォーマンスを攻守に発揮してくれています。守備範囲、守備力、高さ、展開力、球際の強さ。ボランチに必要な要素を全て兼ね備えている選手。毎熊のように日本代表を目指すべき選手はたくさんいますが、その中でも彼が日本代表に近いのではないかと思います。今後も新しいポジションでの田中駿汰を注目して見て頂ければと思います」
Q:監督に就任されて以降、開幕戦は3年連続で引き分けですが、そのあたりで何か思いはありますか?
「開幕戦は大事なゲームとして位置付けて臨んでいますし、毎年勝ちたいです。最大限の準備もしてきた中で、負けはしていませんが、今年も勝ち切れないスタートとなりました。ただ、過去2年とは内容が違うことが、今の私が清々しい気持ちでいる要因です。過去2年は内容で課題が多く、その後、3節を終えて降格圏という状況でした。そこが大きく違うところ。次の鹿島戦に向けても私はポジティブに考えていますし、今後の未来もポジティブに考えています」
選手コメント
■カピシャーバ選手
Q:2-2という結果を振り返ると?
「いいキャンプを送ってきたので、開幕は勝ちたかった。同点に追いつかれたことは悔しいです。ただ、進む道は間違っていないので、次の試合に向けて、いい準備をしたいです」
Q:今季のチーム初ゴールを決めたが?
「初ゴールは本当に嬉しいです。右サイドはマイクとルーカスという素晴らしい選手たちが揃っていて、2人のコンビで崩してもらい、自分はいいタイミングで入ることができました。触るだけでした」
Q:右からの崩しを逆サイドで詰めるシーンは今後も増えそうだが?
「試合によっては、右から攻めることもあれば、左から攻めることもあります。どちらにしても、常にゴールエリアに入っていけば得点につながると思うので、エリア内に入っていくことは心掛けたいです」
Q:自身の突破力も開幕から光っていました。いいシーズンの入りができたのでは?
「キャンプを終えたばかりなので、フィジカルはもっと上がると思います。そうすれば、もっと自分の特長は見せれます。今年も突破力を見せて、チームの勝利に貢献したいです」
■田中 駿汰選手
Q:CKから決めた得点場面を振り返ると?
「(FC東京が)ゾーンディフェンスだったので、自由に入ることができて、ニアのスポットは狙っていました。ルーカスがいいボールをくれたので、ルーカスに感謝です」
Q:札幌時代からのチームメートだが、常にコミュニケーションは取っている?
「特別そこまでコミュニケーションを取っているわけではないですが、ルーカスのボールの球質や軌道は分かっています。上から少し落ちてくる感じなので、相手は触るのが難しいですし、そこに自分が入れたので良かったです」
Q:決めた瞬間の率直な思いは?
「めちゃくちゃ嬉しかったです。でも、取れそうというか、第1号を狙っていました(笑)。カピ(カピシャーバ)でしたが、得点は狙っていたので良かったです」
Q:勝利につながるゴールになれば、さらに良かった?
「そうですね。そこまでピンチが多かったわけではなかったので、そう考えると、今日の試合はもったいなかった。上を目指すには、こういう試合を勝点3につなげていかないといけない。でも良かったところも多かったので、そこは継続しながらやっていきたいです」
Q:中盤でのプレーを振り返ると?
「やっぱり、やり甲斐を感じますし、自分の特長を出せるのは真ん中、ボランチだなと思いました。ただ、もっとボールに関わって、前に出ていったり、守備もしたり、もっと高いレベルでプレーしないといけないとも感じました」
Q:守備範囲はCBとは違うと思うが、いざアンカーをプレーして感じたことは?
「どこにでもというか、両サイドの守備をカバーしないといけないので、そこはCBとは違いますが、広い範囲を守れるという自分の強みも生かせると思います。ただ、もっとやらないと自分のレベルも上がらない。チームの中心になれるようにやっていきたいです」
Q:日本代表など、より上を目指すために追求したいことは?
「もっと自分のところから攻撃の起点を作ること。守備も大事ですが、縦パスや1本のパスで決定機を作るなど、攻撃で違いを見せることが自分の特長。そこは狙ってはいましたが、そう簡単には相手も出させてくれません。でもそこを出せるようになっていかないといけないと思います」
■ルーカス フェルナンデス選手
Q:セレッソでのデビュー戦となった中、素晴らしいプレーを見せたと思うが?
「デビュー戦としては、チームとしても良かったと思うし、自分もいいプレーができたと思います。正直、勝てた試合だったと思うので、そこは悔しさもあります。ただ、前を向いて、これからもっと良くなっていくと思います」
Q:1点目にもつながったが、右サイドで縦関係を組んだ毎熊選手とのコンビも良かったのでは?
「マイクは最高の選手です。彼のようなレベルの高い選手とやることはプレーし易いです。これが公式戦としては1試合目なので、これから試合を重ねるごとに、もっとお互いを理解していけると思います。2人の連係が良くなれば、もっともっとチームに貢献できるようになると、今日やってみて思いました」
Q:札幌時代のチームメート、田中駿汰選手の得点をアシストしたが?
「CKを駿汰の頭に合わせられたこと、彼がしっかり決めてくれたことは嬉しいです。練習もしてきたので、それが結果につながったと思います」
■登里 享平選手
Q:2-2という結果を振り返ると?
「勝ち切りたかったですね。ホームでしたし、いい雰囲気の中で試合ができたので。優勝を目指す上では勝ち切らないといけなかったです」
Q:攻撃では随所に良さを出せた一方、失点場面を見れば、守備に課題も残った?
「そうですね。先制して追いつかれて、勝ち越して追いつかれているので。ディフェンスラインの選手としては、責任を感じます。追加点だったり、我慢することだったり、時間の使い方やゲームの進め方は、自分も含めて、もっとうまくやれたら良かったです。自分としても、新しいやり方で、ボランチ気味に中に入ったりしてやれましたが、保持できるタイミングで失ったりもしたので、もっと落ち着いてできたら良かったと思います」
■毎熊 晟矢選手
Q:先制点の場面で、さらに縦に入ったプレーについて
「最初は上げることも考えましたけど、スペースがあることも見えたので、より怖いエリアに入っていこうと思いました。あそこに縦に入ることで、相手の目線も変わると思ったので、入っていきました」
Q:新加入選手と合わせる時間も短かったと思うが?
「駿汰のことは前から知っているし、やったこともあったので、特長は理解していました。ルーカス選手に関しても、最初のトレーニングで組んだ時からやり易さを感じていたので、特に心配はなかったです」
Q:どのあたりにやり易さを感じますか?
「今日の試合でも、個人で打開するシーンもありましたし、周りも使いながら突破もできる選手なので、やり易さを感じました」
Q:キャプテンマークを巻いたことで、気持ちの変化もありましたか?
「長年、キヨくんが巻いてきて、昨年は真司さんやジンさんが巻いていた中で、自分自身もピッチで引っ張りたい気持ちはあったので、そういう気持ちを持って試合に入りました」
Q:2失点目に関しては、個人だけではないが、縦の突破を許してしまったが?
「あの場面に関しては、チームというより、完全に100%僕の責任だと感じています。自分がしっかり抑えないといけなかったです」
Q:開幕戦の内容としては、手応えもあったのでは?
「キャンプからみんなが作り上げてきて、開幕戦は引き分けではダメだと話していました。色んな人が楽しみにしていた試合だとも思うので、自分がそれを壊してしまったなと感じています。ただ、リーグ戦なので、今後チームを助けるしか返せることはないので、切り替えてやっていきたいです」
■香川 真司選手
Q.本日の試合の受け止めについて
「色んな受け止め方ができる試合でした。勝てる内容でしたし、チャンスもありました。ただ、FC東京がアウェイでの戦いをしっかりやったとも言えます。開幕戦なので、負けないことも大事でした。チームとして積み上げたことをしっかり出して、なおかつ結果も出ればもっと良かったですが、チームとしてやりたいことを出せた部分もあったので、ポジティブに考えて次の試合に臨みたいです」
Q:「やりたいこと」というのは攻撃面ですか?
「そうですね。チャンスの数だったり、ビルドアップだったり、今年やろうとしていることを出せた部分もあります。配置や戦い方をもっと向上させていけば、必ず上に行けると思います」
Q:新しい選手の良さも出ていたのでは?
「駿汰もルーカスもノボリも、新しいチームでの初戦なので緊張もあったと思いますが、みんな素晴らしかった。チームメートとしてもそう思いますし、ファン・サポーターの皆さんも、今日の試合を見ていい印象を受けたと思います。素晴らしい補強だと示せたと思います」
Q:2失点の受け止め方は?
「事故的な部分もありましたし、ジャジャの個の力にやられたなと。逆に切り替えやすい。崩されたシーンはほぼなかったと思います。2失点は反省ですが、悲観することはないと思います」
Q:内容としては、昨年より上積みを図れた手応えもありますか?
「内容に関しては、さっきも言ったように、多くのチャンスを作れました。ただ、強いチームは取り切る力と質を上げていかないといけない。クオリティーの部分はこだわらないと上には行けません。それは昨年もそう。良かった部分にホッとするのではなく、さらに積み上げていかないと上にはいけないので、その両方の考えをもっていきたいと思います」
■ヴィトール ブエノ選手
Q.Jリーグデビュー戦となったが?
試合に出ることができて幸せです。時間は短かったですが、サポーターの応援も身近に感じました。Jリーグデビューできて嬉しいです。
Q.スタジアムの雰囲気はいかがでしたか?
常に応援して下さり、席も近く、パワーを感じました。勝って一緒に盛り上がりたかったですが、それは次の機会にできたらと思います。
勝負の24シーズンが開幕。確かな積み上げを見せた一方、2度のリードを守れず2失点。収穫と課題の両方を得る
いよいよ開幕した2024シーズン。今季はセレッソ大阪にとってクラブ創設30周年のアニバーサリーイヤー。目標を「リーグ優勝」に定め、始動から準備を重ねてきた。開幕1週間前に進藤亮佑が負傷するアクシデントこそあったが、試合前日、「一言で言えば、清々しい気持ち。準備万端、早く試合がしたい思いでいっぱい」と小菊昭雄監督も話すなど、充実した6週間を経て開幕を迎えることができた。
ヨドコウ桜スタジアムにFC東京を迎えた明治安田J1リーグ第1節。セレッソの先発は、GKキム ジンヒョン、DFラインは左から登里享平、舩木翔、鳥海晃司、毎熊晟矢、アンカーに田中駿汰、インサイドハーフに奥埜博亮と香川真司、前線にはカピシャーバ、ルーカス フェルナンデス、レオ セアラが並ぶ4-3-3の布陣となった。立ち上がり、FC東京にCKを立て続けに与えたセレッソだが、カピシャーバが今季も縦への推進力を発揮し、すぐさま押し返す。新戦力のルーカス フェルナンデスと毎熊で組む右サイドも良好なコンビネーションを披露。さらに今季はアンカーに田中が入ったことで、スイッチを入れる縦パスも随所で前に届けられ、中央からの崩しも活性化。ポジションを上げた香川が良い位置で受け、奥埜がレオ セアラの近くでサポートするなど分厚い攻撃を繰り出した。16分、毎熊、田中、香川とつなぎ、香川を起点に最後はルーカス フェルナンデスのクロスにレオ セアラがヘディングでネットを揺らしたが、ここは香川のパスを最初に受けた奥埜の位置がオフサイドでノーゴールに。
それでも27分、試合を優位に進めていたセレッソが先制に成功する。再び起点は香川。香川のパスを受けたレオ セアラがタメを作り、ルーカス フェルナンデスと毎熊で右サイドを攻略。最後は毎熊がサイド深くまで進入してクロスを上げると、逆サイドかで待ち構えたカピシャーバが頭で押し込んだ。待望のチーム今季初ゴールに沸き返るヨドコウ桜スタジアム。前半をリードで終えたかったが、34分、松木玖生のシュート性のパスを荒木遼太郎に合わせられ、同点に追いつかれてしまう。流れはセレッソが握っていただけに、不意を突かれた悔やまる失点だった。直後の38分には、鳥海のパスからニアゾーンに走り込んだ毎熊がピタリとボールを止めて中央へパス。走り込んだレオ セアラがニアへ強烈なシュートを放ったが。惜しくもポストを直撃した。
後半も立ち上がりから攻勢に出たのはセレッソ。50分、FKのセカンドボールを拾い、パスをつないで決定機。香川の巻いたパスに裏を取った毎熊がシュートもGKに防がれた。ただし、ここで得たCKからセレッソが勝ち越しに成功。ルーカス フェルナンデスのキックにニアで合わせたのは田中。背番号10の嬉しい加入後初ゴールで再びセレッソが1歩前に出た。さらに攻め立てるセレッソは55分にも決定機。ルーカス フェルナンデスがドリブルで仕掛け、奥埜のポストプレーを受けたレオ セアラがシュート。崩した形だったが、再びGKに防がれた。こぼれ球に詰めたカピシャーバもシュートを打てず、追加点とはならなかった。すると、ここから流れはFC東京に傾く。選手交代でサイド攻撃を活性化させると、75分、交代で入ったジャジャ シルバに自陣右サイドを突破され、クロスを再び荒木に合わせられ、同点を許す。今季の目標、さらには今節の試合内容を考えても勝点1では満足できないセレッソは、柴山昌也とブエノをインサイドハーフに投入。選手のキャラクターを変えて決勝点を狙う。すると88分、田中のパスに抜け出した柴山がドリブルからチャンス。最後はカピシャーバが運んでGKと1対1になりかけたが、シュートは止められた。90+3分にもカウンターの応酬からルーカス フェルナンデスが背後を取ってビッグチャンスも、仕留めることはできず。試合はこのまま2-2で終了した。
「優勝を目指す上では勝ち切らないといけなかった」と登里も振り返ったように、2度のリードを生かせず勝点1で終わったことは痛恨だが、「ポジティブな面がたくさんあったゲーム。新加入選手もそれぞれの強みを最大限に発揮してくれた。昨年までのベースに幅を広げ、さらに上積みできる部分を攻守に出せたと思う」と小菊監督も総括するなど、今後へつながる一戦でもあった。ここからさらに戦術面での共通理解を増やし、ビルドアップやフィニッシュの質を高め、2失点の守備を改善していけば、安定した強さを発揮できるようになるだろう。次節は敵地での鹿島アントラーズ戦。今節の収穫と課題を生かし、今季初勝利を掴みたい。