第5節
2024明治安田J1リーグ
2024.3.30土
セレッソ大阪
舩木 翔 (60')
北野 颯太 (82')
2
HOME
FULL TIME
0
ヨドコウ桜スタジアム
0-0
2-0
湘南ベルマーレ
ヨドコウ桜スタジアム
16,415人
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MATCH REVIEW
監督コメント
■小菊 昭雄監督
「前半は一進一退、お互いにチャンスを作って、非常に強度の高い前半でした。前半は我慢の時間帯もありました。前節の鳥栖戦と同様、選手たちと共有しながらゲームを進めることができました。相手のカウンターやリスタートからピンチもあったのですが、焦れずに全員でゲームをコントロールできたことが後半につながったと思います。後半は想定通り、しっかりと自分たちでゲームをコントロールする時間帯も増えてきて、意図的にボールを運んで、ファイナルゾーンに前進していく。その中で、リスタートから点が取れたこと、こういう勝ち方ができたことは、チームの成長を感じます。強くて上手くてしたたかなチームに成長しつつあるという実感があります。追加点も挙げることができて、素晴らしい試合になりました。ただ、課題はまだまだありますので、自信は持ちながらも過信にならないように、チーム全体でやっていきたいと思います」
Q:今季は「勝って修正」ということを選手もよく話されています。課題に目を向けると、前半はややパスが引っ掛かる、カウンターを受けるなど、ピンチのシーンも多かったが、その原因については
「相手を見ながら、ロングボールとショートパスを使い分けること。相手の矢印がどうなのか。そのジャッジのところ(が課題)。強く前向きに矢印を向けてくるなら、その矢印を折りながら前進していく(ことが大事)。矢印が強い時にショートパスを多用し過ぎて、カウンターで運ばれた。それがまず1つと、攻めている時のバランス、ポジショニングですね。そのあたりはハーフタイムでも修正しました。その2点が、前半はボールを握りながらもカウンターを受けるシーンが多かった理由だと思います」
Q:後半はセレッソのペースで快勝を収めたが、アカデミー出身の2選手の得点で勝利できたことについて
「アカデミーの選手たち、スタッフに、希望を与える素晴らしい活躍をしてくれたと思います。私自身も嬉しかったです。(舩木)翔に関しては、チーム事情で本来のポジションとは違うCBをやってくれているのですが、日に日に、試合ごとに成長していると感じています。本来のビルドアップの素晴らしさに加えて、守備の部分でも、予測、守備範囲、対人プレーでも負けず、高さもあって、駆け引きも上手い。どんどん成長しています。たくさんある武器の一つに、リスタートからの得点もあります。どんどん結果として示して欲しいです。まだまだ成長していく選手だと改めて感じています。(北野)颯太に関しては、ケガで長い間、苦労したのですが、元々、彼のことは、セレッソの宝、セレッソの明るい未来というだけではなく、日本を代表する存在に成長していく選手だと、以前から言っています。そこは今も変わっていないですし、ケガをしたことで、サッカーに取り組む姿勢もさらに高くなったと思います。翔と同様、彼のこれからの成長にも、大いに期待しています」
Q:J1での開幕5試合負けなしは、クラブ新記録です。設立30周年の節目に、こうした記録を残したことについて
「非常に嬉しく思います。キャンプから選手、スタッフの全員が濃い時間を毎日過ごしてきた成果だと思います。改めて、選手、スタッフみんなに感謝したいです。先ほど選手たちにも話したのですが、まだまだ成長しないといけません。強いチームにしていくには課題もたくさんありますので、引き続き、日常を大切に、毎日を精一杯過ごしていきたいと思います」
Q:前半は、前線4人のブラジル人選手たちの息が少し合わない場面も見られたが?
「4人が一緒に試合をするのは初めてでした。練習からイメージやタイミングの共有はしていますが、時間が解決すると思っています。一人一人の能力は素晴らしいです。イメージやアイデアの共有は、トレーニングから高めていけると思います。さらに磨きがかかれば、また一つ二つ成長できます。より攻撃的なサッカーができます。日本人選手も含め、イメージの共有はやっていきたいです」
選手コメント
■キム ジンヒョン選手
Q:ジンヒョン選手のセーブが勝利を呼び込みました。自身のプレーを振り返ると?
「良かったと思います。今年の湘南は、この4試合で一番点を取っているチーム。その相手を失点ゼロで抑えられたことは良かったです」
Q:後半、自陣右からのクロスで相手がフリーになった場面は決定的だったが、あの瞬間の動きについて。体に当てて止めていたが?
「ボールを蹴るモーションに入っていたので、その駆け引きの中で、体に当たる確率を増やせるように体を大きくしたのですが、最後まで見えて駆け引きができたと思います」
Q:前半にもヘディングを止めたビッグセーブがありました
「逆を突かれた感じもあったのですが、バランスよく対応できたと思います」
Q:前半はフィードする場面で困るシーンもみられましたが、相手のプレスを回避するのが難しい時間帯もあったのでは?
「そうですね。相手も僕らのことをスカウティングしてきます。その中で、前半は相手も力がありますし、プレスもかけやすい。前節もそうですが、前半を耐えればこっちに流れが来る。なので、前半はそこまでリスクを冒すのではなく、シンプルにプレーすることも大事。自分たちは走れるし、コントロールもできる。前半は苦しい流れでしたが、サッカーの展開としてはあり得ること。前節も今節も我慢して乗り越えたことで、自分たちのリズムを作れました。僕だけではなく、みんなが共通意識を持ってプレーできていることが勝てている要因だと思います」
Q:2点目は、ジンヒョン選手のキックから生まれました
「レオ(セアラ)が触ったことで、アシストにはならなかったですが(笑)。レオの強みも生かしたいですし、相手が嫌なことはやり続けていきたいです」
Q:試合後、ゴール裏のサポーターからは、真っ先にジンヒョン選手のコールが飛びました
「今日はアップの時から、声が全然違うと思っていました。サポーターの皆さんの声が熱くて大きかった。それくらい、今日が大事だと思っていたのだと思います。優勝するためには連勝を続けていくことが大事だと気付いていたと思うので、いつも以上に熱く感じました。自分もその熱に引っ張られて、気持ちを引き締めて臨めました」
■舩木 翔選手
Q:得点シーンを振り返って
「ヘディングが強い(田中)駿汰くんが加入して、今季はセットプレーが自分たちの強みにもなっています。あの場面も駿汰くんにはマークが付いていたので、彼をフリーにすることも考えて立っていたのですが、ボールの軌道を見て空いているスペースに入っていったら、決めることができました。良かったです」
Q:うまく叩き付けることが出来たと思うが、意識していた?
「前半に1本、上げてしまったシーンがあったので。叩き付ける意識はそこまではなかったですが、ボールの質も良かった。先に飛ぶことを意識したら、自然と叩き付けるようなヘディングになりました」
Q:前半はパスがつながらない場面も見られました。試合全体を振り返ると?
「自分たちが取り組んでいることに対しては、相手も分析してきます。それでも自分たちの質をさらに高めないといけないですが、今日は湘南さんのプレスが来た時に、自分たちが焦ってつないでしまった。そこは相手の得意とする形というか、前半は相手の分析通りに、自分たちでハマりにいっていた感じもします。その中で、自分の特長は左足のキック。そこで1本、マイク(毎熊)にもつながりましたし、ああいうシーンを増やしていけば、相手を押し込むこともできる。そこは自分と(西尾)隆矢が主導になって、苦しい時間は失っても押し込んでいく形を作っていけたら、と思います」
Q:アカデミー出身選手の2人が点を取って勝った勝利について
「そうですね。設立30周年という中で、やっぱりアカデミーの選手が一番頑張らないといけない。(北野)颯太はリハビリで苦しい時間を過ごしてきた中で、今季初めてベンチに入った試合で点を取ったのは、もっているなと思います。自分のゴールより颯太のゴールが良かったですね。アカデミー出身選手がもっと中心になって頑張っていきたいです。アカデミー出身の中では自分が最年長なので、キャラではないかも知れないですが(笑)、背中で見せるというか、自分がしっかりしないといけないと思っています」
Q:得点した瞬間、あそこまで絶叫して喜んでいる姿は見たことがなかったが?
「今まで決めた時は、喜ぶ暇もないくらい蹴られたりもしたので(笑)。喜び方が分からない部分もあったのですが、とにかく嬉しかった。今年はセットプレーから、東京V戦でもヘディングがありましたし、決めることができて良かったです」
Q:2試合連続で無失点を達成したことについては?
「何よりジンさん(ジンヒョン)が全部止めてくれたので。自分と隆矢がもう少しその前で止めていれば良かったですが、失点ゼロで抑えることは、守備の選手としては何より嬉しいことなので。点を取って無失点の試合は、今後そう多くはないと思うので、凄く嬉しかったです。これを継続していけたらと思います」
Q:CBとしての自信も付いてきているのでは?
「可変して後ろを3枚で回したり、そういうところでは、自分が一番、向いているのかなとは思いますが、守備では、スライドやロングボールに競り勝つことは、まだまだ足りない。ビルドアップで良さを出せるだけのCBでは意味がないので、もっともっと伸ばせるところはたくさんあると思います」
■北野 颯太選手
Q:試合前、「出るチャンスがあれば決めたい」と話していたが、見事に結果を残しましたね
「そうですね。リハビリの間は悔しい気持ちでいっぱいでしたし、前節はブエノやシバくん(柴山)が点を取って、危機感もありました。復帰戦だったのですが、一番いい形で復帰できたと思います」
Q:得点シーンは、ジンヒョン選手のキックをレオセアラ選手が落として、背後に抜けた形だが?
「あの形はいつも狙っているし、レオが競り勝ってくれると信じて走り込みました。そこからはあまり覚えていないですが、良いところにボールを運べて、周りの歓声が聞こえるくらい冷静でした。スピードに乗りながら技術を発揮するという自分の良さを発揮できたと思います」
Q:昨季の天皇杯の湘南戦は、「昨年で一番、悔しかった」とおっしゃっていました
「そうですね。あの試合では誰よりも悔しい思いをしたので、今日は自分のゴールで勝たせたかった。本当に良かったです」
Q:復帰戦で結果を残したことについて
「退場者やケガ人が出たことで巡ってきたチャンスだったので、これをモノにしないといけないと思ったし、このチャンスをモノにするのが本物のプロだと思っていました。次につながる、自信になるゴールでした。振り返ってみれば、今までで一番嬉しいゴールになりました。色んな人に支えてもらいながらここまで来れました。小菊監督にも、ケガ明けの選手をこういう舞台で使っていただいて、感謝しています。追加点が欲しい状況だったので、『試合を決めてこい、思い切ってやってこい』と言って送り出していただきました。ただ、ここからなので。ここからはアウェイで連戦なので、チーム力が試されます。いい準備をするだけ。3連勝の流れを止めずに、4連勝、5連勝と目指していきたいです」
Q:昨年までと、気持ちに変化はありますか?
「今までもあったのですが、より危機感が強くなりました。色んな選手が入ってきて、自分もプロ3年目ですし、結果を残さないといけないので。満足せずにやっていきたいです」
Q:舩木選手と北野選手の得点で勝利。小菊監督は「アカデミーの選手たち、スタッフに、希望を与える素晴らしい活躍をしてくれた」と話していたが?
「僕もセレッソのプロの選手を見て育ってきました。次は僕らが見せる番だと思っていますし、今のアカデミーの選手たちにも、アカデミーの先輩として、チームを引っ張っている姿を見せられるように頑張っていきたいです」
舩木翔と北野颯太、アカデミー出身2人のゴールで快勝。桜の開花とともに3連勝を達成
3連勝を目指してホームに湘南ベルマーレを迎えた今節。セレッソ大阪のスタメンは、前節から3人変更。カピシャーバ、ルーカス フェルナンデスが復帰し、負傷欠場した香川真司の位置にはヴィトール ブエノが入り、加入後初先発を果たした。
前半立ち上がりはセレッソが中と外をうまく使ってペースを握る。9分、毎熊晟矢からレオ セアラ、奥埜博亮とついで奥埜がドリブルからシュート。16分にもセレッソに好機。再び毎熊を起点にブエノへつなぎ、フェルナンデスのクロスに奥埜がシュート。ただし、ここは相手DFにブロックされ、ゴールならず。直後の17分、ルキアンに起点を作られ左右に揺さぶられると、自陣右サイドのクロスからルキアンに決定機を許したが、GKキム ジンヒョンが足に当ててビッグセーブ。22分、セレッソは相手DFのパスミスを突いてセアラが持ち込むが、ラストパスが味方と合わなかった。ここから前半終了にかけて、試合の流れは湘南へ傾く。セレッソは自陣でのつなぎのミスから相手にカウンターを許し、クロスから何度もピンチを招いたが、32分のルキアンのヘディングはキム ジンヒョンが再びビッグセーブ。舩木翔や毎熊も体を張ってクリアし、何とか失点は防ぐ。「前半は我慢の時間帯もありました。相手のカウンターやリスタートからピンチもあったのですが、焦れずに全員でゲームをコントロールできたことが後半につながったと思います」と試合後に小菊昭雄監督も話したように、前節と同様、相手に勢いがある前半を失点ゼロで防いだことが勝利につながっていく。
後半、両チーム通じて最初の決定機は湘南。前線でルキアンに起点を作られると、自陣右サイドからのクロスにファーでフリーの状況を作られたが、ここでもキム ジンヒョンがシュートを体に当てて失点は阻止。「駆け引きの中で、体に当たる確率を増やせるように体を大きくしたのですが、最後まで見えて駆け引きができたと思います」と振り返った桜の守護神。「今日はアップの時から、サポーターの皆さんの声が熱くて大きかった。自分もその熱に引っ張られて、気持ちを引き締めて臨めました」とサポーターへ感謝の言葉も口にした。
最大のピンチを脱したセレッソは、ここから左右両サイドで敵陣深くまで入っていく。守から攻への切り替えも早く、セカンドボールを拾って押し込むと、60分、先制に成功。ブエノのCKをファーで舩木が頭で合わせた。この得点により勢いが増したセレッソは、66分にも決定機。カピシャーバが前線からの守備でボールを奪うと、奥埜がダイレクトで前線のセアラへ。収めたセアラが左サイドへつなぎ、カピシャーバのクロスをブエノが折り返してセアラに決定機。ただし、至近距離から放たれたシュートはGKに防がれ追加点はならず。それでも相手に流れを渡すことなく試合を進めると、82分、試合を決定付ける2点目が入る。キム ジンヒョンのキックをセアラが落とし、直前に交代で入った北野颯太が巧みなトラップから前を向いてエリア内へ進入。冷静にGKも外してゴールネットに流し込んだ。昨年10月に負った右膝半月板損傷の手術からリハビリを経て今節が復帰戦となった桜のワンダーボーイ。「リハビリの間は悔しい気持ちでいっぱいでした。危機感もあったのですが、一番いい形で復帰できました」と喜びを噛みしめつつ、「ここからはアウェイで連戦なので、チーム力が試されます。いい準備をするだけ」と次節以降のアウェイ2連戦を見据えた。
舩木、北野と、スクールからのセレッソアカデミー育ち2人がゴールを決めての3連勝。「アカデミーの選手たち、スタッフに希望を与える素晴らしい活躍をしてくれました」と指揮官も目を細めた。開幕から5戦負けなしはJ1におけるクラブ新記録。設立30周年イヤーを最高の形でスタートさせたが、戦いは始まったばかり。2試合連続無失点に貢献し、先制点でチームを勢いづけた舩木も、「もっともっと伸ばせるところはたくさんあると思います」と個でのさらなる成長も誓った。