第6節
2024明治安田J1リーグ
2024.4.3水
柏レイソル
マテウス サヴィオ (20')
1
AWAY
FULL TIME
1
三協フロンテア柏スタジアム
1-1
0-0
セレッソ大阪
レオ セアラ (19')
三協フロンテア柏スタジアム
8,081人
放送
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■小菊 昭雄監督
「90分、お互いのスタイル、カラーがよく出た試合だったと思います。非常にエキサイティングで強度の高いゲームでした。前半の30分までは相手の矢印を受けてボールをうまく前進できなかったのですが、得点シーンのような形は狙っていました。相手の矢印を折って、ボランチ、インテリオールを使いながら前進する。そういった狙いが前半30分以降はたくさん出たゲームだったと思います。ファイナルゾーンにもたくさん意図的に進入できましたし、そこは良かったところですが、相手の一番のストロングである速いカウンターを何度も受けてしまいました。ボールの失い方、ポジショニングも含めて、そこは見直していきたいと思います」
Q:両チームのスタイルがぶつかりあい、互いに得点チャンスも多く、スピーディーで面白いゲームでした。セレッソとしても、意図的に崩したシーンは多かったですが、失点シーンはもったいなさも残ります。(相手に)引っ掛けられてショートカウンターは、今のスタイルを目指している以上、起こることだとは思いますが、今日の失点場面はどう振り返りますか?
「失点のシーンはミスが何度か続きました。では、どうするのか。シンプルに陣地挽回をしてラインを上げるのか。それともかいくぐっていくのか。そこのジャッジになってくるのですが、私たちが目指しているのは後者の方で、かいくぐっていくことです。それだけのクオリティを持っている選手たちがいますし、そうしたスタイルを突き詰めたいチームです。あそこをはがして逆にカウンターを発動させる。そのようなチームにしていきたいと思います」
Q:今季初出場を果たした山田寛人選手について。今日は左のウィングで途中から入りましたが、起点になるプレーなど、チャンスを何度も作っていました。今後のポジションも含め、彼に期待することは?
「(山田)寛人もキャンプでケガをして、長い間、離脱していたのですが、ようやく復帰できました。今日は左のウィングで、彼の柔らかさ、速さ、高さを存分に生かしてくれました。推進力のある選手ですし、逆サイドからのクロスにも入っていけます。そういう武器もあります。あのポジションも競争は激しいですが、元々やっているCFとともに、あのポジションにも割って入って欲しいなと思います。素晴らしい選手ですので、今日の復帰を嬉しく思います」
Q:後半の早い時間帯にインテリオールの2枚を代えました。若くて攻撃的な選手を投入して、大胆な采配だと思ったのですが、守備の不安はなかったですか?後半は柏のプレスの強度も落ちていくことを想定されていた?
「まず、彼らも守備力がないとウチの試合には出れないと理解しています。攻撃が売りの選手ですが、守備力も著しく成長しています。守備面での不安はなかったです。逆にあの時間帯からは私たちがボールを握って押し込める時間が増えていくと思っていたので、スペースがない中でも彼らのクオリティ、ゴールを決め切る力に期待しました。また、前線からの守備の圧力を上げていきたいということも含めて、連戦でもありますし、それらの理由で投入しました」
Q:実際にチャンスも作りましたね。
「そうですね。見ていてワクワクするような、魅了したプレーもたくさんありました。あとは、決め切ること、最後のパス、クロスを合わせること。そこのクオリティをさらに上げていって欲しいなと思います。ただ、いいプレーをたくさんしてくれたと思います」
選手コメント
■レオ セアラ選手
Q:今日の結果をどう受け止めていますか?
「難しい試合になるとは思っていました。今日はベストの試合ではなかったですが、勝点1を積み重ねたことは良かったです。もっと良くしていきたいので、次の試合に向けて準備していきたいです」
Q:PKを獲得した場面は、DFより1歩前に出たが、カピシャーバ選手のスピードであれば、縦に抜いてクロスが入ってくると予測していた?
「そうですね。カピのことはいつも信用していますし、1対1なら抜いてクロスが来ると思っていました。相手がファウルをしなかったら、僕が触って得点できたと思っています。PKになって決めることができたのは良かったです」
Q:6試合で3得点。いいペースで積み重ねているが?
「得点はいつも狙っているので、3点目が取れたことは良かったです。ただ、やはり勝利したかった。水曜日に試合をするのはコンディションも難しい。次も中3日で試合が来るので、いい準備をして臨みたいです」
■登里 享平選手
Q:序盤というか前半は柏の圧力も強かったが、徐々に登里選手のポジショニングも含めてセレッソがうまくボールを運びながら、後半や終盤にかけては押し込んだが?
「相手(の攻撃)はカウンターとスペースに(ボールを)流し込むことは徹底してきました。それが柏のやり方ですし、把握していた部分はありましたが、予想以上の圧力もありました。ただ、徐々に流れは来るかなと思っていたので、焦れずにやり続けることも意識しました。自分が相手の2トップの間に降りた時や、(2トップの)脇に降りた時も、(相手の)サイドハーフが来なかった。駿汰もフリーになっていたので、そこでゲームを落ち着かせようと。途中から、時間とゲームをコントロールすることは意識しました」
Q:時間帯や取られ方も含め、失点シーンはもったいなさも残りますが、監督に伺うと、「かいくぐっていくことも突き詰めたい」と話していました。
「そうですね。その通りで、チャレンジしていくことが大事。あの場面はミスが2、3回続いたので、その流れを切ることも必要でした、うまくピッチの中で声がけや判断が出来れば良かったとも思いました。自分もサポートが少し遅れました。取られた後も、ドリブルで運ばれた時とか、こちらの足も止まってしまった。点を取った後だったので、締めないといけない時間帯でした」
Q:負けなしは継続しました。勝点を積み重ねていることについて
「90分の中での波をなくしていけば、もっともっと安定した戦いができると思います。バタバタした時に落ち着かせること。ハッキリやるところはハッキリやって、押し込む形を作ること。相手の矢印の逆を取ること。相手の圧を切ること。そういうことは大事かなと思います。ただ、やろうとしていることは表現できているので、厳しい時間帯に、自分ももっと声をかけていければと思います」
■毎熊 晟矢選手
Q:試合全体の振り返りについて
「得点直後の失点はもったいなかったと思います。ただ、すぐに切り替えることはできましたし、ハーフタイムにも、『後半、相手は必ず落ちてくる』という話はしていました。ノボリくん(登里)とうまく中に入りながらボール保持の時間は増やせたと思います。ただ、3トップやインサイドハーフにそこまでうまくボールを供給できなかったので、回数を増やしていかないといけない。もっと前に付ける量は増やしていきたいです」
■舩木 翔選手
Q:相手の攻撃はシンプルだが鋭かった。守っていて、どう感じていましたか?
「相手はアバウトにボールを入れてくることもありました。自分と(西尾)隆矢の裏にボールを落として、細谷選手のスピードを生かすシーンが多かった。自分たちがコンパクトに保った中での守備が、今日はあまりできなかった印象があります。チームとして意思統一をした守備が今日は課題になりました。自分と隆矢がディフェンスラインをズルズル下げてしまうと、相手が攻撃するスペースも広がってしまう。次の試合は自分たちがもっと中心になって、ラインコントロールをしっかりしていきたいです」
Q:今の話は主に前半ですか?
「そうですね。ハーフタイムで修正して、後半はうまくできたシーンもありました。ただ、今日に関しては、個々で守るシーンが多かったので、もっと組織的に守れたら良かったと思うので、そこは修正していきたいです」
Q:相手のチャンスも多い試合で、勝点1を取れたことを次につなげていきたい?
「そうですね。ただ、自分たちが得点した後はもっと締めないといけなかった。『今、集中』ということは声もかけていましたが、失点してしまった。あの失点がなければ勝っていたかも知れない。勝点1を取れたと思う部分もありますが、勝てた試合だったのかなとも思います」
■北野 颯太選手
Q:今季初ゴールの次の試合でしたが、早い時間帯での投入で、監督の期待の大きさも感じました。プレーした感触は?
「いつもよりプレー時間も長かったので、試合に入れたというか、そういう楽しさはありました。でも最後、決めるチャンスは何度かあったので、そこは自分自身と向き合って、チームを勝たせられる存在になれればと思います」
Q:後半43分、山田選手のクロスを柴山選手が落とし、反転からのシュートはイメージ通りでしたか?
「いえ、一つタッチが増えてしまいました。イメージでは、もう一つ早く打ちたかった。そこは練習です。あと、もう少し周りが見えていたら、毎熊選手に落としたり、色んな選択肢もあったと思います。でも、点を取るポジションなので、シュートを打つ気持ちは忘れないでいたいと思います。ただ、もう少し冷静になれたかな、とも思います」
Q:前節のゴール後は、祝福のメッセージもありましたか?
「来ましたね(笑)。ゴールしたらそれだけ喜んでくれる人もいるし、家族もメッセージをくれました。もっともっと、皆さんを喜ばせてあげたいと思いました。スクール生も来ていたようなので、(舩木)翔くんと、いいタイミングで決めることができたと思います。2点目も狙っていきたいです」
■山田 寛人選手
Q:今季初出場でしたが、どういう思いでピッチに立ちましたか?
「ケガから復帰して、この間、練習試合も出て、ケガの心配もなく練習の強度も高くできていたので、準備はできていました。いい入りができたとは思います。ポジションは左ウィングで、今週、急遽みたいな感じでしたが、自信はありました。相手が間延びしていたこともあって、思い切ってやれました」
Q:サイドで起点を作り、周りも生かせて、縦にも行ける。中だけではなくサイドもできることを、改めて見せた形にもなったのでは?
「監督にも『どっちもできるように』と言われています。どこでも高い基準でできるように準備したいです。(サイドは)難しさもありますが、求められているものを出せるように準備したいです」
Q:後半、山田選手を起点に作ったチャンスで仕留めることができればベストでしたが、相手にもチャンスはありました。今日の勝点1はどう捉えますか?
「試合を見ていて、入りは良くなくて、押し込まれたことは反省点。その中で、得点した後にすぐ失点したことも反省点。後半は選手を代えたり、相手が広がったことで、オープンな展開になりました。守れたことは良かったですが、自分たちが決め切らないといけなかった。難しい試合で雰囲気もアウェイでしたが、優勝するチームになっていくためには、こういう試合も勝ち切りたいです」
Q:セレッソ大阪U-23で一緒にやっていた島村選手とのJ1での対戦は、U-23を見ていたサポーターは嬉しかったかも知れません。彼との対峙について
「20年にキャンプだけ一緒にやって、僕はすぐ仙台に行ったのですが、昨年は彼も熊本でJ2の舞台で一緒でしたし、プレーも見ていました。昔しか知らなかったのですが、上手いなとずっと思っていました。J1に移籍できたのも、そうだろうなという感じです。改めて今日も上手かったですし、(セレッソの)みんなも『上手い』と話していました。負けずに頑張ろうと思います」
■西尾 隆矢選手
Q:3試合ぶりに失点したこと。ただ、負けなかった点について
「得点後すぐの失点でもったいなかったです。失点はしてしまったものの、よく耐えたと思います。自分たちもチャンスを多く作ったので、勝ち切りたかった試合でした」
Q:先制した後のすぐの失点については?
「得点後、もう一度裏返して前からプレッシャーにいくということを、チームとしてしっかり合わせてやるべきだった。少し相手の勢いに押されてしまったのが原因かなと思います」
レオ セアラの今季3点目で先制も、追いつかれてドロー。雨中の激闘で勝点1を分け合う
前節の湘南ベルマーレ戦から中3日。今季初の連戦となった今節、セレッソ大阪は、柏レイソルのホームに乗り込み、明治安田J1第6節に挑んだ。先発は前節から1人変更。ルーカス フェルナンデスに代わり、ジョルディ クルークスが右ウィングに入った。ベンチには山田寛人が今季初めてメンバー入りを果たした。
柏のホームゲーム独特の雰囲気がスタジアムを包む中、セレッソは序盤から相手の勢いに押される展開が続く。5分、相手DFラインのフィードから前線で収められ、ピンチを招くも、ここはGKキム ジンヒョンが体を張って阻止。前節の勝利の立役者が、この試合でも早速チームを救った。その後も柏のハイプレスの前にボールを運べず自陣でのプレーを余儀なくされたが、14分、登里享平が左サイドのスペースへロングパスを送ると、走り込んだカピシャーバがスピードを生かしてマークを振り切り中へクロス。飛び込んだレオ セアラが相手DFに倒されてPKを獲得すると、19分、これを自ら決めて、セレッソが先制に成功した。苦しい展開ながらも相手の矢印を裏返す、登里の機転の利いたパスで先手を取ったセレッソだが、2分後、すぐに追いつかれてしまう。自陣で何度かミスが続いてボールを失うと、20年にはセレッソ大阪U-23でもプレーして活躍した島村拓弥にドリブルで運ばれ、最後は柏の10番マテウス サヴィオに決められた。その後も勢いづく柏に対し、守勢に回ったセレッソだが、30分を過ぎたあたりからはボールを持って反撃開始。34分、42分とクルークスのサイドから好機も作ったが、最後は仕留めることができず、前半は1-1で折り返した。
後半も立ち上がりから攻勢に出る柏の前に、守備でしのぐ時間が続いたセレッソだが、小菊昭雄監督が早めに動くことで戦況を変えていく。57分、奥埜博亮とヴィトール ブエノに代えて北野颯太と柴山昌也、67分には、カピシャーバに代えて山田寛人を投入すると、61分、登里のパスを受けた柴山がドリブルからシュート。68分にも、登里のパスに抜け出した山田が左サイドからクロス。DFのクリアを拾った北野が果敢にシュートを放ち、ゴールに迫った。その2分前、66分には左サイドを崩され、ピンチも招いたが、キム ジンヒョンが懸命に手に当てて失点は防いだ。
ここから終盤にかけて、試合はオープンな展開となる。セレッソはピンチもあったが、好機も作ると、80分、舩木翔の縦パスをスイッチに北野、山田とつなぎ、最後は山田が絶妙なクロスを送ったが、中のセアラとはわずかに合わず。88分にもビッグチャンス。毎熊晟矢が登里とともに中に入ってパスをつなぎ、真ん中を破って左サイドへ展開。上門知樹、山田とつなぎ、山田のクロスにファーで柴山が折り返すと、中で受けた北野が反転シュートを狙ったが、相手DFに防がれた。形は作るもあと1点が遠かった今節のセレッソ。ただし、柏の鋭い攻撃にも最後まで体を張って守り、勝ち越しゴールは許さず。試合は高い強度を保ったまま両チームが全力を出し尽くし、1-1で終了した。
試合後、「相手の一番のストロングである速いカウンターを何度も受けてしまった。ボールの失い方、ポジショニングも含めて、そこは見直していきたい」と反省の言葉も述べた小菊監督だが、「攻撃での狙いが前半30分以降はたくさん出たゲーム。ファイナルゾーンにもたくさん意図的に進入できた。途中出場の選手たちもいいプレーを見せてくれた」と収穫も強調。勝ち切れなかった悔しさは抱えつつ、難しい敵地で勝点1を獲得したことを今後につなげていきたい。次節は再び中3日で、アルビレックス新潟とのアウェイゲーム。心身のリカバリーを果たし、昨シーズン最終節の借りを返すべく挑む。