第7節
2024明治安田J1リーグ
2024.4.7日
アルビレックス新潟
0
AWAY
FULL TIME
1
デンカビッグスワンスタジアム
0-0
0-1
セレッソ大阪
レオ セアラ (69')
デンカビッグスワンスタジアム
19,833人
放送
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■小菊 昭雄監督
「試合前から想定していたのですが、私たちがどれだけ我慢強く守備でゲームをコントロールできるか。そこが大きなポイントになると思っていました。新潟は非常に素晴らしいパスワークでボールを保持しながら前進してきます。その素晴らしい相手に対して、交代選手を含めて全員が愚直に守備をし続けられるかどうか。そこが大きなポイントだったのですが、ハイプレス、ミドルプレス、リトリートと、全員がハードワークしたその結晶が今日のクリーンシートにつながったと思いますし、勝利につながったと思います」
Q:インサイドハーフを前に出して、[4-4-2]でのプレス、[4-5-1]で構える守備の使い分けは、どのようにされましたか?
「時間は短かったのですが、新潟を分析して、どのように前進してくるか、どのような特長があるのか。そこを共有しながら、[4-4-2]で嵌めにいく形と、[4-3-3]であったり[4-5-1]で守る準備はしてきました。もちろん、選手は人間ですので、100%うまくいくことはないですが、はがされても自分の正しいポジションに戻る。そこは徹底できたと思います。どのシステムにしても、コンパクトに、相手のボランチ・中央をクローズする。その原理原則は守りながら、チームとしても全員が共有しています。時間帯や、相手のパワーがある状態なのかどうか。そうしたことを考えながらやることもキャンプから徹底してきましたので、自然と全員が試合の中で共有できる力が付いてきていると思います」
Q:最後はJリーグデビューとなるジャスティン ハブナー選手を投入し、逃げ切りました。あの時間帯で初出場の選手を投入するのは、コミュニケーションの部分も含めて勇気がいる決断だったと思うが、投入した理由と、今後の彼に期待することは?
「まず、彼の能力が素晴らしいということが、交代を決断した大きな理由です。まだ加入して間もないですが、素晴らしい才能を持った選手ですので、迷うことなくジャッジしました。5バックにした理由は、最後は新潟も人数をかけてリスクをかけてきました。時間帯も限られていたので、ボールを奪う守備からゴールを守る守備に切り替えたのが理由です。
ビルドアップ能力も高く、私たちが取り組んでいる左利きのフィードもできます。守備ではハイプレス、ハイラインを基本としていますので、スピードがないと厳しい条件もある中で、彼は予測もいいですし、ポジショニングも優れています。(練習から)高い身体能力で素晴らしいパフォーマンスを発揮していました。これから私たちのサッカーにもっと慣れて、日本のサッカーにも慣れてくれば、間違いなく大活躍できる選手だと思っています」
Q:今節は西尾隆矢選手がメンバー外でしたが、理由について
「隆矢(西尾)は前節の試合後、体調不良を訴えて、高熱が出ました。前節の後、大阪に帰って休養させて、回復に努めているところです」
選手コメント
■レオ セアラ選手
Q:自身のゴールが決勝点になったが、今の気持ちについて
「今日も得点を積み重ねることができて良かったですし、何より勝点3につながって良かったです」
Q:毎熊選手のクロスを合わせた形でしたが。ボールが入ってくる準備ができていた?
「右サイドでマイク(毎熊)とルーカス(フェルナンデス)はいいコミュニケーションが取れています。その中で、2人が崩してくれることを信じて準備していました。いいボールも来たので、最後は中でヘディングを合わせるだけでした」
Q:“夏男”と呼ばれていますが、今年は春からコンスタントに取れていますね。
「そうですね(笑)。昨年までは夏に結構得点をしたのですが、今年はシーズンの初めから取れています。このペースで決め続けて、昨年より数字を伸ばしていければと思います」
Q:得点しながら引き分けに終わった前節の試合後は、「勝たないといけない」と話していましたが、早速、有言実行ですね。
「はい(笑)。アウェイ2連戦で負けなかったことも良かったですが、やはり勝たないと上にはいけないので。次はホームに戻っての試合です。難しい試合になるとは思いますが、また勝てるように準備します」
■毎熊 晟矢選手
Q:守備での無失点も含め、試合を振り返ると?
「相手にもそこまで決定機は与えなかったですが、こちらも少なかった。両チームともゴールに迫る回数は少なかったかも知れないですが、その中でも、お互いポゼッションでやろうとしていることを出せた試合だったのかなと思います」
Q:アシストの場面について。いいタイミングでスペースに入っていったが?
「本来、あれが自分の持ち味だと思っています。最近は(ビルドアップで後ろの)3枚に入ることが多いので、前にいく回数は少なくなっていますが、今日はしっかり出せて点につながったので、良かったです」
Q:お互いの長所を消し合うような展開にもなり、毎熊選手も上がる回数は少なかったが、1回を仕留めるあたり、存在の大きさを感じました。ニアゾーンを取ることは、チームとしても共通意識として持っている?
「今日はなかなか僕たち(後ろ)の厚みも出せなかったのですが、得点シーンは僕が持ち運べる機会をトリくん(鳥海)含め、後ろが作ってくれました。そういったシーンが増えればもっと厚みのある攻撃ができると思います。今日はあまり上がれませんでしたが、(途中出場の柴山選手も含め)チームとしてあの場所(ニアゾーン)を取りにいくことは狙っていたので、その1点が勝利につながったことは、個人としても自信になります」
Q:ルーカス フェルナンデス選手とのコミュニケーションについて
「キャンプは、僕は途中合流だったのですが、最初に一緒にプレーした時からやりやすさはありました。もっとコミュニケーションを増やしていければ、さらに良くなると思います」
Q:得点後の喜びも、今節は大きかったように見えたが?
「そうですね(笑)。ここ2試合、少し考え過ぎていたというか、良くない方向にいってパフォーマンスも上がらなかったので、今日は考え過ぎずに自分のプレーをしようと思って、試合に入りました。攻撃はもちろんですが、守備もしっかりやっていきたいです」
Q:左足のクロスからアシストは、セレッソ加入後は初めてだと思うが?
「そうですね。最初はレオの足元に付けようと思ったのですが、相手が滑るのが見えたので(切り返した)。中でレオが競り勝ってくれると思い、クロスにしました。全ての局面で、落ち着いて判断することができました」
Q:開幕からの無敗も続いているが、手応えもありますか?
「負けていないことは自信になっていますし、誰が出ても、いいパフォーマンスをみんなが出せています。技術を持った選手がたくさんいる中で、今日のように前線の選手もハードワークしてくれます。いい競争も生まれています。こういう時こそ引き締めたいですし、みんなで課題をクリアしていきながら、いい状態を続けていきたいです」
■鳥海 晃司選手
Q:久々のスタメンで緊張もあったと思いますが、無失点での勝利という最高の結果が出たことについて
「チームの状況も良かったので、自分が出て結果が変わってしまう不安もあったのですが、とりあえず勝てて、今はホッとしています」
Q:守備の時間が長い試合でしたが、そこは全員で意思統一して守れた?
「そうですね。元々、Jリーグで一番ボールを持つチームなので、どちらかと言うと持たせている感覚で、僕はプレーしていました」
Q:試合から遠ざかっている間は、どういう意識で過ごしていましたか?
「自分に矢印を向けて、コンディションを上げることに集中して練習していました」
Q:最後はジャスティン ハブナー選手が入って守り切りました。コミュニケーションも取れていた?
「久しぶりということもあって、最後は僕の足がつってしまったので、5バックにしてくれたのだと思います。頼もしい選手が入ってきたと感じています」
Q:アウェイでの新潟戦は久しぶりの勝利になったが、今年は違うという手応えもありますか?
「そうですね。いい雰囲気でやれていますし、負けないチームになってきていることは感じています」
■柴山 昌也選手
Q:決勝点の崩しの場面について。うまく全員のイメージが合った形になったが?
「外から見ていた時間は、空いているスペースも考えながら見ていました。あそこでうまく、3人の関係で誰がニアゾーンを取っていくか。そのコンビネーションはうまくローテーションができて、相手も捕まえることができずに最後はマイク(毎熊)が抜けて、という形だったので、狙い通りでした。監督からの要求も、あのスペースをうまく使うことだったので、しっかり体現できたことは良かったです」
Q:全員で守り切れたことも大きかったが、最後の時間帯について
「元々、分析でも新潟はつなぐことが上手くて、押し込まれる時間も想定していました。点を取った後、最後もあのような形になるのも想定内だったので、問題なく全員で守れたと思います」
■ジャスティン ハブナー選手
Q:Jリーグデビューを勝利で飾った今の気持ちは?
「素直に嬉しいです(笑)。デビューできたことだけではなく、デビューした試合で勝てたことが嬉しいです。クラブのトップチームでデビューするのも実は初めてなので、今日は特別な日です。今は嬉しい気持ちでいっぱいです」
Q:ご家族や、インドネシアの方々も喜んでいるのでは?
「そうですね。インドネシアの皆さんはサッカーに熱狂的なので、すでに自分のSNSにもコメントがたくさん来て、ビックリしています(笑)」
Q:どのような意識で試合に入って。監督からはどのような指示を受けていた?
「やっぱり、あの時間帯に入るのは難しいですが、何より大事なことは、点を取られないことでした、それを意識して入りました。監督からも、『クリアをハッキリするように』と指示を受けてピッチに入りました」
Q:セレッソの好きなところは?
「いくつもありますが、ピンクのユニフォームは気に入っています。もちろん、セレッソ大阪というビッグクラブの一員になれたことも凄く嬉しいです。これで満足するのではなく、もっと試合に出られるように頑張ります」
レオ セアラの2試合連続ゴールが決勝点に。守備でのハードワークも光り、開幕からの負けなし記録を7に伸ばす
前節の柏レイソル戦から中3日。セレッソ大阪は、アウェイ連戦となるアルビレックス新潟との明治安田J1リーグ第7節に挑んだ。先発は前節から3人変更。西尾隆矢、ヴィトール ブエノ、ジョルディ クルークスが外れ、開幕戦以来のスタメンとなった鳥海晃司、今季初スタメンの北野颯太、2試合ぶりに復帰のルーカス フェルナンデスが入った。ベンチには、ジャスティン ハブナーが加入後初めてメンバー入りを果たした。
序盤は新潟の攻撃を受ける展開に。3分、自陣左サイドを突破されてピンチを招いたが、最後は相手のシュートが枠を外れ、事なきを得た。7分にも再び左サイドからシュートを受けたが、ここはGKキム ジンヒョンの正面に。パス本数が多くボール保持率が高い新潟に対し「守備で試合をコントロールすること」(小菊昭雄監督)をテーマに今節に臨んだセレッソは、インサイドハーフの1枚が前に出る4-4-2でのハイプレス、4-5-1のブロック守備からのミドルプレスを使い分けて応戦。いずれも最終ラインを押し上げ全体をコンパクトに保ち、中を締めて新潟をサイドに追い出した。攻撃では、後ろから組み立てる時間もありつつ、相手のパスを引っかけて何度かショートカウンターも発動。ゴールには至らなかったが、セアラやフェルナンデスを起点に何度かフィニッシュまで持ち込んだ。もっとも、試合後に「相手にもそこまで決定機は与えなかったですが、こちらも少なかった」と毎熊晟矢が振り返ったように、お互い戦術的な狙いは持ちつつも、相手ゴールを脅かすシーンは少ない前半となった。
一転して、後半は立ち上がりから互いにサイドを突き合うなど、ゲームがにわかに動き出す。55分、セレッソがカウンターから相手ゴールに迫ると、58分、60分には新潟に自陣右サイドを突破されて波状攻撃を受けたが、中ではしっかり体を寄せてシュートは阻止。徐々に得点の匂いが漂い始めた中で、先に動いたのは小菊監督だった。61分、カピシャーバに代えて山田寛人、そして、この試合は守備で奔走しつつカウンターの起点にもなっていた北野に代えて柴山昌也を投入すると、ここからセレッソがボール保持の時間を増やしつつ、前半には見られなかった厚みのある攻撃を繰り出していく。この流れを掴んだ時間帯に、欲しかった先制点を奪うことに成功する。69分、毎熊、柴山、フェルナンデスと右サイドで3選手がローテーションしながら崩し、最後はニアゾーンに進入した毎熊が胸トラップから相手のタックルをかわし、左足でフワリとしたクロス。中で待っていたセアラが強烈なヘディングを叩き込み、豪快にネットを揺らした。79分にも、セアラのスルーパスを受けたフェルナンデスがドリブルで持ち込みシュート。良い形を作ったが、ここは相手GKに防がれた。
80分以降は、より攻撃に枚数をかけてきた新潟に対し、セレッソは押し込まれる時間が続く。それでも、4-5-1の統制の取れた陣形は崩れることなく綻びを見せない。87分には、この試合がJリーグデビュー戦となったジャスティン ハブナーを投入し、後ろを5枚で固めるリトリートに切り替えた小菊監督。セットプレーも含めた新潟のパワープレーをしっかりと跳ね返し、見事1-0で逃げ切った。
試合後、「私たちがどれだけ我慢強く守備でゲームをコントロールできるか。そこが大きなポイントになると思っていた中で、交代選手を含めて全員が愚直にハードワークしたその結晶が今日のクリーンシート、勝利につながったと思います」と選手たちを称えた小菊監督。指揮官自身の采配も際立ち、これで開幕からの負けなしは7試合に伸びた。殊勲の決勝アシストを決めた毎熊は、「負けていないことは自信になっていますし、誰が出ても、いいパフォーマンスを出せていますが、こういう時こそ引き締めたい。みんなで課題をクリアしていきながら、いい状態を続けていきたいです」と精悍な顔つきで前を見据えた。次節は再び1週間空いて、ホームに戻っての川崎フロンターレ戦。競争力も増しているチーム全体で、勝利に向かって良い準備を重ねていきたい。