第9節
2024明治安田J1リーグ
2024.4.21日
名古屋グランパス
三國 ケネディエブス (65')
永井 謙佑 (82')
2
AWAY
FULL TIME
1
豊田スタジアム
0-0
2-1
セレッソ大阪
レオ セアラ (67')
豊田スタジアム
25,341人
放送
ギャラリー
MATCH REVIEW
監督コメント
■小菊 昭雄監督
「まず初めに、この場をお借りして、クラブ創設30年の長い歴史の中で、開幕から(クラブ記録となる)8試合無敗でこれたのは、選手、スタッフの頑張り、セレッソサポーターの後押しがあったからだと思っています。感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。今日の試合に関しては、警戒していたリスタートから2失点。非常に悔しい敗戦となりました。ただ、前半から、私たちが今シーズン志向するスタイル、狙いは選手たちが存分に発揮してくれました。たくさんのチャンスクリエイトもありました。その中で、決め切る、その回数を増やしていくことはこれからの課題になります。相手のストロングであるリスタートやカウンターへの準備はしてきましたが、リスタートから2失点したことは、私たちの問題があるなと感じました。一つ一つ詰めていかないと、今日のように主導権を握っても敗れる試合がこれからも出てくると思いますので、そこはしっかり受け止めて、できているところはブラッシュアップして、やっていきたいと思います」
Q:概ね試合は支配していた中で、仕留め切れず、セットプレーから2失点。もちろん、攻守は両輪であると思いますが、どちらに課題を感じていますか?
「カウンターやリスタートは現代サッカーの中でも大きなウエイトを占めています。もちろん、最大限防げるように準備はしていますが、試合の中でやむなく失点してしまうこともあると思います。私たちは今年、攻撃に舵を切って、自分たちで主導権を握る、ファイナルゾーンにチームとして運んで、全員で点を取りにいく。そういった意味では、そこで点が取れなかったことが私は一番悔しいです。ただ、先ほども申し上げた通り、意図的にチャンスを作り出すシーンもたくさんありましたので、1点しか取れなかったのであれば、その回数を増やしていく、クオリティを上げていく。その積み重ねしかないと思っていますので、チームとしても、個人としても、日々成長していけるように気持ちを切り替えてやっていきたいです」
Q:昨年もこのスタジアムで負けて悔しい思いをしました。ただ、昨年に比べると、やりたいことは出せていたと思いますし、今季のチームの方向性が間違っていないことも示せたと思います。ただし、今季初の敗戦を喫してしまいました。試合後、選手たちにはどのような言葉をかけましたか?
「内容的には、やりたいサッカー、準備してきたことができましたので、選手たちには感謝の気持ちでいっぱいです。もちろん、今シーズン初の敗戦で選手たちも悔しがっていましたし、私自身も悔しい気持ちでいます。ただ、試合後の選手たちの表情を見た時に、大人のチームになったなと感じました。次に進む、前を向いて、またこれから前進していく、という強い気持ちを全員から感じることができました。頼もしいチームに成長したなと、先ほどロッカールームで感じたところです」
Q:前半を通して主導権を握っていたと思うが、前半の30分ごろから、名古屋が選手交代も含めて形を変えて、ビルドアップの対策もしてきたと思うが、それによるやりにくさのようなものはありましたか?
「いえ、私たちは相手の矢印を見ながらサッカーをするのが今年のスタイルです。その中で、システムを変えてきたり、前にパワーをかけてきましたが、そこも全員で共有して、相手が前から来ているのであれば、自分たちはどのようなサッカーをするのか。背後のポケットを狙うことだったり、セカンドボールの攻防、対角で相手を揺さぶるなど、相手がシステムを変えてきても、選手たちはしっかり対応できていたと思います」
Q:2017年のJ1復帰後、アウェイでの名古屋戦は未勝利が続くが、何か感じる部分もありますか?
「試合前から、そういう情報も伝わってきて、確かに(自身が)コーチの時代も含めてなかなか勝っていないことは分かっていましたが、チームのメンバーも変わっているので、何が大きな原因かは分からないですが、独特な雰囲気を感じるスタジアムであることは間違いないです」
選手コメント
■ルーカス フェルナンデス選手
Q:素晴らしいプレーを見せただけに、悔しい負けになったと思うが、振り返ると?
「本当に悔しいですね。結果を除いては、最高の試合ができたと思います。ゲームを支配するという意味では、やりたいことはできました。結果が伴わなかったことが本当に悔しいです。ただ、すぐに次の横浜F・マリノス戦があるので、しっかりと頭を切り替えて、次の試合で勝てるように、最高の準備をしたいと思います」
Q:サイドの攻防では常に優位に立っていたと思うが、個人としての手応えは?
「自分のサイドだけではなく、カピ(カピシャーバ)の左サイドも良かったと思います。コンビネーションも良くなっていますし、チャンスにつながるプレーは多く出せました。ただ、もっともっと良くなると思うので、そこは精度を上げていきたいです」
Q:気になった部分としては、数多く獲得したセットプレーを生かせなかったこと。相手は高さもありましたが、もう一つ、工夫できたと思うことはありますか?
「仰るように、相手は高さもあり、守備が固かった部分はあります。自分たちの精度がもう少し高ければ、というところもあったと思います。ただ、最初にクロスバーに当たるシュートもあったので、それが入るように、磨いていきたいと思います」
■奥埜 博亮選手
Q:前半から自分たちのペースで試合を進めていました。だからこそ敗戦は悔しいですが、どうチームとして受け止めていますか?
「ずっと負けずにやっていくのが理想でしたが、どこかのタイミングでは訪れます。そのタイミングが今回だったなと。これまでの試合でも、良い部分も課題もあったので、今日出た課題もチーム全体で改善して、もっと強いチームになっていければと思います」
Q:引いた相手に対するボールの動かし方や、悪い失い方をしないボール回しもだいぶ上手くなってきた印象がありますが、そこから先、こじ開けるために足りなかったことは?
「最後の精度の部分が一番だと思います。チャンスがなかったわけではないので、そこで点を取り切ること。失った後の切り替えも良く、すぐに取り返す場面もあったので、それは続けていきながら、あとは、どこでバランスを崩してチームとして点を取りにいくのか。(自ら)バランスを崩すことによるリスクはありますが、そのリスクを背負ってでも取りにいくところ、敢えて我慢して押し込む時間を作ること。その両方が必要かなと思います」
Q:奥埜選手自身、ゴール前に入って点を取りにいくシーンもありました。そこはタイミングを見て、自身もゴール前に入っている?
「チームとしてのプランがあるので、まずはそれを一人一人がやることが大事。それがチームにためにもなります。その上で、選手個々の良さを出していければいいと思います。僕であれば、ゴール前に顔を出していけること。2列目から入ればフリーになれますし、僕がニアで相手をつれば、ファーが空きます。そこは意識してやっているので。自分だけではなく、自分が動くことで他も空く。相手を見ながらそういう動きを増やしていければいいのかなと思います」
■田中 駿汰選手
Q:内容はしっかり示したが、セットプレーから2失点。どう受け止めていますか?
「流れの中から崩された形ではなかったですが、試合前からセットプレーは注意していたので。注意はしていましたが、相手のパワーで押し込まれた。そういうチームに自分たちがどう対応していくかは、これから考えないと、同じようになってしまう。でも悲観する内容ではないので、そこはポジティブに考えて、次に向けてやっていければと思います」
Q:セットプレーという部分では、こちらは数多く獲得したが、生かすことができなかった。攻撃でも、相手の守備における高さや圧力を感じる部分もありましたか?
「そうですね。高さはあったので、セットプレーからなかなかチャンスに結びつけることができなかった。もう少しショート(コーナー)なり、工夫しても良かったかも知れません」
Q:ボールの動かし方は、しっかり相手の動きを見ながら握れた感覚もありますか?
「そうですね。比較的、自分自身もボールは動かせましたが、そこまでチャンスを作れたかと言えば、そうではないので。ビルドアップからも、もっといい形を作っていければ違った結果になったと思います」
Q:今季初の敗戦ですが、試合後、監督から全体に向けての話は?
「負けた後が大事、ということは話されていましたし、それは選手もみんな思っています。連敗しないことが大事。いつかは負ける試合は来るので、それが今回だったということ。次はまたホームでできるので、連敗しないようにやっていきたいです」
■登里 享平選手
Q:今季初の敗戦の受け止めと、試合後の様子などは?
「ただただ悔しい、の一言ですね。開幕から8戦負けなしで自信も付いてきましたが、この負けで、より負けたくない、という思いも強くなりました。このタイミングで負けたこともパワーになると思います。勝ち慣れた、負けないチームになってきたこのタイミングで負けたことは、より一層、勝ちたい気持ちが強くなりました。そのあたりは、試合後もそうですし、ロッカールームでも、しっかりと受け止めながら、次に向かえる雰囲気はありました。次、連敗しないように準備していきたいです」
Q:内容としては、前半から相手を見ながらしっかりボールを動かして、失ってもすぐに奪い返すなど、概ね試合を支配していた中で、セットプレーから2失点。サッカーの試合では、あることと言えばあることですが、セットプレーの課題が出てしまった?
「監督より、試合前から『カウンターとセットプレーには注意しよう』という話もあったので、意識はしていましたし、前半からハーフコートでやる時間も長く、理想的な展開ではありました。(流れから)やられる気はしていなかった中で、セットプレーの(守備の)組み方や意識付けは、もっと大事にしないといけなかったと思います。(2失点目は)パトリック選手も入っていたので、ファーストで競るところと、折り返しへの反応と、相手の狙いを見て、コミュニケーションを取ることも必要でした。反省するところは反省して、次につなげることが大事。この敗戦をしっかりと受け入れて、次に向けていい材料にしていきたいです」
Q:今日も可変でのビルドアップは機能していたと思うが、点を取り切るために足りなかったことはどう考えますか?
「ペナルティーエリア内に入る人数を増やすことも必要ですが、そこは意識しています。後ろの5枚で押し上げて、しっかりとインサイドハーフや3トップの強みを生かせるようにやっていますが、もっともっとゴール前に人数をかけていくために、後ろはもっと安定させたいです。ただ、やれてはいるので、そこは継続しながら、よりフリーの選手を作っていくことも意識していきたいです」
Q:香川選手が入って以降は、よりコミュニケーションも多く取っていたように見えたが?
「相手の穴を見てプレーする選手なので、真司くんの動きを見ながらポジションを変えたり、バランスを見てプレーしていました。誰が入ってもそうですが、あのポジションに入る選手がストレスなくプレーできるように、距離感も含めて調整することは意識しています。(香川は)相手の嫌なところに入っていけますし、途中からでも、いくつもチャンスを作っていたので、あとはそれをゴールに繋げていけるようにしたいです」
■香川 真司選手
Q:今季初の敗戦ですが、受け止め方について
「内容的には圧倒していて、相手のロングボールとセットプレーで2失点した悔しい負け方ですが、これもサッカーの一部ですし、結果が全て。ただ、長いリーグを戦う上では、中身をポジティブに受け止める必要もありますし、この負けをネガティブではなく、ポジティブに振り返ることができる内容でもあったと思います。いつか負ける試合は来ますし、改めて気を引き締めて、謙虚にやっていきたいと思います」
Q:ピッチで表現した内容としては、今季の取り組みを出せた部分も多く、進むべき方向性は改めて示せたとも言えますか?
「そうですね。相手も引いていたので、内容的には勝ち切りたかった試合です。せめて引き分けが妥当かなと思うし、それぐらいの内容差だったとは思います。ただ、セットプレーでの2失点は反省しないといけない。いい勉強として、同じことを繰り返さないように次に挑みたいですし、ポジティブに切り替えていきたいと思います」
試合は支配もセットプレー2発に泣き、今季初の敗戦。開幕からの無敗記録は8でストップ
JリーグYBCルヴァンカップ2回戦・いわてグルージャ盛岡戦から中3日。セレッソ大阪は、再びアウェイにて名古屋グランパスとの明治安田J1リーグ第9節に臨んだ。先発はリーグ戦の前節・川崎戦と同じ11人。ルヴァンカップで約1ヶ月ぶりの公式戦出場を果たした香川真司がベンチに入った。
立ち上がりから引いて守る名古屋に対し、試合を支配したのはセレッソ。特にルーカス フェルナンデス、柴山昌也、毎熊晟矢で組む右サイドが優位性を保ち、相手を押し込む。4分、毎熊のFKから田中駿汰がヘディングで狙うと、13分にはCKから決定機。フェルナンデスのキックにファーサイドで舩木翔がヘディングで合わせ、ボールは絶妙なコースに飛んだが、相手GKランゲラックが触り無情にもクロスバーを直撃。惜しくも先制とはならなかった。続く18分にも決定機。舩木の縦パスをレオ セアラが落とし、奥埜博亮、カピシャーバとつなぎ、カピシャーバが縦に突破してクロス。フェルナンデスの折り返しを受けた柴山がペナルティーエリア内でシュートを放ったが、枠を捉え切れずクロスバーを越えた。柴山は29分にもドリブルで持ち運んでシュート。調子の良さを伺わせた。攻勢に出るセレッソは攻から守への切り替えも早く、相手ボールになった瞬間に素早くカウンタープレスを発動。高い位置で奪って2次攻撃につなげるなど、前半は名古屋にほぼ攻撃の機会を与えず、ハーフコートゲームを展開。「理想的な」(登里享平)内容で押し込んだ。もっとも、何度も得たセットプレーの機会も生かせず、スコアを動かすことはできなかった。
後半も開始早々にセアラが起点となりビッグチャンス。毎熊、フェルナンデスの2人で右サイドを突破すると、最後は中で奥埜が合わせてゴールに迫ったが、惜しくも枠を外れた。ただし、後半は選手も入れ替えてきた名古屋に両サイドからチャンスを作られ始めると、65分、CKから先制されてしまう。この試合、相手に与えた最初の決定機が失点につながった。今季ここまでの8試合では全て先制し、1度もリードされた展開はなかったが、今季初めて先制点を許してしまった。それでも2分後、すぐさま同点に追いつく。相手GKからDFに出たパスがズレたところを、フェルナンデスが見逃さずにボールを奪うと、狙い澄まして中へクロス。これをセアラが合わせてゴールネットを揺らした。ここからさらに逆転を目指してセレッソが猛攻を仕掛ける。72分には、登里がドリブルで運び、途中出場の香川、毎熊とつないで右サイドを崩すと、フェルナンデスのクロスにセアラとカピシャーバが飛び込むも、わずかに合わず。失点以降は名古屋にチャンスらしいチャンスは与えず試合を進めていたが、82分、FKの流れから勝ち越しゴールを決められてしまった。土壇場で再び追いかける展開となったセレッソ。それでも最後まで諦めずに同点、逆転を目指して攻めると、85分には、香川のスルーパスに抜け出したセアラに決定機も、シュートはわずかに枠を外れた。
試合はこのまま1-2で終了。リーグ戦9試合目にして、今季初の敗戦となった。もっとも、試合後の監督、選手たちの表情に落胆の色は見られず、「このタイミングで負けたことで、より一層、勝ちたい気持ちが強くなった」と話した登里を筆頭に、どの選手も次節へ向けて気持ちを切り替えていた。押し込んだ中で決め切る攻撃、セットプレーの守備対応と課題も出たことは確かだが、内容的には「準備してきたことができた」(小菊監督)と悲観することはない。「負けた後が大事、ということは監督も話されていましたし、選手もみんな思っていること。連敗しないことが大事」と田中駿汰。次節はホームに戻っての横浜F・マリノス戦。ヨドコウ桜スタジアムにセレッソファミリーのパワーを結集させて、勝点3を掴み取る。